大臣会見概要

平成28年6月14日(10時03分~10時29分)

1 発表事項

 本日の閣議におきまして、先般の熊本地震復旧費等の予備費の一部の使用が決定されまして、このうち、防衛省として、469億円を使用することとしております。その内訳につきましては、災害派遣手当等の各種手当て、そして、航空機や車両の修理費など、災害派遣活動により損耗いたしました装備品などを回復するための経費、そして、これらを合わせまして、自衛隊の部隊が実施する災害派遣活動に必要な経費といたしまして、347億円であります。また、陸上自衛隊健軍駐屯地や北熊本駐屯地など、地震により被害を受けた施設、また、装備品の復旧・修理といった、被災した自衛隊施設の復旧に必要な経費として、123億円となっております。今回の対応につきまして、自衛隊は最大2万6000人態勢、多くの航空機、船舶、車両等により、総力を挙げて実施いたしました。また、現地においては、被災して使用できなくなっている自衛隊施設等もあります。こうした状況を踏まえまして、今後の自衛隊の活動に支障がないように活動に必要な経費を確保し、被災した施設の復旧等を講じるため、今般、予備費を使用するということにいたしております。もう一点、連絡事項として、本日の閣議において、平成28年7月1日付の防衛省幹部人事についての内閣の承認がされました。

2 質疑応答

Q:一部報道ですけれども、海上自衛隊の海曹長の自宅から、自衛隊に関する情報が記録されたUSBメモリーが発見され、海上自衛隊で調査をしているということですけれども、事実関係と、どういった対応をされているのかをお願いします。

A:別件で逮捕されている海上自衛官について、自衛隊法第59条(守秘義務)違反の疑いがあることから、海上幕僚監部に調査委員会を本年5月31日付で設置いたしまして、事実関係、また、原因の調査、そして、再発防止策等の検討を開始いたしております。事案の詳細につきましては、現在、調査中であるため、お答えは差し控えさせて頂きますが、まずは、調査委員会による調査等によって、事実関係を明らかにすることが重要であると認識しております。その上で、必要な再発防止等の対応について、検討していきたいと考えております。

Q:先週の中国海軍の艦船が接続水域への航行についてですけれども、今後も、同様なことをして、既成事実化を着実に進めていくのではないかという、そう予想する指摘も出ていますけれども、自衛隊として、防衛省として、どういうふうに対応していくのか、お考えをお願いします。

A:去る9日の未明に、初めて、中国海軍の戦闘艦艇をわが国の接続水域に入域させました。こうした中国の行動は、緊張を一方的に高める行為であり、深刻に懸念すべきものと認識いたしております。特に、昨今、中国は、独自の主張に基づいて、中国公船による、わが国の領海侵入を企図した運用態勢の強化を着実に増加させております。こうした中、中国は「管轄海域での海軍艦艇によるパトロールの実施は、完全に正当かつ合法的」などと主張しておりまして、尖閣諸島周辺海域における海軍艦艇の活動を、否定をしておりません。尖閣諸島は、わが国固有の領土でありまして、中国側の一連の言動は、極めて遺憾であると同時に、中国による力を背景とした現状変更の試みは、決して容認はできません。防衛省・自衛隊としては、いたずらに事態をエスカレートさせることがないように、冷静な対応を継続をしつつ、尖閣諸島を含むわが国の領土・領海・領域を断固として守りつつ、引き続き、警戒監視、そして情報収集等に万全を期してまいりたいと考えております。

Q:中国海軍の尖閣周辺の接続水域に関連してなのですけれども、当時、アメリカとの連携するようにという大臣からの指示があったと思うのですが、今回の事例で、日米の同盟調整メカニズムというのは、活用されたのでしょうか。

A:ACMというのは、同盟調整メカニズムでありまして、常時、設置をされて、運用されているということで、切れ目のない対応を図るという点で、同盟調整メカニズムも活用しながら、平時から、必要な情報の共有・入手・交換等も行っているということでございます。

