大臣会見概要

平成27年10月23日(10時53分~11時12分)

1 発表事項

 一件発表がございます。本日、米国政府から提案のありましたKC-46Aを航空自衛隊の新たな空中給油・輸送機として決定致しました。わが国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中で、空中給油・輸送機が増強されることによって、戦闘機部隊等がわが国周辺空域等で各種作戦を持続的に遂行し得るようになり、わが国の防空能力が強化をされることになります。これにつきましては、本年6月に提案希望者に対してRFP(提案要求書)を配布をし、提案書の提出期限を9月8日としていたところ、米国政府から、ボーイング社のKC-46Aについての提案書の提出があり、その他の企業等から提出がありませんでした。その提案書につきまして分析・評価を行ったところ、必須要求事項を全て満たしていることが確認されたことから、今般、KC-46Aを新たな空中給油・輸送機として選定を致しました。詳細につきましては、この後、事務方からブリーフィングを行わさせていただきます。

2 質疑応答

Q:空中給油機なのですけれども、米軍も採用を決定しているKC-46Aを選定したことによって、米軍との連携の強化など、戦略的な意義についてお聞かせください。

A:これにつきましては、従来から日米安保条約に基づく日米の共同対処ということを念頭に、自衛隊と米軍の間では相互に連携を続けてきたわけでございます。そういう協議も行われてきました。KC-46Aというのは、性能上は主要な米空軍機F-35A、F-15、C-17、C-130、CV-22、そして米海軍機F-18、F-35C、P-8、そして米海兵隊F-18、F-35B、MV-22などに給油可能となる予定でございます。なお、米軍機以外にも性能上は英仏等の軍用機にも給油可能となる予定でございます。こういう点では、日米の相互の運用や訓練等のためには優位な機種であるということでございます。

Q:南シナ海についてなのですが、米国が南シナ海で、中国が埋め立てた人工島から12海里以内に米軍の艦船または航空機を近く派遣する決断をしたとの一部報道がありますが、改めて、現時点で米国側から派遣に関する連絡があったのかを確認させてください。また、米軍が12海里以内に艦船などを展開した場合、防衛省・自衛隊はどのような対応を行う考えかをお聞かせください。

A:まず、米軍は平素から南シナ海において定期的な警戒監視飛行、また同盟国との間で共同訓練・寄港などを実施するなど、南シナ海周辺で強固なプレゼンスを維持していると承知をしております。日米間につきましては、平素から南シナ海を巡る問題を含めて幅広い観点からやり取りを行っておりますが、具体的なやり取りの内容等につきましては、相手国との関係もあることから、お答えは控えさせていただきます。今回の報道等については承知を致しておりますが、現時点において、米国政府が御指摘のような決定を行った旨公表しているとは認識を致しておりません。その上で、米国はこれまでも、航行の自由、そして公海上空における飛行の自由などは全ての国家が有する権利であり、また米国は、国際法が容認するいかなる場所でも航行、上空飛行、作戦行動を継続する旨、繰り返し言及をしてきております。南シナ海を巡る問題は、アジア太平洋地域の平和と安定に直結する国際社会全体の関心事項でありまして、わが国としても、中国を含む各国が、緊張を高める一方的な行動を慎み、「法の支配」の原則に基づいて行動することが重要だと考えており、また、南シナ海における航行の自由、公海上空における飛行の自由といった、国際法上の一般原則の確保は、極めて重要であると考えておりまして、こういった観点も踏まえて、防衛省として、引き続き、南シナ海における中国を含む各国の動向について、強い関心を持って注視をしていく考えでございます。わが自衛隊・防衛省の対応におきましては、先程申し上げた考え方、つまり、「法の支配」の原則に基づいて行動するとともに、公海における航行の自由、公海上空における飛行の自由といった国際法上の一般原則が確保されていることが重要と考えており、国際社会が連携していくということが重要でありまして、自衛隊はこれまで、フィリピン、ベトナムなど南シナ海周辺の国々に対するキャパシティ・ビルディング、そして米海軍と共同訓練を行うなど、地域の安定に資する活動に積極的に取り組んでいるところでございます。引き続き、南シナ海における情勢がわが国の安全保障に与える影響を注視しつつ、この地域の安全にどのように貢献をしていくのか、十分に検討を行っていく所存でございます。現在は、具体的な計画は有しておりません。

