日米防衛相共同記者会見概要

平成29年2月4日(11時10分~11時38分)

マティス国防長官の発言及び英語による質問については、基本的に通訳者の発言を記載しています。

1 発表事項

(稲田防衛大臣)
 皆さん、おはようございます。本日はマティス米国防長官を防衛省でお迎えできたことを大変喜ばしく思います。マティス長官との初めての防衛大臣会合でしたが、大変有意義な意見交換をすることができました。本日の会談では、日米同盟がわが国とアジア太平洋地域の平和と安定の確保のために重要であること、同盟の抑止力・対処力を一層強化すべく日米が連携していくことを確認いたしました。地域情勢についても意見交換いたしました。北朝鮮による核・ミサイル開発の進展は、日米両国や地域の安全保障上の重大な脅威であるとの認識で一致いたしました。また、東シナ海・南シナ海における中国の活動は、アジア太平洋地域の安全保障上の懸念であるとの認識を共有いたしました。マティス長官から、尖閣諸島は日本の施政下にある領域であり、日米安全保障条約第5条の適用範囲である、米国は尖閣諸島に対する日本の施政を損なおうとするいかなる一方的な行動にも反対する旨が表明されました。また、私から、航行の自由作戦を含む南シナ海における米軍による行動は、法に基づく海洋秩序の維持に資するものであり、こうした取組みを支持している旨をお伝えし、能力構築支援など、南シナ海への関与を強化していくことで一致いたしました。私から地域の平和と安定のため、わが国が積極的に役割を果たしていく考えをお伝えをいたしました。マティス長官からは、米国による日本の防衛義務や拡大抑止への揺るぎないコミットメントを伝えられ、日米ガイドラインを踏まえつつ、日米同盟の抑止力・対処力を一層強化する必要があるとの認識で一致いたしました。在日米軍再編は、沖縄をはじめとする地元の基地負担を軽減する重要な事業です。私からマティス長官に、在日米軍再編の着実な進展に向けた協力を要請し、マティス長官からは日米で連携して進めていきたい旨の発言がありました。また、私から、普天間飛行場の一日も早い移設と返還を実現する必要がある旨お伝えし、マティス長官とは辺野古への移設が唯一の解決策であり、引き続き協力することで一致いたしました。さらに私から、沖縄の負担軽減について協力を要請し、在日米軍の安定的な駐留を確保するため協力することで一致いたしました。最後になりますが、本日、マティス長官と大変有意義な、そして、率直な意見交換ができたことを大変嬉しく思いますし、また、引き続き、長官との間で日米同盟の強化・深化のために協力をしていく所存でございます。

(マティス国防長官)
 皆様、おはようございます。いらしていただいてどうもありがとうございます。稲田大臣、ホスト役、どうもありがとうございます。国防長官として、初の海外訪問で日本をお訪ねでき光栄に存じます。海兵隊の若い少尉として初めて日本を勤務して以来のことですから、実に久しぶりです。当時、いい思い出がございますし、良き友を得ることができました。明らかに当時に比べて多くの変化が起こりました。ただ一つ確実なことがあります。日米同盟は恒久的なもので、アジア太平洋地域の平和と安全の礎として続くということであります。ご安心下さい。トランプ政権は当地域をなかんずく、日本等の長年の同盟国を高く重視しており、稲田大臣にも申し上げました。アメリカが日本の防衛に安保条約の下でコミットし続け、域内の平和と繁栄と自由のために、同盟をさらに強化していく姿勢であります。本日は大臣とともに安全保障の状況について討議いたしました。私からは、はっきりと我々の尖閣諸島に関する、長きに渡る政策は堅持すること、アメリカは、尖閣は日本の施政下にあり、日米安保条約の第5条が適用されると申し上げました。日本の方がよくご存じのように、我々、共に域内で多くの安全保障上の課題に直面しております。北朝鮮の核とミサイルの脅威、挑発行為にはじまり、東シナ海・南シナ海のますます対立的な行動を示している中国までであります。安全保障の環境は変わりつつあります。本日の会談で稲田大臣と私はこれらの、また、その他の安全保障に関わる問題について、緊密な連携を今後もとり続けていくことを確認いたしました。また、日本が東南アジアのパートナー国と安定化に努め強化なさっていること。そして、それが域内の平和と繁栄と自由に寄与しているということで、アメリカは多としている旨をお伝えいたしました。米日同盟は域内の安全・安心を今だけでなく、今後何年も確実にしていく上で不可欠なものであります。2015年の防衛ガイドラインは日本の平和安全法制が土台となり、今後、より多くのことを一緒にできるようになるでしょう。相互運用も増え、日本の平時から有事に至るまでの能力も強化されることでありましょう。必要であればということです。今後、双方でいくつもの重要なステップが踏まれ、相互の目的である、目標である、日本の協力の防衛、そして、全ての国が広範に受け入れられる国際的なルールの下、行動し恐怖のない状態で繁栄できる安定した域内環境が実現していくでありましょう。アメリカは同盟への投資として、日本に最新鋭の能力を配備し、頑健な兵力体制を維持してまいりました。大臣にも申し上げたのですけれども、アメリカは相互に合意された再編プランにコミットしています。海兵のグアム移転と沖縄でのフットプリントの縮小等でありますが、あくまでも日本及び当地域の安全を確保する能力は維持してまいります。日本での討議を通じまして協力し合い、普天間の移設先の施設を整備する努力を続けることに合意いたしました。これは現在の海兵隊の普天間飛行場をアメリカが日本に返還する唯一の解決策であります。日本は域内の安全及び同盟に特筆に値する貢献をなさっておられます。アメリカが日本の貢献に深く感謝しております。ただ、間違えないで下さい。日本のリーダーとの会見で双方ともいろいろ課題が噴出する現在でありますので、今の状態に決して慢心してはいけないということは意識し合っております。同盟の成長に合わせて、日米両国が防衛の人材、能力に投資を続けることが重要であります。それを通じて常に真のパートナー同士として、今日も今後も何年も進んでいくことができるのであります。アメリカは友好国と同盟国に寄り添ってまいります。稲田大臣、ホストしていただいてどうもありがとうございました。日本に戻って来れて嬉しかったです。ワシントンで、次、大臣をお迎えすることを楽しみにしております。どうもありがとうございました。