Q:今回の事案で、もしかしたら領海に入れば、海上警備行動をとる可能性があったと思うのですが、それについては検討されたのでしょうか。

A:政府としては、わが国の固有の領海・領空等につきましては、平素から厳重に警戒監視、情報収集等を行っているわけでございます。今回のケースといたしましても、政府として、しかるべき対応ができるように、検討はされておりますが、自衛隊・防衛省といたしましては、政府の関係省庁・機関との連携の中で、しっかりとした対応が図っていけるように、万事、そのような態勢を敷いているということであります。

Q:今の、しかるべき対応というところには、領海に入った場合、海上警備行動が発出される可能性が、それも検討していたということでいいでしょうか。

A:事案が発生して、直ちに総理の方から関係省庁間で、よく連携をして、情報の共有等をするということと、米国をはじめとする関係国との連携も図っていくというような指示がございました。そのように対応しているわけでありまして、そういった関連で、政府の対応等でありますが、海上警備行動の発令につきましては、その時々の事態の様相に応じて、個別具体的に判断されるものでありまして、一概にお答えをするものは困難でございます。情勢を注視をしていたということです。

Q:中国は、今、仰ったように、独自の主張をしていると。当然の行為なのだというふうな主張をしていると。今後、やはり、領海に中国の軍艦が入ってくることも想定しているということなのでしょうか。

A:尖閣諸島はわが国の固有の領土でありまして、わが国の、こういった領海・領土・領空等は、しっかりと守っていかなければなりません。そのために、平素から、しっかりとした情報収集、また警戒監視態勢を行っているわけでありますが、中国が、そのような合法的などという主張をいたしておりまして、この尖閣諸島の海域における海軍艦艇による活動を否定をしておりません。従いまして、この中国の一連の言動というのは、極めてわが国にとっては遺憾でありまして、中国軍による力による現状変更、これは全く認められないわけで、容認はできないという立場で、わが国としてはしっかりと領海・領土・領空を断固として守り抜くために、引き続き、警戒監視・情報収集に努めていくということであります。

Q:大臣は、先日、中国を訪中されたいといった意向を中国に伝えたようですが、中国から正式な返答はあったのでしょうか。受け入れるという形になったのでしょうか。

A:先だって、シャングリラにおきまして、副総参謀長に、そのような申し入れ、また中国と日本が隣国でありまして、安全保障においても話し合いをしておくことは必要ではないかと。様々な懸案がある中で、私も安全保障等につきまして、中国の国防部長、国防の首脳と話し合いはする必要がある旨、お伝えをさせて頂きました。先方からも、その件はお聞きをいたしました、ということであります。

Q:関連ですが、中国としては、受け入れるような方向でこれから進めていくことになるのでしょうか。

A:これは、中国が判断することでありまして、私の発言については、当然、お伝えを頂けるものだと思っております。

Q:大臣、今、海空連絡メカニズムというものが、なかなか進展がないようですが、その進展がない理由というのは、日本側からどのように見ていらっしゃいますでしょうか。

A:これも、数年以上、協議をいたしておりますが、この内容は、定期会合の開催、ホットラインの設置、艦艇・航空機間の直接通信等で構成するということが、日中間で一致をいたしております。この目的というのは、突発事態とか、危機管理として、非常に、両国間で衝突が予想されるような場合に対する危険・危機を回避するための連絡メカニズムでありまして、しっかりと、連絡要領等を確保しておくことということが最大の狙いでありますので、早急にこれを結んでおくと。そして、早期に運用開始、これは急務であるということは常々申し上げております。その内容等について、今、日中間で協議されているということです。

Q:先ほど、仰っていた今回の行動が一方的に緊張を高める行動だということなのですけれども、今回の件を受けて、今後、自衛隊として、地域の警戒というのも強化するお考えはありますか。

A:自衛隊の任務というのは、わが国の領海・領土・領空をしっかり守ると。そのために常に情報収集をし、警戒監視をするということで、国家としてその任務を果たさなければなりませんので、現状等も踏まえて、しっかりと領海・領土・領空が守れるように全力を尽くすということであります。

