日外務・防衛大臣共同記者会見概要

平成27年1月22日(00時35分~00時57分)(日本時間)

1 発表事項

(岸田外務大臣)
 本日、中谷防衛大臣と共に訪英し、世界の安全保障に対して共に責任を果たしてきた日英両国で外務・防衛閣僚会合を初めて開催しました。この「2+2」は、日英協力の長い歴史に新たな一章を加えるものであると受け止めています。今回の会合では、ISILによる邦人2名の人質事件やパリの銃撃事件について、いずれも卑劣なテロであり、断固非難すること、テロとの闘いに日英が協力し、国際社会と連帯して対応することを確認いたしました。また、アジアの安全保障への英国への関与、国連平和維持活動、災害救援・人道支援活動等を想定した共同訓練の強化に向けた協力、安保理改革への英国の支持等を確認するなど、大きな成果を得ることができました。本年は戦後70年です。日本は70年の間、先の大戦の反省に立ち、不戦を誓い、平和国家として世界の平和、安定、繁栄のために大きく貢献してきました。その年頭に当たり、「積極的平和主義」を実践する上で重要なパートナーである英国から、「積極的平和主義」あるいは安全保障法制の整備等の取り組みについて今回も強い支持を示していただきましたが、安全保障・防衛協力をより具体的に発展させることにより、国際社会の平和と繁栄に貢献する姿をしっかり示していきたいと考えています。私からは以上です。

(中谷防衛大臣)
 本日、初めて英国において「2+2」が開催されたわけでありますが、日本の防衛・安全保障の面におきましても、これの日英の協力強化に向けまして、忌憚のない意見交換を行い、大変有意義な会合でございました。まず私の方から、シリアにおける邦人殺害予告事案、これに関して、これがもし事実であれば、このように人命を盾にとって脅迫をするということは誠に許しがたく、強い怒りを覚えているという旨を発言をし、そして防衛省としましても、防衛駐在官等を通じまして、情報収集に万全を期す所存である旨を伝えたところでございます。そして、わが国としてもテロに屈することなく、日英で協力をして、国際社会によるテロとの戦いに貢献をしていくべきであるということを申し述べました。ハモンド外務大臣及びファロン国防大臣との間で、この認識が共有をされまして、両大臣からは、英国としても最大限の協力をしていきたいという主旨の言葉がございました。第2に、私の方から日本の安全保障法制の整備に係る取組を中心とした日本の防衛政策について説明をいたしました。まず、わが国の平和国家としての歩み、これは不変であると。そしてこの安全保障法制の整備により、日本の重要なパートナー国である英国との協力関係が、更に高まることを期待する旨を述べました。両大臣より、この点について強く支持をいただいたということです。次に、防衛分野における両国の協力については、防衛装備技術協力の進展を確認をするとともに、サイバー、海洋安全保障の分野をはじめとするグローバルな安全保障上の課題で協力を強化をしていくことで一致をいたしました。防衛装備協力については、今後、オフセット契約方式、これは、ただ単に一つ一つの装備を購入をするというのではなくて、両国共にニーズの話し合いをして、相互に契約を行う事でありますが、このオフセット契約方式などを含む両国の防衛装備品に係る調達方法についても今後検討をして、意見交換を行っていくということで一致をいたしました。また、今月上旬のパリでの銃撃事件、これに関して今後対テロ分野で緊密に情報交換をしていく。特に東京でのオリンピックの開催等もありますけれども、わが国の対テロ分野の充実のために、英国からのいろいろな協力をいただくということも確認をいたしました。今後、日英間で緊密に連携をいたしまして、日英関係の進展のモメンタム、これを失うことがないように、本日議論した内容を着実に進展をさせ、日英の防衛協力を更に強化をするとともに、国際社会の平和と安定及び繁栄のために、わが国とこの英国、法の支配、民主主義、人権、透明性のある市場といった普遍的価値を共有する英国とともに取り組んでまいりたいということを深く認識をさせられました。以上です。

2 質疑応答

Q:邦人の拘束事案についてですけれども、今両大臣の方から英国の方に協力を依頼されて、英国の方からは全面的に協力という、そういうお返事であったということを伺いましたけれども、具体的に、日本側からはどのような提案というか、どのような依頼をし、それから英国の方からは全面的な協力の内容、具体的にどのようなやり取り、回答があったのかということをできるだけ詳しく知りたいと思います。それから、岸田大臣はG7各国に情報収集など、電話会談などでいろいろ依頼をされておりますけれども、今回、敢えて英国、英国は情報機関が非常に発達しているというふうに伺っているのですけれども、敢えて英国に期待できる協力の内容をお伺いしたいと思います。これは岸田大臣にお願いします。

