大臣会見概要

平成21年5月15日(11時00分~11時12分)

 

1 発表事項

 ソマリア沖・アデン湾における海賊対処のためのP-3Cの派遣について、本日派遣命令を発出いたしました。ソマリア沖・アデン湾における海賊への対処については、固定翼哨戒機P-3Cの派遣に向けて準備を行ってきたところですが、護衛艦による護衛任務に加え、P-3Cによりアデン湾内の警戒監視、情報収集活動を実施することが適切であることから、本日、海上警備行動によりP-3Cを派遣し、我が国に関する船舶を海賊行為から防護するために必要な行動をとることといたしました。
  また、「北朝鮮によるミサイル発射」及び「北朝鮮のミサイル発射に係る防衛省の情報伝達」について本日報告書を発表させていただきました。先月の北朝鮮によるミサイル発射については、防衛省として、総合的・専門的な分析を行ってきたところ、一定の成果が得られたことから、その内容を公表したところであります。今回の発射は、北朝鮮が現在保有するノドン等の弾道ミサイルの開発・配備に加え、移転・拡散等の観点からも、我が国周辺地域のみならず、国際社会全体に不安定をもたらす要因となっており、その動向が強く懸念されるものです。防衛省としては、北朝鮮の弾道ミサイルに係る動向につき、引き続き注目して参る考えであります。
  また、4月5日の実際の発射については、限られた時間の中で情報収集や伝達を適切に実施できましたが、4日の誤報については、防衛省・自衛隊における情報伝達の不手際により、国民の皆様及び関係者の皆様に多大なご迷惑をおかけしたところであり、改めてお詫び申し上げます。今後は、再発防止を徹底し、このような事態に際して、的確に対応できるよう万全を期して参ります。
  なお、今朝の安全保障会議におきましては、「P-3Cの派遣」及び「北朝鮮によるミサイル発射」について報告がなされましたが、その内容等に関しましては、内閣官房長官の方から発表があると思いますので、私の方からは発言を控えさせていただきます。

2 質疑応答

Q:北朝鮮ミサイルの報告書の件ですが、10年前よりは若干速く出されたのですが、その一方で内容がちょっと薄いのではないかという指摘もその時出たのですけれども、色々な事情があったとは思いますが、大臣はその報告書についてどのような所見をお持ちでしょうか。

A:今回の北朝鮮によるミサイル発射につきましては、これまで総合的・専門的な分析を行ってきたところでありますが、先程申し上げたように、一定の成果が得られたことから、本日その内容を公表させていただいたということでありまして、この分析にあたっては、入手し得た諸情報を集約した上で、正確性を期すべく、多角的な観点から慎重な検討を行ったことから相応の期間を要したところであります。また、公表にあたりましては、北朝鮮の弾道ミサイルについては、国民の高い関心を踏まえ、適宜適切な説明が必要であり、可能な限り丁寧に説明することが重要であることを十分認識しつつ、公表される分析内容如何によっては、北朝鮮やその他弾道ミサイルの拡散の可能性のある国にとって有意な情報を提供する結果ともなりかねないことを我々としては留意しなければならないと考えるところであります。防衛省としては今後とも効果的な情報収集、分析を可能とするために種々の情報源や分析手法を保全する、いわば、我が方の情報能力の手の内を明かさないことが重要であるというようなことを総合的に考慮して今般のような公表内容としたところであります。

Q:P-3Cの件ですが、これで海と空からということになろうと思いますが、改めてP-3Cの派遣の意義についてお願いします。

A:ご存知のとおりアデン湾は非常に広大でありますし、また年間約2,000隻もの我が国に関係する船舶が通行することを踏まえれば、我が国関係船舶の護衛をより効果的に実施するために、護衛艦による護衛任務に加えてP-3Cによりアデン湾内の警戒監視、情報の収集及び提供等を実施する必要があると考えているところであります。このような観点から、本日、海上警備行動を発令して、P-3C2機を派遣して我が国関係船舶を海賊行為から防護するために必要な行動を取るところにしたわけです。今回のP-3Cの派遣によって、護衛艦による護衛対象船舶の護衛と相まって、日本国民の生命、財産を保護するという政府の重要な責務をより効果的に果たすことが出来ると考えているところであります。

Q:ミサイルの報告書の誤報の方についてなのですが、今回ご迷惑をおかけしたということなのですが、今回関係者全て正式に報告書が出た上で、処分を、内部処分を含めて一切しないということなのですが、これは適切なことなのかということについてお聞きしたいのですが。

