日米防衛相共同記者会見概要

平成25年4月30日(03時08分~03時51分)

※ヘーゲル国防長官の発言及び英語による質問については、通訳者の発言を記載しています。

1 発表事項

(ヘーゲル長官発言)
 今日は、小野寺大臣をペンタゴンにお迎えいたしまして、光栄に存じます。私どもは、先ほど非常に生産的な会合を行いました。そしてそこにおきましては、日本と米国の同盟関係におきまして直面いたしますあらゆる問題点ということについて、話をさせていただきました。その中におきましては、北朝鮮の非常に不安定要因となるような行動、それから海洋安全保障に対する脅威、また私どもが防衛態勢の強化、能力の強化において、21世紀の安全保障の問題点、難しさというものに対応できるような力を付けていこうというこの共同の努力、こういったようなことを話させていただきました。そして、私どもの話し合いの中におきまして、小野寺大臣と私は、日米の同盟関係と言いますのは、この地域の安全保障、そして繁栄にとって、礎であるということを再確認した次第でございます。今日の話し合いの焦点は、私どもの防衛というトピックでございますけれども、ここで申し上げておきたいのは、米国がアジアに対し、重視政策、リバランスを行っているという中におきまして、我が日米両国は、経済の絆、そして外交の絆をさらに深めるための重要なステップをとりつつあるということでございまして、その一つといたしましては、日本がTPPの交渉参加に対して参加をお決めになったということも一つの最近の進展要因として挙げられます。安全保障の同盟関係というものを強化するということも、私ども米国のリバランス、そしてまた安全保障の強化、さらに平和と安定性の促進という目標達成のために極めて重要なものであります。この地域におけますところの最も明白な安定性に対する脅威といたしましては、北朝鮮の挑発的な行動が挙げられます。小野寺大臣と私は、引き続き、私どもが密接な調整、コーディネーションというものを米国と日本の兵力の間でとっていくということが、このようなさらなる挑発的な行動に対しまして、それをうまくモニターし、そして対応することができるためには不可欠なことであるということで合意をしました。特に私どものミサイル防衛協力というものが重要なものであることを認識いたしました。そして今日、私どもはTPY-2のレーダーにおきまして、日本においてこのレーダーの2機目の配備というものをするという計画について、進展を遂げることができました。これらの配備というものは、北朝鮮の弾道ミサイルの脅威に対しまして、日米両国がそれに対する防御をするという意味で助けになるものでございます。米国は、日本に対する防衛コミットメントにおきまして、ゆるぎない確固とした姿勢を保っております。その中におきましては、拡大抑止、そして核の傘というものも含まれます。また、小野寺大臣と私は、東シナ海におけます継続する緊張関係につきまして、話し合いをさせていただきました。これはもう一つの安全保障上の地域のチャレンジとなっております重要な出来事になっておりますけれども、これは平和裏に、そして協力的に当事者同士が話し合って解決するべきものであるということを認識いたしました。また、今日の話し合いの中におきまして、私は米国の尖閣諸島に関連する長い継続する政策の主要な原則ということにつきまして、繰り返し確認をさせていただきました。米国といたしましては、これらの諸島につきましての終極的な主権の所在ということにつきまして、特定の立場を標榜するものではございませんけれども、しかし私どもは、これらの尖閣諸島が日本の行政管理の下におかれているということを認識しておりますと同時に、日米安全保障条約の義務の下で適応されるものであるということを確認しております。この緊張関係をさらに高めるような行動、もしくは誤算につながるような行動というものは、この地域全体の安定性というものに影響を与えるものであります。したがいまして、米国は一方的な、そして抑圧的な行動をとり、そして日本の行政的なコントロールを軽視するような目的でとられるようなその行動については、反対の立場をとる次第でございまして、このことにつきましては、デンプシー議長が北京に行きましたときに、先週、北京の相手側に十分伝えたものであります。そして、私ども二人は、足元の安全保障のチャレンジということに焦点を当てまして今日は話をさせていただきましたけれども、小野寺大臣と私はそれだけではなく、この同盟関係の将来に関連する戦略的な話題についてのディスカッションもいたしました。私どものスタッフたちはしばらく時間をとって、この役割・使命・能力ということにつきまして、レビューをしているわけでございますけれども、これは私どもの同盟協力の基盤となります防衛ガイドラインに対して、何か改正があればそれを伝えるという目的のためでございます。そしてその中で、非常に重要な優先項目といたしまして特定化されました一つの分野は、情報、監視、そして偵察、ISRの分野でございます。今日、私どもは、この分野におけます協力をさらに深化させるために、防衛ISR作業グループの形成を発表することができました。小野寺大臣と私は、またさらに私どもが、米国の兵力ですが、在日兵力の再編成という分野におきまして成し遂げております重要な進展ということをレビューさせていただきました。そしてこれは、より持続可能な、そしてより強靱性のある、より効率の高い軍の所在というものをこの地域におきまして、そのプレゼンスというものを達成するということの目的のためでございます。そして、今月の初めにおきまして、米国と日本は合同で、沖縄における基地統合についても発表をいたしました。そして、その基地統合の実施を普天間代替施設の進展というものと歩調を合わせることによって行っていくということよりまして、沖縄、グアム、そしてこの地域の他の地域におきましても、私どもが将来のこの同盟関係というものを強化し、そして沖縄における米軍のフットプリントというものを縮小しようと努力している中におきまして、これを行うことが我々の能力の適切な混合体、ミックスというものを維持することができるものであるというふうに考えております。またさらに加えまして、私どもは、MV-22オスプレイ第2飛行大隊の展開というものについて、この夏にでも実行する予定であるということについての確認をすることができました。これによりまして、私どものこの地域における能力の増強につながると思います。そしてここで私は改めまして、小野寺大臣のリーダーシップに対して、そしてこの同盟関係に対するコミットメントに対しまして、お礼を申し上げたいと思います。それから、安倍首相に対しましても、私の感謝の気持ちをどうぞお伝えいただくようすでに大臣にはお願いしたところでございます。私どもの同盟関係というものを21世紀のチャレンジに適用できるように方向を変換していくということにおいて我々が成し遂げてきましたこの有形の進展というものは、密接な協力を両国政府が行ってきて、そして懸命な努力を両国政府の間で実行してきた成果であると思います。私どもはこの同盟というものを将来のために強化をしていきます。小野寺大臣どうもありがとうございました。どうぞご発言をお願いいたします。

