大臣臨時会見概要

平成24年6月4日(22時47分~23時10分)

1 発表事項

 私はご承知のとおり、15年ほど防衛省にいて、15年ほど外務省にいて、どちらの人間なのか自分でよく分からないですけれども、自民党時代に初代の防衛大臣補佐官を1か月ほどして、また古巣に戻ってきた感じです。総理から電話をいただいた際、「とても私はその器でないので、そういう重責は私にはとても実行できそうにない」と、総理にお断りしたのですが、総理は、「今回の一連の内閣改造は、ある種の人心一新という意味も非常に強く含まれているので、是非ともお引き受けいただきたい」と言われて、「未熟ですけれども」と申し上げて引き受けたわけです。正直言って自信がありませんし、役所の方々と大変たくさんの自衛隊員の方々の協力を得て、この難しい時代に国の防衛という崇高ではありますけれども、大変困難で重要な任務を是非とも、最も意味のあるといいますか、最も効率的に、国民が本当に安全と安心というものを身に染みて自分で感じるような状態にするよう、国の防衛という任を果たしていきたいと考えている訳です。総理にもこの点は指示書をいただく際、申し上げました。今日は初めての会見なので、お手柔らかに皆さんのご質問に率直に答えてみたいと思います。

2 質疑応答

Q:大臣ご就任おめでとうございます。まず、最初に民間人で初めての防衛大臣になられたことの意気込みをお伺いするとともに、また一方、選挙で国民の負託を得ていない方が防衛大臣としてシビリアン・コントロールができるのかという声が野党だけでなく与党の中からも挙がっています。このことについてどのように受け止められているでしょうか。併せてお伺いします。

A:今、申し上げたように、国の防衛というのは、大変崇高な国の基本的な機能でありますし、加えて今日の国際情勢は東アジアを中心に大変厳しいものがあって、その中で国の安全というものを維持するために、随分たくさんの人が今まで努力してきたわけです。自衛隊もその間に確実に育ってきて、それは昨年の東日本大震災のときの活動、あるいは、北朝鮮のときのミサイル発射への対応に見られる如く、国民から見て本当に安心できる自衛隊という評価を受けつつあると思います。しかし、国の防衛というのは一瞬の緩みというか、気の緩みも許されないわけで、そういう意味で、この厳しい国際環境の中で、みんなの力を合わせて国の防衛を全うしていきたいと思っており、その意味で、私は国会議員ではありませんけれども、今まで国の防衛とか安全保障を専門にやってきた者として、是非とも自分の持っている僅かな知見を日本の国の防衛のために尽くしてみたいと、こう考えているわけです。シビリアン・コントロールというのは本来、政治が軍事に優先するというためのシステムであり、概念であると思います。我が国についていえば、文民である内閣総理大臣が自衛隊の最高の指揮監督権を持っておられ、国の予算や防衛の体制は、全てが国会の審議を経て承認をいただいて国の防衛の体制が成り立っているわけで、国の防衛に任ずる国務大臣、文民である国務大臣、防衛大臣も内閣総理大臣の指揮監督の下に、自衛隊の隊務を統括するという任務が与えられているわけで、先進国の中では、国防大臣、国防長官が必ずしも国民から選ばれた議会のメンバーであるという場合でないケースも見られるわけで、そのことが必ずしもシビリアン・コントロールという本来の目的と趣旨を損なうものではないと、私は考えているわけです。

Q:続きまして、普天間の移設問題についてお伺いします。この問題は、もう15年以上にもわたり解決が出来ていない状況が続いています。民主党政権になり、既に4人目の大臣ということになられるわけですが、地元の方、それから知事も含めて、こうした方々に理解を得るために、沖縄問題についてどのように取り組んで行かれるおつもりでしょうか。

A:15年、実際正確に言うと今年の春16年目を迎えたわけで、もうご案内のとおり、この問題は、この16年の間本当に紆余曲折を経てここまできたのですが、まだ普天間問題の解決を目の前に見るというのにはほど遠い状態であることは、ご承知のとおりです。従来から日本政府は普天間問題の解決というのは、いわゆる74%も沖縄に集中している在日米軍基地を非常に重く受け止め、沖縄県民の方々の負担をどのように軽減しながら、一方において、沖縄を含む南西方面の抑止をどのようにしてきちんと確保するかという、いわば一見矛盾に満ちた要素を持っている2つの評価要素、クライテリアをどのようにして前に進めながら、危険性の高い普天間飛行場の返還を実現するかということに努力してきたわけですが、結局このことは、最後は、こういう言い方はあまり正確でないと思いますが、何であれ代替施設を作って、現在の普天間飛行場に配置されているヘリ、航空機の部隊をそこに移転して、普天間基地の返還を実現するためには、工事の許可をしていただける県知事、県知事を支える首長あるいは議会、並びに沖縄県民の理解というものが不可欠で、それなくしてこの問題は解決しないということでありますので、確かにご指摘のように随分、担当大臣が替わってきましたが、日本政府の方針は一度も揺らいだことはないと私は思います。しかも、日米間で随分このところ苦労し、ご承知のとおり「2+2」の合意、そして負担軽減するために訓練を移転したり、今回はグアムに、普天間基地問題と切り離して海兵隊のグアム移転を実現しようとして、いろいろな努力をしていることや、沖縄の経済振興策、24年度予算も含めて、随分とこの問題を前に進めるいくつかの前向きな要素があると思います。それに努力をしてきたわけです。でも、それでもこの問題は、だからといってすぐに多くの県民の全面的な理解を得られるという状態にはなっていないわけで、私の仕事は、この問題に関わっている多くの方々、その中にはアメリカ政府もあり、沖縄県知事もあり、日本の各省庁のそれぞれの担当の方々と、どうやって緊密に連携しながら、この当初の目的である負担を軽減しながら抑止力というものを維持しつつ、この問題を解決するかというところにたどり着けるのか、そのために何ができるのか、何に努力をしなければならないのか、これを皆と真剣に考えながら確実に物事を前進させていこうと思っているわけです。