A:今回の誤報をしてしまったということに対しては、大変国民の皆様方にご迷惑をかけ、私も4月4日の時点で会見を行いお詫び申し上げました。この件に関しましては、4月4日の日に誤報があり、その翌日に実際のミサイル発射があったわけですが、ミサイル発射に対してしっかりと対応できたということもあるわけでありますし、私とすればその誤報の際に、「口頭注意」、「厳重注意」というような形で注意を喚起し、そしてまた指導してきたということもありますので、私とすればその際に「萎縮して仕事ができない」ということでは困りますので、これに関しては「処分をせずに任務を果たすことが重要である」ということを申し上げたわけであります。当然、国会の審議においても同じようにそういったご指摘を受けましたけれども、その際にも「厳しく指示をして、今後そのようなことがないように指導した」ということでお答えをしておりますので、今回の件に関しましては、処分をしないということで十分にその責任の重大さを認識して、しっかりと任務を全うすることが重要なことであるという観点から、今回は処分しないということを決定したところであります。

Q:その件なのですけれども、「複数の人的ミスが重なった結果である」というふうに報告書にまとまっていますけれども、その結果の責任の所在というのは何処にあるのかというのが一点と、その責任の所在の中で大臣自身の責任としてどのようにお考えでしょうか。

A:「大変申し訳なく思っている」ということを4月4日当日、会見を行いましたし、これは我々とすれば初めての経験であり、結果的にヒューマンエラーでそういうことになってしまったということを考えれば、確かに問題であると思っておりますけれども、それよりも何よりも今後、そういったエラーをどれだけ減らせるかが重要であるという観点から、職務を一生懸命やって、その結果がこういうふうになってしまったわけでありますので、今後このようなことがないように厳重に指導しながら、やっていくことが処分を科すよりもそちらの方が有意義であるというふうに私が考えた次第でありますので、その点で私自身も私の責任を痛感し、今回の報告書の中で改善点も報告をさせていただいたと思っておりますので、今回の誤報の件につきましては私の責任だと思っております。

Q:ミサイルの分析結果ですが、結果的には、長射程化が進み、拡散も含めた脅威との懸念を示されたと思うのですが、その懸念に対して、大臣若しくは防衛省として、今後どの様に対応・対処をしていく考えなのでしょうか。

A:現在も弾道ミサイル等々に関する備えというものを着実に進めてきているところでもありますし、今後引き続きそれを継続しつつ、現状からいえば防衛省だけで対処することは難しいわけでありまして、まずはそれを撃たせない努力、そしてまた国際的な中で、6ヶ国協議もありますし、国連もあるわけでございますので、そういった中で懸念を共有しながら、北朝鮮に対してそのような手段を用いさせないということも合わせて行うことも重要かと思っているわけであります。ですから、防衛省としては、今回の分析結果において、やはり脅威を与えるということを認定することが極めて重要であり、それをお互いに認識するだけの、色々な形での各国との認識の共有を計っていくことが重要だと思っているところであります。

Q:本日発令されたP-3Cへの派遣命令に関して、機体の警護のために陸上自衛隊の要員も派遣されることになりました。海上警備行動は基本的に「海上において必要な行動をとる」ということですが、今回、陸上自衛隊を派遣した海上警備行動との関連について、大臣からご説明お願いします。

A:基地展開ということになれば、警備ということが出てくるわけでありますので、当然知見を有する陸上自衛隊も一緒に出すことによって、基地警備の万全を図るということが一番重要な目的と思っているところであります。その中で、航空自衛隊、海上自衛隊と、そして陸上自衛隊との関係というのを、また総合的に統合運用という観点からも、一体となってやるということが極めて重要であると思っているところであります。

Q:そうすると、必要となれば海上における必要な行動の中で、陸上での活動も、陸上自衛隊の活動も読み込めるという解釈でしょうか。

A:海上警備行動を行うことによって、わが国の船舶を守るということをより確実にするために派遣をするわけですので、その際に海上自衛隊のP-3Cが極めて有効であるということを認識しつつ、その中で実際に飛行機という性能上の問題もあり、そして、滑走路がなければ意味がない話ですので、そこに基地を展開せざるを得ないということになれば、当然それに知見を有している陸上自衛隊を基地の安全のために万全を期すという意味で出すというのは整合性のないことではないと思っているということであります。

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