(小野寺大臣発言)
 今日はヘーゲル長官と大変良い会談ができたと思います。まず、2月の日米首脳会談での成果を受け、日米の協力関係を新たな段階に高めていくことが重要であること、北朝鮮情勢については日米及び日米韓の間で緊密に連携していくことを再度確認いたしました。また、尖閣諸島については私から、我が国固有の領土であることは歴史的にも国際法上も明らかであるという我が国の立場を改めて説明し、断固として領土・領海・領空を守り抜く覚悟であるということを説明いたしました。尖閣諸島に日米安保条約第5条が適用されること、同諸島をめぐる現状の変更を試みるいかなる力による一方的な行為にも反対する旨の内容について、ヘーゲル長官と確認をさせていただきました。日米防衛協力については、ガイドラインの見直しの前提となる日米間の戦略環境認識に関する議論が進展していることを確認いたしました。また、日米の防衛当局間でISR、情報収集・警戒監視・偵察の作業部会が設置され、共に警戒監視活動を平素から協力すること、そして、これが益々進展していくこと、このことについても確認をいたしました。在日米軍再編については、普天間飛行場の移設に関する埋立申請及び嘉手納以南の土地の返還に関する統合計画の策定が沖縄の大きな負担軽減に向けた重要なステップであることを確認し、引き続き在沖海兵隊のグアム移転の着実な進展を含め、在日米軍再編について着実に進めていくことで一致をいたしました。オスプレイについては、ヘーゲル長官との間で、2番目の飛行隊の日本配備について、今年夏に12機のオスプレイを岩国飛行場に陸揚げをし、その後、普天間飛行場に移転させることを確認させていただきました。最後に、年内のヘーゲル長官の訪日、そして適切な時期に日米の防衛・外務の「2+2」を開催し、日米の防衛・外務関係を更に進展させるということ、そして日米同盟の強化に向けた取り組みを行うこと、このことで一致を致しました。今日の実りある会談を基に、これからも日米関係をさらに強固にしていきたいと思いますし、また、このような暖かい会談をしていただきましたヘーゲル長官をはじめ、スタッフの皆様に感謝を申し上げます。