Q:関連しまして、今、ベトナムについてもおっしゃいましたが、ベトナムを来月訪問されるという報道も出ていますが、そうしたご予定があるのかどうか。訪問された場合、南シナ海の情勢についてどのようにお話になるのか、お考えをお伺いしたいと思います。

A:ベトナム訪問につきましては、調整が整えば、ADMMプラスの拡大ASEAN国防相会議に参加をしまして、この時期を利用して、関係地域・諸外国との強化を図りたいと考えておりまして、御指摘のベトナム訪問についても、現在、調整中でございます。訪問が実現した場合は、防衛大臣として、2013年9月以来、約2年ぶりの訪問となります。その際は、両国を取り巻く安全保障情勢を含めて、両国の防衛政策、二国間の防衛協力・交流について、タイン国防大臣と幅広く議論をし、二国間及び日本とASEANの一層の協力強化を図るための方法について意見交換を行うことができれば、有意義だと考えております。なお、ベトナム訪問は、日本ベトナム防衛協力・交流の更なる促進を目的とするものでありまして、特定の国を念頭においた訪問ではございません。

Q:普天間飛行場の辺野古移設問題に関して、翁長知事が埋立承認取消しに関して、防衛省が国交省に提出した審査請求と執行停止申立書に対する連名書と意見書が国交省に沖縄県から提出されましたが、これに対する大臣のお考えと、現在の省内の検討状況など。

A:21日に沖縄県が、意見書及び弁明書を国土交通大臣宛に発送したと公表したことについては承知を致しております。本件の審査請求、そして執行停止の申立てにつきましては、国土交通省において、法令の規定に基づいて、公平かつ適正に審査がなされるものと認識しておりまして、今般の沖縄県による意見書等の提出も、その手続きの一環であると承知を致しております。防衛省としましては、これまでも繰り返し申し上げたとおり、普天間飛行場を一日も早く返還を実現しなければならないと考えておりまして、そのために辺野古移設を着実に前に進めなければならないと考えております。

Q:先日、韓国の国防大臣と会談した中で、北朝鮮地域で自衛隊が展開する場合に韓国の要請・同意を得る必要がないという認識を示したという報道に対して、韓国メディアが反発しているということなのですけれども、少しちょっと整理した方が良いのではないかと思うのですが、先日、成立した安全保障関連法案は、後方支援や邦人救出の場合に、相手国の同意が必要とされておりまして、ということは、北朝鮮からの同意が得られるということはあり得ないと思うので、北朝鮮領域で活動することはあり得ないということでよろしいのでしょうか。

A:他国の領域で、自衛隊が活動する場合には、国際法に基づいて、当該国家の同意を得るということが日本政府の方針でありまして、韓国の領域内で自衛隊が活動を行う場合に、韓国の同意を得るというのが当然でございます。北朝鮮への対応につきましては、日韓、日米韓で緊密に連携して十分に協議をしていくことが重要でございますが、基本原則は、他国の領域で自衛隊が活動する場合には、国際法に基づいて、当該国家の同意を得るということは日本政府の方針でございます。

Q:恐縮ですが、ということは、北朝鮮から同意を得るということは、ちょっと現実問題として考えられないので、あり得ないということで良いのですか。

A:法律に基づいて、対応して参ります。

Q:今朝、一部報道で、沖縄の辺野古に関連して、その周辺の区に対しては、3,000万円の直接支援を行うと。これは、周辺対策費からということですが、これの事実関係をお願いします。

