大臣会見概要

平成20年3月18日(9時31分〜9時55分)

1 発表事項

 閣議で特にご報告するようなことはございません。私から、護衛艦「あたご」と「清徳丸」の衝突に関する艦船事故調査委員会の調査内容の公表について、一言申し上げます。防衛省といたしましては、事故原因について徹底的に究明するとの立場に立ち、3月6日以降海幕副長を長といたします艦船事故調査委員会が、衝突時及びその前の当直員を中心とした「あたご」乗組員に対する聴取等の調査を進めているところでございます。この委員会の乗組員に対する聴取は、3月6日の16時からスタートしたものでありまして、7日から17日まで土曜・日曜を含めまして毎日、大方午前9時頃から午後5時頃まで、平均して調査員約15名の体制で実施をしているものでございます。17日までに約70名に対する聴取聞き取りを行いました。また、「あたご」の機材の記録についての確認作業も行ったところでございます。一方、現在、当直員の一部について、海上保安庁との調整により、委員会による聴取が実施できていない状況でございますが、これまでに確認した内容につきまして、鋭意整理を行っている状況でございます。これを今週中に取り纏めまして、早ければ3月21日金曜にも捜査に支障を及ぼさない範囲で、私から発表したいと考えている次第でございます。

2 質疑応答

Q: 衝突事故で、事故を起こしたことについての関係者の処分、あと事後対応を巡る関係者の処分、それぞれの見通しについてお願いします。

A: 今申し上げたとおり、乗組員の事情聴取に着手し、鋭意行っているところで、現状につきましては先程お話ししたとおりでございます。現在、その整理を行っているということも今申し上げたところでございまして、この内容をよく踏まえた上で、処分については、時期をいつにするか、対象者は誰であるか、その内容をどのようにすべきかということにつきまして検討することになると考えておりまして、今の時点において、この人、この内容、そしてこの時期ということが、決定しているわけではございません。

Q: 記事によると、大臣は21日に給与の一部返納で責任を取るという報道もありますが、ご自身についてのお考えはありますか。

A: これも現時点では確定したものではありません。当然、何らかの形が必要だと思っております。

Q: 事後対応について、説明が二転三転したことについての検証作業の進捗状況はどうなっているのかということと、責任の所在を明確にしないまま先に関係者の処分を下すということはあり得ることなのでしょうか。

A: それは、処分というのは全体の整合が取れなければいけないことで、そこのところはよく配慮しなければいけないと思っています。また、今、二転三転というお話をなさいましたが、ただ、何を捉えて二転三転というかですが、これは答弁でも何度か申し上げたことですが、その時点で把握した内容について、捜査に支障が及ばない範囲において公表しているものです。従って、例えば「2分前」というのが「12分前」、それは変わったということではなくて、当初「2分前」という情報が入ってきた。その後「12分前」という情報が入ってきたということであって、これは「いやいや、「2分前」ではなくて「12分前」でした。」ということであれば、これは一転ということかもしれませんが、当初「2分前」という情報が入りまして、その後「12分前」ということを公表したものであって、これが前言を翻したと受け取られると、それは違うと私は思っております。そうすると、発表の仕方をどのように行うのかということについて、それは「これが事実である」ということを確定するまでは言えないということになるのか。そこのところはどういう形にすれば良いのか、それはまた受け取られる側、報道される側のご意向というものに対しながらやっていかなければならないことかなと思っております。どういう形での公表が一番良いのか、それがその時点時点で情報が入ってきたものを公表するということになりますと、当然、内容が違うということが有り得ることであって、これを全ておしなべて二転三転というネガティブな評価ということになるとするならば、これはどういう形が望ましいのかなということについては、また報道される側のご意向もよく考えながらやっていかねばならない。そういうネガティブな評価という形になって、それが定着するということも決して好ましいことではないので、どういう形がよろしいのか、よく考えていかねばならないと思っております。ただ、冒頭申し上げたように、こういう処分ということについては、全体の整合というものはきちんと取る、均衡を失するということがないように配意するのは当然のことと思っております。

Q: 今週中にも発表されるものがあるということですけれども、他方で、一部の方には聴取が出来ていないという話もございました。そうしますと、今週中に発表する内容というのはどこまで核心に触れられることになるのでしょうか。その辺り、見通しについては。

