大臣臨時会見概要

平成27年5月14日(18時41分~18時57分)

1 発表事項

 なし。

2 質疑応答

Q:今日、閣議決定を迎えて、率直な今のお気持ちと、今回の法整備の意義、一方で野党から戦争法案という批判も出ていますが、今後の国会審議にどのように臨んでいこうとお考えでしょうか。

A:昨年、7月の閣議決定以来ですね、法案の整備、作成に精力的に取り組んで参りました。年明けからは、与党協議会も開催されて、その場で濃密な議論を行いましたし、政府としてもいろいろな角度で検討させて頂きまして、今日、閣議決定から10か月ぶりに法案の閣議決定ができたこと、非常に喜ばしく思っております。この法案はまず、わが国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増していること。そして、いかなる事態においても国民の命と幸せな暮らしを守り抜くために、極めて重要なものであるということを認識をいたしております。しっかりと検討した結果、明確な要件のもとで、自衛隊が国民の負託にきちんと応えていくことができるように配意されたものになったというふうに評価をいたしております。また、日米でこのたび合意をされました新ガイドライン、これの実効性を確保いたしまして、日米同盟の抑止力、そして対処力、これを一層向上させるためにも重要なものになったと考えております。今後、国会で法案審議がスタートするわけでございますが、まさにこれからが本番だと思っております。担当大臣といたしまして、法案審議において、分かりやすい説明に努めて、広範な国民の理解を得て、この通常国会で是非とも法案を成立させたいと思っております。また、本日の閣議決定を受けまして、防衛省内におきましては、明日、内幕の関係幹部を集めた安全保障法制整備検討委員会、これを開催するといたしておりまして、引き続き防衛省一丸となりまして、この必要な作業に取り組んでいくことを確認をいたしたいと思っております。

Q:「戦争法案だ」という野党の批判にどのように反論していこうとお考えでしょうか。

A:これはまず、わが国の安全保障環境が厳しさを増しているということ、そして、あらゆる事態に切れ目のない対応をしなければならない、そのために考慮しなければならないということであります。先般の新ガイドラインでの実効性、これも確保して、日米同盟の抑止力、対処力を一層向上させるために必要なものでございます。これにつきまして、日本が「戦争をする国」になるということは、私はないと確信を持っております。というのは外交努力とともに、憲法の範囲内で安全保障努力を行うことによって、紛争を未然に防止し、その拡大を止め、早期に終結させるといったことをこれまで以上に重視ができるということ、そして、「戦争に巻き込まれる」ということではありません。これは日米同盟をさらに強固にすることによって、抑止力を高めることで、わが国の平和と安全を守ることができるということでございます。そして、いろいろな情勢の中で、パワーバランスが変化したり、大量破壊兵器、科学技術の進展、テロなど、もはやどの国も一国のみで平和を守ることができませんし、世界中のいろいろなところで、起こることにおいても、やはり日本の平和と安全保障に関わってくるという時代になっておりまして、だからこそ、この日米間の安全保障、防衛協力の強化、そして域内外のパートナーとの信頼関係、協力関係を含め、あらゆる事態に切れ目のない対応ができるということで、争いを未然に防ぐ力、抑止力を高めることができると私は考えます。

Q:大臣は、安保法制に関連して、12日の参議院の外交防衛委員会で、専守防衛の定義について問われて、その今回の法制を踏まえて、「他国への攻撃でも、国の存立が脅かされ、国民の生命・自由・幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合も含むと解している」という答弁をされて、集団的自衛権も含まれるという趣旨で説明されたと思います。専守防衛に関する現行の政府見解からすると、集団的自衛権を新しく含むということ自体は、定義が変わったことによって変更につながると思うのですが、この考え方についてはどう整理されたのか。

A:国会でも、答弁致しましたが、わが国は憲法のもとで、相手から武力攻撃を受けた時に初めて防衛力を行使をし、その態様も、自衛のための必要最小限度にとどめ、また保持する防衛力も、自衛のための必要最小限度のものに限ると、致しております。専守防衛は、このような憲法の精神に則った受動的な防衛戦略の姿勢をいうわけですけども、これはわが国の防衛の基本的な方針であるわけでございます。昨年7月の閣議決定において、憲法9条の下で許容される「武力の行使」は、わが国と密接な関係にある他国への武力攻撃の発生を契機とするものであっても、他国の防衛、それ自体を目的をするものではなく、あくまでもわが国を防衛するためのやむを得ない自衛の措置として初めて許容されるとしたものでございます。このように、わが国は引き続き憲法の精神に則った受動的な防衛戦略の姿勢を採るということに変わりはなく、専守防衛の定義も変わっていないということです。

Q:ただ、明らかに、現状の文言で「相手から武力攻撃を受けたときに初めて武器・防衛力を行使し」という文言があるのですけど、そこと、「存立危機事態」としての定義というのは、明らかに異なるのですけれども、それは、その説明上、「今後、その存立危機事態を指す文言も加えて説明していくということが、解釈の変更にならない」という説明がわかりにくいのですけれども。