2 質疑応答

Q:マティス長官と稲田大臣、双方に伺います。日米同盟の重要性、日米双方の役割をどのように考え、沖縄県の尖閣諸島に日米安全保障条約が適用されるという認識に今後も変わりないでしょうか。また、南シナ海や東シナ海で海洋進出を強めている中国や核・ミサイル開発を進めている北朝鮮にどのように対応していくか、また、アメリカ軍普天間基地の移設にどのように取組んでいくかをお聞かせ下さい。

A(稲田防衛大臣):まず、日米同盟の重要性、これは揺るぎのないものであって、わが国の平和と安定、そして、この地域全体の平和と安定と繁栄、そして、この地域の将来にとって非常に重要なものであるということをあらためて本日の会談の中で確認をしたところであります。また、米国からは累次にわたって、尖閣諸島は日本の施政下にあって、日米安保条約第5条の適用の範囲であるということが表明されてきたわけですけれども、これが新政権においても、マティス長官から明確に適用の範囲であるということが表明され、米国の継続したプレゼンスを通じて、アジア太平洋地域への米国のコミットメントを強化していく旨の表明があったことは、わが国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中において、こうした米国のコミットメントは大変に意義のあることだというふうに思っております。また、北朝鮮や中国についてのご質問がございましたけれども、やはり、日米同盟の抑止力・対処力を一層強化する必要があるということで一致いたしました。また、その上で地域の平和と安定のために、わが国としても積極的に役割を果たしていくこと、また、同盟におけるわが国の役割を強化していくことをマティス長官にお伝えをしたところであります。中国は、わが国にとって重要な隣国でもありますので、中国との建設的な対話のためのドアは常に開けているということなどもお話をしたところでございます。また、普天間飛行場については辺野古への移設が唯一の解決策であるという立場を、今回あらためてマティス長官との間でも確認し、政府として移設に向けた工事を着実に進めていく考えであります。本日の会談も踏まえ、そして、信頼関係の上に、揺るぎない日米の同盟の絆をさらに確固たるものとしたいというふうに思っております。南シナ海や東シナ海、様々な力による現状変更がございますが、しっかりと価値観を共有する国々と、平和と安定を築くために、自由と民主主義と法の支配を貫徹するためにしっかりと連携をしていきたいと考えております。

