大臣臨時会見概要

平成24年12月12日(13時00分~13時30分)

1 発表事項

 私の方から最初に、ご案内のとおり、北朝鮮から発射された「人工衛星」と称するミサイルは、本日9時49分頃、北朝鮮から南の方向に発射されたものと考えています。10時1分頃、沖縄県の上空を太平洋に向けて通過したものと考えられますが、この発射体は3つに落下物が分かれて、我が方としてレーダーに写っており、まず、最初に、9時58分頃、朝鮮半島の西約200kmの黄海に一部は落下したものと推定しています。また、9時59分頃には、同じく朝鮮半島の西約300kmの東シナ海に一部は落下し、さらに、そのまま南側に飛翔して、10時5分頃、フィリピンの東約300kmの太平洋にも一部が落下した。このように推定しております。防衛省におきましては、発射直後に状況把握のために緊急幹部会議を開催し、その後、事態に対応し、落下を確認した後、安全保障会議に防衛大臣以下が出席をして、戻ってきてから先ほどまで関係幹部会議を開催しました。現在までのところ、自衛隊は自衛隊法第82条3の第3項に基づく弾道ミサイル等破壊措置は実施しておりませんが、引き続き艦艇及び航空機による警戒監視を実施中です。まだ全てが終わっているわけではありません。私からも、不測の事態に備えて、引き続き警戒監視に万全を期すよう指示をしております。いずれにせよ、我が国を含む国際社会から自制を求めてきたわけでありますけれども、北朝鮮が今回、係る発射を実施したことは誠に遺憾であり、今後関係国と緊密に連携して、政府として毅然とした態度をとるという考えでいます。官房長官の記者会見をお聞きいただいて、総理から3点指示があったことについては、ご承知のとおりでありますので、ここで繰り返しません。担当者から、この後、細部皆様に説明することにしておりますので、細かいことはそこでお聞きください。クロノロジーについては、今整理をしているところなので、いずれお示しできると思います。あとは、それ以外の点について、皆さんから遠慮なく質問してください。

2 質疑応答

Q:破壊措置について、「まだ全てが終わっているわけではない」と大臣はおっしゃいましたけれども、まだ、2発目なり、この後のミサイルの発射ということの可能性があるのかということと、あと、破壊措置命令の終結の目途というのは、現時点でおありでしょうか。

A:「破壊措置が終わってない」というのではなく、艦艇と航空機を使って何らかの被害があったかどうかを確認して、引き続き、例えばまだ飛行機が飛んで周辺海域を見たりしている、その作業をまだ続けていますということで、今回のミサイルに対する破壊措置は、この時点で終了したということです。なお、総理から、先ほど申し上げませんでしたけれども、「沖縄を中心に被害があるかどうかをきちっと確認してください」という指示がありましたので、それに基づいて周辺海空域の警戒監視、被害の有無について作業を引き続き行っているという趣旨を述べたわけです。部隊の撤収命令は、いろいろなインテリジェンスをよく確認をして、部隊と調整をしながら、必要あればできるだけ速やかに撤収の命令を出すということにしたいと考えています。

Q:北朝鮮は今回発射したものについて衛星軌道に乗ったというふうに発表していますが、防衛省・自衛隊として、そのような事実は確認しているのですかということが1点と、もうひとつは当該発射飛翔体について、自衛隊によるレーダーの追尾というのはもう終わったということでよろしいかどうかということを1点確認させていただいてよろしいでしょうか。

A:最初の問題については、何らかの物体が発射軌道に乗って軌道上を回っている、周回しているような物体があるのかどうか。それから、そもそも発射軌道に乗るような速度、ミサイルの最終的な発射をするときに必要な飛翔体の速度が必要なので、そういう速度や高度あるいは時間などを見て、アメリカ側と現在いろいろな分析を連携を取りながら行っているところです。いろいろな情報を基に、専門的な分析を行う必要があるので、少し時間がかかると思います。現時点で何らかの発射体が宇宙を周回しているということを我が方は確認しておりません。なお、北朝鮮から、人工衛星が出ているというのであれば、そこから発射される電波の有無については、現在総務省に確認をしていただいているところです。まだ回答はありません。レーダーについては、これは命令に基づいて破壊措置のための態勢を取りましたので、地上のレーダーは勿論常時警戒監視に努めていますが、その他の、つまり破壊措置に必要なレーダーは破壊措置の任務が終了すると同時に引き揚げると、撤収するということです。