2 質疑応答

Q:(米側記者)シリアにおけますところの化学兵器の使用について質問させていただきたいと思いますけれども、その規模はどのくらいなのでしょうか。どのぐらいの負傷者などが出たのでしょうか。どれくらい深刻なのでしょうか。また、攻撃は一つ以上だったのでしょうか。複数の攻撃だったのでしょうか。場所はどこなのでしょうか。そのような情報について、なかなか得られないわけですけれども、それはどうなのでしょう。そして、これに対しまして米軍の方はどのような対応をなさっているのかということを聞きたいと思います。それから、それについて答えがなければ、こういった非常に重大な結果を及ぼすような事件が起こっておりますけれども、米国側の評価はどのようなものでありましょうか。どのような評価をなさっているのかおっしゃってください。

A:(ヘーゲル長官)まず最初に今現在評価を行っているところでございまして、あなたが今おっしゃったように誰がやったのか、どこでやったのか、どういう規模なのかということを査定中であるということを申し上げたいと思います。2番目といたしましては、我々ももうちょっと事実関係が明確になって、情報が出るまで待ちましょう、判断をするのはそれまで待つという姿勢がよろしいというふうに考えております。

Q:(日本側記者)東アジア情勢について両大臣に質問です。北朝鮮問題についてなのですけれども、30日に米韓合同軍事演習が終了しますけれども、北朝鮮のこの情勢と現状認識についてどういうふうにお考えかというのと、中長期的に北朝鮮の核とミサイル問題にどう対応するかというのをヘーゲル長官にお伺いしたいと思います。

A:(ヘーゲル長官)私ども米国は、この全ての同盟国と同様に、そしてまたこの地域のあらゆる国々がそうであると同じように、また世界中の80カ国以上の国々が感じていると同様に非常に懸念を持っているということでございます。そして、この朝鮮半島の状況に対してですけれども、私ども米国といたしましては、このような同盟国と協力をすることによりまして、この北朝鮮、朝鮮半島における有事の事態が起こったときも十分な対応態勢というものを取ることができるような準備を進めているわけでございます。そして、それと共に北朝鮮の政府に対して、和平の道を取るように呼びかけるということを更にしていきたいと考えておりますし、また、この国の国民、そしてこの国の事態がよりよくなるために、より効果的なより懸命な道を北朝鮮の政府が取るべきであるということを訴えかけていきたいと考えております。私ども米国におきましては、同盟諸国の国々と協力をいたしまして、こういった挑発行動に対しましても十分な対応態勢を取るということをしておりまして、例え有事の事態があったといたしましても、私どもがこの同盟国との協力によりまして、強力な対応態勢を持っていると考えております。

Q:(米側記者)それでは私の方から、先ほどの質問と類似した質問でありますけれども、させていたただきたいと思います。今や米韓の合同演習が終了したという事態でありますが、これは小野寺大臣の方にお聞きしたいと思いますけども、今現在の北朝鮮の脅威のレベルというのは、どのようなレベル、少し収まってきたと、沈静化してきたとお考えでしょうか。それとも、ずっと一貫して継続的に高いレベルの脅威というものが続いているとお考えでしょうか。それから、ヘーゲル長官に次の質問をさせていただきたいと思いますけれども、シリアに関連してでありますが、米国議会はこのシリアの問題に対しまして、米国が例えばノーフライゾーンとか、その他いろいろな軍事的措置をとることによりまして、米国が軍事行動に出るべきだというような動きを出してきているわけなのですけれども、長官といたしましては、米国が一方的に一国だけでそのような軍事行動をするということについては、それはもうその可能性は排除していらっしゃるのでしょうか。そして、例えば連合国の同意でありますとか、NATOとか、国連とか、そういった他国が合意をするというような枠組みにおいてのみ行動するという路線を考えていらっしゃるのでしょうか。そしてさらにお聞きしたいのですが、このような情勢におきまして、非常に過激化のレベルというものが懸念をするレベルにまで高まってきているわけでありますけれども、これはもう山は過ぎたというふうに考えていらしていいのでしょうか。それともこの過激化の今の情勢というものが、まだ懸念しなければならないようなレベルというふうに考えていらっしゃるのでしょうか。最近、過激化の様子が随分見られるように思われますので、いかがでしょうか。

