大臣会見概要

平成28年1月4日(10時42分~11時00分)

1 発表事項

 発表事項について、2点あります。今日の閣議で、「防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案」の国会提出の閣議決定がされました。この法律は、一般職の国家公務員の例に準じて防衛省職員の俸給月額等を改定するものでございます。もう一点は、今般、イギリスとの間で2回目となる日英外務・防衛閣僚会合(「2+2」)を1月8日(金)に東京にて開催することになりました。翌日(1月9日(土))、同会合に出席するために訪日をするファロン国防大臣との間で、日英防衛相会談を予定を致しております。防衛省と致しましては、基本的価値を共有する欧州諸国との防衛協力・交流の強化を重視しておりまして、とりわけ国際社会における主要国であり、そして戦略的パートナーである英国との間では、昨年1月の「2+2」において、「安全保障及び防衛分野の協力を強化していくことで一致」を致しております。更に英国は、昨年11月に発表されたSDSR(「戦略防衛・安全保障見直し」)におきまして、アジア太平洋地域は、ルールに基づく国際秩序の将来に大きな影響を持つとして、その重要性を強調しておりまして、日本を「アジアにおける最も緊密な安全保障上のパートナー」と位置づけを致しております。このように、基本的価値を共有する戦略的パートナーである英国との間で時宜に適した形で外務・防衛閣僚会同及び防衛相会談を行い、地域とグローバルな問題につきまして意見交換を行い、更なる関係強化を図ることは、大変有意義でありまして、議題については現在調整中ではありますが、最新の情勢を踏まえた双方の安全保障・防衛政策についての意見交換、東シナ海・南シナ海情勢を含む地域情勢に関するわが国の認識を共有をし、英側の更なる理解を得ることを期待しております。更に、共同訓練、防衛装備・技術協力、ACSA等といった二国間の協力についても議論を致しまして、防衛協力の強化につなげてまいりたいと考えております。

2 質疑応答

Q:今年は、安全保障関連法が3月末までに施行されて、安保法に基づく自衛隊の運用に注目が集まる1年となると思います。こうした点も踏まえて、大臣の今年の抱負をお聞かせ下さい。

A:今年の私の抱負は、「理解・納得・共感」であります。英語で言いますと理解というのは「understand」、納得というのは「agreement」、そして共感というのは「sympathy」、つまりunderstandagreementsympathy、「U・A・S」ということで、これが得られるように努力をしてまいりたいと思います。大きな目標としては、先ほど年頭所感、また高級幹部会同でも述べたことでありますが、まず平和安全法制につきまして、この法制によって自衛隊に新たな任務が付与されることになりますけれども、隊員の安全を第一に考えていきたいと考えております。現在、3月の施行に向けて各種の検討を慎重に積み重ねて、万が一の場合にしっかりと対応できる態勢を周到に作り上げるべく作業に取組んでいるところでありますが、引き続き、省内の検討、また関係省庁との連携などを進めて、施行準備を進展させていきたいと考えております。この法律の内容につきましては、国民の皆様方の理解・納得・共感が深まるように努力を続けてまいります。第2に、日米同盟の強化、そして沖縄の基地負担の軽減であります。これは、新たなガイドラインに基づいて、日米同盟の抑止力と対処力を一層強化すべく、日米間の様々なレベルでの調整・協議を推進してまいります。そして、日米同盟を十分に機能させる観点からも、普天間飛行場の辺野古への移設を始めとした沖縄の負担軽減に、引き続き全力で取組むとともに、辺野古移設に関する考え方、負担軽減の取組につきまして、沖縄の方々に説明を尽くして、理解・納得・共感を得られる努力を継続してまいります。第3に、各国との安全保障協力の推進ということで、基本的価値、安全保障上の利益を共有する国々との間で、防衛対話、能力構築支援、共同訓練、防衛装備庁を中心とした装備・技術協力等を進めて、連携を一層強化してまいります。また、ソマリア沖・アデン湾における海賊対処行動、南スーダンPKOへの派遣を含めて、引き続き、国際社会の取組に積極的に関与してまいります。第4に、防衛態勢の強化ということで、陸・海・空の3自衛隊が一致団結して様々な状況に臨機に即応できるように、より実効的な「統合機動防衛力」の構築を一層進めていくという必要がありまして、昨年の10月に統合幕僚監部への実際の部隊運用の業務一元化が行われましたけれども、防衛態勢の強化のために取組むべき課題は多く、今年1年、よく防衛省内で検討・議論を積み重ねまして、それぞれが理解・納得・共感が得られるように、努力をしてまいりたいと思います。これらの4項目に限らず、防衛省の有している課題は山積をしておりまして、今年1年も省内一丸となりまして、わが国の安全保障の在り方、国際社会の平和と安定に向けた取組みの在り方等をしっかり考えながら、防衛政策を推進してまいりたいと考えております。

Q:先日、南シナ海の南沙諸島において、中国が埋立てを進める人工島で中国が飛行試験を行いまして、ベトナムとの間で緊張感が高まっています。これについて、防衛省としての受け止め、もしくは今後の対応についてお聞かせ下さい。

