防衛大臣臨時記者会見概要

平成28年11月16日(17時35分~17時42分)(日本時間)

1 発表事項

 本日、日ASEANの防衛担当大臣会合が13時30分から約90分間、議長のチャンサモーン国防大臣の下で、私とASEANの防衛担当大臣の方々が参加をして開催されました。まず、本会合では、最近の朝鮮半島、東シナ海、南シナ海における情勢について触れつつ、「法の支配」及び紛争の平和的解決の重要性で一致をしたところです。次に、共通の課題に対処するため、日ASEAN防衛協力の一層の推進についても一致をいたしました。特に、今回の会合では、ASEANの中心性と一体性に資する取組みとして、わが国独自のイニシアティブである「ビエンチャン・ビジョン」を表明させていただき、各国から歓迎を受けたところです。本ビジョンはASEAN全体への防衛協力の方向性について、透明性をもって重点分野の全体像を初めて示すものです。日ASEAN次官級会合でフォローアップし、省内の検討体制も整備してまいります。本ビジョンの下、日ASEANの友好と協力の伝統を維持し、防衛協力を創造の精神をもって充実させていくことが重要だと考えております。本ビジョンにおいては、1.「法の支配」の貫徹のための海洋、航空分野における国際法の認識の共有、2.海洋安全保障における能力強化のための情報収集・警戒監視、捜索救難の能力向上の支援、そして、3番目として諸課題に対処するための多分野でのASEANの能力向上、と3つの協力の方向性を明確にしたところです。これらを成し遂げていくために、防衛協力には様々な手段があります。国際法セミナー、能力構築支援、防衛装備・技術協力、訓練・演習、人材育成・学術交流など、様々な協力を組み合わせてASEANのニーズに応えていきたいと思います。また、省内において、今後、このための副大臣をヘッドとした省内体制を整備すべく事務方に指示をしたところです。この後、16時30分から、チャンサモーン国防大臣と防衛大臣会談を行い、日ラオスの防衛協力交流、地域情勢についての意見交換をする予定でございます。

2 質疑応答

Q:「ビエンチャン・ビジョン」を打ち出したということですけれども、今、現時点で、具体的な案件というのは決まっているのでしょうか。

A:今までASEANとの様々な協力や、また、能力構築支援などもやってきたのですけれども、しっかり方向性、そして、ASEANが一体的に、また、能力を上げていくということの方向性について、透明性をもって重点分野の全体像を示すことが、意義があるというふうに思っております。その上で、副大臣をヘッドとした省内体制を整備をして、具体的な検討を進めていくつもりであります。今日も様々な意見が出ましたが、やはり、ASEANの諸国というのは、わが国のシーレーンの要衝を占める地域に位置しておりますし、伝統的なパートナーでもあるASEANの諸国とともに地域の平和と安定にとって役割を果たしていくと。ASEAN諸国の防衛協力の強化というのは重要な課題だというふうに思っております。そして、今日の会合の中でも、様々、大臣の方からいろいろな、感謝ですとか、期待の声がありました。具体的な取組みについては、今日出た様々な課題、例えば、海洋法セミナー、サイバーセキュリティー、地雷・不発弾処理の能力構築支援など、やはり、新たな分野についても取組んでいきたいというふうに思っております。また、装備技術協力についても期待も出たところでありますので、今日、何人もの大臣から具体的なことについてお話もございましたので、そういったことを副大臣を中心とした体制で一体的に推し進められるように取組んでいきたいというふうに思っています。

Q:9月にここであった日ASEAN首脳会談で総理も言っていたのですけれども、南シナ海を巡る仲裁裁判の判決について、今日、大臣から何か言及はあったのでしょうか。

A:私の方からは、この仲裁裁判については当事者を拘束する最終的な判断であって、これに基づいた解決が重要であることを申し上げました。また、大臣の間からは、しっかり「法の支配」、国際海洋法条約に則った解決が重要であるという声ですとか、あと、東シナ海で起こっていることは、南シナ海で起こっていることとも共通をしているというような、そういった意見も出たところです。

Q:今回、打ち出された「ビエンチャン・ビジョン」で、ASEANの一体性とか中心性が重要だということがあると思うのですけれども、これはかみ砕いて言うとどういうことを進めていくのかというのを教えて下さい。

A:やはりASEANの地域、これは単にASEANのみならず、アジア全体、そしてアジア太平洋、世界全体の平和と安定と繁栄に繋がるものです。そういった意味で大変重要ですし、わが国にとってもシーレーンの要衝という意味においても、また、南シナ海を守ることが東シナ海を守ることにも繋がっていく。それは要するに、世界に「法の支配」、力ではなくて「法の支配」を貫徹していくということです。そのためには、やはり、ASEANの地域の国々が、それぞれの立場はありますけれども、一緒に能力を上げていく、そして、一緒に価値観を共有していく、そしてASEANがそういった世界に「法の支配」を敷いていくという意味においても、中心になると、そういう意味でございます。そのための具体的な方向性を、今回のビジョンで示していったということです。

以上

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