大臣会見概要

平成19年11月20日 (10時2分~10時28分)

1 発表事項

 防衛省から特にご報告事項はありませんが、今日の閣議において、上川男女共同参画担当大臣から「国の審議会における女性委員の参画状況について」というご報告がありました。審議会の委員については、西暦2020年、平成32年までに男女いずれか一方の委員の数が、委員総数の十分の四未満とならない状態を達成するように努めること。当面の目標として、平成22年度末までに女性委員の割合が少なくとも33.3パーセントになるように努めることになっています。現在、国におきまして、トータルで言えば女性委員が占める割合は32.3パーセントでありますが、多い順番に並べますと当省が37.5パーセント、財務省が35.9パーセント、環境省が34.9パーセント、農水省が34.7パーセントとなっています。パーセンテージから申し上げれば、当省が一番女性委員の参画状況が高いということであります。

2 質疑応答

Q: 額賀財務大臣の問題についてですが、昨日の国会の委員会で先に守屋前次官が証言をした山田洋行の宮崎氏との宴席について、額賀大臣は同席を否定しました。野党は疑惑が深まったということで、参院で新法の審議に入れる状態ではまだないとしていることに対する大臣の受け止めと、今日の朝日新聞報道で額賀氏に関する口利きの話が出ていましたが、これに関して防衛省として何か対応されるのか、お願いします。

A: 昨日の参議院の決算委員会に私も同席を致しておりまして、一部やりとりは聞かせていただきました。額賀大臣も正確な記憶であったのかどうか、守屋氏の発言も引用しておられたと思います。そこで食い違いがあると見るか、必ずしもそうではないと見るか、それはそれぞれの取り方ではないかと私は思っております。いずれにせよ、国会が今後どういうご判断になるかということでありますので、私からとやかく申し上げるべきことではございません。額賀大臣におかれては、適切な場所で適切なご説明をなさると私は思っているところでございます。また、今後もそうであると存じます。なお、今朝の報道の件については、同様の報道が昨年の8月25日、あるいは昨年の7月3日に出たように承知をしています。当時も必要な調査は行いましたが、今朝もこのような報道がございましたので、これを受けまして当時建設工事の業者選定を行っていました元建設企画課長及びその承認を行っていました元建設部長、これは旧仙台防衛施設局ですが、これらの方々に対して新聞報道の事実関係について、聞き取りをしたものであります。その様子を見ると、国会議員等から照会や陳情はあったものの、これが相当年数経過をしていることであり、具体的な事実についての確認は出来ないということであります。また、改めまして今朝の報道につきまして、同様の確認をしたところでありますが、額賀元大臣を始めとする政治家、あるいはその秘書からの口利きについて、これも同様の回答でございました。いずれにしても当省としまして、建設工事の入札・契約手続きについては、関係法令を遵守すること、公正性の確保に努めるということは、当然ということでございます。

Q: 北朝鮮に対するアメリカのテロ支援国指定解除の問題に関して、大臣のお考えをお伺いしたいのですが、現在、排除させられないという見通しが高まっています。そこで拉致問題もあり、解除に対して慎重な対応を求める日本との同盟関係に影響が出るのか、この問題を大臣はどのようにお考えでしょうか。

A: このテロ支援国家の指定解除については、合衆国の専権事項であります。従って、指定国家である合衆国に対して、わが国が何らかの強制をなし得るという性質のものではございません。拉致問題も、核の問題もそれは私としては、どちらも極めて重要な問題であり、拉致問題はわが国の主権の侵害であると考えております。また、核の問題というのはわが国のみならず世界全体にとっても重要な課題であります。これをどうすれば両方ともきちんと解決を出来るかという視点に立って、考えていくべきものと思っておりまして、テロ支援国家指定解除という問題とこの核の問題は、日米でお互いの信頼関係を緊密に保ちながら、最も適切な解決がなされるように、更に一層連携を深めていくべきものであると思っております。

Q: 防衛参事官制度の改革について、大臣は月刊誌で民間人の登用を検討するというふうにご発言されていますが、制服組からの登用については現在どのようにお考えでしょうか。

