大臣会見概要

平成19年11月1日 (19時23分~19時36分)

1 発表事項

 本日15時、私から、自衛艦隊司令官に対し、インド洋方面派遣部隊の協力支援活動を終結させ、派遣海上部隊を帰国させるとともに、航空支援集団司令官に対し、協力支援活動を終結させるよう命令を発出をいたしました。先程、私から、現地の海自部隊及び空自部隊に対する訓示をそれぞれビデオ放映をして伝えたところであります。わが国は、9.11テロ発生後、早い段階からテロとの闘いを自らの問題として認識をし、根絶のための取組みに積極的、主体的に取組んで参りました。海空の行動は、ご案内のとおりであります。このような活動を整斉と成し遂げた海・空自衛官、そして、それに関わった大勢の自衛隊の人々、そして、お支えいただいた皆様方、心から感謝を申しあげるところであります。法律の失効に伴いまして、空自、海自の行動は終結させるということになりましたが、政府といたしましては、一日でも早い再会を目指し、今後とも努力いたして参る次第であります。これは、もう国会でも何度も申し上げたことですから、繰り返すことはいたしませんが、テロとの闘いというのは、何のためにしなければならないか、それは、訓示でも申し上げましたが、普通の戦争とは、全く違うということをよく認識をしなければならないということであります。それは、民主主義を全否定し、人権、あるいは、宗教の自由も全て否定するということであります。そして、低劣度の攻撃というものを繰り返し行うことによって、人々に恐怖の念を連鎖をさせ、社会体制を揺るがし、自らの目的を達しようという、決して許すことが出来ない卑劣な行為であるいうふうに考えております。そういうものであるが故に、テロとの闘いは、容易なものではない。そしてまた、そう簡単に終わるものではないと思っております。私どもの海・空自衛隊が示しました能力というのは、世界でもトップレベルのものであります。繰り返しになりますが、六年間長きに渡って、この活動に従事した隊員、そして、それを支えていただいた皆様方、関係の方々に心から感謝いたす次第であります。

2 質疑応答

Q: 国会で新法案の審議が進んでいますが、会期末も近づいています。会期を延長してでも今国会で成立させるべきなのかどうなのかは如何でしょうか。

A: 会期の件については、我々政府としてとやかく申し上げる事ではありません。国会がお決めになることであります。ただ、衆議院における審議というものを拝見し、また私も答弁に立つ立場でありますけれども、議論の焦点というのは文民統制のあり方、あるいは、こういう特措法によるやり方がどうなのかということ、そしてこういう自衛隊の活動あるいは軍隊による活動と、民生の安定というものをどのように組み合わせていくべきなのかということ。私は考え方の違いというものはありますが、論点というのはもう絞られてきた。そしてまた、議論をしている過程において、その一致点というものも段々見いだして来たのではないかと考えております。そういたしますと、国会会期の件について政府からあれこれ申し上げることはいたしませんが、今後衆議院において、あるいは参議院において、充実した議論を行うことによって、結論というものが見いだせる。そのことに期待をし、そしてまた、希望も持っているところでございます。

Q: かなり成立の見通しは厳しいのではないかという指摘もありますが、もし通常国会に審議が送られる事になった場合、来年夏あたりまで活動が中止するのではないかという指摘もあります。このあたりは如何でしょうか。

A: それはどうでしょうか、どういう形で継続になるか、要するにこのままの法案の形あるいは法案修正を視野に入れて、あるいは全く違う形なのかもしれない。それは今後、衆議院における議論でも色々の話がありました。党首会談でそのことが議論されたかどうかは、私は全く知る立場にありませんし、実際に存じません。どういう形で、仮に今国会で成立を見ず、常会に継続することになれば、それは予算が衆議院で通った後ということになりますから、審議をするのは当然2月の後半とか3月の前半とかになるわけで、そうするとおっしゃるとおり、活動再開というのは夏になるかもしれません。普通に考えれば、そういうことになるのでしょう。しかし、もちろん中断期間は短ければ短いほどいいに決まっているのですが、そのために全力を尽くさなければいけないのですが、それが単純に今の形でそうなるかどうか、そこは私が今予測しうるところではありません。ただ、色々な将来に向けての議論というのは、この議論を通じて見られたのではないかと思っています。

