大臣臨時会見概要

平成28年6月10日(11時03分~11時15分)(日本時間)

1 発表事項

 昨晩、クリストバウン国防大臣との夕食会、そして、先ほど、国防大臣との会談を行いました。昨年3月に、訪日されて以来であります。まず、昨晩の夕食会におきましては、グスマン前大統領、また、国軍司令官や外務大臣、大使なども、御列席いただきました。主に、南シナ海・東シナ海の情勢について、最近のわが国の状況、また、深刻な懸念をしているということで、これについて共有しまして、先方の意見も、国際法に基づく、紛争の平和的解決の重要性について、確認しました。また、北朝鮮についても、話合いをしまして、挑発行動・行為については、国際社会の平和と安全を著しく損なうものであると、断じて容認できないという点で一致しました。本日の防衛相会談におきましては、両国間の防衛交流、そして、防衛政策について議論をしまして、キャパシティ・ビルディング、部隊間交流、人的交流といった分野で、二国間の防衛協力・交流を、さらに進展させていくということで一致しました。キャパシティ・ビルディングにつきましては、これまで行ってきた、車両整備、そして、施設分野の事業の成果を確認しまして、今後、さらに継続するということと、新たに、三点。まず、東ティモール軍の要員を日本に招へいし、整備計画の作成に関する業務について、教育を行っていきます。そして、来週から、「パシフィック・パートナーシップ2016」の一環として、米国主催のHA/DRセミナーを東ティモールで行いますが、自衛隊も要員を参加させて、民生支援に貢献したいという点を申し述べたわけでございます。二点目は、海上自衛隊艦艇の東ティモール寄港を本年後半に実現できるように、検討を進めていくということです。実現しますと、2002年のPKO派遣時以来の、艦艇派遣となります。三点目は、防衛大学校への学生の受け入れは、非常に優秀な学生が派遣されておりまして、二国間の進展に寄与していただいておりますので、引き続き、留学生を、積極的に受け入れたいという旨を、お伝えいたしました。また、ルアク大統領、そして、アラウジョ首相とも表敬いたしました。ルアク大統領は、今年3月に訪日されまして、総理と会談されました。アラウジョ首相は、今回が初対面ということで、私の方から、熊本地震に対する御見舞いについて、御礼を申し上げるとともに、キャパシティ・ビルディングや、留学生の派遣を通じまして、日本と東ティモールの防衛交流・協力が、着実に進展していくことについて評価し、更なる協力・発展に向けて、両首脳の、更なる御支援を御願いしたところでございます。滞在を通じて感じますことは、東ティモールの平和と安定、彼ら自身が、長い間、闘争の中で、非常に苦労したという経験があるからこそ、今の平和こそが、大事なのだという考え方の強さは、私も、日本も、しっかり肝に銘じなければならないということ、そして、その手段は、やはり、国際法を遵守する信念の下に貫いていく、そして、一方では、対話を通じて、平和的に解決することが、大事なのだということを、会談を通じて、強く、私は受け止めたということです。

2 質疑応答

Q:先ほどの防衛相会談でも、南シナ海・東シナ海で深刻な懸念を共有されたと思うのですが、今回、東南アジアを歴訪されて、防衛協力、能力構築支援、キャパ・ビルを進めるということが、リンクしてくるということを、改めてお感じでしょうか。

A:改めて、私が、シンガポールで主張した三原則。一つは国際ルールをしっかり確立し、ルールに基づいた安定・秩序を構築すべきである。第二点は、海・空の安全保障能力、各国の持っている力を向上させて、それぞれの国の安定、そして地域の連帯のために、引き続き、キャパシティ・ビルディングや、人材育成・交流が大事であるということ、第三点は、災害ですが、すべて、利害関係なく、まとまることができる事業でありますので、こういった絆や連携、こういうことを通じて、この地域の安全保障を守っていくといった意味では、絆と、平和的な解決のための努力が大事だということを感じました。

Q:南シナ海で最近の状況について、懸念を共有すると、今日の、防衛相会談でも一致したと聞いているのですが、中国が、先日、軍艦の接続水域への進入というのがありましたけれども、それについての、懸念というのは各国とも、もっているという感じですか。

