大臣会見概要

平成19年10月17日 (19時36分~20時4分)

1 発表事項

 今夕、安保会議、引き続きまして臨時閣議がございました。「テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案」について、それぞれ決定されました。安全保障会議においては、外務大臣、続きまして内閣官房副長官補から発言がございました。外務大臣からその必要性について発言があり、内閣官房副長官補から法案の概要について説明があったところです。その後、私から発言しまして、「テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案については、国際的なテロリズムの脅威が未だ除去されていない現状において、国際社会は引き続き連帯してテロとの闘いに取組んでいくこと。また、わが国による補給支援活動に対する各国の強い期待が存在することを鑑みれば、是非とも必要なものであると考えます。防衛省と致しましては、本法律案の速やかな成立に全力を尽くし、国際的なテロリズムの防止及び根絶のため、国際社会の一員として、積極的かつ主体的に取組んでいきたいと考えております。」このような発言をした次第でございます。安全保障会議、並びに臨時閣議とも特段の異論なく決定したところです。なお、この法律を「テロ特措法」というふうに略称しているわけですが、この法律をどのように略称するのかという話がありまして、「補給支援特措法」というふうにこれから略称しようということになりました。これは別に閣議決定でも、何でもありませんが、私どもとしては、これから「テロ特措法」に代えて、「補給支援特措法」というふうに略称したいと思っておりますので、報道各社ともご統一を賜りたくお願いをする次第です。

2 質疑応答

Q: 速やかな成立に全力を尽くすという大臣のご発言の紹介がありましたけれども、実際の会期はそれほどありません。会期延長の必要性、あるいは民主党が反対姿勢を崩さないでいる中で、党内でささやかれている衆議院再議決による成立に関する大臣の所見を聞かせて下さい。

A: 会期延長については、これは国会がご判断になることでございますので、政府として申し上げる立場にはございません。ただ、臨時国会で是非とも成立をさせたいということでございますので、それは色んな可能性があると思っております。与党としてどのようなご判断になるか、また野党はそれに対してどのように反応をされるのか、そのことに政府としては注視をして参りたいと思っています。再議決については、これは私どもとしては、今日法案が閣議決定をした段階でございますので、これから主旨説明をし、そして色々な議論が交わされると承知をしております。予算委員会におきまして、色々な問題の提起がなされました。これから本会議の主旨説明、質疑、あるいは委員会における主旨説明、質疑におきまして、予算委員会において提起されました問題点について、私どもとしても納得していただけるお答えを全力を上げて準備をしていかなければならない。そしてより議論が深まり、野党のご理解を得て、この法律が成立をすることを願っているところでございます。従いまして、再議決等につきまして、今言及するということは、適切ではないと思っております。

Q: 11月1日の現行法の期限が近づいていますが、撤収命令の時期を含めて撤収に向けた準備状況について、お聞かせ下さい。

A: この準備について、私から指示をしたということはございません。まだ17日という段階でございますし、私からそのような命令を出すということも、指示をするということも、これはあり得ないことでございます。その時期が近づいて、状況がどのように変化をするかということですが、当然、根拠法を失うことになれば、活動が出来なくなるわけですので、その時々に応じた法治国家としてあるべき対応を考えることになると思います。

Q: 新法での補給艦への補給についてですが、条文には盛り込まれていませんが、運用で補給艦への補給をするということになるのでしょうか。

A: 現時点において、このことを法律に書くということ自体馴染まない。敢えて言えば、事細かなことを書き込むということは、馴染まないという部分がありますので、法律に書き込まなかったものでございます。これから先、実施要項等を詰めていく時点において、ニーズあるいは将来的な見通しも含めて判断することになると思います。現時点において、補給艦に対する補給を排除したということではございません。

Q: 実施計画についてですが、これは現在の基本計画に代わるものだと思いますが、いつ頃までを目途に作られるでしょうか。また、これまで基本計画では半年ごとに刻んでいたと思うのですが、期間については実施計画ではどのようになるのでしょうか。

