大臣会見概要

平成27年10月16日(11時24分~11時50分)

1 発表事項

 2点発表させていただきます。まず、本日付で森本敏元防衛大臣、そして西正典前防衛事務次官を防衛大臣政策参与に任命を致しました。お二人とも防衛問題に関する豊富な経験と高い見識を有していることから、有益な意見具申・進言を行っていただけるものだと考えております。現在、岩﨑元統幕長も防衛大臣政策参与でございますので、含めまして3名の参与ということでございます。もう1点は、来週の20日(火)から22日(木)の日程で、私は韓国を訪問致しまして、韓民求(ハン・ミング)国防部長官との間で日韓防衛相会談を行う予定であります。韓国は、わが国にとっても最も重要な隣国であり、地政学的に見ましてもわが国の安全保障上重要な国であるとともに、米国の同盟国として多くの戦略的利害を共有しており、両国が安全保障面において緊密に連携することは、アジア太平洋地域における平和と安定にとって大きな意義があるものだと考えております。日韓両国が直面する課題は、北朝鮮の核・ミサイル問題、そしてPKO、また大規模災害への対応、海賊対処、海洋安全保障など、広範かつ複雑なものとなってきております。これらの課題に両国が効果的に対応するためには、より広範かつ具体的な防衛協力・交流を行っていくことが重要であります。韓民求長官とは、本年の5月、シンガポールでのシャングリラ会合以来でありますが、相互訪問による防衛相会談の開催は日韓防衛交流の強化に向けた重要な第一歩であると考えており、今般、2011年の1月以来、4年9ヶ月ぶりに防衛大臣の相互訪問が実現することを喜ばしく思っております。会談では、両国を取り巻く安全保障環境、また両国の防衛政策、防衛協力・交流などについて、韓民求長官と率直な意見交換を行い、両国の相互理解及び協力強化につなげて参りたいと思います。なお、私は13年前に防衛庁長官を務めておりました2002年に防衛首脳会談のため韓国を訪問致しましたが、当時はほぼ毎年、防衛相会談を双方の国で開催してきたところでありまして、今回の訪問が今後の交流の活性化のきっかけになるということを期待致しております。会談におきましては、最近の安全保障環境の変化に加えまして、先日、国会で成立を致しました平和安全法制などの防衛政策上の問題、進展等につきまして、関係国への説明を行ってきておりますけれども、隣国の韓国におきましても直接訪問を致しまして、こういった法案の意義とか内容につきまして、説明をして参りたいと。そして限られた時間でございますが、米韓防衛協力の状況、また韓国の国防政策についても韓国側から説明を受けたいと考えております。私の方から以上でございます。

2 質疑応答

Q:2点お伺いさせて頂きます。日韓防衛相会談ですが、今回の会談では、懸案であるGSOMIAの締結に向けてはどのような話し合いの場としたいとお考えでしょうか。2点目ですが、昨日15日、山口地裁岩国支部が岩国基地の騒音を巡る訴訟の判決を出しましたが、その判決の受け止めと今後の対応をお聞かせ下さい。

A:GSOMIAにつきましては、北朝鮮の核ミサイルの脅威を踏まえれば、日韓の間の防衛分野での協力強化は重要でありまして、両国間で緊密に情報の共有を図っていくということが重要であります。こうした観点から、昨年の12月に日米韓の三者で署名を致しました情報共有取決めは、両国の協力を強化する観点から有益なものですが、日韓二国間の防衛関連の秘密情報を直接交換することを可能にする日韓GSOMIAも重要だと考えておりまして、日韓防衛相会談では、機会があればGSOMIAについても働きかけを行いたいと考えております。岩国の訴訟につきまして、昨日、山口地方裁判所岩国支部において、自衛隊機及び米軍機の差止め等を否定する一方、岩国基地周辺における自衛隊機等の騒音被害が受忍限度を超え違法であるとして、原告ら約6百名に対して約5億5千8百万円の支払いを命じる判決が言い渡されました。今回の判決は、自衛隊機及び米軍機の飛行差し止めにかかる国の主張については、裁判所の理解が得られたものと受け止めております。また、騒音被害に対する主張につきましては、滑走路の移設事業による騒音被害の軽減及び将来分の損害賠償請求について裁判所の理解が得られたものの、過去分の損害賠償請求の一部が認められた点については、厳しい判断が示されたものと受け止めております。今後の対応につきましては、判決の内容を慎重に検討し、関係機関と十分調整の上、適切に対処して参りたいと考えております。