A:やはり、こういった、地域の平和と安定の秩序は、しっかり維持しなければならないということであります。各国が協調したのは、平和的に安定した中で、解決してもらいたいと、特に、日本と中国との関係も、各国からみて、しっかりと、平和が守られるということは、言われましたが、しかし、南シナ海の、中国の大規模、かつ、急速な埋立て、拠点の構築、その軍事目的での利用は、現状の形状を、変更しているわけでありまして、そのような緊張感を高めるような、一方的な行動は、国際社会の共通の懸念であるということは、一致した見方でありまして、わが国としては、引き続き、開かれた自由な海を守るために、多くの国々と連携して、国際社会の声として、中国に伝える必要があるのではないかと思います。

Q:東シナ海に目を向けますと、中国の軍艦が接続水域に初めて進行してきたというのがありますけれども、これについて、いろいろな見立て、今日の報道でも、日本の報道でも出ていたり、アメリカからもいろいろ意見がります、中国側の意図というのは、今のところ如何ですか。

A:これは、様々な見方があります。これまでも、例えば、何らかの訓練と思われる行動、情報収集活動、こういったことが、多数確認をされてまいりました。今般の、中国海軍のフリゲートの行動目的について、一般論として申し上げると、やはり、中国とフィリピンの仲裁裁判の判決、これが、近く予定されている。また、G7、シャングリラ、米中戦略対話などを通じて、南シナ海の問題に対して、国際社会からの懸念が高まりつつあることを踏まえて、中国としては、独自の主張に基づいて、一切妥協する考えはないという姿勢を、内外に誇示する狙いがあった可能性もあります。また、ロシアの海軍艦艇が、同付近を通過したということでありまして、接続水域に、入域をしたという中国海軍艦艇が、これらロシア海軍の艦艇に、対応していたという可能性はありますけれども、いずれにしましても、中国の海軍の行動について、確たることを申し上げることは、差し控えたいと思います。防衛省としては、今般の、中国海軍のフリゲートの行動につきまして、深刻に懸念として受け止めております。何分、わが国の接続水域に対して、中国の海軍が、初めて入域をしたということは、非常に重く、深刻なものであると受け止めておりまして、今後とも、中国の動向について、一層注意を払って、情報収集をしていきたいと考えております。

Q:菅官房長官は、一方で、海空連絡メカニズムの必要性についても言及されています。閣議後の記者会見でも、同様のことを言っていますが、実際に進めるのは、防衛省だと思うのですが、先日、中国を訪問したいというような意向も、中国側に伝えていらっしゃいましたけれども、その辺はいかがでしょうか。

A:これは昨年から、中国の代表者に、「不測の事態に際して、海空連絡メカニズムといった、連絡手段は必要です」ということで、昨年は、マレーシアのクアラルンプールで、日中防衛相会談が実現いたしました。しかし、未だに、まとまっていないわけでありまして、特に今回、中国の艦艇が接続水域に入ったわけでありまして、本当に緊張感が高まるわけですけれども、わが国にとりましても、深刻な事態だと懸念しておりまして、こういった際に、やはり、連絡し、警戒を伝え、また、先方に制止の呼びかけなど、このようなことは、安全上、必要なことでありますので、早急に、実務的な内容が集まるように、努力していきたいと考えております。

Q:やはり、大臣自身、中国を訪問したいという思いというのは、今回の件を含めても、新たにされたということでしょうか。

A:こういう問題は、やはり、トップ同士の話し合いによって、その必要性や緊急性が伝わっていくものでありますので、こういった、連絡メカニズムの協議を加速させていく、そして、何といっても、安全保障というのは、両国の相互信頼関係と対話が必要であります。様々な課題をかかえておりますので、こういった課題をかかえる中で、対話というものは必要でありますので、私も、中国の首脳との対話を重視していきたいと思っています。

Q:一方で、接続水域まで入ってきているわけですね。領海侵入をしてくれば、これは日本としては、即、海上警備行動に移るという考えでよろしいでしょうか。

A:やはり、国家の領土、領海、領空はしっかり守っていかなければなりません。決して、無断で侵入や、侵略するということは許されないわけでありますので、国として、しっかりとした対応がとれるようにしたいと考えます。

以上

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