防衛大臣記者会見概要

平成29年12月8日(10時25分~10時48分)

1 発表事項

 まず、日英外務・防衛閣僚会合の開催について報告いたします。事情が許せば、12月13日から英国を訪問し、翌14日、ロンドンにおいて行われる第3回日英外務・防衛閣僚会合に参加いたします。また、同日、新任のウィリアムソン国防大臣との間で初となる日英防衛大臣会議を開催する予定です。一連の会合において、双方の安全保障・防衛政策について意見交換を行うとともに、北朝鮮問題を含め益々厳しくなる安全保障環境に対する互いの認識を共有し、その対応について協議をしたいと思っています。また、先般のメイ首相の訪日の際の成果を踏まえ、共同訓練や防衛装備・技術協力といった具体的な協力の進め方についても議論してきたいと思います。日英は互いにアジアと欧州における最も緊密な安全保障のパートナーであり、今回の「2+2」閣僚会合及び防衛大臣会談を経て、日英関係を更に強化していきたいと思っております。2点目は、スタンドオフミサイルの導入についてです。今般、一層厳しさを増すわが国を取り巻く安全保障環境を踏まえ、自衛隊員の安全を確保しつつ、わが国を有効に防衛するため、相手の脅威圏外から対処できるスタンドオフミサイルとしてF-35Aに搭載するJSM等を導入することとし、本日、防衛省として追加的に予算要求を行う予定です。今後、平成30年度予算編成に向け、財務当局と調整を行ってまいります。スタンドオフミサイルの導入により、わが国防衛において、敵の探知範囲・射程といった脅威圏外から、すなわち、敵に近づくことなく、わが国に侵攻する敵の水上部隊や上陸部隊に対処することで、より効果的かつ安全に各種作戦を行うことが可能になります。現在、北朝鮮の弾道ミサイルからわが国を守るイージス艦の重要性がさらに増しておりますが、このイージス艦を敵の脅威圏外から防護する上でも、スタンドオフミサイルの導入は必要不可欠であります。わが国防衛に従事する自衛隊員が、より安全に任務を遂行できるよう適切な装備を整えるのは政府の責任であり、このようなミサイルを整備することは必要です。なお、今般のスタンドオフミサイルは、あくまでわが国防衛のために導入するものであり、いわゆる「敵基地攻撃」を目的としたものではありません。いわゆる「敵基地攻撃能力」については、日米の役割分担の中で、米国に依存しており、今後とも、日米間の基本的な役割分担を変更することは考えておりません。また、このようなミサイルは、あくまでわが国防衛のために導入するものであり、専守防衛に反するものでありません。今後とも、専守防衛の考え方にはいささかも変更はありません。細部については、本日、追加的な予算要求を行った後、事務方からブリーフィングを実施いたします。

2 質疑応答

Q:昨日、沖縄県宜野湾市で保育園に航空機のものと見られる落下物が発見された件で、新たな情報と、また、それに対しての改めての受け止めをお願いいたします。

A:本件事案については、昨日、宜野湾市から沖縄防衛局に対し、市内に所在する保育園の屋根に航空機の部品と見られるものが落ちてきたとの通報がありました。防衛省としては、この通報を受け、沖縄防衛局の職員を現地に派遣するとともに米側に事実関係を照会しているところです。さらに、昨日午後、沖縄防衛局長が在沖縄米海兵隊司令部を訪問し、早期の事実確認について申入れを行ったところであり、米側からは、引き続き事実関係を調査中であり、結果が判明し次第連絡をするとの回答を得ております。いずれにしても、防衛省としては引き続き情報収集に努め、米側から詳細な情報が得られ次第、沖縄県を始め関係自治体にお知らせする等、適切に判断していきたいと思っております。