A(マティス国防長官):稲田大臣が仰って下さったように、日米同盟は揺るぎないものです。お互いに一緒に立てばより強くなれる、韓国とも一緒に立てばより強くなれるということであります。でも安住はしてはいけない、慢心はしてはいけないということです。同盟についても。安全環境が変わるごとに自分も順応していかなくてはいけない、慎重に一つ一つ対応していく、共に連携していく必要があります。そして現段階ではあるけれども、アジア太平洋において安定を守っていく必要があります。特に多くの問題もございますので。そしてルールをベースにした国際的な秩序が絶対に守られることが必要でありますので、直近のフォーカスといたしましては、主に北朝鮮の核・弾道ミサイルの脅威を見てまいります。そして、共に協力し合って国際秩序がルールベースであり続けるように、そして、どこかの国が別の国を追い出すことがないようにということで、しっかりと確信をもってルールベースのアプローチを堅持する、どんな紛争が起こっても、ということで姿勢を守っていきたいと思っています。

Q:ホワイトハウスは数日前に言っています、今後、告示を出すということなのですけれども、何の告示を出すということなんですか。警告を出すということなのですか。例えば軍事的な力を今後、警告に伴って出すといったようなことを言っているわけで、例えば、第二の空母を湾岸に送るとか、例えば軍の派遣をするとか、何か考えておられるのでしょうか。何か裏付けのある警告ということになるんでしょうか。何を意味しているのでしょうか。それからもう承認を受けたわけですけれども、公聴会で長官はおっしゃっておられました。この反ISILのキャンペーンは強化しなければならない、ラッカを奪取しなくてはいけないというふうに言っていますけど、そのためにはシリアに米軍を増兵するということですか、具体的に。稲田大臣にもご質問があります。最初の冒頭の発言でおっしゃっておられましたけれども、日本は今後同盟のやることを強化していくというふうにおっしゃっておられましたけれども、アメリカは懸念があるんですね、もっと資金的な負担を日本にして欲しいと在日米軍の駐留費に関して、これについてはどうお考えでしょうか。

A(マティス国防長官):イランについての話でありますけれども、これが最大の国家が主導のテロなんですね。世界で。ですから賢明に考えればイランがやっていることというのは、いろいろ人の注目を集めているんだということを認識すべきである。他の国と一緒にアメリカとはもちろん安定を保っていきたいというふうに思っている、だからイランには、はっきりこのことを言うことが必要なわけであります。単に無視するのはよろしくない。そして無いことにするのも、見て見ぬふりすることもよくないということであります。ただ、中東における兵力を今の段階で増やすといったような計画はありません。そんな手持ちの札は持っていないわけであります。もちろん増やそうと思えばいつでも増やせる能力はあるけれども、現段階において増やす必要はないと思っております。あと一つ申し上げたいのですけれども、今の状況を見ますとイランの状況なのですけれども、ルールベースの国際秩序に対して、果たして守っていく気があるのかどうかということで疑いがあるということなのですね。いろんな不正な行為も目立つと、レバノンとシリアとかイエメンとかバーレーンとか、ということでこの問題はどこかでちゃんと決着をつけないとならないのです。

A(稲田防衛大臣):日米同盟が、大変わが国にとっても、この地域の将来にとっても重要な同盟であるということは、ますますその重要性を増しているというふうに思います。その中で、わが国が同盟の中でどのような役割を果たしていくか、そして積極的に役割を果たしていくということをお話をしたわけでありますが、安倍政権になってから、平和安全法制そして日米ガイドラインなどを通じて、例えば平素から米軍のアセット防護を可能にしたり、集団的自衛権の限定的な部分の行使を認める等々ですね、憲法の許す範囲内で、日本の憲法が許す範囲内でしっかりと世界の平和にも貢献しておりますし、また、日米同盟の強化ということに資することも行ってきているわけであります。さらに安倍政権になってから、防衛大綱を改定し、そして中期防衛整備計画に基づいて、安倍政権になるまでは10年間ずっと防衛費はマイナスだったわけですけれども、安倍政権になってからは、連続で毎年伸ばしているわけであります。しっかりとわが国の防衛力を強化をしているということを申し上げたいというふうに思います。わが国の防衛力の強化、そして価値観を共有する国々への能力構築支援など、この地域の平和と安定のために、日米同盟における積極的な役割を果たしているというふうに思っております。その上で、長官との間で在日米軍駐留経費負担については、まったく議論はなかったわけであります。現在、双方の合意に基づいて適切に負担をしていると考えております。

Q:稲田大臣とマティス長官双方にお伺いいたします。今、稲田大臣の回答にもありましたけれども、トランプ大統領が、選挙期間中に言及をしていた在日アメリカ軍の駐留経費の日本側負担増に関して、マティス長官はこれまで、同盟国に応分の負担を求める考えを示してきました。駐留経費について、今後どのように対応していくような考えがありますでしょうか。また、防衛費に関して、日本の防衛費はGDPのおよそ1%となっております。このことに関してはどのようにお考えでしょうか。