A:昨年の9月に仲井眞前知事の同席の下で、普天間飛行場の移設先である名護市の三区、久辺三区から政府に対して、普天間飛行場の代替施設の建設に対して、要望書が提出をされたところでございます。これを受けて、本年5月に防衛省沖縄防衛局及び内閣府沖縄総合事務局において、三区の区長との第1回懇談会を開催し、現在地元の要望について何ができるのか、また、次回懇談の開催時期等について検討しているところであり、地元要望への対応等については決まったものではないと承知を致しております。いずれにしましても、普天間飛行場の辺野古への移設に当たりまして、大きなご負担をお掛けすることとなる久部三区の皆様には、今後、区民の生活環境の保全、また生活の向上、地域の振興に対して、できるだけの配慮をしていく考えでございます。現在、地元の要望について何ができるのかについて検討しているところでありまして、地元の要望への対応については、決まったものではないと承知を致しておりまして、政府として必要に応じて、地元自治体と相談しながら関係機関において、地元の要望について何ができるか検討しているところでございます。

Q:先程「北朝鮮に関しては、日米韓で連携して」とあったと思うのですけれども、先日、ソウルで大臣自ら発表された日米韓の課長級のワーキンググループ、昨日から今日まで行われると思うのですけれども、そのワーキンググループでの主な議題というのは、どういったものが議題になるのか。それと、昨日の段階でどういった話し合いがされたのかというのをできるだけ教えていただけませんでしょうか。

A:22日、23日に防衛省において、課長級のワーキンググループ(DTT)を開催を実施を致しております。日米韓の三ヶ国は、定期的に共通の安全保障に関する事項及び三ヶ国での防衛協力の向上のための協議を開催しておりまして、今回のワーキンググループはその一環となります。この協議では、三ヶ国の地域における防衛協力の改善についての協議をすることと致しておりますが、具体的な内容につきましては、協議の内容等で相手国との関係もあることから、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。いずれにしましても、日米韓の三ヶ国は、地域の平和と安定に関して共通の利益を有しており、緊密に連携していくことが様々な安全保障上の課題に対処する上で重要でありまして、今回訪韓を致しまして、日韓の防衛相の間で協議をさせていいただきましたが、その成果も踏まえて、防衛省として米韓の両国と今後一層の防衛協力強化に向けて、引き続き政策的な意見交換を積極的に進めてまいりたいと考えています。

Q:今の訪韓の件ですけれども、日韓の防衛協力・交流の再開ということで、改めまして大臣がどういった手応えを今回感じられたかというのを伺えますでしょうか。

A:会談では地域情勢のほか、今後、日韓で防衛協力をする課題、そして交流を続けていく課題など、双方から意見や提案をしまして、意見交換をすることができました。今後、人事交流、また部隊間の交流、国連のPKOなど、共同の文章を発出を致しましたけれども、幅広い分野で協力・交流を推進をしていくということで一致を致しました。その時、意見交換等を踏まえて、両大臣間では信頼関係が深めることができたわけでございますが、実務的な話し合い等につきましては、こういった課長級のレベルでそのような課題も含めて協議をしていただきたいと思っております。

Q:来月には日韓の首脳会談も調整されていると思うのですけれども、防衛当局間の交流なども深めていく上で、首脳会談に大臣が期待されるものなどありましたらお願いします。

A:今回の日韓の防衛首脳会談は4年9か月ぶりに実現をいたしました。会談を通じてハイレベルでの人事交流、それから韓国海軍艦艇が自衛隊観艦式に今年参加されましたが、来年は韓国の方へ自衛隊が訪韓させていただきたいこととか、また本年11月に開催される音楽まつりに韓国の軍楽隊が参加すること、こういった点は、軍楽隊に関しては同意をされましたけれども、様々な交流について提案をさせていただいたということ。それから、この地域と国際的な情勢等につきましては多くの戦略的利益を共有していることに鑑みまして、両国の人的交流、部隊間交流、教育・研究交流など様々な分野で防衛交流を強化をすること、PKO、ソマリア・アデン湾での海賊対処、人道支援、災害救援などの活動の分野でも協力を推進することで一致をしたという成果もございますので、今度の首脳会談等におきましては安全保障では、このような、今回の訪問が成果として良い面で発揮されることを願っております。

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