Q:今日、防衛大臣政策参与に二人を任命されたということですけれども、それぞれ人選の理由と、どういった役割をそれぞれの方に期待していらっしゃるのかお聞かせ下さい。

A:まず、森本氏は、防衛・安全保障分野の識者として非常に長い期間、元は自衛隊、そして防衛省の職員でありましたが、外務省にも出向された上で、その後、長く第一線でご活躍をされております。防衛大臣も経験をされまして、防衛省・自衛隊に対して高い見識を有しているということです。それから西氏は、これまで事務次官を始め、防衛政策局長、経理装備局長等を経験をされまして、防衛問題に対する豊富な経験と高い見識を有しているということでございまして、これまでもいろいろな政策面における補佐を受けておりましたが、今後とも、有意義な意見具申・進言を行っていただきたいということで、任命をお願いしたわけです。

Q:関連で、森本さんに関しては大臣を経験された上で、今回政策参与と。かなり、非常に珍しい人事なのかなという印象を受けるのですけれども、森本さんにお願いすることになった経緯といいますか、どういう考えの下にそういう人選になったのでしょうか。

A:私が防衛大臣になる以前から、様々な安全保障に関する問題等につきましては、森本氏から色々と意見も伺って勉強もしておりましたし、また、防衛大臣として非常に適確に仕事もされまして、退官後も様々な機会を捉えまして、私自身も森本氏から意見等も聞いておりまして、非常に高い見識と優れた情報分析力、また防衛装備に関しましても豊富な知識を持っておられますので、今後、日米の関係やわが国周辺の安全保障政策等におきましても、様々な面で意見を求めて、彼の意見を聞かせていただきたいと思っております。

Q:確認ですけれども、大臣御自身でこの人事はお決めになったと。

A:その通りです。

Q:先程、山口地裁の判決に関連してですけれども、岩国基地には艦載機移転の計画があるわけですけれども、それへの影響についてはどのようにお考えなのでしょうか。

A:これは、もう既に移転をするということの内容等については決まっておりまして、こういった日米間の問題、特に平成25年の10月の「2+2」におきまして、平成29年頃までに完了すると確認を致しております。防衛省としては、その実現に向けて岩国飛行場において、格納庫、家族住宅、学校等の整備を行っております。また愛宕山地区においても、橋梁、ユーティリティ等の工事、これを実施しているところでございます。空母の艦載機の移駐につきまして、今後、地元の御理解を得ながら、可能な限り早期に、かつ着実に進めて参りたいと考えております。

Q:更なる騒音被害に対する懸念というのが地元にあるわけですけれども、それについてはどういうふうにお考えでしょうか。

A:これはやはり、地元の皆さんの安心が確保されるようにということで、従来からも米軍に対して騒音問題において、訓練の実施や飛行等について、最大限配慮して行うように申し入れを致しておりますが、今回におきましても、この周辺の住民の方々への航空機騒音の影響に可能な限り配慮するよう米側に要請をするとともに、航空機騒音を可能な限り緩和するため、滑走路移設事業を行ってきたところでございますが、今後も住宅の防音工事等の周辺対策をこれからも行って参りまして、周辺の住民の方々への影響の軽減が図られるように、努力をして参りたいと思います。

Q:日本が国連の非常任理事国に、加盟国最多の11回目ということで選出されましたが、これについての受け止めをお願いします。

A:これはやはり、非常任理事国になるかならないかで大きな違いがあります。というのは、国連の常任理事会で何が議論されているのか、その情報はメンバーに入らないと明らかにならない部分が多いわけでありますので、非常任理事国入りをしたということは、非常に外交的にも大きなメリットがあることでありまして、これは喜ばしいことだと思います。これの選挙等につきましては、外務省の所管でございますが、正当な選挙を通じて選ばれたものだと認識しております。

