大臣臨時会見概要

平成27年10月20日(16時45分~17時13分)

1 発表事項

 先ほど、韓国の国防部におきまして、韓民求国防部長官と私が日韓の防衛相会談を行ったところでございます。後で共同報道文を発表・配布をいたします。日韓の防衛相会談で共同でプレスリリースができるというのは初めてのことでございます。まず、地域情勢につきまして、双方で北朝鮮の核ミサイル問題、東アジア情勢、また、テロなどのグローバルな安全保障問題、また、サイバー、宇宙の問題などについて意見交換をいたしまして、両国が地域及び世界において多くの戦略的利益を共有をしているということを確認いたしました。そして、両国の防衛政策といたしまして、9月に成立をいたしました平和安全法制、これを含む問題につきまして、私の方から、まず、法案の法制の内容について説明をいたしました。これは他国の領域で自衛隊が活動する場合には国際法に基づいて、当該国家の同意を得るということと、15年4月の日米ガイドラインの見直しの際に明らかにした日米同盟の基本的な枠組みを維持すること、そして、日本の活動が専守防衛の原則を堅持していくということが日本政府の方針であるという立場を説明をいたしまして、再度確認をいたしました。これに対して、韓民求長官は、日本の活動が朝鮮半島を含む北東アジアの平和と安定に寄与する方向で進められなければならないという期待を表明をいたしました。この件につきまして、両大臣といたしまして、こうした意見交換を継続をすることが両国の相互理解の促進のために重要な意義を持つこと、また、両国間の安全保障上の懸案に関して、日韓及び日米韓の協力が重要であることについて認識が一致いたしました。次に日韓の防衛協力、また交流について、これについて両大臣が日韓国交正常化50周年に当たる本年、日韓防衛相会談をはじめとするハイレベル交流、また、韓国の海軍艦艇の自衛隊観艦式への参加など、日韓防衛交流が活発に行われたことを高く評価いたしました。また、本年11月に開催をされる自衛隊音楽まつりに韓国の軍楽隊が参加することに合意をいたしました。また、両大臣は両国が地域及び世界において多くの戦略的利益を共有をしていることに鑑みて、両国間の人的交流、部隊間の交流、教育・研究交流など様々な分野で防衛交流を強化をするとともに、国連PKO、ソマリア沖・アデン湾での海賊対処活動、また、人道支援及び災害救難活動などで協力を推進することで一致いたしました。私の方から、韓民求長官に来年中に訪日するということを招へいをいたしました。これらのことについて、韓日両国で合意が得られまして、共同文を発出することになったわけでございます。非常に有意義な、具体的な内容のある会談でありまして、今回の会談を期に日韓の防衛協力・交流、これが一層推進をされ、そして、強固なものになることを期待いたしております。

2 質疑応答

Q:先程の日韓防衛相会談で、安保法について、韓民求長官の方に具体的にどのようなところに重点を置いて理解を求めたのでしょうか。それに対して、長官の反応というのをお聞かせください。長官は、安保法について理解を示してくれたというふうな認識をお持ちでしょうか。

A:私の方から、これまでも専守防衛に徹しているし、軍事大国とならない、非核三原則を守るという基本方針を堅持をして、平和国家として歩んできた道、これは今後とも普遍であるということ。そして、非常に国際情勢が変化をする中で、積極的平和主義の元に国際社会の平和のために、これまで以上に積極的に貢献をしているということで、あらゆる事態に切れ目のない対応を可能とする法整備を行えたわけですし、後方支援分野で十分に役割を果たしていき、国際的な平和協力活動への十分かつ積極的に参加できるようにするために整備をしたもので、韓国を始めとする地域と世界のパートナーとの協力を深めることが重要であると説明を致したわけでございます。また、先程お話し致しましたが、韓国の領域で自衛隊が活動する場合には、国際法に基づいて韓国の同意を得ると。そして、日米同盟の基本的な枠組みを維持し、日本の活動が専守防衛の原則を堅持をしていくというのが、日本の方針であるということを説明いたしました。これに対しまして、韓民求長官は、日本の活動が、朝鮮半島を含む極東アジアの平和と安定に寄与する方向で進めなければならないという期待、これを表明を致しまして、こうした意見交換を継続をすることが両国の相互理解促進のために重要な意義を持つということ。そして、安全保障の両国の懸案に関しまして、日韓及び日米韓の協力が重要であるということで、意見と認識、これが一致したということでございます。

Q:それに対して、大臣は、韓民求長官が安保法制について理解をしてくれたという認識をお持ちでしょうか。

A:話の中で、韓国側の、先立ってシャングリラ会合において、お尋ねになった点も含めまして、お答えいたしました。韓民求長官としては、理解を頂けたものであるというふうに認識致しております。

