大臣会見概要

平成27年10月30日(10時40分~11時09分)

1 発表事項

 今日の閣議におきまして、私の海外への出張が了解されました。私は、11月の2日の月曜日から4日水曜日までの日程でマレーシアを訪問し、ADMMプラス(拡大ASEAN国防相会議)に参加を致します。これに引き続き、4日から7日土曜日の間、ベトナムを訪問し、7日の土曜日に帰国する予定です。ADMMプラスは、アジア太平洋地域における唯一の政府主催の国防相会議であります。会議におきましては、参加各国と地域の安全保障課題について意見交換を行い、わが国の立場や見解を積極的に発信をして参りたいと考えております。また、この機会を利用して、各国の国防大臣との会談を行う予定であります。現時点では、主催国であるマレーシアのヒシャムディン国防大臣、来年のASEAN議長国であるラオスのセンヌアン国防大臣のほか、米国のカーター長官、そしてフィリピンのガズミン国防大臣、オーストラリアのペイン国防大臣、ニュージーランドのブラウンリー国防大臣との会談を行う方向で最終調整中であります。その他の国も時間が許す限り会談を行うべく、調整をしていく所存でございます。これらの会談におきまして、アジア太平洋地域の平和と安定をいかに確保していくかについて意見交換を行いたいと考えております。その後、調整中ですが、2年ぶりにベトナムを訪問して、タイン国防大臣との間で日本ベトナム防衛相会談を実施する予定です。会談では、両国を取り巻く安全保障情勢をはじめ、両国の国防政策、二国間の防衛協力・交流等について、タイン国防大臣と幅広く議論して、二国間及び日本とASEANの各国の協力強化を図るための方法について意見交換を行う予定でございます。

2 質疑応答

Q:ADMMプラスですが、今回の米国が南シナ海の人工島周辺に艦船を派遣後、はじめての各国の国防相の顔合わせの場となりますが、南シナ海での中国の行動について、どのような日本の立場を示すお考えでしょうか。

A:まず、二国間協議として、日米協議も行いますけれども、まず、米軍の行動について、認識として、一つ一つ説明する立場にありませんけれども、カーター国防長官が、米軍の南シナ海における活動に関しては、正しい報道が行われている旨を述べたと承知をしております。その上で申し上げれば、南シナ海における大規模な埋立て、拠点の構築など、現状を変更し、緊張を高める一方的な行動は、国際社会の共通の懸念事項であると。わが国としても、中国を含む各国が、緊張を高める一方的な行動を慎み、「法の支配」の原則に基づき行動することが重要であると考えております。また、南シナ海における航行の自由、公海上空における飛行の自由といった国際法上の一般原則の確保は極めて重要であると考えております。わが国としては、こうした観点に立ち、開かれた自由で平和な海を守るため、国際社会が連携していくことが重要であると考えております。今般の米軍の取組みについては、国際法に則ったものであると理解をしており、かかる国際社会の取組みを軌を一にするものとして、わが国として支持をしており、このようなわが国の立場について、ADMMプラスにおいても機会を捉えて発信をしていく考えであります。引き続き、南シナ海における情勢が、わが国の安全保障に与える影響を注視しつつ、この地域の安定にどのように貢献をしていくべきなのか十分に検討を行って参りたいと考えております。

Q:大臣のベトナム訪問に関してですが、一部報道で、海上自衛隊の艦船をベトナムのカムラン湾に来年度に寄港されることで合意する方向との報道がありましたが、事実確認をお願い致します。また、南シナ海での自衛隊による他国との共同訓練について、今後の予定や方向性などについて改めてお聞かせください。

A:ベトナムとの国防大臣同士の会談では、安全保障情勢、また国防政策、防衛協力などについて幅広く交換を行う予定でありまして、特に、防衛協力とか交流については、今年の9月に、日本ベトナム首脳会談がありました。そこで、安全保障及び防衛分野における協力を強化をしていくことで一致をしているところでありまして、能力構築支援、また艦艇の寄港も含め、両防衛当局間の更なる協力強化の方途について意見交換をする予定でありまして、それ以上の具体的な内容につきましては、何ら決まってございません。それから、これまでも南シナ海の周辺国との二国間・多国間の共同訓練、演習は実施してきたところであります。例えば、フィリピンとの間では、本年2回の共同訓練を実施したところですが、いずれの訓練も、戦術技量の向上を目的としたものとして実施するものでありまして、特定の国、また地域を念頭に置いたものではございません。また、他国との共同訓練におきましても、自衛隊の戦術技量の向上を図るとともに、相手国との協力の強化を促進していくことができるものと考えておりまして、防衛大綱において、アジア太平洋地域における二国間・多国間による共同訓練、演習を促進する旨、述べておりまして、わが国としては、各国との共同訓練等を通じて、アジア太平洋地域の平和と安定に寄与して参りたいと考えております。