Q:関連してなのですけれども、今後、政府が目指す常任理事国入り、安保理の改革を進めていきたいという考えもあると思うのですけれども、その中でPKO、安保法制で駆け付け警護等々で、もう少しPKOで日本の存在感を示すべきという意見も出ていますが、大臣は再三、「拙速を避け、周到な準備を行うことが必要不可欠」と。「十分な時間を掛け、慎重の上にも慎重を期す」とお話がありましたが、いつぐらいまでに、新しい法制の下で駆け付け警護を行うというお考えでしょうか。

A:国連の改革というのは総理も演説をされたとおり、「新しい時代に対応できるように」ということで、国連で議論し、検討すべきであると思っております。その中のPKO活動も、湾岸戦争以降、冷戦が終結をして、世界の平和と安定のために非常に貢献をし、役に立つ活動として色々な箇所で行われているわけでございますが、湾岸戦争から25年を経まして、このPKOの役割等も新しい時代に対応をした国造りから地域の安定へというような役割も担うようになってきたわけでございますので、国連の内部におきまして、PKOの在り方等は各国から提言を受けて、新しい時代に更に役立つようなPKOになるようにすべきだと考えております。南スーダンに派遣している自衛隊にいかなる業務を新たに付与するかにつきましては、この要否を含めまして、今後、政府内で慎重に検討を進めて参りたいと。特に、駆け付け警護業務の適否等については、現時点において政府は何ら方針を決めていないわけでございまして、私は実際にこれを実施する前に、具体的な検討・準備を進めて行くに際しまして、この法律が成立した後、9月28日に省内に指示を致しましたけれども、「特に、新たに行うことになる任務については、安全に配慮しながら実施できるように、拙速を避けて、周到な準備を行う」、また「情報の収集・分析で十分時間を掛けて、慎重の上にも慎重に検討を行う」と、そして「政省令・規則類などの整備に当たって、綿密に部内外で調整をして、遺漏なきよう万全を期す」ということを示したところでございまして、現在、その基本となる規則・政省令、これを整備している最中でございますので、現在のところ、時期的に開始するということを検討するような時期には至っていないというふうに思っております。

Q:関連して、本日の防衛大臣政策参与をお二人増やされたということですが、今後の平和安全法制の運用などについての進言をしていただくというようなことなのかどうかと、別件なのですが、今週末から靖国神社で例大祭が開かれるのですが、参拝されるお考えがあるかどうか、お聞かせ下さい。

A:参与等につきましては、お一人は前事務次官でありますので、今まで省内で対応等して参りましたので、平和安全法制につきましてもこれの実施段階になりますので、当然いろいろな意見を求めていきたい。それから森本氏におきましても、個人的に日頃からいろいろな意見も求めながら、私自身の判断にも参考にしてきたわけですが、正式に参与となって頂いて、この助言を幅広く、また重要なところを密接に、また意見も伺いたいなということで、正式に参与になって頂いたということでございます。靖国神社につきましては、国の内外を問わずに国のために戦って尊い命を犠牲にした方々に手を合わせて、ご冥福をお祈りを致しまして、また尊崇の念を表することは当然のことであると考えておりますが、閣僚が靖国に参拝されたこともあると承知しておりますが、いずれも私人としての参拝をされたものと理解を致しております。私自身につきましては、参拝をする予定はないということでございます。

Q:横田基地に配備される予定のCV-22オスプレイが、沖縄や三沢、東富士などで訓練を実施することが明らかになりました。ただ、米軍の環境レビューには「沖縄では訓練場を使用する」とだけ示されていて、具体的な訓練場や訓練内容は明らかになっていません。この沖縄だけ、その訓練場が明らかになっていないことについては、米軍側から何か説明、または具体的な訓練場の施設名など説明はあったのでしょうか。