A(岸田外務大臣):二つ御質問をいただきました。まず、邦人拘束事案についてのやりとりについては、日英外相戦略対話においても、キャメロン首相表敬においても、ヘイグ院内総務(前外相)との会談においても、そして午後の日英「2+2」のいずれにおいても取り上げさせていただきました。日本側からは、テロに屈することなく、国際社会によるテロとの闘いに貢献していくとの立場を伝えるとともに、先般、安倍総理が発表した2億ドルの支援は、難民支援を始め、非軍事的な分野でできる限りの貢献を行うためのものであることを説明しました。その上で、事件の事実関係に関する情報収集と、拘束されている邦人の早期解放に向けた支援について協力を要請しました。これに対して英国側からは、日本の対応を高く評価するとともに、関連情報の提供を含め、事件の早期解決に向け、英国政府全体で、全面的に協力したいとの回答がありました。そして、さまざまな情報収集の中で、特に英国に期待するものは、そもそも、事件の解決のためには、可能な限り、様々なチャンネルを活用した情報収集が必要と考えています。よって昨日から、米国以外にも、仏、独、NATO、本日午前中も伊といった各国外相に協力を要請している訳ですが、その中にあって英国は、歴史的にも中東地域との強いつながりを持っています。今回の事案についても、人質とされている方に関する情報はもとより、事件の背景や犯行グループの動向、今後の見通しを判断するのに役立つ情報の共有を特に期待したいと考えています。

A(中谷防衛大臣):私の方も、昨日の英国の国防大臣との会合、本日、午前中の会合等を通じまして、そのシリアの問題、率直に日本の現状についてお話をさせていただきました。もう既に英国は、こういった事案を経験しておりまして、国防大臣の立場からアドバイスとして「今から取る行動が次にどう影響するのか、その次のことを考えておく必要がある」と。そして、「今どう動くかということは、この国際社会と日本は共にある」ということ。そして、「やはり強くこれを対応しておかないと、非常に後々いろいろな問題も出てくる」というようなアドバイスをいただきました。具体的な状況等についてはまだ十分に把握できておりませんが、そういった事案が発生して、経験をした英国の国防大臣としてのアドバイスをいただいたということです。

Q:アジア方面で最大の安保上の脅威となっている中国の問題について、どのような話を具体的にされたのかというようなことを両大臣にお尋ねしたいと思います。もちろん中国に対してだけではなくて北朝鮮ですね。一番最大の脅威である中国についてどのような話をされたのかお願いします

A(岸田外務大臣):今回の「2+2」においては、国際情勢、地域情勢について戦略認識を共有するということも大変重要なポイントでありました。その中にあって、ウクライナ情勢等様々な意見交換を行いましたが、その中の一つとしてアジアの情勢について意見交換を行い、その中の大変大きなポイントが中国の情勢でありました。中国の情勢については、日本と中国の二国間関係、世界第2と第3の経済大国の関係なので、この2つの国の関係が安定するということは国際社会にも大きな影響がある、2つの国は大きな責任を担っているという認識の下に、わが国は二国間関係の安定に努力をしてきている訳ですが、昨今難しい状況も発生する中で、昨年11月のAPECで久方ぶりに首脳会談及び外相会談を行うことができました。これを一つの大きな一歩と捉えているということ、こうした首脳会談を通じて様々な具体的な案件において対話が進みつつあるという状況、こんなことについても説明をさせていただきました。ただ一方で、中国公船による領海侵入は引き続き続いていること、我々は引き続き毅然と冷静に対応しているということを説明させていただきました。いずれにしても、わが国として中国との関係について対話を重視しながら、戦略的互恵関係に基づき、未来志向で関係を改善すべく努力をしているとの基本的な姿勢について説明をさせていただきました。

A(中谷防衛大臣):私の方からは、現在の東アジア情勢、特に中国の軍事に関する動向としましては、昨年も2桁の伸びを示したように、この26年間で40倍に国防費が増えてきた状況であるということ。そして、東シナ海や南シナ海をはじめとする海空域において、既存の国際秩序と相いれない独自の主張に基づいて、様々な活動を急速に拡大・活発化をしている。特に、海洋におけるものにおいては、力を背景として現状変更の試みを繰り返しているということで、わが国の対応等の話をいたしました。特に新しいこととしては、この1月12日に、日中防衛当局間の海上連絡メカニズムの協議がありまして、これに対して早期の運用開始を目指したいということを説明をいたしまして、日中間の様々なレベルで対話を重ねるし、関係改善に向けた取組も継続していきたいというようなことで、現状のお話をさせていただきました。これに対して英国からは、やはり地域の安定というのは非常に大事なことであって、安全保障面でも対話を日英間で更に発展をさせていくこと。また共同訓練とか相互協力、こういったものも強化をしていきたいということでございました。英国では、9月に装備における展示会等もあるということで、これに対する御招待もいただいたところでございます。

Q:今回、日英の「2+2」を開催できた意義。中でも様々な安全保障面での協力を強化することで一致されたということで、このことの意義を改めて端的に教えてください。

A(中谷防衛大臣):日英は戦略的パートナー国であるということ。そして、自由主義、資本主義、法による統治、非常に似た政治制度を持つし、価値観の共有をいたしておりますので、そういう面において、戦略的な対話ができたということは非常に有意義であったと思います。それから、個々具体的にもこれまでに、日英間で協力を実施するというようなことを再確認をし、今後更に、それを進展させていこうということ。特に、私が印象に残るのは、ACSAですね。これを早期に実現をしてもらいたいという要望がありました。これにつきましては今、協議をしておりますが、特にこの夏、安全保障に関する基本的な、国会での議論等もありますので、それも踏まえてですね、ACSAにおいても検討していきたいというお話をいたしましたが、このような個々の事例や対話の組織、在り方、また装備・研究、こういった面においても、割と具体的に議論ができたと、非常に良かったというふうに思います。

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