Q:確認ですが、そうすると当該の飛翔体に対してイージス艦のレーダーやFPS-5なりレーダーを使って、まだ追っているかどうかということについては。

A:ない。ちょっと待ってください。今のイージス艦は下がってきたらないのですけれども、地上のFPSのレーダーは常時決められた範囲の中で警戒監視をやっているので、地上のレーダーについては常に与えられた任務の中で警戒監視を行っているということに変わりありません。

Q:警戒監視についても当該飛翔体に対する追尾も。

A:そうです。破壊措置命令に基づいて破壊措置を行うに必要な警戒監視をイージス艦に与えているわけですから、そのレーダーの活動は破壊措置の命令を終わって部隊の撤収を命じた時点でその活動はないということです。

Q:今回の発射の最初の情報というのは何時頃で、それはどこから得られた情報なのでしょうか。

A:発射の情報というのは、我が方が発射の情報を受けたのは前回と同じくSEWの情報。

Q:それは米側のですか。

A:そうです。米国の早期警戒情報衛星です。

Q:時間は。

A:後でクロノロジーは整理をして皆さんにお示しします。

Q:昨日の時点では、一部ミサイル発射台から取り外されているというような情報が出ていましたが、防衛省なり政府としては、今回の発射の情報に繋がる何か兆候を事前に掴んでいたのでしょうか。

A:申し訳ないのですが、インテリジェンスの内容を細かくお話できませんが、今のご質問にあるように発射台から取り外したと言われましたけれども、その後発射台にいろいろな状況変化が起きて、本日の段階では発射できる状態にあったということだと思います。だからこそ発射が行われたのだと思います。したがって、昨日韓国が報道したような状況と今日の状況は変化が起こっていたということです。どのような変化がいつ起こったかということについて、皆さんにお示しすることは控えます。

Q:その状況の変化があったと昨日から今日にかけて先ほど変化があったということですが、官邸では今日8時から関係閣僚会議が小1時間ほど行われたり、その後いろいろ動きもあったわけですが、8時に行われた時点でそのときには状況の変化というのは政府内で共有されていたのでしょうか。

A:申し上げられません。

Q:北朝鮮は成功したというふうに発表していますが、日本の安全保障環境はこれで何か変わったとか、あるいは米国の安全保障環境が変わったかどうかというのが1点と、先ほど厳重に抗議するということなのですけれども、日本政府としてどのような内容が必要だと大臣は考えられますか。

A:何をもって成功というかは、成功と自ら言う主体がどのような判断基準を持っているかによりますけれども、今回発射された物体が前回と同じく「銀河3号」と称せられており、本年4月に発射をして、うまくいかなかった、結果としてうまくいかなかった発射体が、当初我々は「テポドン2」又はその派生型だと考えていましたので、今回の発射体が同型、つまり同じ型式のミサイルということであれば、間違いなくミサイルの技術、つまり発射の技術だけではなく、ミサイル本体の技術が全体として進展していると見ざるを得ず、そのことは周辺国、日本に限らず周辺国にとって等しくいろいろな安全保障上の問題をもたらすということになると思います。それが一般論であります。我々は、したがって、ミサイル防衛のシステムをできるだけ高度な能力の高い状態に常にしておくという必要が迫られているということだと思います。

Q:確認なのですけれども、先ほど大臣は「発射台から取り外したといわれていたけれども、その後発射にいろいろな状況の変化が起きて、本日の段階では発射できる所にあったと思う」と仰っていましたけれども、そうしますと、今日飛んだ飛翔体というのは、これまで関係国で監視していた発射台、これまで関係国が監視していたミサイルが飛んだという認識でよろしいのでしょうか。