A:ベトナムと中国政府の発表については承知を致しております。今般の中国の行為は、南シナ海の島嶼等の領有権に関する関係国の主張が対立をする中で、一方的な現状変更及びその既成事実化を一段と進める行為であり、わが国として深刻な懸念を表明致します。このような行為は、紛争の平和的解決に資するものではなく、控えるべきであります。そもそも、南シナ海における大規模かつ急速な埋立て、拠点の構築など、一方的に現状を変更し、緊張を高める行為は、国際社会共通の懸念事項でありまして、こうした行為の既成事実化は認められません。わが国としては、開かれた自由で平和な海を守るため、国際社会が連携することが重要だと考えておりまして、引き続き、関係国と緊密に連携をしてまいりたいと考えております。

Q:関連しまして、南シナ海で2月に日米豪の共同訓練の予定があるという報道がありましたけれども、事実関係をお願い致します。

A:訓練を含む自衛隊の運用につきましては、その逐一をお答えするということは差し控えさせていただきたいと思います。いずれにしましても、防衛省としては、日米関係を基軸としつつ、各国との共同訓練、国際観艦式への参加を通じまして、自衛隊の戦術技量の向上を図るとともに、各国軍との友好親善及び協力の強化を促進していくということは重要であると考えております。これまでも、南シナ海において米軍をはじめとした他国との間において、二国間、多国間の共同訓練・演習を実施してきたところでありますが、これは、戦術技量の向上を目的として実施するものでございます。このように、国際間の協力や共同訓練なども、その実施等につきましては模索をしてまいりたいと考えております。

Q:先程の南シナ海での中国の動きについてなのですけれども、今回、民間機とはいえ試験飛行をすることで、制空権の確保が狙いなのではないかとも言われていますが、人口島を軍事拠点化する可能性についてはどのようにお考えでしょうか。また、南シナ海の防空識別圏を設定しようとしているという見方もありますけれども、その点についてはどのように認識していますでしょうか。

A:南シナ海というのは、島嶼等の領有権につきましては、各国それぞれ主張致しておりまして、利害が対立している状況であります。1月にもベトナムの漁船が中国に追いやられて、沈められたというような報道もありますが、そのような中で、一方的に現状を変更し、既成事実化を一段と進めるような行為は、わが国としましても懸念を表明するものでありまして、このような行為は紛争の平和的解決に繋がらないものであると憂慮しております。

Q:中国に関連してなのですが、国産空母の建造やロケット軍創設などについても明らかにしていますが、これについての防衛省の評価をお聞かせください。

A:今年の1月1日に、中国人民解放軍の「陸軍指導機構」、そして「ロケット軍」、「戦略支援部隊」の成立大会が昨年12月31日に北京で開催されて、習近平・中央軍事委員会主席が講話を行った旨、発表されました。講話等において、これからの中国の陸軍において、「兵力構造・部隊構造を優良化をして、区域防御型から全域機動型への転換を加速」、ロケット軍については、「核威嚇及び核反撃能力を増強し、中・長射程精密打撃能力の建設を強化」をする旨、さらに戦略支援部隊につきましては、「国家の安全を維持するための新型戦力」として、その建設に努力をする旨述べたと承知をしておりまして、中国は軍改革を2020年までに推進する旨も発表しておりまして、今回の発表は、このような軍改革に関する取組みの一環であると考えております。そして、更に12月31日の定期記者会見におきまして、2隻目の空母となる国産空母の建造を認め、当該空母は大連で建造をされており、排水量は5万トン級であり、通常動力装置を採用し、スキージャンプ式の発艦方式をとる等の説明を行った旨、承知を致しておりまして、今般の中国国防部の報道官の発言は中国が国産空母の建造について初めて具体的に明らかにしたものと考えられまして、防衛省としてはその内容に注目をしているところでございます。今後とも、中国につきましては、空母の固有の具体的な目的、また、今後の建造、配備計画等を含めた各種の情報の開示、これを期待をするものでありまして、引き続き、中国の軍事動向につきましては、強く関心をもって注視してまいりたいと思っております。

Q:一部報道で、新安保法制に基づく陸上自衛隊の中央即応集団で邦人救出訓練を11月、12月に実施したという報道がありましたが、その事実関係を確認させて下さい。

A:昨年の12月17日、18日に在外邦人等の輸送訓練を実施を致しました。これに先立ちまして、12月の10日から16日の間に、事前訓練を実施をしましたが、これはあくまでも在外邦人の輸送に係る訓練でありまして、在外邦人の救出に係る訓練を実施したとの事実はありません。また、11月に東富士演習場で同種の訓練を実施したとの事実もありません。平和安全法制の成立に伴いまして、法律に定められた様々な任務を適切に遂行するため、現在、省内で検討を実施をしておりますが、こういった法の施行に向けての各種の準備・検討を行っているところでありまして、具体的な訓練の開始時期なども含めて具体的な方針は決まっておらず、与えられた任務を適切に遂行できるように引き続き、所要の準備・検討を行っているということでございます。

Q:確認ですが、駆け付け警護も含めて新安保法制に基づく訓練は現時点では行っていないということですか。

A:昨年実施をしました訓練は、あくまでも在外邦人の輸送に係る訓練であります。

Q:衆・参ダブル選挙があるという観測もありますけれども、大臣の所感をお聞かせ下さい。

A:これは総理が決めることでありますが、国会の状況等も今後よく見ておかなければなりませんけれども、衆議院の解散というものは憲法で規定された項目でありまして、常に「常在戦場」の意識をもって、政治活動をしていると認識しております。

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