大臣会見概要

平成26年8月5日(11時07分~11時25分)

1 発表事項

 本日の閣議におきまして、「平成26年版防衛白書」が承認されましたので、これから公表させていただきたいと思っております。今回の白書は、刊行40回目となる白書であります。今年の白書は、一層厳しさを増すわが国を取り巻く安全保障環境や、安全保障法制に係る閣議決定、国家安全保障戦略や新防衛大綱といった新たな安全保障・防衛政策、国際社会の平和と安定を維持するため、防衛省・自衛隊が行っている様々な取組について、記述をさせていただきました。

2 質疑応答

Q:今あった防衛白書の件なのですけれども、わが国周辺の安全保障環境の認識に関して、グレーゾーン事態の増加傾向が指摘されていますけれども、理由と背景、そして併せて大臣ご自身が考える今回の白書全体の意義とポイントについて改めてお願いします。

A:一つは、わが国を取り巻く安全保障環境。東シナ海の問題や、あるいは北朝鮮のミサイルの問題等、様々な問題がこの一年間発生している中で、どのように日本の安全をこれからも保っていくかという内容について、記述をさせていただいていると思っております。そして、特にこの一年間におきましては、国家安全保障会議もでき、そして国家安全保障戦略が作られ、それを基に防衛大綱、そしてまた中期防衛力整備計画といった、新たな私どもの防衛政策の基本を作らせていただきました。加えて、先月1日でありますが、安全保障に関する新たな法制に関して、政府の閣議決定での方針が示されたということでありますので、そのような大きな変化に対応できるような防衛政策についての考えをまとめさせていただきました。

Q:民間の高速フェリーの借り上げの件についてお伺いしたいのですけれども、現役の船員を予備自衛官にすると検討しているということで、担当からの取材で伺ったのですが、実際の海自の予備自衛官の数を考えると、民間船員を予備自衛官にすることを前提にしないと、運航そのものが難しいと思われるのですが、大臣はどのようにお考えでしょうか。

A:その報道は違っていると思っています。現在の船員の方を予備自衛官にわざわざしていただくというようなことは想定をしておりません。私どもが今考えておりますのは、現在自衛隊の部隊の訓練等、あるいは災害の場合に、これは自衛隊の艦船も、もちろん使用いたしますが、それに足りない場合に、民間のフェリー等の活用というのも考えていきたいというのが基本であります。また、その中に例えば、今後自衛隊を退官した後、予備自衛官登録をしたような方が、例えば職員としてそこに乗っていただくということ、そういうことも私どもとしては、歓迎すべきことかということでありますので、現時点で、例えば船員でいらっしゃる方に予備自衛官登録をしていただくというようなことを想定しているわけではありません。

Q:予備自衛官の人を乗せるという、その制度設計そのものを変えることを考えているのでしょうか。これは今同じなのですか。

A:あくまでも私どもが想定しておりますのは、自衛隊の輸送に関わる様々な役割というのは、海上自衛隊を含めて担っていくわけですが、それで不足する場合もありますので、民間のフェリー等を活用させていただき、今訓練等で、統合機動防衛力の様々な訓練等で、部隊の移動に今後使わせていただく、今でも一部使わせていただいていますが、それをある程度安定的に使わせていただく、また災害等でも使えるようにということで、今、検討をさせていただいているところであります。

Q:白書に戻るのですけれども、今回の白書では安倍政権が手がけてきた安保政策がずいぶん載せられているかと思うのですが、今回閣議の中で、安倍総理の方から何か白書について言及というのはあったのでしょうか。

A:閣議の中の内容については、二週間後に議事録が公表されますので、その時見ていただければと思いますが、特に今回そのようなことはなかったと思っています。ただ、従前白書を作成するに当たりましては、私どもとしては、当然自衛隊の最高指揮官でありますので、安倍総理大臣にはその都度、報告をし、様々な指導もいただいているということであります。

Q:中国の記述についてなのですけれども、中国側が事態をエスカレートさせているというふうに、ADIZ(防空識別圏)の記述の部分で「中国側が事態をエスカレートさせている」という記述をしているのですけれども、中国の記述ぶりに関しては、どういった防衛省としての判断があったのでしょうか。