A:これは、誠に申し訳ないのですが、インテリジェンスの内容なのでお話できません。つまり、ご質問の趣旨は、今まで発射台に据えられて一端外されたものが、また据えられたのかという趣旨ですね。お答えできません。お答えできませんというよりか、実は、なかなかそれは確認しがたいものです。論理的にはいろいろなシナリオがあると思います。どこかに持ってきて修理をして、そっくりまた元に戻すということもありますし、どっかへ持って行って、まったく別の物を持ってきて組み立てるということもありますし、それまでを今回確認できたかというと、必ずしもインテリジェンスはそこまでいっていないということだと思います。したがってお答えすることは控えます。

Q:あそこの発射台以外の発射台から発射された可能性というのはないのでしょうか。

A:それは、あるインテリジェンスの理由でその可能性はありません。

Q:関連してなのですけれども、状況が変化したということですけれども、昨日の韓国の報道とかありました発射台から取り外されたというのは、確認をされているのでしょうか。

A:取り外されたと、一端発射台からそれまで据え置かれたものが、ということは確認しております。

Q:すいません。クロノロの話になるかもしれないのですが、もし分かればでいいのですが、自衛隊による飛翔体の追尾を終えた時間、もし分かれば。

A:クロノロジーのところでお示しいただけると思いますが、仰るのは、追尾していていつ終わったかということですか。

Q:はい。

A:私もよく分かりません。クロノロジーにそのことが書いてあるかどうか、ちょっと自信がありません。自信はありませんが、一般論として飛翔体が飛んできて、最後にフィリピンの東側に落ちるということが、我が方として確認できた地点で、レーダーでの追尾の時間が終わるということなので、その時間を持って追尾が終わると考えてよいのであれば、さっき申し上げた最後の飛翔体が目標地点に水没した時点ということだと思います。

Q:3つの落下物についてなのですが、北朝鮮の事前の予告では、ロケット推進装置の1段目と2段目、それとフェアリングと呼ばれるものが落下するというふうに予告していまして、今回自衛隊のレーダーに、予告された地域内に落ちたということが発表されましたが、これはそれぞれの場所に落ちたものが、予告どおりロケットの1段目、2段目、フェアリングと見られるということは考えられますか。

A:これは、分析しないとよく分からないので、レーダーで探知をした落下物、例えば最初の落下物、2番目の落下物というのが、今のご指摘のようなものであるかどうかということは、レーダーの中身をよく分析をして説明できる時期が来ると思います。今は分かりません。

Q:国民に対する情報発信はうまくいったとお考えでしょうか。もう1点、北朝鮮は、今回発射の延長をしたというようなことも含めて、さまざまなことを言っていると思うのですけれども、それを含めて発射を強行した意図がどんなところにあるのかどういうふうに分析していらっしゃるのでしょうか。

A:最初の国民への発信というのは、必ずしも防衛省でやっているわけではなく、Jアラート、Em-netでやってきたわけですが、クロノロジーを後でご覧いただくと分かりますが、私は前回に比べればスムーズに国民の方々に通報できたのではないかと思います。今のところ、地元からご不満だとかいうような声はまだ届いておりません。情報も関係省庁にご確認いただきたいのですが、細部のところまできちんと間違いなく全てのところに通信が届いたかどうかというのは、防衛省が送ったわけではないので全部を確認しておりませんが、少なくとも国民の方々が御心配になることのないよう、国民の方々への発信はできたものというふうに考えてはいます。その後の問題は、何と言ったらいいのでしょうか、この事案を初めから思い出していただきたいのですが、北朝鮮が今回、「人工衛星」なるものを発射すると公表し、これを国際機関、ICAOとIMOに12月1日と3日、それぞれ通報し、我が方は必要な準備をするに至って以来、ずっと総理は「非常に高い緊張度をもって、あらゆる事態に対応できるように万全の態勢を取ること並びに情報の収集・分析に努めること」というのを常に言っておられて、総理の指示も、私の指示も、一度も態勢を緩めたことはありませんでした。一方、いろいろな国からの報道等をみると、ミサイルが外れたとか外したとかというような、あるいは期間が延長になって少し大丈夫ではないかというような一般的な雰囲気がありますけれども、私は繰り返して申し上げてきたはずですが、昨日のぶら下がりのときも一昨日のぶら下がりのときも申し上げたのですけれども、「我が方が警戒のための態勢を緩めるような客観的事実はありません」ということをずっと言い続けてきたはずです。このような問題、つまりある種の危機管理というのは、相手がどう言うか、相手がどのような発言をするか、どのような報道があるかではなく、実際にインテリジェンスに基づいて、相手が発射する態勢が整っているかどうかということを、できるだけ客観的に冷静に分析をして、そのような態勢がある限り、相手の意図に関わらず、常にリスクを負うということであり、我が方はいつでも対応できる、高度に準備された態勢を取るということが必要で、決して気を抜いてはいけないということで、そのように指示もしてきましたし、したがって、「少し長丁場になるけれども、期間が延びたので、警戒心を怠らずにやって下さい」ということを常に部隊に指示してきました。皆さんは報道機関で、私は皆さんとは少し立場が違いますけれども、同じ日本に対するこの種のリスクですから、等しく我々はそのリスクに対応しないといけないので、いかなる事態に対応するときも、相手が何を言っているからではなく、相手が何を報道しているからではなく、現にそこにある事態がどのような能力を持っているか、どのような態勢にあるかということに立脚して、我々の準備の状態、準備の態勢を整えるべきであるというふうに私は常に思っているし、今回もそういう対応をしてきたということだと思います。あまり答えになりませんけれども。