Q:今のADMMの関連なのですが、今、御紹介あったバイ会談の中には、中国の国防相との会談は御紹介ありませんでしたけれども、中国の国防相と、大臣としては、会談をされたいという意向というのはございますでしょうか。

A:まだ中国の国防大臣が出席されるかどうか、私は確認をとっておりませんが、中国とは会談が行うことが可能かどうか、担当レベルで日程等は調整中でございます。機会を捉えて、会談ができれば実施できる、そして、会談を実現をして、直接、安全保障の考え方、また平和安全法制の内容等、説明を行いまして、安全保障政策に対する先方の考えも伺ったり、また認識も伺ったりできればと。そういう機会を得ればというふうに思っております。

Q:もし、会談が実現した場合には、今の南シナ海の緊張状態というのでしょうか、そういうことについて大臣としてどのように国防相に伝えたいと思いますか。

A:先方との意見交換になるわけでございますので、わが国の防衛政策なり、また、安全保障情勢なりの認識は、お話しする予定でございます。

Q:佐賀空港の現地調査の件なのですけれども、昨日、漁業者との会談の中で、この件了承されませんでしたが、これは何かお考えがあってのことだったのでしょうか。

A:基本的な考え方を説明を致しました。漁業団体の方々からも御意見を拝聴させて頂きまして、今後、個々に現地の調査、また意見交換や協議を行って参りたいと思いますので、そういった準備ができましたら、改めて事務方が、漁協関係者、漁業関係者に御説明をして相談したいということでございます。

Q:この点で、漁業者の方が既に、現地調査の受け入れに難色を示しているのですけれども、今後どのように対応されるおつもりか、お考えをお願いします。

A:昨日は、現地調査、協議を行いたいということで、申し入れを致したということでございます。防衛省としては、地元から受け入れ同意が得られたとは考えておりませんので、昨日の説明内容に対する地元の御意見、御指摘につきましては、引き続き丁寧に伺って協議に臨めるようにして参りたいと思います。他方で、地元からは施設整備の詳細について、説明を求める声も聞かれました。昨日もそういう御意見がありました。したがって、地元の説明内容の具体化の一環として、現地調査、また関係者の協議を行う必要があると考えております。決して、なし崩し的に配備を進めようという考えは全くございません。こちらの考えを説明させていただいて、御理解を得られるように努力をして参りたいと思っております。

Q:先程、南シナ海のことがありましたけれども、日本としては、米軍の行動を支持されると。日本の自衛隊が今後、南シナ海で具体的な計画は、今、持っているのでしょうか。あるいは米国からそういった要請はあるのでしょうか。

A:これにつきましては、累次、御説明をさせていただきますけれども、やはり、国際社会の共通の理念と致しまして、シャングリラでも三原則として発表致しましたが、まず、緊張を高める一方的な行動を慎むということ、そして「法の支配」の原則に基づいて行動することが大事でありまして、南シナ海における航行の自由、公海上空における飛行の自由といった国際法上の一般的原則の確保が極めて重要であると考えているということでございます。

Q:私の質問は、米国からそういった要請はないということでよろしいのでしょうか。

A:米国とは、常に緊密に意見交換や情報交換も行っておりまして、米国との関係もありまして、その内容等につきましては、詳細を述べることは差し控えたいと思いますが、今年の5月のシャングリラでの、シンガポールでの防衛相会談等におきましても、お互いの国の認識として意見を述べさせていただきました。

Q:もし、米国からそういった要請があった場合、日本としては支持されるということは、前向きに南シナ海への自衛隊の派遣を検討するということになるのでしょうか。

A:まず、米海軍が行っている「航行の自由」作戦に自衛隊が参加する予定はございません。そして、現在、自衛隊は南シナ海において、常続的な警戒監視活動を行っておらず、また、そのような具体的な計画も有しておりません。南シナ海における自衛隊の活動につきましては、南シナ海情勢について、わが国の安全保障に与える影響を注視しつつ、今後とも十分に検討を行っていく課題であると認識しております。

Q:また南シナ海なのですけれども、昨日、日本のメディアが、米海軍と共同訓練なさったという報道がございまして、今日、また日本のメディアが「ふゆづき」、これはマラバールに出ていた艦船ですけれども、また、今後、何かするかもしれないという報道がございまして、「ふゆづき」の状況をお知らされて、また何か、あの辺でやるという可能性があるのかということと、また「まきなみ」と「すずなみ」がアデン湾に出て行くのが、何か、報道があるのですけれども、その辺、できれば教えて、確認させていただきたい。