A:これは私ども事実を淡々と記述をさせていただいているということであります。今の中国が一方的に設置をした、いわゆる「東シナ海防空識別区」の問題については、これは日本だけではなくて、アメリカも含めた国際社会が懸念を有している案件だと思いますので、そのようなことについても、淡々と事実を記述させていただいているということであります。

Q:白書について、昨年の白書に比べてグレーゾーン事態の記述が大幅に増えています。白書には、国民に安保政策をわかりやすく説明するという意義があると思いますが、グレーゾーン事態について丁寧に説明した意味をお願いいたします。

A:今年の国会の中で、国会としてもこのグレーゾーン事態について様々な質問が出て、また国民の中でも関心が高まっているということの背景で、今回はグレーゾーン事態について、従前より少し多く記述をさせていただきました。

Q:日本を取り巻く安全保障環境が厳しくなっているということを国民に伝えるという意味合いはあるのでしょうか。

A:これは、事実を私どもが分析をする中で、従前に増して安全保障環境は厳しくなっているということ、これは私どもの政府だけではなくて、国民全体で是非共有していただきたいという、そういう考え方があると思います。

Q:白書の関係で、今回の白書の特徴として、他国との安保協力とか、防衛交流といった部分に力を入れたということが言えると思いますが、「積極的平和主義」という概念をこの白書でどのような形で記述をしていったのか、その辺の大臣のお考えをお願いします。

A:特に昨年で言えば、フィリピンの災害等がありました。自衛隊が過去最大規模1200名態勢で災害救助に当たらせていただきました。また今年に入っても、マレーシア機の消息不明事案が発生し、これも関係国が共同して海域、あるいは最終的にはオーストラリアに移転して捜索に当たったという、そういう多国間での様々な活動に日本が参加しているということ。そしてまた、従前からでありますが、南スーダンあるいはソマリア沖アデン湾での海賊対処の問題、こういうことについて活動を継続して行っている。こういうことを記述させていただく中で、安倍政権が大きな政策としています「積極的平和主義」の実際の活動内容ということで紹介をさせていただいていると思っております。

Q:今年の白書では、中国や北朝鮮に対する懸念が強く打ち出されていますけれども、一方で中国との不測の事態を回避するための「海上連絡メカニズム」ですとか、あるいは北朝鮮を抑止する上で重要な韓国との連携ですとか、近隣国との対話という意味では、なかなか前に進まない部分があると思うのですけれども、この辺今後どういうふうに力を入れていきたいとお考えですか。

A:これは政策というのは分析をし、そして今後どのような方向が必要かということで、併せて記述をさせていただいていると思っています。中国とはやはりこれからも「海上連絡メカニズム」を含めた不測の事態を避けるための対話の努力をする必要があると思っています。北朝鮮に対しては、これは拉致・核・ミサイルという日本が従前から示している北朝鮮に対しての要求がありますが、それを含めて日米韓の3か国の関係が重要であります。日米、あるいは米韓という関係は、今でもしっかり構築をされております。今後、やはり日韓、特に外交レベルでの関係改善、これは安全保障上、私どもは重要だと思っております。

Q:関連で、福田元首相が習近平国家主席と会談したという報道が出ているのですけれども、大臣としてはどういうふうに受け止められているのでしょうか。

A:私としては、報道は承知していますが、内容については知る立場ではありませんので、あくまでも報道ということで、それを前提にお話をさせていただくとすれば、やはりこのような中国側との対話が進み、秋のAPECでの日中の首脳会談が行われることが非常に重要なことだと思っております。安倍総理もできるだけそのような会談を行いたいとお話をされていると思います。その上で、首脳同士の会議の中で、海上連絡メカニズム等の前進についての話し合いが行われることは、私どもとして重要なことだと思っています。

Q:防衛大学校で2年生の学生が、上級生と同級生からいじめ、暴行を受けたとして告訴する動きがあるのですが、この件についての大臣の現状のご認識、ご見解をお願いします。