A: そこは分かりません。分かりませんというのは無責任な言い方のように聞こえるかもしれませんが、一部聴取が出来ていない、そうするとそれ以外の者から聞き取った内容の中で言えるものがあるということです。捜査に支障がない範囲で制約も当然あるわけであり、そうすると、今お尋ねの「核心にどこまで触れられるか。」ということについては、自ずから捜査に支障がないという制約の下に、「ああ、そうなのか」というような、事故原因全容解明になりますよということは、今の時点では申し上げられません。やはり、これはいつも申し上げている捜査の独自性というもの、独立性というものについては、当然、我々は配意せねばならないものだと考えておりますので、この時点で捜査の核心にどこまで迫れるかということについて、断定的に申し上げることは非常に難しい。

Q: 先程、給与の一部返納については、現時点で確定していないということですけれども、ご自身、何らかの形で対応するということについては考えていらっしゃいますか。

A: それは、先程申し上げたとおりです。

Q: 全体像が分からない中で21日に中間報告を出すというのは、どういう意味があるのでしょうか。

A: その時点で判明していることで、公表できるものが有るとすれば、それはしていかねばならないだろうと思っております。当然、捜査に支障がないという範囲でありますが、それでは何も言わない方がよろしいのかと、逆にそういうことにもなるのだろうと思います。ですから、現在確認中というか整理中であって、早ければ21日、それよりも遅くなるということは当然有り得ることでございます。その時点で申し上げた方がよろしいと判断されるものについては、やはり言った方が良いだろうということです。

Q: ある程度責任の所在が明確になるような中身になるのですか。

A: そこは分かりません。ですから、責任といっても甲乙丙丁、このものについてのこれだけの責任ということを断定することと、捜査の独自性、そしてこれから海難審判、裁判等々あるわけですから、どのものが何処まで言えるということについて、私は今確証を持って言えるところではありません。

Q: 昨日、増田防衛次官が防衛省の実情を表すのに、「五族共和」という言葉を使いましたけれども、この表現が適当なのかという大臣の認識と、それぞれ役所の中に違う気質のグループがいくつかあるということを言いたかったのだと思いますが、こういう役所をまとめていくことは可能なのかどうか、大臣はどのようにお考えですか。

A: 言葉は色々人によって受け取り方がありますので、そこは色々な人によっては歴史的な判断、そういうものについて意識に触れる部分があるのかもしれません。それは人に依りけりですけれども、次官もおっしゃっておられるように、仮にそういう論議を呼びおこすような事であれば、そういうことが目的として企図してやったものでは勿論ないわけで、そこは次官が後でそういうことがあるとするならば、そこのところは正確に覚えていませんが、適当ではなかったかもしれないという次官の言葉はその通りかなと思っております。また、色々なグループといいますかそれがあるというのは、UCという区分けがあって、そして陸海空というものがあって、そこの一体感というのか、統合的なマインドというか、そういうものについて議論がなされているということだと思います。別にこれは、当省はこういう分け方になりますが、例えば私が前におりました農林水産省にしても、それはいわゆる事務屋と技術屋とかあるいは法律屋と農業経済とか、そういう色々な専門によって、そういう分かれ方というのがなされているというのは、何も当省に限ったことではないのではないかと思っております。私も全部知っているわけではないけれども、だからそこが一体としてその役所の政策を遂行していく上で、仮にも支障があることがあってはならないということだと思います。私は別に農林水産省を批判がましく言うつもりは全くなくて、それは例えば国土交通省でも、技官と事務官というのはあるのであって、分かれ方は事実としてあるというだけの話です、ネガティブに申し上げているつもりは全くありません。セクショナリズムとは言わないけれども、その役所としての一体感をもって国民にサービスを行うということに、支障があってはならないということは何処も気をつけていかなければならない事だと思います。

Q: 次官がその表現について適当ではなかったというのは、これは誰に言われたのですか。

A: 何か報道で読みましたが違いますか。何かどこかの記者がそういうようにお書きになりませんでしたか。

Q: 大臣に対して言われたということではないのですか。

A: そうではありません。報道で知っているだけのことです。誰がおっしゃってますか。

Q: 毎日です。

A: 毎日さんのとおり申し上げれば、歴史的な意味で使ったわけではないということです。そう受け取られたら不用意だったとおっしゃっておられるので、次官がおっしゃっておられるのは私はご認識としては、その通りかなと思います。