Q:今回、日本政府の北朝鮮ミサイルの発射に関する情報収集というのは、これはきちんとできていたのでしょうか。

A:少なくとも我が方が必要な態勢を取ることに対して、適時で適切なインテリジェンスが常に情報を担当する人から提供されていたということは申し上げてよいと思います。

Q:その中で、今日発射するという予測もあったのでしょうか。

A:我々は、先ほど申し上げたように、いつでも相手の態勢が整えば、いつでも彼らが予告した期間に発射があり得るということで、その態勢をずっと最後まで維持しようとしていました。だから今日あるとか明日あるとかということを予測して態勢を取っていたわけではありません。いつでもそういうことはあり得ると。しかもそれが起きたら、迅速に事態に対応できる高度に整った準備態勢を取るということに努めてきましたので、一度も緩めたことはありませんし、一度も何日頃などということを予測したことはありません。

Q:発射の延期について発表しましたが、北朝鮮が1週間延ばすという。その情報についてはどのように評価されたのでしょうか。

A:その時点で、彼らが指摘する技術的欠陥というものを是正するのに、本当に1週間延ばさなければならないような技術的欠陥なのだろうか、あるいは技術的な問題だけではなく、単に政治的・外交的な配慮があるのではないか、いろいろな側面から我々は分析を常にしていましたが、先ほど申し上げたように、期日が1週間延びたら我々の態勢が1週間延びるというだけであって、1週間延びたから、それでは1週間休憩しようなどとは、ゆめゆめ考えたことはありませんでしたので、繰り返しになりますけれども、昨日、夕方ぶら下がりで申し上げたように、「できるだけ高い準備態勢を維持する。それを変えるような客観的事実はありません」と申し上げてきたはずです。

Q:「インテリジェンスの関係でなかなか申し上げられない」ということなのですが、関係閣僚会合が結構40分で今日長時間にわたってあったのですけれども、もし仮にその時点で発射するという兆候を捉えているのであれば、その時点でかなりの長丁場の会議を官邸で一度に関係閣僚が集まって開催するというのはリスクが高かったのではないかと思うのですが、そこら辺というのはどのように危機管理を見ていらっしゃるのでしょうか。

A:私は、今日の朝の関係閣僚会議には行きませんでしたし、呼ばれていませんでした。ミサイル防衛を主管する大臣としては、「その態勢を取ってください」ということで、私は大臣室にずっといました。それ以外の方は官邸におられましたが、官邸におられるということは、1分以内に危機管理センターに入れるという状態で対応されていたので、政府の態勢には別に問題はなかったと思います。それがどこかとんでもない場所で行われるというのであればそれは問題ですけれども。そのままそっくり総理官邸の危機管理センターに入れるメンバーが編成されていたので、私は何の問題もなかったと思います。

以上

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