A:防衛大学校に関して、これは自衛隊の将来の幹部を養成する重要な機関であります。その中にあって、たとえいかなる理由があっても、例えば暴力等でいじめというふうに解されるような事があることは、これはあってはならない事だと思っております。今、この被害を受けたと言っている学生が病気で少し休んでいるということでありますが、大学校側として丁寧な対応をして、しっかりこのようなことがないように再発防止に努めてもらうように、私の方から指示をしております。

Q:いじめがあったかどうかについて、現在、防衛大学校の方でも「聞き取り中」と昨日の取材で報告を受けたのですが、この点については何か大臣は報告を受けていらっしゃいますでしょうか。

A:先ほどお話しましたように、被害を受けたと話している学生については今、病気で学校の方を休んでいるということでありますので、その学生の心のケアも含めて重要でありますので、そこは丁寧に対応し、事実関係についてしっかり把握するようにと指示しております。まだ、具体的な事については上がってきておりません。

Q:防衛白書に戻るのですが、防衛白書について40回目ということと、防衛大綱や中期防ができた初年度で作られる、集団的自衛権が閣議決定される、いろいろと盛り沢山の中で、大臣の中では一番どこをこだわって指示を出されたのか、要はメイキングのところ、この部分を非常にこだわったというところがあれば教えていただけますでしょうか。

A:従前の白書も確かに安全保障環境の問題等の記述は抽出させていただきましたが、特に私どもとして災害救援、これはフィリピンの状況もそうでありますが、様々な国際的な災害あるいは平和活動に従事している、そういうことについても、今回はしっかり国民の皆さんにわかっていただくような、そういう記述にして欲しいとお願いをさせていただきました。特に「積極的平和主義」ということ、このイメージをしっかり私どもとして、国民の皆さんに自衛隊の役割として知っていただくことが大切だと思っておりますので、表紙にも今回は、その国際活動を行っている隊員の活動状況を表紙の写真に使わせていただいているというのは、そういう意図もございます。

Q:今日から德地防衛審議官が訪米されて米国防総省の幹部と会談されるというような発表があったのですけれども、具体的にどういった会談内容になるのでしょうか。

A:昨晩、遅くでありますが、德地防衛審議官が訪米をいたしまして、これは防衛省として初めて防衛審議官という、いわば防衛に関して様々な外交的な役割を担うポジションを作らせていただきました。その就任のまず挨拶という中で、同盟国アメリカの方に派遣をさせていただき、そして特に今後、日米のガイドラインの作業等が進む中での意見交換、そしてまた沖縄の負担軽減に関する意見交換、様々な案件について議論をしてくる予定となっております。

Q:オスプレイの佐賀空港への配備、一時訓練として活用するとか、佐賀空港の活用についての、それは話には出てくるのでしょうか。

A:沖縄の負担軽減の全体の中で、当然、その話も行われると思っております。

Q:今の件で、德地防衛審議官というのは、日米のガイドラインの米側との協議にタッチされるのですか。

A:今、防衛省の担当部局の方で対応しておりますが、いずれにしても今回の防衛審議官は防衛分野に関しての外交的な役割を担うところでもありますので、いずれにしても、アメリカ側から様々な考え方を聞くという役割になると思います。今回の一番の目的というのは、やはり新任という形になりますし、また新たなポジションということになりますので、その挨拶を兼ねた訪米というふうにとっていただければと思います。

Q:中国の雲南省の地震の件で、安倍総理が「中国側に支援をします」という申し入れはしているのですけれども、現在防衛省・自衛隊の方で何か検討していることとか、準備をしていることとかもしありましたら。

A:従前その国際緊急援助隊等、外務省が中心となって派遣するということが今までも度々の震災のときにあったかと思っております。自衛隊としましては、要請があれば速やかに出せるような準備を常日頃からしております。あくまでも要請があればということで、その時には、今回の震災だけではなくて、あらゆる災害に応じて、国内あるいは国外に出せるようなそういう態勢は従前からとっております。

Q:靖国神社でお伺いしたいのですけれども、大臣は8月15日若しくはその前後に靖国神社を参拝されるお考えはあるのでしょうか。

A:そのような予定はありません。

以上

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