A:これは、憲法の精神に則った受動的な防衛戦略の姿勢でありまして、わが国の存立に関わる場合に、必要最小限の自衛の措置を採るということは、これは憲法でいう基本的論理でございます。それは変更していなくて、これまではわが国に対する武力攻撃が発生した場合に限られると解してきましたが、しかし、「相手から武力攻撃を受けたとき」も「わが国が武力攻撃を受けたとき」を指すものと考えておりまして、従来、昨年の7月の閣議決定におきまして、憲法9条の解釈の基本的な論理、これは維持した上で認識が改められて、わが国に対する武力攻撃が発生した場合のみならず、「わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利、これが根底から覆される明白な危険がある場合」にも、自衛の措置として、「武力の行使」が容認されるとしたことでございます。これに伴い、専守防衛の説明に用いてきた「相手から武力攻撃を受けたとき」には、「わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合も含む」と解しておりますが、いずれにせよ、わが国又はわが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃の発生が前提でありまして、また、他国を防衛すること自体を目的とするものではないということで、「憲法の精神に則った受動的な防衛戦略の姿勢」をいう専守防衛の定義には、何ら変更がないということでございます。これは、国会でもお答えしたとおりでございます。

Q:今回の法案で、駆けつけ警護だとか邦人救出であるとか、新たな項目が盛り込まれて、より危険な任務と言えるようなものも含まれると思います。それに伴って、自衛官が死傷するような可能性も高まる部分があるんだと思うのですが、そのような点については、国民に対して、率直に説明をして理解を求めていく、というようなお考えなんでしょうか。

A:PKO活動は、20年、実施をして参りました。非常に、国際的にも評価を受けてですね、自衛隊の活動というのは非常に意味があることでございます。また、アルジェリアの事件などですね、邦人がそのような場合に陥ったときに、国家として、そういった救出の手段等も設けなければならないということで、その時点では自衛隊法を見直して、輸送という任務を追加した訳でございます。そういう中で、自衛隊がやれることについて、今回、見直しをして、5原則を維持した中で、対応が可能な条件を、作った上で活動させていこうということで法律の改正をするわけでありますが、一点、リスクに対するお話ですが、今でも自衛隊は、事に臨んでは危険を顧みず与えられた任務を遂行する、ということを宣誓して、任務についております。非常に自衛隊の任務は多岐に渡って、いろいろ分野がありますけれども、常に危険な中でも、任務を遂行できるだけの訓練をし、そして通常の勤務をしながら、組織としての能力を、維持しておりますので、こういったことについて、与えられた任務、これを安全かつ効果的に実施をするということにつきましては、今まで同様であります。実際に派遣される事態に対して、これまでも任務に対して様々なリスクの極小化を図って参りましたけれども、今後、この考え方は、今後の法整備においても全く変わりがなく、自衛隊の活動を行う上において、法律に従った規定において、実施をするということでございます。

Q:今、新たな法制度、PKOだけじゃなく全般を見渡した上で、今回の新たな法制が導入された場合でも、自衛官が死傷するリスクは高まらない、そのように国民に対してご説明されるというお考えでしょうか。

A:これは様々な自衛隊の安全確保において、法案で検討をいたしました。例えば、任務の拡大に際しては、あわせて任務に応じた武器使用権限を付与する。また、自衛隊が支援活動を行っている場所の近傍において、戦闘が発生した場合、発生することが予測される場合には、直ちに、活動を「休止」または「中断」するという仕組みを整備をいたしました。その他にも、現地をしっかり調査をして、計画を立てるということ。その他、情報収集などを通じて、隊員の安全確保に十分な配慮をして実施をするということなど、与えられた任務におけるリスクの局限化は図りつつ、安全かつ効果的に任務が遂行できるようにして、実施をさせたいと思っております。

Q:明日、法案を提出されると思うのですけれども、提出した上で、野党との修正協議ということについて、どういう姿勢で臨んでいかれるお考えでしょうか。

A:これは、国会に閣法として提出するわけでありますので、できるだけ丁寧に、分かりやすく説明を致しますし、受けた質問につきましては、相手に理解をしていただくよう、誠心誠意、説明をして審議を進めて参りたいというふうに思っております。我々としては、10か月かけて検討してまとめた閣法でありますので、この点を、まず国会においてご理解いただくように全力を挙げていきたいと思っております。

Q:自衛隊の海外活動が増えることによって、今後の防衛力整備ですとか、隊員の訓練ですとか、メンタル面のサポートとか、様々な課題があると思うのですけれども、現段階でどんな問題意識を持ってらっしゃるのでしょうか。

A:ひとつは、シームレスというか、切れ目のない、あらゆる事態に対処できるという法律の下に、そういったことが対応できるようになるということ。また、もう一つは、グローバルということで、わが国及び周辺地域、そして世界において、自衛隊の活動を通じて、国際的な平和と安全に寄与するということ。もう一つは、しっかりとそれが実現できるように、その態勢の整備、これをしっかり図っていくということでございます。その前提となる法案が成立しなければ、自衛隊は対応できませんので、国会の審議等を通じまして、そういった態勢の整備も考えて参りたいと思っております。

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