A:(小野寺大臣)私の方から、北朝鮮の状況についてお話をします。今まで様々な情報を私ども分析し、日米間とも情報共有をしておりますが、今のところ北朝鮮の警戒レベルを下げるというような情報には接しておりません。引き続き、警戒監視はしてまいります。

A:(ヘーゲル長官)私に対して2つご質問がありましたけれども、私の役割といいますのは、私の責任範囲の中におきまして、こういった有事の事態が起こったときのいくつかの様々なオプションですけれども、このオプションについて大統領に説明するというのが私の役割と考えております。ただ、どのようなオプションがあるというのは憶測の範囲でしかないわけです。

Q:(米側記者)その過激化のレベルについてのお答えはどうでしょうか。

A:(ヘーゲル長官)今、私のお答えの中でもうすでに触れたつもりでございます。このレベルがどの程度かということにつきましては憶測をするつもりは全くないということであります。こういった状況に対しては、対応準備は整えておく、そしてオプションがどういうものがあるかということを大統領に説明していくという私の役割を果たすのみということでございます。

Q:(日本側記者)日米防衛協力のための指針、ガイドラインについてお伺いします。お二人に伺います。具体的に、今回の見直し作業ではどういった脅威を想定したものにしていこうとお考えなのか。また、その中での日米の役割分担に関しては、安倍政権は自衛隊の役割を活用していきたいという強い意向を示していますが、今、警戒監視分野で防衛協力を進めていこうという話もありましたが、具体的にどういった分野で米国としては自衛隊により役割を果たしていってほしいとお考えなのか。また、小野寺大臣としてはどういう分野での貢献を増やしていきたいとお考えなのか。そこのガイドラインについては、方向性をいつ頃までにまとめることができればとお考えなのかというのが、スケジュール感があるようでしたらお聞かせください。

A:(小野寺大臣)今の日米ガイドラインは1997年にできたもので、かなり時間が経っております。その後、安全保障環境は様々な変化が起きております。現在は、日米の役割・任務・能力、そのことについての検討を行い、そして日米間の戦略環境認識に関する議論、これからスタートしております。具体的には、数年の見直しの期間がかかると思っております。

A:(ヘーゲル長官)今の大臣のご発言、つまり、どのぐらいの時期がかかるかというタイムラインについては、私も同じ考えでございます。そして何を私が大臣のご評価に合意するのかと言いますと、世界の中でもこの地域、つまりアジア太平洋地域といいますのは、安定性、そしてまた安全保障、また貿易、こういった面で非常に肝要な、重要な地域であるということがまず第一に挙げられるわけでありますが、そのような中におきまして、太平洋地域における海路の安定化、シーレーンが常に利用可能な自由なオープンなものであり、そして安全保障、安定性というものに期するようにするためには、このシーレーンを確保していくということが、特に経済活動にとって世界の全ての国にとりまして重要なことであると、そういうような状況に鑑みまして、やはり今申し上げたことになるわけでございます。ですから、このような分野におきまして、軍と軍との関係というものを強化していくということ、そしてそれを強靱なものにしていくということ、同盟国同士の中でそれを行うということが直接的にこの地域における安定性、そして安全保障の向上に寄与するものでございまして、さらにそれが起これば貿易が盛んになるということによりまして、この地域における平和と繁栄というものが確保されるということにつながるからでございます。具体的にどういった分野で活動をすることを望んでいるかというようなご質問でありますけれども、大臣も具体的な実例を挙げてご説明をなさいましたけれども、例えば日米の間におきましてTPY-2のレーダーの配備というものを増やしているということ、そしてMV-22オスプレイ、これらの配属というのも進めているということ、そしてまた、海兵隊のリバランスについても協力をしているということ、沖縄の基地の問題で進展を遂げているようなこと、こういったものが三位一体となりまして、このような分野の強化につながると考えております。

以上

ページの先頭へ戻る