A: これは私が前に長官在任中にも議論を致しましたが、一部誤って捉えておられる方がいるようですが、私は制服組を参事官に登用すべきだと申し上げたことはございません。これもよくお間違えになる方が多いのですが、背広組も制服組も自衛隊員です。制服を着た方々が自衛官であるということであって、どちらも自衛隊員であるという認識でございます。よく誤った報道がなされますので、ここはお気をつけいただきたいと存じます。背広も制服も自衛隊員であり、制服を着た方が自衛官なのであります。誤りのないように。そういう趣旨から考えますと、私は民主主義における文民統制の主体は、主権者たる国民に直接責任を持ち得る選挙によって選ばれる政治家が主体であると考えております。さすれば、その政治家をサポートするという意味で、ポリティカル・アポインティー、そして進退を共にするということは必須の要件ではないかと私は個人的にずっと考えて参りました。そうしますと、ただ民間人といってもそれは誰でもいいというものではありません。高い見識を持ち、大臣を適切に補佐し得る方という人を求めるべきではないかと私は思っております。但し、諸外国と比べて、わが国の防衛大臣の在任期間が極めて短いという現状を考えた時にどうなるのだろうかということは、考えなければならないことだと思います。また省内のシステムとして、屋上屋を重ねるようなことがあるべきではない。この辺りは非常に難しいところではないかと私は思っています。ただ、この日本国において最大の組織かつ実力組織を統制するにあたって、現在の体制がベストであるかどうかということは、きちんと白紙的に議論されるべきものだと思っております。文民統制は政治による統制というもの、つまり大臣、あるいは内閣総理大臣による統制という一面がある。もう一つは、国会による統制という一面もあるでしょう。あるいは省による統制という面もあるでしょう。文民統制とはそもそも何であるかという原点に立ち帰って、白紙的にきちんと議論をする。民間人登用ということを別に思いつきで申し上げているわけではございません。どうすれば最も相応しい補佐態勢が取れるかということであって、一つのアイデアとしてそういうものがあり得るということを申し上げているのでございます。

Q: 官邸の方にも、有識者会議という文民統制を考える会議が立ち上がりました。省内にも検討委員会があります。それぞれのすみ分けについて、いかがお考えでしょうか。

A: 官邸において設けられる有識者会議というのは、本当に高い見識を持った方々が大所、高所からあるべき論というのをご議論なさると理解しております。当省に設けております委員会というのは、本当に現場において更に実務的な細かい議論をやっていく。それは官邸において設けられた委員会の有識者のご意向というものを省内に持ち帰って議論をし、そして省内で色々と議論されたことを精査して、有識者会議において披瀝をし、議論を深めていただく。そういう関係だと私は思っております。さればこそ、防衛大臣がメンバーに入っているということだと思います。私はこの両者というものが、相互に密接な関係を保ちながら、よりよい結論を出していくと思います。それが細部に渡って、あるいは法律の改正を伴うことがあるのかもしれません。色々な制度の改正を伴うことがあるのかもしれません。とにかく官邸において設けられる有識者会議において、大きな方向性が示される。そこで我々が、そこに至るまでに色々な意見を申し述べる。そして大きな方向性が示された後、また更に精緻な議論を積み重ねていく。そういう関係にあるだろうと思っています。

Q: 先程、文民統制のお話の中で、国会による統制のお話がありましたが、国会の統制の時に、情報開示と秘密保護の強化というお話がありますが、秘密保護の強化というのは防衛省での検討委員会等でこれから議論するのでしょうか。

A: それは議論されることになるのでしょう。秘密が適切に保護されることがなければ、それは文民統制というのは成り立ち得ない。これは一種のパラドックスみたいに聞こえるかもしれませんが、やはり守るべき秘密というものはあるし、それが限定的に開示をされる方法というものは、何があるのだろうかということだと思います。諸外国のクリアランス制度みたいなものを良く研究した上で議論されるべきものです。ですから、それは合衆国に限らず、色々な民主主義国家において、どのように情報が開示をされるのか。どの範囲で開示をされるのか。その守秘義務は、どのようになっているのかということをきちんと議論しないと、情報公開という制度は上手くワークしない。そして、文民統制の制度もワークしない。そういうものです。

Q: ホストネーションサポートについて、二点伺います。訪米した福田総理の昼食会の中で、ゲイツ国防長官が早期決着を改めて求めました。日本政府も減額を求めていく姿勢に変わりないのか。また、明日からの在日米軍基地の従業員がストに入る構えをみせていますが、ストに入った場合の日本の安全保障への影響をどのように見ていますか。

A: ゲイツ長官よりは、在日米軍駐留経費負担について言及があったというふうに承知をしているところでございます。この詳細について、一字一句私が存じ上げているわけではございません。私としましては、この在日米軍駐留経費負担のあり方について、日米同盟全体からこのことを考えていかなければならないと思っております。そして国民の理解が適切に得られるということが必要であります。ですから、国民、納税者、この理解がきちんと得られるかどうか。そして、もう一つは抑止力を維持すると言っているわけですから、日米同盟全体の枠組みにおいて、この抑止力というものが維持されるか。この両方の観点から考えていかなければならない問題だと思っております。加えまして、財政制度審議会から、建議が出ております平成20年度予算の編成などについて、ここにおいては日米両国を取り巻く社会、経済財政状況は大きく変わっており、従来通りの負担の継続は適当ではないと。この経費には様々な非効率な支出が含まれており、聖域なく徹底した歳出の見直しを行っている中、これを放置しておいては、国民の理解を得ることは出来ないと。駐留軍等労働者の人件費を始めとする経費全般を厳しく見直し、効率化を行うことは当然であり、また日米関係に対する信頼を高めていくためには不可欠であると同時に、負担している経費の透明性を向上させることも重要です。このような建議が財政制度審議会から出ているわけでございます。このことを等閑視してはならないと私は考えております。ストライキの件につきましては、労働者の権利の行使として、そのようなものが認められているわけでございまして、16日金曜日、当省と全駐留軍労働組合は、駐留軍労働者に支給される給与のうち、格差給などの見直しについて、団体交渉を行いましたが、当省の提案につきましては、理解をいただくまでに至らなかったということでございます。このことから、先程ご指摘のような明日21日に全国統一のストライキを始業時から4時間実施する予定というふうに聞いております。我々としては、今後とも誠心誠意、協議をしていかなければならないと思っておりますし、この種の話というのは、それはお互いがきちんと協議の場を維持し、そして本当に誠心誠意ということを言葉通りやっていくことが必要であると思っております。