Q:今回、中国の海軍が、初めて、接続水域に入ったという、1段階、レベルが上がったと思うのですけれども、それによって、具体的に自衛隊も、それに対応するように、警戒のレベルを上げていくということは。

A:戦後初めて、わが国の接続水域に入域したということについては、緊張を高める行為であり、深刻に懸念をいたしているわけであります。しかし、防衛省としては、いたずらに事態をエスカレートさせることがないように、冷静に対応を継続しつつ、しっかりと領海・領空・領土を守っていく、そして、第一義的には、海上保安庁が海の警備を担当しておりますので、しっかりと、政府の中で、連携しながら対応していくという事であります。

Q:別件なのですけれども、アメリカの大統領選で、二大政党の指名獲得がほぼ確実に、お互いなりましたけれど、改めて、トランプ候補の言う、在日米軍の撤退に関して、どのようにお考えですか。

A:いずれの候補が大統領になったとしても、日米関係というのは、非常に重要で、その中で日米安全保障条約に基づく日米同盟が、わが国の安全保障にとって、大事な問題でありますので、緊密な連携がとれるように、日本政府としては、対応してまいりたいと思っております。大統領選挙の行方につきましても、わが国の将来にも影響を与えることでもあり、引き続き注目をしているところではありますが、現在、大統領選挙が行なわれている最中であり、この動向とか、発言者に対する逐一のコメントについては、政府の閣僚としては控えるべきだと考えております。

Q:日本の防衛を預かる大臣としては、在日米軍の撤退というのは、日本の安全保障を考えると、望ましくはないというお考えでしょうか。

A:現在のアメリカ政府とも、様々な問題、安全保障についても、意見交換、連携をしております。ガイドラインを締結したのも、その一つでありますが、今後とも、日米で、強力に連携をしつつ、日米の防衛協力の推進及び在日米軍の再編等の着実な実施等を通じて、日米安保体制の信頼性の向上に全力を尽くすと。目の前にすでにプランがあって、米軍の再編、沖縄の対応等も緊密に連携しておりますので、こういったものを信頼関係のもとに継続してまいりたいと考えております。

Q:日本と韓国に核兵器を持つべきだというような発言をしているわけですけれど、これについては、どうお考えでしょうか。

A:先ほど申し上げましたように、大統領選挙の候補者の発言については、逐一コメントは控えたいと思いますが、しかし、日本は被爆国、唯一の世界の中の被爆国でありまして、従来から、非核3原則、「作らず、持たず、持ち込ませず」、この原則を貫いておりますし、これは日本の国是でもございます。政府の重要、また、基本的な政策といたしまして、今後ともこれを堅持していく考えでもありますし、これはいかなることがあろうとも日本政府としては堅持してまいりますので、わが国の姿勢は変わるものではございません。

Q:中国海軍軍艦のところの関連なのですけれども、戦後初めて接続水域に入ったという表現は、尖閣周辺ではなくて、日本全国で見てということなのでしょうか。

A:尖閣諸島周辺海域において、中国海軍の戦闘艦艇が、わが国の接続水域へ入域をされたということでございます。初めて。

Q:それが初めてということで、他の水域、尖閣以外ではこれまでもあるのですね。軍艦が通ったということは。

A:それはございます。

Q:USBメモリーが紛失した件ですが、USBメモリーが外に漏れたということは、警務隊で行うのか、それとも、警察と共同して一緒になって捜査を行うのか。

A:現在、調査中ということでございまして、県警も逮捕して捜査をしておりますし、自衛隊といたしましても、警務隊、さらに設置をされた調査委員会において、調査を進めていくということであります。

Q:現時点において、USBメモリーが外部に流出した可能性については、どのように判断していらっしゃるのでしょうか。

A:いずれにしましても、法律で守秘義務というのがありまして、情報を部外に漏洩させるということは法律で禁じられておりますので、この点で法律違反があるかどうか、しっかり調べてまいりたいと考えております。