A:これは、この運用の面で米側が想定される地域への環境への影響予測を評価するために環境レビューを実施したということでございまして、これは米側の調査の結果でございます。それに基づいて関係の自治体を始め、本土や沖縄県の関係の自治体に対して説明を行ったということでございまして、CV-22の安全性や具体的な運用につきましては、更なる情報提供等を求められたところでございますので、引き続き丁寧に御理解を頂けるように説明をして参りたいというふうに思っております。この沖縄の訓練場におきましては、離発着訓練及び空対地射撃訓練の実施を想定している旨、米側から説明を受けております。これ以上の具体的な事項については、防衛省は承知をしておりません。引き続き得られた情報について、関係自治体等に丁寧に誠意をもって説明をして参りたいと思っております。

Q:関連なのですけれども、CV-22は横田基地に配備される背景には、沖縄の反発を、嘉手納基地への配備をすると、沖縄の反発が強まるということで、反発を避けるという背景もあったと思うのですけれども、沖縄からは県内での訓練実施に対して明らかに負担の増だという懸念の声が挙がっているのですが、大臣ご自身、沖縄でCV-22が訓練することについて負担の増だという認識はお持ちでしょうか。

A:現在は、このCV-22というのは各種事態が発生した場合に、初動対応を行う米軍特殊作戦部隊を輸送するというのを主な任務としております。沖縄にも特殊作戦部隊が所在をしておりますが、現時点において沖縄における具体的な飛行運用について、米側から説明を受けているというわけではございません。そして、この環境レビューによれば、CV-22は横田飛行場に加えて、本土、また沖縄における既存の訓練場などの訓練区域で訓練を実施すると承知しておりますが、米側は沖縄を始め、米軍の運用による地元の影響の軽減を常に考慮してきていると承知を致しておりまして、沖縄以外でも訓練を実施するということで、具体的な地名を挙げて、今回はレビューで示されたということでございます。

Q:沖縄での訓練実施については、その負担増、新たな負担増という認識ではないということでしょうか。

A:現時点におきましては、今回レビューで発表された内容以上のものを承知を致しているわけではございませんが、この飛行運用に際しまして、当然のことながら地元の地域の住民に配慮し、最大限における安全対策をとると致しておりまして、沖縄に配備されているMV-22に関する日米合同委員会の合意の内容を含めて、既存の全ての日米間の合意を守るということで、安全に関して様々な合意がされておりますが、それを順守した上で実施をされるということでございます。

Q:今の関連で、沖縄だけではなく、沖縄に加えて青森とか関東周辺でも静岡とかで訓練をするとしていますけれども、飛行ルートとか何も書かれていない中で、やはり住民の不安が募ると思うのですが、これに対して防衛省は、改めて米側に対して、若しくは、防衛省として住民不安を無くすようなこと、若しくはどういうような負担軽減の対策というのを執っていく考えなのでしょうか。

A:環境レビューというのは、米国外で活動する環境への影響を分析するために米国政府が主体的に作成したものでありまして、今般のCV-22の横田飛行場配備に関する環境レビューについても、米国政府の責任の元で適切に作成されたものと認識をしておりますので、記載内容に対するコメントは差し控えさせていただきたいと思っておりますが、米側がCV-22の国内の飛行運用に際しては、地域住民に十分配慮して最大限の安全対策をとるとしておりまして、沖縄に配備されているMV-22に関する合同委員会の合意の内容も含めて、これまでの日米間の合意を尊重しながら、訓練をされるものだと認識しております。

Q:今回のレビューについて、防衛省としては適切だという認識なのでしょうか。

A:今後、CV-22についても安全に運用されるように米側との間で必要な協議を行っていくことだとしておりまして、特に沖縄の基地負担軽減については、改めて政府の取組を説明をする考えでございます。また、このレビューにつきましても、関係自治体等から、CV-22の安全性、具体的な運用について、更なる情報提供を求められておりますので、関係自治体の皆様にも御理解が得られように、引き続き情報を入手して丁寧に誠意を持って説明して参りたいと考えております。

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