Q:一部報道で、政府が国家安全保障戦略について、来年末を目途に改定する方向で検討しているとありました。これについての事実関係をお願いいたします。

A:その報道については承知しております。平成25年12月に閣議決定された国家安全保障戦略の内容については、概ね10年程度の期間を念頭においており、各種政策の実施過程を通じ、NSCにおいて定期的に体系的な評価を行い、適宜適切にこれを発展していくこととしております。その上で、情勢に重要な変化が見込まれる場合には検討を行い、必要な修正を行うとしておりますが、御指摘のような事実はありません。

Q:陸上自衛隊が導入するオスプレイの佐賀空港配備について伺います。2018年秋から機体が順次米国から輸送されてくる中で、施設整備が間に合わない状況にあります。従来どおり佐賀空港への配備を進めていくとのことですが、現地への了解をいつまでに取り、いつ頃の駐屯地開設を目指すのか、今後のスケジュールを教えて下さい。関連して、2018年秋以降、機体をどのように保管、運用していくのか、想定しうる方法についてもお願いいたします。

A:防衛省としては、施設整備が完了するまでの間のV-22オスプレイの一時的な処置については、様々な選択肢を検討しております。また、佐賀空港の施設整備に着手するためには。佐賀空港の管理者である佐賀県知事や地権者の合意が必要であると認識しており、できる限り早いタイミングで佐賀県知事や地権者の同意をいただくことが不可欠です。他方、V-22オスプレイの佐賀空港配備については、佐賀県民の皆様に丁寧な説明を尽くして御理解をいただきたいと考えており、これまで同様、一方的に期限を設定する考えはありません。防衛省において、施設整備の工期やV-22オスプレイ等の配備スケジュールを検討しているところですが、いずれにしても、速やかに施設整備に着手するため、佐賀県知事をはじめ、地元の皆様の御理解をいただけるよう、より一層のスピード感を持って丁寧に説明してまいります。

Q:JSM等の導入についてお伺いいたします。まず、JSM等ということは、他にも同様のミサイルを導入するのか、JASSM-ER等も指摘されておりますが、他にも検討をされているのでしょうか。

A:今回、追加要求で検討しておりますのは、F-35に搭載するJSM、F-15等に搭載するLRASM及びJASSMを導入することとし、そのために必要な経費を計上すべく、追加的な要求を行うと考えております。細かいことですが、よくJASSM-ERという言い方がありますが、今JASSMはこのJASSM-ERしか作っておりませんので、このERのことをJASSMと私どもは呼んでおります。

Q:関連ですけれども、それぞれのミサイルの最大射程距離についてはどのように分析をしておりますでしょうか。

A:ミサイルの射程距離は、これを明らかにすることになれば、わが国の具体的な防衛能力を露呈することになりますので、これは従来からお答えは差し控えさせていただいておりますが、その上であえて申し上げれば、例えばジェーンズ年鑑のような公刊資料によれば、JSMは約500km、JASSMは約900km、LRASMは約900kmと承知をしております。これはあくまでも、公刊情報ベースのものであり、自衛隊が導入した場合における実際の射程距離を示すものではありません。

Q:スタンドオフミサイルという言い方をされましたけれども、これはどのような定義で、どの程度の脅威圏外、距離という意味で使っているのでしょうか。

A:これは、私どもが想定しています相手の脅威圏外という考え方で装備するミサイルですので、スタンドオフミサイルと私どもは呼んでおります。

Q:JSMとLRASM、JASSMはそれぞれどのような運用の仕方を想定されているのでしょうか。

A:JSMについては、導入予定のF-35A、ステルスタイプの戦闘機ですが、これに装着する予定になります。JASSM、LRASMにつきましては、F-15に、これは機体の改修等が必要ですが、回収した上で装着する予定と私どもは考えております。

Q:中には対艦と対地ミサイルを兼ねているものもありますが、対地の方の使用方法というのはどのようなものなのでしょうか。

A:JSMについては、これはノルウェー製のものでありますが、F-35に搭載し、これは対艦、対地の能力を持っております。そしてJASSMに関しては米国製であります。これは対地の能力を持っています。LRASMについては、同じく米国製で、対艦、対地の能力を持っております。私どもとしては、対艦の能力、あるいはわが国防衛のために対地の能力も必要だと考えております。