A(稲田防衛大臣):在日米軍駐留経費負担に関しては、先ほどお答えしたとおりで、今回の会談では議論が無かったわけであります。そして、同盟におけるその分担というのは、何も金銭的なものに限るわけではないというふうに思っております。また、防衛関係費については、先ほども申し上げましたが、平成26年度から平成30年度の中期防衛力整備計画に基づいて、5年間、実質平均0.8%伸ばす計画になっていて、引き続き確実な防衛力整備に努めていきたいというふうに思っております。長官との会談においては、厳しさを増す安全保障環境を踏まえ、日本は防衛力を、質も量もですけれども、しっかりと強化し、自らが果たしうる役割の拡大を図っていく方針である旨をお伝えをしたところです。

A(マティス国防長官):日本は本当にモデルだと思っております。コスト負担ということで、我々は常に対話をこの件についてはやっているんですね、詳細に常に話をしております。そして日本とアメリカで、経費の負担、分担が行われているということは、他の国にとってモデルになるというふうに思っております。お手本になると思うのです。そして安全保障環境は悪化している。安倍総理の元で予算は増えております。防衛のガイダンスもあるということで。こういったステップが着々ととられている。そして日米双方の軍事的なポジションを安全保障に対してちゃんと対応できるようにすると、今日も明日もということで正しい路線を日本は歩んでおられると思います。

Q:マティス長官に伺います。アメリカはあまり進展を期待していないところもあるのですね。中国に対して活動をスローダウンせよ、特に建設作業を南シナ海で止めようと強く出ておられないのですけれども、強く中国に対して南シナ海に出て行くおつもりでありますでしょうか。例えば、どういった軍事的な措置みたいなものを取り得るのでありましょうか。稲田大臣に伺います。もしアメリカ側が先制打撃をやると、日本側に伝えた場合、安倍政権はどう反応するか、お願いします。

A(稲田防衛大臣):前半の質問の前提がちょっとわかりません。

Q:もしアメリカ側が日本に北朝鮮に先制打撃をやると、日本側に伝えた場合は、安倍政権はどう反応するのかということです。

A(マティス国防長官):我々は南シナ海において、見てきたわけです。中国が信頼を踏みにじったわけです、この地域において。そして拒否権のようなもの、経済、安全保障、外交上のものについて、近隣諸国に対して発動しようとしているようなイメージであります。国際的な秩序をベースにして何が重要か、それはルールに基づいて履行するということです。それが破られた場合には仲裁にかけるということです。軍事的な手段を使うとか、領土を占領するといったことはやらないわけです。公海の場合もあるし、また、土地の領有権などはさておいてということなんです。何しろ外交的な努力に訴えるということです。適切にオープンなコミュニケーションラインを維持していくということの方が重要であるというふうに思います。軍事的なスタンスということは、我々はその外交団をまず強化しようと思っているわけです、現段階において、別に軍事的な作戦は必要ないと思っております。それに類似したものも全然必要ありません。それは解決になりません。外交官に任せたいです。それから航行の自由はもちろん絶対的に重要であります。商船であろうと、アメリカの海軍の船舶であろうと、ということであります。公海で演習をやります。また通過も行います、公海については適切ですから。ということで現段階において別に何か劇的な軍事的な動きをする必要は感じておりません。全くないです。

A:(稲田防衛大臣)北朝鮮に関しては、昨年核実験を2回、そしてミサイルは20発以上、潜水艦からの発射やムスダン、そして同じところから3発同時に着水させるなど、私達は北朝鮮のミサイルの脅威というのは、新たな段階に入っているというふうに思います。そして、それにどのように対処していくかということも長官との間でお話をしました。しっかりとそのミサイル防衛力をつけていく、さらには、重要な隣国である韓国との間で、ようやく長年の懸案であったGSOMIAも発効をしたわけであります。日米同盟、さらには日本と米国と韓国、この3ヶ国からしっかりと協力をしていくということが、まずは重要なことだろうと思っております。その上でやはり日本は憲法9条の下で専守防衛でありますし、打撃力は持っていないわけであります。その点は日米同盟の間で役割分担ができているわけでありますけれども、まずはしっかりとそういう状況にならないように協力をしていく、さらにはこの地域における日本と米国とのその同盟の強化、何かあれば米国の打撃力というものもあるという抑止力、そういったことも含めた形で北朝鮮に対しては対峙をしていくということが重要だと思っております。

以上

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