Q:大臣は今まで、集団的自衛権について、その行使を容認するというような発言であったり、記述を度々されてきたかと思います。この考えについてはお変わりないのかということと、今後、集団的自衛権の行使を可能にするといったような政策の指示を行うことはあるのでしょうか。

A:私は、昨日まで学者というか、大学で教育に携わりつつ、一方で研究という事務を行ってきたわけです。学者とか研究者というのは、自由な発想で、自由に物を考えて、いろいろな意見を多くの人と闘わせながら、最も現実の政策を以て、どのように貢献できるのかということに従事する仕事に携わってきました。その間、今、ご指摘のように、集団的自衛権という問題についても、私は一研究者、一学者として、個人の考え方があったことは確かであり、それは認めるところです。しかし今日、大臣としての拝命を受けて、野田政権の閣僚の一員になっているわけです。我が国政府が従来から集団的自衛権という問題を、有権解釈として認めていないということは十二分に理解しているところでありますし、私は野田政権の方針の下で、自分の大臣としての職務を全うするつもりでありますので、私の任期中、大臣としてこの問題について、集団的自衛権の考え方の変更をするという考え方は、毛頭ありません。

Q:7月にも配備予定のオスプレイについて、沖縄県は相当、反発を強めているのですが、一義的には米軍の運用の状況であるという回答は分かるのですけれども、日本政府として、防衛省としてこの問題にどのように取り組むべきであるとお考えでしょうか。

A:オスプレイというのは、アメリカがかねてより、これは別に海兵隊というだけではなくて、そもそも、統合の兵器システムとして、回転翼と固定翼の機能を併せ持った航空機を開発したいということで、大変な犠牲を払って開発をし、すでに中東・湾岸を含めて、アメリカが実際の戦闘場面で既に使用していることはご承知の通りです。これを沖縄の既に展開している海兵隊の部隊に、ある種装備の更新といいますか、このような形で、新しい型式の航空機を展開しようとしていることは、いわばアメリカのある種の装備の変更で、そのことによって海兵隊がより運用を効率的にし、海兵隊の抑止力が高まるというのであれば、そういう事態は我が国にとっても決して害にはならないと考えているわけであります。しかしながら一方、今申し上げたように、開発途上でいくつかの深刻な事故もあり、その後も事故があったことは確かでありますので、沖縄の方々の反発は十二分に我々はこれを深刻な問題として受け止めないといけないことです。従って、沖縄の方々の心情・感情を理解しながらどのような形で、このオスプレイを普天間飛行場に展開することが最も地元の理解が得られるのかと、今我々は部内で考えをし、検討もして、アメリカ側といろいろな相談をしているところです。まだ十分な結論は出ていないと理解をしていますが、配備できる時期になるまでの間に、できるだけ沖縄の方々の理解が得られるような方法を模索したい、このように考えているわけです。

Q:普天間問題についてお伺いしたいのですけれども、大臣が就任される前の2010年、沖縄でのシンポジウムなのですが、「『海兵隊が沖縄にいなければ抑止力を発揮しない』という理論は破綻している」というふうにおっしゃっているのですけれども、先ほどから述べているような「沖縄で海兵隊がいないと抑止力にならない」ということで、少し矛盾を感じるのですけれども、今はもう、この考えは変更されたということなのでしょうか。

A:いえ、これは少し前後関係について説明を要するのですが、海兵隊が日本に何故いるのかということを、軍事的な側面から考えると、海兵隊が単独で活動するということでは必ずしもなく、いわば海兵隊の戦闘部隊は主として揚陸艦に乗って、空母機動部隊の一要素を占めながら、海兵隊と海軍の統合作戦の任務に就くという活動をし、そのことによって、日本の安全にとって抑止力になっているということです。それを客観的に見ると、沖縄県の中にいなければ抑止力にならない、例えば、あまり例はよろしくないですが、鹿児島県の中にいたら抑止力にならない、そういう理屈は軍事的合理性を持っていないと思います。つまり、いわゆる沖縄の海兵隊の飛行部隊を戦闘部隊と完全に切り離すというのは不合理ですので、全部を、全部をというのはこの場合司令部であり、飛行部隊であり、戦闘部隊であり、後方部隊であり、いわゆるMAGTF(海兵空陸任務部隊)と称せられる、海兵隊の全部の要素を持っている部隊が日本の中にいる限り、それは日本にとって抑止力になると。ただ、政治的にそういうものを全て受け入れ、海兵隊の訓練ができ、飛行場もあり、後方部隊もあり、司令部もあるような所というのは、この16年、ずいぶんと探して、結果としては今の辺野古というオプションが、あり得べき最も有力で有効な唯一の方法だというところに、日米両国政府が落ち着いたわけで、そういう意味で私は、今の方策がベストであると考えているわけです。このベストの方策が、仮定の問題として、例えばどこかにそっくりと動かし、それを全て地元が受け入れて頂ける。しかも訓練の場所としても戦略的な要地としても、十分に機能できるという場所があれば、沖縄にいなければならないということでは決してないという理屈を述べたわけです。それが軍事的合理性というものなのではないか、ということを申し上げた。だから現実の政治環境の中で、今のような方法しかないということについては、日米両国政府が到達した結論、これを大事にしながらこれを実行することが、今の我々にとって最善の方法であるということについては、私は非常に、一定の確信を持っているということだと思います。

以上

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