Q:米国製あるいはノルウェー製ということですが、各国、特に米国製からは既に同意を取り付けてらっしゃるということでよろしいでしょうか。

A:今まで様々な調整を行ってまいりました。夏の概算要求の時点で概算要求できなかったのは、その様々な調整をするという中で予算の中に組み込めなかったということでありますが、その後調整がつきましたので今回追加的に予算要求をさせていただくことになりました。

Q:事項要求もしなかったのはどういった考えですか。

A:調整の過程で、まだこのような最新の装備が導入できるかどうか、相手国の考え方もありますから、それがまだ固まっていなかったということで事項要求もいたしませんでした。

Q:追加要求なのですけれども、これはどういった内容での要求になるのでしょうか。取得に向けた調査とかそういうことですか。

A:JSMについては、取得をする予算要求になります。そして、LRASM、JASSMについては、今回はF-15に装着することがまず前段階で必要ですので、装着することについての調査・準備ということになります。

Q:要求額はいくらなのでしょうか。

A:後ほど、事務方からブリーフを受けていただければと思います。

Q:この長射程ミサイルは、いわゆる離島防衛などの想定はしているのでしょうか。

A:私どもとしては、ミサイル防衛に対応するイージス艦を守るという能力、それから、当然わが国防衛で使用するということになります。離島もわが国に入ると思います。

Q:JASSMとか約900kmあるわけで、敵のアウトレンジから狙うとしたらかなりの長い距離、制空権・制海権を奪われているという状況も想定しているということなのでしょうか。

A:私ども防衛当局として、様々なことを想定して備える必要がありますので、もちろん航空優勢を維持することは大変重要であります。ただ、どのような場合が起きるかもわかりません。そのような場合にあっても、隊員が安全を確保した上で敵の脅威を排除できる、そのような装備だと考えております。

Q:例えば沖縄本島などが、離島防衛というと南西とかを想起させるのですけれども、この場合、約900kmのレンジで使わざるを得ない事態というのは、例えば沖縄本島の米軍基地も制圧されているということになると思うのですが、それも最悪の事態としてはあり得るということでしょうか。

A:具体的な事例に関しての使用については、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。

Q:ロフテッド軌道で通過する北朝鮮のミサイルに対して、日本の迎撃ミサイルで対応するのはほぼ不可能なのではないかと思われます。敵基地攻撃能力を持つミサイルを保有する方針であるとのことですが、これは北朝鮮へ直接攻撃する意図というのがあるからなのでしょうか。

A:まず、ロフテッド軌道を含む様々な攻撃をしてくる対応はあると思いますが、私どもとしては、BMD態勢でしっかり対応していくということだと思います。また、今回のスタンドオフミサイルに関しては、あくまでも、わが国防衛に使用するということです。

Q:話題変わりまして、日英「2+2」で、英国との協力の重要性ということで、防衛装備でイギリスの強みというところで、こういうところが日本と合致して、今後協力の余地があるのではないかなど、何かいくつかあれば教えていただきたいのですが。

A:もう既にミサイルの開発において、イギリスが既に開発、そして実績のあるミサイル、そして日本の得意な分野、例えば相手を捉える目の部分、シーカーの部分、こういうものを組み込んだ中で、さらに能力の高いミサイルが開発できるのではないかとか、防衛当局間、特に装備当局間では、様々な提案・検討をしていると承知をしています。

Q:日中海空連絡メカニズムについてですが、日本外務省が大きな進展があったというふうに発表がありました。今回、防衛当局も参加していたと思いますが、日中の防衛当局間にどのような大きな進展があったのか、そして、今後の見通しについてどのようになるか教えていただけますか。