A: これは実施計画というものをどうするか。つまり今回は、従来の基本計画のほとんどの部分が法案に書かれることになりますので、法案成立後どういう形になるのか。法案そのものも出来ていないのに、実施計画というものはこういうものですということを確定してお出しをするということは、どういうことになるのかと思っております。そう致しますと、大体どういうイメージになるのかということは、当然色々な議論をしていかねばならないことですので、現時点でこういうものでございますということをお示しすることが適当かどうか。まだ法案もこれからご審議頂く段階なのですから。ただ、イメージみたいなものを提示するということは、考えられると思っております。期間をどうするかということも、これは同様です。今までもそういうことであったわけですが、実際にこの補給に絞り、期間というものも合理的な期間を設定する。あるいはまた類似のものになるのかもしれません。そのことについて、何ヶ月という確たることをお答えするだけの議論の詰めというものをまだ行っていないところでございます。

Q: 大臣はかねてから新法については、「基本計画の内容を盛り込む。」というように発言されていましたが、条文ではこれまで基本計画にあった部隊の規模、装備等については盛り込まれていなかったのですが、それについては・・・。

A: 何が法律に馴染み、何が実施計画に馴染むかということでございます。法律事項として条文に書き込むことが相応しいということは、書き込ませて頂きました。そういうかなり細部にわたるというのが、逆に言えば法律に馴染まないという理由によって、条文に書かなかったものでございます。特に他意があって、そこに書かなかったというわけではございません。

Q: シビリアン・コントロールを担保するという点では、部隊の規模というのは当然国会の論議が出てくるところではないかと思うのですが、それについてはいかがでしょうか。

A: 部隊の規模を実際に出した時は、かなり大規模な編成をとっていたものでございます。しかし、今はもう補給艦一隻、あるいは護衛艦一隻という編成になっているわけでございまして、ミニマムと言えばミニマムです。これから先、それに大きな変更があるかといえば、それは見通しうる将来なかなか考えにくいことではないかと思っております。確かにご指摘にあるように文民統制という意味からは、派遣の規模はかなり大きな要素になるということは、一般論としては言えるわけでございますが、現在実施しているオペレーション、そしてこれから先のオペレーションにおいて、文民統制の根幹を揺るがすような変更がなされるとは考えておりませんし、そういうことが行われることも今の私の認識からすれば、あり得ないと思っているところでございます。

Q: 今回の法案は法律の性格上、国会の承認を省いたということですけれども、今後も海外に自衛隊を出す場合、こういう性格の法律であれば国会承認は今後とらないという手法をされるのか、それとも一般法の議論に近づいていくのか、そこはどうでしょうか。

A: これは必ずしも私の所掌ではないので、防衛大臣としてという部分を超えたところがあるかもしれません。そこはご認識を頂いた上でお聞き頂きたいのですが、私は今朝の自民党の部会でも申し上げましたが、国会承認を省略したという言い方は正確ではないと思っています。それが今のテロ特措法のメニュー法という性格、これから実施法という法律に変わるのだということをもって、法律の成立が国会の承認ということになると思います。それはメニュー法と実施法の法律の性格の相違に基づくものであって、今のメニュー法たるテロ特措法のように補給と輸送が出来ます。そして捜索救難も出来ます。被災民支援も出来ます。こういうメニューを政府として、用意させて頂きますということをお示ししているということが、今のメニュー法の構成でございます。従いまして、その三つの中からどれを選んでやるのかということを閣議決定し、それを実施することにおいて、開始した日から20日以内に国会に付議してというのが、今の法律の仕組みでございまして、今回の法律は何をやるのかということを特定する法律でございますから、法律が可決成立すること、即ちやるべきことについて、国会が承認したということに論理的にはなるものでございます。国会の承認を省略したとか、そういう言葉は適切ではないと考えております。それはメニュー法と実施法の性格に基づくものであります。なお、これから先もこういう形でやるのかというご質問ですが、私はこれから先、本当にそれぞれを実施法という形にしてやっていくというやり方が、迅速性という意味から必ずしもベストなものだとは思っていません。私が自民党の 防衛政策検討小委員長をしていた時に小委員会案として取りまとめたのは、まさしくメニュー法であり、そして事前承認というものでございました。それは国会の承認のあり方というものは、メニュー法なのか、それとも実施法なのかというところで大きく変わってくるものだと思っております。これから先のことについては、私があれこれ申し上げることではありませんが、小泉政権の時から一般法についての必要性、それについての言及は数名の閣僚からあったと承知しております。また、安倍内閣におきましても一般法について否定をしたものではなく、与党の議論がまとまるのをみて、政府内においても云々ということがありましたので、これから先、一般法という議論をする際に、この事前承認、メニュー法、あるいは実施法との関係というものが、整理されると思っております。