Q:冒頭で触れられた地域情勢についてなのですけれども、事実上の弾道ミサイルを発射する可能性を示唆している北朝鮮、ここについてどのような会話が聞かれたのでしょうか。また、どういう点で認識が一致したのか、そういうことがあれば教えてください。

A:韓民求長官の方から、先立っての北朝鮮の70年の記念行事についての分析、また、金正恩氏をどう見ているのかなどのお話がございました。当方からは、北朝鮮の核・ミサイル開発の進行、挑発行為などの軍事動向、これはわが国を含む東アジア全域の安全保障にとって重大な不安定要因でございます。わが方からも、先立ってのパレードに対する見方の意見を申し上げましたが、結論と致しましては、引き続き、情報共有を含めて、日米韓三か国の防衛協力を更に強化をし、目に見える形で北朝鮮に対する圧力となるように発信をしていきたいということでございます。中身につきましては、それぞれ相手方の立場もございますので、申し上げることは控えさせていただきます。

Q:今日の会談で、日韓間の懸案となっているGSOMIAとACSAの締結について、どのようなやりとりがあったのか、相手方の反応を含めてお聞かせください。

A:双方からは防衛協力の推進と致しまして、まず、ACSAにつきまして、その必要性に関しまして、特に南スーダンのPKOにおいて日本も韓国も活動致しておりますので、これの今後の協力、そして災害派遣、捜索救難での相互支援も重要であるので、日韓ACSAの締結が必要であると。そして、北朝鮮による核・ミサイル開発の進行、挑発行為など継続しておりますので、情報面での協力が課題でありますが、日米韓3ヶ国の防衛当局間の情報共有の枠組みのみならず、日韓でGSOMIAの締結をすることが重要であるので、今後とも継続的に意見交換をしていきたいと申し上げました。これに対して韓民求長官は、「韓国の国会と国民の支持がこれに関しては必要である」と。今後、日韓、そして日米韓の3ヶ国の協力を更に深めることが重要であるということでございました。私としては、日韓と日米韓の協力と信頼が連なっていけば、この問題、締結に向けて道が広がっていくのではないかと思っておりまして、引き続き、協議をお願いしたところであります。

Q:具体的にいつまでに締結するという、時期のお話は出たのでしょうか。

A:お話しのように、韓国の国内における国会、国民の支持が必要でございますので、日韓間の協力・信頼が重なっていけば、理解が進みますので、更にこういった点についての協議・要請をお願いして参りたいと思っております。

Q:確認なのですけれども、大臣の方から韓長官に対して、来年中に訪日ということで招へいをされて、それに対して合意が得られたということは、つまり、来年中に韓長官が来日をするということが、今日固まったという理解でよろしいでしょうか。

A:最後に、私からお願いしたことに対しまして、韓民求長官から、「実現に向けて努力をしたい」ということでございました。

Q:前向きな反応が得られたという感触だと。

A:はい。言葉通り、実現に向けて努力をしていただけるものだと思っております。

Q:最近、日本と韓国の間で色々な懸案がある内のひとつとして、懸案というとちょっと違うのですけれども、中国を巡る安保観、見方の違いということが、それぞれ韓国側からも日本側からも「どうしてそう考えるのだろうか」という理解が難しいという話が出たりすることが多いのですけれども、中国に対する見方というのは、何か、今日議論になりましたでしょうか。

A:私の方は、この東アジアの安全保障、地域の平和と安定にとって日韓間の関係、また、日韓の安全保障の協力は、非常に大事なものであると。そして、特に東アジア、世界の安全保障上の利益は、日韓は共有をしているので、今後、地域にとどまらず、グローバルな視点で認識を共有して、安全保障面で協力をすることが重要であるとお話致しました。地域情勢につきましては、今日1時間の時間でありましたので、長官からは、北朝鮮についての情勢のお話しかなかったのですが、明後日もう一度、1時間半話をする機会がございますので、その間に、また引き続き、地域の情勢の話をしていきたいと思っております。

Q:今日の段階では、具体的に中国という名前を出してやりとりが行われたことはなかったということでしょうか。

A:そうですね。長官の方から、日韓というのは隣国でありますので、大変大事な関係にあると。日韓関係というのは、未来を共に切り開いていく大事な隣国であり、50年を迎えて、両国で互いに力を尽くして、パートナーとしての努力をともにしていくべきであるということでお話がございましたので、この地域の平和と安定のためには、日韓の協力関係が重要であると認識は持たれている感じでした。

Q:GSOMIAに戻ってしまって恐縮なのですけれども、先ほど長官の方から、「韓国の国会と国民の支持が必要だ」と。「今後、日韓・日米韓の協力を更に深めることが重要だ」というお話だったということだったと思うのですけれども、5月のシャングリラでもGSOMIAについては、中谷大臣の方から言及されて、それに対して特に明確な反応はなかったと思うのですけれども、その時と比べて、今回、一歩、GSOMIAに対して前向きな反応が得られたというふうな受け止めでしょうか。それとも、その時と変わっていないという認識でしょうか。