A:第8回「日中高級事務レベル海洋協議」が12月5日から6日まで、中国・上海において開催され、防衛省からも関係省庁とともに参加をいたしました。今回の協議においては、双方が関心を有する海洋分野の問題について幅広く突っ込んだ意見交換を行い、防衛当局間の海空連絡メカニズムについては、先般の日中首脳会談において協議の加速をすることで一致したことを踏まえ、重点的に議論を行った上、前向きな進展が見られました。日中間においては、今回の進展を踏まえ、引き続き調整を行うこととなっております。同メカニズムの早期運用開始に向け、日中双方で努力をしてまいります。外交上のやり取りなので詳細については明らかにいたしませんが、まだ、大筋合意ということではなく、大きな進展が見られたということですから、さらにもう少し努力が必要だと思っています。

Q:JSM等の予算が順調に認められたとして、実際に自衛隊に配備されるメドというのは、いつ頃をお考えでしょうか。

A:私どもとして、F-35の配備がこれから順次導入をされ、飛行隊が当然編成をされ、それなりに練度の高い運用ができる、そのタイミングに合わせたいと思っております。

Q:JSMというのは、開発中というような情報もあるのですが、これは既に購入して配備は早めにできるという見立てでいいのでしょうか。

A:私どもとしては、JSMについては、これを購入し配備をするという想定で、話を進めております。

Q:少し話が変わってしまうのですが、今月4日に米韓合同軍事演習が始まり、北朝鮮はこの演習に強く反発しております。また、アメリカの上院軍事委員会のグアム上院議員は、アメリカ国防総省に在韓米軍の家族に退避をさせるよう求めております。もしアメリカが北朝鮮に攻撃を加えるようなことがあれば、日本もその攻撃に参加するということはあり得るのでしょうか。

A:私どもとしては、日本の防衛に必要な措置を取っていきたいと思います。

Q:日本の防衛に必要な措置についてなのですけれども、もし攻撃を仕掛けることになりましたら、北朝鮮の報復による第二撃というものが十分に考えられると思います。その際に被害を想定したシミュレーションなどは行われているのでしょうか。

A:具体的な仮定に対するお答えは差し控えさせていただきたいと思います。

Q:仮定の話と言いますが、北朝鮮からの飽和攻撃というのは十分考えられると思いますが、そうするとどうしても確実に被害が出るのではないかと思うのですが、その点については何かシミュレーションというのはないのでしょうか。

A:繰り返しますが、仮定の話にはお答えは差し控えさせていただきたいと思います。

Q:話題が変わりますが、10日で沖縄県の翁長雄志知事が就任して3年になります。この間、辺野古の問題で訴訟を繰り返すなど対立が続いていますが、政府として翁長知事の基地問題に対する姿勢や取組みについて、どのように評価されていらっしゃいますでしょうか。

A:翁長知事は3年を経られて県民からも高い支持を得られていると思います。様々な施策において、沖縄県の為に懸命に仕事をされていると承知をしております。その上で、この安全保障、自衛隊が関する基地問題についてでございますが、翁長知事とは2度目の防衛大臣に就任した直後の今年8月に、私が直接沖縄に向かいまして、知事と面談し、沖縄の負担軽減に係る取組みについて説明をさせていただきました。普天間飛行場の一日も早い返還を実現し、同飛行場の危険性を除去することが極めて重要な課題であるということは、国と沖縄県の共通認識だと思います。防衛省としては、昨年末の最高裁の判決及び昨年3月の和解の趣旨に従い、今後とも国と沖縄県の双方が互いに協力して誠実に対応し、辺野古移設に向けた工事を進めていくことが求められると考えております。また、同飛行場の辺野古への移設を含め、沖縄の負担軽減に係る政府の取組みについては、これからも説明を尽くす努力を継続していく必要があると考えており、今後とも政府全体で連携し、あらゆるレベルで沖縄県との対話を深めていくことが重要だと考えております。

Q:辺野古移設について、協力が得られていないことについては、どのように評価されていますでしょうか。

A:普天間の危険性除去という考えは、知事も私どもも一緒だと思います。そして、辺野古への移設については、私どもはこれからも丁寧に説明をしながら、御理解をいただく努力を続けていきたいと思います。

以上

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