Q: 今回の法律は、期限が一年間で、テロとの闘いを根気強く続けなければならないというのが政府の立場だと思うのですが、一年間にした理由について、分かりやすく説明して下さい。

A: これは、与党の議論を踏まえて一年ということになったわけでございますが、やはり国会の関与というものを重視した結果だと私は思っております。実施法という形になった以上は、その法律が審議され、可決されるという過程、あるいは結果において、国会の関与が担保されるということですから、その国会の関与というものを出来るだけ頻繁にという言葉は適当ではないかもしれませんが、密にということによって国会の関与を担保するという意味で、一年という期間になったと承知を致しております。

Q: 日本としての国際社会のテロとの闘いという意味で、イラクでは空自が空輸していて、アフガンでは海自による給油がありますが、二つの柱のうち一本がもしかしたら止まってしまうかもしれないという状況にあります。その穴が空いた部分をどうやって埋めるべきか、その二つの柱の一つが欠けてしまうことによって、日本としての国際社会への貢献が、相対的に減るのではないかと思われますが、その部分を日本政府としてどう補うべきでしょうか。

A: これも私の所掌ではないのでということを冒頭でお断りをしておきますが、各国がどのような国際的な活動をしているかということを地図に落として見た時に、日本の場合にはPKOとして、ゴラン高原において部隊を展開している。あるいはネパールにおいて活動している。そしてインド洋、クウェート・イラク間の航空輸送ということになるわけです。そうするとやはり活動の量としては、決して多くないということが言えるのだと思います。これはそれらのニーズに対して、どのように対応するのが一番いいのかという問題等を原点として、私どもの持っている能力が、どれだけの余裕があるのかということだと思います。例えば、中国などはあちこちで展開していますし、バングラディシュなどもあちらこちら展開している。あるいは北欧型の展開の仕方というのもあるわけです。日本として、どういう海外における活動が相応しいのかというお話は、もう一度きちんとしてみるべきなのだろうと思います。他方、アメリカ合衆国がPKOとしてあちらこちら出しているかというと、それはそうではないわけです。では日本がアメリカのパワープロジェクションというものに何か関与するかといえば、それは当然日本の防衛に関する考え方からして取り得ないことになるわけです。日本として何をしたらいいのだろうと、その時に主たる任務である防衛思想というものに支障が起きないか。本来任務にはなったが、災害派遣等には万全なのか。それらを含め日本の国際的活動のあり方について、本来任務になっただけでよしとは思っていません。これが一般法の議論と併せて、日本として何をするべきなのかという話を一度政府として、あるいは国会の場において、きちんとした議論がなされるべきだと思っております。何で埋めるのだと言われて、これで埋めますというものが私にあるわけではありません。

Q: 今回、海上自衛隊の活動が一旦中断されるというのは、ほぼ確実な情勢であると思いますが、その中断ということが日本の国益に対して、どのように影響を与えるかという点と、どれくらいの活動中断期間であれば、許容可能なのかというふうなお考えがあれば教えて下さい。