Q: ストに入った場合に、基地機能の影響という懸念はないのでしょうか。

A: それは、その影響が最小限に留められるように、それぞれの当事者が努力をするべきものであります。

Q: 額賀さんの今朝の報道の件で確認なのですが、今日改めて聞き取りをされたのは、建設企画課長さんと建設部長さん、このお二人でよろしいでしょうか。

A: 正確を期すためにも、もう一度行いましょう。18年7月及び8月に同様の報道がなされたのでありまして、昨年の7月、8月、この報道を受けて、当時の施設局建設企画課長及びその承認を行っていた元建設部長に対し、聴取をしたということであります。そして、今朝の報道を受け、改めまして、元建設企画課長及び元建設部長に今朝の報道についての確認を行ったということでございます。

Q: 月刊紙のインタビューの中で、日本の民間機がテロリストに乗っ取られて、自爆テロを行う時に、自衛隊は機能するのかという問題提起されていますけれども、大臣の頭の中の整理としては、今どういう対応をされるのか、何か結論はあるのでしょうか。

A: 状況の設定は、日本国籍の民間機が乗っ取られた場合、今の法律から読めば外国の航空機とは読めないので、領空侵犯は無理でしょうということです。そして状況設定によりますが、何もメッセージを発することなくどんどんと高度を下げているという状況において、それが防衛出動の要件、わが国に対する急迫不正の武力攻撃というふうに法的な評価がなされるか、ということについては、相当の議論があるだろうと思っております。では何が残るのですかということを、それは理屈の上で考えていった場合にどうなるのでしょうということです。まさか海上警備行動ではないでしょう。そうすると治安出動しか残らないということになります。ですから、その辺の議論をきちんと行うということは大切なことであって、それはドイツにおいては、憲法裁判所まで上がって議論されたことでございます。ドイツにおける議論というのは、今きちんと読み直しているところでありますけれども、そういうことについて、ありとあらゆる法制上、全く穴がないと。その時になってどうするのだと。法的に対応出来ませんということは、私は法治国家として為すべきこと考えておりません。そういうことになったら緊急避難だという考え方は、法治国家における対応としてあまり適切なものだとは思わないということです。しかしながら、それぞれの条文には、それが実行されるまでの手続きというものもあるわけで、そこも含めて本当にそれが抑止力として機能し得るものでなければならない。私は防衛力というのは常に法制であれ、装備であれ、あるいは運用であれ、全て抑止力がきちんと発揮されているかどうかということで議論されるべきものだと思っておりまして、その観点から、やはりちゃんとした結論は出すべきだと。そんな怖いことは考えたくないと、勿論それには民間人も多数乗っていることはあるわけです。ですから、私の頭の中にありますのは、以前ロッキード事件の時に、児玉誉士夫邸にセスナ機が突っ込んだということがありました。あるいは、全日空の函館行きの飛行機が乗っ取られた事件がありました。これから先、勿論そういうハイジャックが起こらないために国土交通省を中心として、今考えられる万全の態勢が敷かれたり、あるいはそれが目指されているというふうに承知しておりますが、さりとて、「ではそれでいいのか。」と言えば、そこはまた議論になるところだと思っております。

Q: 治安出動等が出た場合でも、実際に撃墜するかどうか、難しい判断があると思いますが、大臣はこれについて撃墜もあり得るというお考えでしょうか。

A: これはとても難しい判断で、これについての結論を申し上げると、またそれが一人歩きしかねませんから、それについての言及は致しません。

Q: 先程のホストネーションサポートについてですが、全駐労のストの理由として、格差給や手当の見直しを挙げていますが、大臣のお考えとして、在日米軍従業員の給与水準、これは国民の理解を得られないほど高い水準であるとお考えでしょうか。

A: それは、全国民に聞いたわけではありませんから分かりません。しかしながら、本当に沖縄で労働しておられる方々と比べた時に、それは「高い。」ということがあるのだろうと思います。誰でも給料は安いよりは高い方が良いに決まっているわけでありますが、それが沖縄で働かれる方々の賃金に比べてどうだろうかということを考えた時に、本当にそれはそこまでするということが理解を得られるか、あるいはその支払いというものが、本当に理解を得られるものであるかという点について、誠心誠意お話をしなければいけないということを申し上げています。

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