A:アメリカとインドが主催をしました海上共同訓練のマラバール2015に参加をした海上自衛隊の護衛艦の「ふゆづき」は、現在、日本に帰国の途上にあります。この訓練を含む自衛隊の部隊の運用に係る事項については、その逐一をお答えすることは控えさせていただきますが、米海軍の「航行の自由」作戦に自衛隊が参加する予定はございません。現在、「ふゆづき」は日本に帰国をする途上にあると。ちょうど訓練に参加して帰ってきている途上にあるということでございます。

Q:「航行の自由」作戦ではなくて、あの辺の海域で、よく自衛隊の船は大きな演習をなさった時などに、その帰りによその国の船と時々、カジュアルな感じで訓練なさったりすることがあるのですけれども、そういう形での米海軍とか他国との、南シナ海のあの辺にいる時にまた何かやられる、昨日はなさったのかということと、また、何か、「航行の自由」作戦とは関係なしにやるということはありますでしょうか。

A:訓練を含む自衛隊の部隊の運用に係る事項につきましては、その逐一をお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。相手国の立場等もございます。そして、一般的に、先程説明させていただきましたが、南シナ海の周辺国と二国間・多国間の共同訓練・演習は、これまでも実施してきたところでありまして、本年もフィリピンと2回、共同訓練も実施してきておりますので、日米間においても、通常においてもいろいろなところで共同訓練は実施しております。先程申しましたけれども、こういった「航行の自由」作戦に自衛隊が参加する予定はないということでございます。

Q:衛生に関してお尋ねしたいのですが、防衛省が公開しているこういう資料がございますが、21年度の数字なのですが、部隊に配備されている医官の数が、充足率が、20.5%。現在、もっと減っているというふうに伺っているのですけれども、こういう状態が放置されていることが、大臣、いかがお考えでしょうか。それから、もう一つ、陸上自衛隊の衛生学校の主任教官が1年以上、空席になっているのです。極めて異常だと思いますし、また特に安保法制等、議論になっている時に、こういう主要なポストが空いているのはどうなのか。それからもう一つ、これらに関係するのですが、「防衛省・自衛隊の第一線救命における適格な救命に関する検討会」の座長の佐々木座長が、先月、月刊WiLLで、防衛省の衛生に関する、かなり厳しい批判をされている寄稿をされているのです。通常、こういう検討会とか、その他、審議会等の座長が、もしくはそのメンバーが検討中の内容の話をこれほど厳しく、外のメディアで書いたことはないかと思うのですけれども、これに関して大臣、どのようにお感じでしょうか。

A:まず、御指摘のように自衛隊医官の確保については、防衛省の課題でございます。この防衛省の医官については定数に対して充足率が8割弱という低い状況にありまして、低充足率については、医官の早期離職が主な原因であると考えておりますので、早期離職の原因とか、その対策、防止、そして充足率の向上がどうあるべきかということは、これまで様々な取組みを行って参りました。医官の主な配置先は、自衛隊病院または方面隊等の衛生部隊であり、必ずしも全国の駐屯地医務室に配置しているわけではありません。この理由は、自衛隊医官に求められるものは事態対処時における後送病院、後方の病院において、負傷者に対する高度の医療を提供する必要があるために、普段より技能の維持・向上を図る必要があるためであります。一方で、駐屯地等の診療は、近傍の自衛隊病院での診療の必要、診療、また必要により医官が巡回診療を行うなどの対応を行っております。また、薬剤官が配置されており、風邪などの軽度の疾患、また慢性疾患に対する医薬品の処方を行っております。医官の早期離職防止の取組みを継続をして、引き続き充足率の向上に努める方法を考えて参りたいと思っております。そして、現在の検討会、行ってますが、座長が雑誌で寄稿をされたという御指摘につきましては、検討会の座長として、自衛隊の衛生、防衛医官に対する応援という思いからのものと解釈をさせていただきますが、現在、検討会の報告書をまとめていただいておりますので、この内容を踏まえて、自衛隊の生命を最大限に守るための態勢・能力の向上に努めて参りたいと考えております。

Q:以前、衛生学校、三宿駐屯地でのコンサートについてお尋ねした件で、後日、広報の方から御回答いただいたのですが、その件なのですけれども、大臣は会見時に、衛生学校長が同日行われた学校長等会議へ出席されたというふうに発言されているのですが、これは分身の術を使わないと無理なのではないですか。午前中は、衛生学校長、式典に参加して、午後から会議に参加されたのではないでしょうか。

A:まず、先だっての御指摘につきまして、回答をさせていただいております。学校長の行動等につきましては、今日改めて、「無理じゃないか」という御指摘がありましたので、当日の予定については、もう一度調べてみたいと思います。