A: いかなる国益を損ずるかということですが、私は何度かこの国会において、委員会のお許しをいただいて、パネルで各国の参加状況をお示ししました。OEF、ISAF、あるいはPRTという陸上における活動にG8の中の日本とロシアを除く、全ての国が何らかの形でリスクを負いながらも参画をしているという状況があります。OEFについても、ロシアを除く全ての国が参加中、参加予定、あるいは参加の実績を持っているわけでございます。日本が中断するということは、そこは全てにおいて参加しない並びになるわけで、G8の中において、わが国が何もしないということはどうなのかということだと思います。国益論については、色々な国益論があって、中東の安定が日本の国益であるとか、あるいはあの海域というものが日本にとって極めて重要である、そこの安全を他国に担ってもらって良いのかという議論が一つあります。そしてもう一つ、わが国としていかなる責任を果たすべきかという議論をするならば、私はG8の中で日本だけが一時的にせよ、ロシアと日本の二ヶ国だけが何もしないという状況の中で、日本の責任というのはどうなのかと。国益論というのは狭く日本の利益ということだけで語るべきではなく、日本は国際社会の中でどんな責任を果たすべきかという意味においても、広い意味での国益を語るべきだと思っておりまして、国内的にも国際的にも失うものは相当に大きいだろうと思っております。期間について、どれくらいならば許されるかということですが、これは二ヶ月ならば許されて三ヶ月ならば許されないとか、そういうものではないと思います。その間、日本が抜けたので、仮に抜けることがあったとして、「じゃあいいや。」と「全体のオペレーションの実効性が落ちてもそれでいいや。」ということではないと私は思いますので、日本と同程度の信頼性を持った国がそれを埋めるということになるのでしょう。ただ、それはどの国も補給艦が有り余っているわけではありませんから、それだけその国に負担がいくということになるわけです。ですからその期間は、なるべく短くしたい。それが四ヶ月よりは三ヶ月、三ヶ月よりは二ヶ月、どこならば許してもらえる、許してもらえないということではないと私は思います。わが国として何をなすべきかということを考えた時に、短ければ短い程よいということしか、お答えが出来ないのです。

Q: 昨日、岩国市長が空母艦載機の移転について政務官とお会いになられて、その中で今まで見送られてきた市庁舎の建設補助金をこれが交付されるのであれば、これまでの移転反対の旗を降ろして、国との協議に応じたいという提案をしました。これはある意味、追い詰められた市の方が譲歩してきたように見えますが、この提案について大臣はどのように回答するお考えでしょうか。

A: この件については、本日夕刻、寺田政務官から詳細な報告を受けたところでございます。市長から頂いた提案は、二つございました。一つは、岩国市は反対の前提ではなく、国の一方的な説明に終始することなく、双方の考え方を尊重しながら一定の合意を目指す実質的な協議のテーブルに着くこと。その二は、市民の不安を解消するため、滑走路の沖合移設後に試験的に艦載機の訓練の一部を岩国に移転をし、実際に飛ばしてみる。この二つのご提案を頂いたところでございます。寺田政務官の方から防衛省としての見解を申し上げたところですが、最初について岩国市のご理解が得られなければ、当該補助金を交付することは困難である。これは今までの政府の姿勢そのものでございまして、従来の姿勢をご説明したところでございます。私としましては、岩国市長のお考え、もう反対をしないということ。ただ、地元の新聞を読みますと、「一旦収める。」と記事にあります。私としては「何ですか、その一旦というのは。」という気がしないでもないわけです。そこの反対の方針を撤回されるということがどういう形なのか、「一旦収めるが、反対するぞ。」ということなのか何なのか。揚げ足を取るつもりは全くないのですけれども、そこにおいて反対を収めるというご意志が、どのように確認をされるのだろうかということについて、今後きちんとした確認を行いたいと思っております。また、「実際に飛ばしてみる。」というお話でございますが、これは私どもの飛行機を飛ばすわけではございません。相手のあるお話でございます。その実現可能性等については、これから検討してみたいと考えております。いずれにしても、政務官がお答えしたラインと私のラインとは、基本的に同じでございます。

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