Q: 今回、活動を中断するに至った要因は様々あると思うのですが、その中でも一連の防衛省の不祥事というものが与えた影響も大きいと思うのですが、その辺り大臣のご認識は如何でしょうか。

A: これは今日の答弁でも申し上げましたが、不祥事、ゴルフ・麻雀の件、航泊日誌誤破棄、あるいは給油量取り違え、全て当省に起因するものであります。議論の中で私はパーセンテージを計ったわけではありませんが、相当部分がそこに費やされたと思います。ただ、別次元の問題ということではなくて、やはりそういうことをきちんとしていくということは、これから先、実オペレーションを行っていく上において、きちんとすることが大事だという意味で、全く別次元の問題とは捉えておりません。ですから、色々な議論がもっとスムーズというか、早く進んだのにという思いがありますが、しかし、こういう議論が起こったということを、どう生かすかという思い、そして国会の審議の中において、きちんとした実態をお話をし、そしてこれから先こういうことが起こらないように向けて、いかに改善策を確立するかということは、活動を継続していく上においても大きな意味を持つものだと思っております。ですから、こういう議論が遅れたということについて、当省をお預かりするものとして、本当に責任を感じ、申し訳のないことだと思いますが、そうであるだけに、実態を明らかにし、改善の方向を示すということも、併せて私の責任かと思います。

Q: 活動が六年間続いたわけですけれども、ここ最近になって一般法の論議が上がってきましたけれども、この六年間の活動の期間を終えて、これだけ自衛隊の海外派遣あるいは国際貢献に関して、国内論議が深まったと思われますか。それともむしろ停滞したとお考えでしょうか。

A: イラク派遣は、国民の注目を大きく集めたところがありました。それは、イラク特措法というものが、特措法の九条にありますように、危険なところに派遣するということを初めて行ったものであります。もちろん、非戦闘地域という概念を設定し、そして武力の行使にあたるものであってはならないという憲法上の担保はきちんととってあるわけですが、しかし、実際に危険な地域に派遣をするということにおいて、大きな国民の関心を集めたのだと思っています。ただ、この六年間の海・空の活動というのは、それ自体が非常に地味なものであったが故に、そして非常に定型的なものであったが故に、なかなか国民の皆様方のご関心というものが集めるに至らなかった。それはそれで、何もみんなが大関心を持つということがよいことだとは思いません。そして、地味なものであって、定型的なものであったけれども、現場の隊員、海・空の隊員の苦労というのは、それは陸に劣らないものであったと思っています。これをどのように国民の皆様方にご理解をいただき、そして共感を持っていただくかということについて、政府、あるいは防衛省・自衛隊として工夫の余地があるのではないかという思いはいたします。国民の皆様方全体でどうかということは、今日撤収に向けて動く海上自衛隊の部隊というものを見て、国民の皆様方一人一人がどのようにお感じになるか、ということだと思います。私は、昨日総理がおっしゃった「寂しい」という思い、それを共有する国民の方も多いのではないかと思います。現在ゴラン高原、クェートとイラク間の空輸、あるいはネパールにおいて活動していますが、9.11の後に、海上自衛隊の部隊を出しました。その時に国民は、やはり「テロとの闘い」に日本も参加するのだという思いを共有したと思います。共感を持った人が多かったと思います。その後、継続するに従って段々とそれが日常になって来てしまって、でもこれで一旦終わるという場面が出たときに、「本当にこれで良いのだろうか。」という思いを持たれるということは、それだけ日本という国が自衛隊を使って、どれだけ国際的な責任を果たすべきか、そしてどのように国益を確保するべきか、ということについて、国民の皆様方にご認識をいただけた六年間ではなかったかというふうに思っております。

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