Q:あと、その時に出演されたバイオリニストの方の、病院長のお嬢さんなのですけれども、CDの販売がなされたと。これが許可があったのか、なかったのか尋ねたのですけれども、回答が三週間経ってから回答がきて、調査中という話なのですよ。これは簡単に分かるものではないかと。また、同じ回答を、無償で行われたという話を聞いているのですね。つまりバイオリニストと伴奏のピアニストの方、無償で参加されたというふうにおっしゃっているのですけれども、そもそも、回答によると、「無償で参加してくれるプロのバイオリニストを探していた」と。合致するのが中澤さんだけだったというようなことなのですが、普通考えたら、プロの方がタダでやってくれる人を探すというのは、ちょっと常識的に考えてあり得ないのではないかと。中の、いろいろとそういうとこから来てるのですけれども、「謝礼払っているよ」というふうな情報もあるのですが、本当に無料でお願いしていたのでしょうか。

A:その件は回答をしているところでございますが、目的というのは、体育館の建設に携わった方々の慰労を目的として、式典実行委員会、委員長が衛生学校の総務部長でありましたが、無償で招へいをし、演奏していただいたとものと聞いております。式典においては、民間バイオリニストを招へいをして演奏していただいていること自体に問題があるとは考えておりません。行事として不適切ではなかったかと疑問を抱かせた行事のあり方につきましては、そのような疑念を抱かれることのないように、厳正に隊務運営に取り組む必要があると考えております。CDの販売については、実施された経緯を含めて、事実関係について調査中でありまして、問題があれば適切に対処致します。

Q:三週間もかかって調査中というのは、ちょっと理解できないのですが。普通、申請があればすぐ分かるはずなのですけれども。書類を出せばすぐ、その書類があったかないかで簡単に分かることを、なんで三週間以上もかけて分からないのかなと。あとは、そもそも、学校長等会議があるのが分かっていながら、その日にわざわざコンサートをすること自体が、そもそも不謹慎ではないかと思うのですが、大臣、いかがお考えでしょうか。

A:先日の御質問につきましては、回答させていただきましたけれども、今日、改めてまた御質問、訂正ありましたので、御疑念等がありましたら、いただいた上で、この点については、回答させていただきたいと思います。

Q:昨日、辺野古の本体工事に着手されましたけれども、昨日夕方、翁長知事が会見されて、来月2日に総務省の国地方係争処理委員会に対して、申し立てをする。これ、国交省なのかもしれないのですけれども、もし大臣として受け止めがございましたら教えてください。

A:報道については、承知を致しておりますが、防衛省は、審査請求等を行っている立場でありまして、この点についての質問にお答えすることは差し控えさえていただきます。

Q:同じ会見の中で、翁長知事が、政府全体を捉えての発言なのですけれども、「強い憤り、強権的」というような表現使われて、「沖縄に寄り添うような姿勢が今の安倍政権からは感じられない」というような発言をしているのですけれども、その中の政府というのは、もちろん中谷大臣も含まれると思うのですけれども、そのような発言についてどうお感じになりますか。

A:この問題については、19年に及ぶ長い経緯がございまして、そもそも目的というのは、普天間基地の抱える危険性の除去でございます。沖縄県とも時間をかけて一つ一つ丁寧に手順を追って、事業の推進を図ってきておりまして、一昨年に埋立申請に対しまして、沖縄県から承認をいただいたわけでございます。この間、防衛省と致しましては、何度も何度も沖縄県の御質問にお答えをし、また御指摘に対して、修正等を致しまして、対応してきたということでございます。その後は、この埋立てにつきまして、承認の取消しがございましたけれども、これについても、法的な手続きに従って対応してきておりまして、防衛省と致しましては、瑕疵があったというふうに認識をしておりません。そして、この目的の一つの基地負担軽減におきましても、現在の普天間基地から辺野古の移転を図る場合においても、基地の規模は三分の一になりますし、騒音の被害も普天間の地区においては無くなると。またKC-130の移転や、海外からの緊急事態の飛行なども、これは本州で実施するということでもありますし、引き続き訓練等の本土移転も努力をして参るわけでございまして、基地の負担軽減においても、政府としても、取組んでいるという認識を持っております。

Q:つまり、沖縄県に寄り添う意思がないというような指摘はあたらないというような。

A:これまで沖縄県とお話し合いをして、合意をしてきた事項においては、誠意を持って実行して、基地負担の軽減、また安全保障上の抑止力の維持を図っていくということで、沖縄県との話し合いに基づいて、決められたことについて、法律に従って、我々としては作業を進めております。目的は何かというと、一日も早い普天間飛行場の危険性の除去でございますので、それが早く実現できるように対応をさせていただいているということでございます。

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