Q:外部に流出した件というのは、第三者に内容が渡ったという点について、どのように認識していらっしゃるのでしょうか。

A:その点については、まだ調査中でありますので、お答えは控えたいと思いますし、しっかりと調査を進めて、事実関係を明らかにしたいと考えております。

Q:10日から始まった、マラバールについてお聞きしたいのですが、今回、このマラバールでは安全保障関連法に基づく、想定した訓練というのはしているのでしょうか。していないとすれば、それは何故なのか。

A:マラバールにつきましては、佐世保から沖縄の東方海域において、米国、インドとの共同訓練ということで、14日から17日にかけて、洋上フェーズとして、対空戦闘等の各種戦術訓練、捜索・救難訓練、そして、航空機発着艦訓練などを実施する予定であります。目的というのは、シーレーンが、わが国の場合非常に長くて、石油など、原油9割を輸入しておりますが、インドはほぼ中間地点、中央に位置しておりまして、非常に地政学的にも大切な国であるだけではなくて、海洋安全保障という観点から見ましても、わが国とは、共通の課題に関心を有しておりまして、すでに、日本とインドは、特別なグローバル・パートナーとして協力関係を進化しているということで、今回、日米印で安全保障分野において協力を強化するという目的で、訓練を実施しているわけでございます。従いまして、今回は、自衛隊が参加をさせて頂いて、この日米印の訓練をしておりますが、目的というのは戦術技量の向上、そして米国・インドとの協力を強化を目的としているものでありまして、特定の国、また地域を念頭においたものではないということでございます。そして今回、実施する訓練、先ほど申し上げましたけれども、個々の場面において、日米印それぞれの、自らの戦術技量の向上を図ることを目的として訓練をするものでありますので、特定のシナリオに基づく訓練は実施していないということでございます。

Q:安保法が施行されて2ヶ月以上経っています。そろそろ自衛隊としても準備とか、訓練に反映していってもいいと思うのですが、それでもまだ何故反映した訓練をしないのか、それともできないのか、どういう状況なのでしょうか。

A:法律で新たに加わる任務等につきましては、やはり周到に準備をして行う必要がありまして、これにつきましては、部内において、十分に検討し、そして規則類等も整備をしましたけれども、こういったものが、任務に対して、いかに対応できるのかどうか検証、また、国内での教育訓練も重ねていく必要がございまして、そのために、現在、部内において、その準備をしているということでございますので、こういった十分な、周到な準備を行ってから訓練等でレベルを上げていきたいと考えております。

Q:来年、継続参加されることが合意されていますけれども、次の訓練には、安保法に基づいた、何らかの想定したシナリオ、安保法に基づいた補給訓練とか、後方支援に関するものとか、そういうのをやる可能性はあるという認識なのでしょうか。現状として。

A:実施等におきましては、必要に応じて実施をしていくことになりますけれども、基本的には、この法制及び内部の規則類の内容について、まずは隊員個々に十分に周知徹底をしつつ、必要な個々の訓練の演練の内容を具体化するための検討、準備作業を行った上で、実施をしていくということでありますので、大事なことはしっかりと任務を遂行できるかどうか、そしてその上で、隊員の安全を確保した上で、できるかどうかという点も合わせまして、今、部内で検討しているということでございます。

Q:接続水域の件にちょっと戻ってしまうのですけれども、中国の艦船が接続水域に入る前に、ロシアの艦船も接続水域を航行していますけれども、中国の船とロシアの船の関連性というのはどういうふうに見ていらっしゃるのでしょうか。事前に何かこう、示し合わせたのではないかという指摘もあるのですけれども、そのあたりはどういうふうに見ていらっしゃるのでしょうか。

A:本件については、中国政府の方から、事前に連携したというような公式見解も示されていないわけでございまして、本件について、中国の海軍、ロシアの海軍等の行動の目的について、確たることを申し上げるということは、差し控えたいと思っております。ただ、中国とロシアの違う点は、ロシアは、尖閣諸島について領有権等を主張しておりませんが、中国は領有を主張しておりまして、こういったことについて、公に言及も重ねておりますので、その点の違いはあるということであります。

以上

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