A:5月でも話を致しましたが、今回、特に「今後の日韓、日米韓の3ヶ国の協力を、更に深めていくことが重要である」と。非常にこういう前向きの発言がございました。ひとえに、韓国の国会と国民の皆さんにこの重要性を理解していただけるように、更にこちらの方から、この必要性については協議をするということと、説明をすることによって必要性に対する認識を持っていただくように努力していきたいと思っています。

Q:先ほどおっしゃった「韓国の領域で自衛隊が活動する場合は、国際法に基づき、韓国の同意を得る」とおっしゃいましたけれども、この韓国の領域について、どの範囲までを指すのか、日韓で認識というのは一致しておるのでしょうか。

A:韓国側の御質問に対して答えるような形で、私の方から、「国際法上、一般的に、ある国の部隊が他国の領域において、当該他国の要請・同意を得ずに活動することは認められていない」と。そして、「自衛隊が国際法に違反して他国の領域における活動を行うことはない。韓国の領域内で自衛隊が活動を行う場合に、韓国の同意を得るということは当然である」というようなことと、「自衛隊の活動に際しては、これまで同様、国際法を誠実に遵守をしていく方針である。そして、朝鮮半島の有事での対処にあたっては、日米韓の緊密な連携が必要と考えており、今後とも韓国及び米国とよく協議をしていきたい」と説明致しまして、私としては、このテーブルで御理解が得られたと思っております。

Q:北朝鮮情勢について、一般的な話でもいいので、具体的にやりとり、文言として、大臣と韓国防相との間でどのようなやりとりがあったのでしょうか。

A:主に最近の動向として、70周年の建国記念パレードに登場した北朝鮮の兵器に対する分析と能力など、そういった状況について、北朝鮮に対する認識を披露していただいたということでございます。

Q:1つ前の質問に関連するのですけれども、自衛隊が朝鮮半島で活動する際の話なのですが、韓国側として、北朝鮮も韓国の領土というふうにみなしていて、北朝鮮の領域内で活動する際には韓国の同意が必要だと、そういう主張をしていると思うのですが、この点についてやりとりが今日あったのでしょうか。また、理解を双方得られたというか、一致点を見いだせたのでしょうか。

A:これにつきましては、日本の活動が朝鮮半島を含む北東アジアの平和と安定に寄与する方向で進めなければならないという期待を表明致しまして、その点についての自衛隊の活動等について御意見がございましたので、私の方からは、先程お答えした内容で答えたということでございます。

Q:日本の防衛大臣が訪韓されたのが久しぶりになると思うのですが、日韓の防衛協力の中で、今回の訪韓の意義というのはどうお考えでしょうか。

A:今後、日韓の防衛協力と交流を拡大をしていこうということで、特に防衛相同士の相互の訪問をはじめ、防衛審議官級、また局長級、そして実務者級などにおいても、こちらから交流、定期的な協議の提案致しました。また、共同訓練への参加の要請とか、また、艦艇・航空機などの相互の訪問とか、それぞれこちらからの要望を行いまして、先方の方からは、具体的な提案等もございまして、実のある提案をしていくことができたと。つまり、今回の会談から、今後の日韓の防衛協力・交流が、具体的に進んでいくものになると私は確信致しております。

Q:今朝の新聞報道について大臣にお伺いしたいのですけれども、辺野古の移設関連事業の受注業者が、チェック役の運営業務を受注していたという話についての大臣の御認識と、これが本当であればどうしてこういうことが起きたのか、影響などはないか、そういうことをお聞かせ頂きたいのですが。

A:私の認識としましては、監視委員会の運営は、公正・中立に行われているものであると認識致しております。この委員会等につきまして、県側の要請に基づいて設置をされた委員会等でございます。これまで実施してきた環境監視委員会においては、それぞれの委員の専門家としての立場から、貴重な御意見をいただいております。また、本事業の実施にあたって、環境保全措置を行うために適切な指導・助言をいただいていると承知しておりまして、そういった中で運営をされていますし、委員会の運営等につきましても、公正・公平に行われているものであると認識しております。

Q:11月はじめにも、日韓の首脳会談が3年半ぶりに行われるという話も出ていますけれども、それに向けて何か防衛関係、安全保障関係でお話をされたことはありますでしょうか。

A:今日は両大臣間で、それの話はありませんが、特に安全保障面におきましては、日韓両国にとって、共に同じ価値観を持ち、また安全保障においても、共に協議をしている分野でありますので、やはり日韓の防衛協力、安全保障における認識の一致などは重要でありますので、日韓の両国関係が緊密になる上においても、安全保障の協力は非常に大事なものであるというふうに認識しております。

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