Q: あらためて、事故から1ヶ月が経ちますが、防衛省として浮き彫りになった問題点と、今後の課題について大臣としてどのように考えていますか。

A: それは、二つに分けて考えるべきものなのだと思います。第一点として事故が起こったということ事態についてはどうなのかであり、それは、捜査が行われ、あるいは海難審判、裁判等々によって原因というのは明らかになるということだと思います。ただ、それはそれとして、海上自衛隊が、海上衝突予防法あるいは色々な通知の類をきちんと厳正に遵守したかということは、それは原因究明が厳密になされるということとはまた別だと思っております。とにかくそういうような法律、あるいは通知、それを厳正に守っているかどうかということをきちんと検証するということは、分けて考えるべきことなのだろうと思ってまして、そういうことについて、これから先、もう一度基本を徹底していくということだと思います。また、現在、自動操舵の使用は止めていますが、その使い方が各艦ばらばらに任されているということは本当に良いのかということもございます。また、国会等々でご議論があるように、海域を指定をして、特に注意を払うべき海域というものを指定するかどうかについては、時間によって随分差がありますので、かえって海域を指定するというよりは、そういう時間帯に着目すべきなのかもしれません。そこについて断定的なことは言えませんが、色々なご議論を受けて、基本の徹底、あるいは運用の厳正化みたいなことをやっていかなければならないということだと思います。もう一つは、事故後の対応ということについてですけれども、先程申し上げたように公表の仕方、ここにおいて、私は捜査に支障のない範囲で、当然色々な所要の確認、調整を行った上で、その時点において分かっていることを公表するという方針でやって来ましたが、そのことがかえって混乱の印象を与えたこと、それは私は事実としてあるのだと思います。そうすると、どのような形で、公表するのかということについて、そして、その公表を行う体制についてここは大いに再検討する必要があるなと思っております。ただ、私自身、事故が起こった当初から、これは「なだしお」のことが直ぐに頭をよぎりましたので、情報操作とか情報隠しとか、そういう印象を持たれないようにしなければいけないという思いは最初からずっとありました。ですから、そこのところの適正性の確保というのは、本当に良く考えていかねばならないと思います。それは、それぞれがそれぞれの立場でそれぞれの時間に、色々な発表をしているわけですけれども、そこのところの一体性をどうやって保つかということであり、そこについては大いに工夫の余地があるなとは思っています。

Q: 国会ですけれども、所管外ではございますが、今の日銀総裁人事の状況について、政府の一員として何かご見解がございましたら、とりわけ野党側の対応について、大臣としてお考えがございましたらお願いします。

A: 所管外ですので、あまり軽々な発言はすべきではないと思います。一国の中央銀行の総裁について、一体、わが国の金融政策というものが、どうあるべきなのかということをメインに据えて、国民生活の安定のためにどうすればいいかという、一点において論ぜられるのが、当然の姿だと思っております。私が報道で拝見する限りにおいて、一体、いかなる金融政策を目指そうとしているのか、そのことについて、ご批判されておられる側から旧大蔵省、現財務省出身だからだめだというお話が、クローズアップされています。それは、報道の仕方もあるのだろうと思いますが、ただ、聞く限りにおいて、金融政策かくあるべしや、この人ではこれが体現できないと聞いており、なぜならばということが、少なくとも私にはよく理解ができないところであって、もしかするとそこはきちんとおっしゃっておられて、私がそこは理解できないだけなのかもしれません。ですから、あまり批判がましいことを申し上げるつもりはないけれども、やはり国民としては、一体どういう金融政策が採られるべきなのか、金融政策というと金利にしても、下げることによって喜ぶ人もいれば、困る人もいるわけで、それは両面あると思います。そこは日本経済トータルとして見て、どのようにお考えなのかなということを国民の皆様によりご理解いただくような、そういう工夫はいるのではないかと思っております。人の問題というよりも、その人がやらんとする政策の問題のような気がしますけれども、政府として、そこはよく考えた上で提案をしたものだと思っていますけれども、それが同意できないとおっしゃっています。それは当然国会の権能としておっしゃっておられるわけですが、そこのところを知りたいなと、私が思っている、何も批判がましいことを申し上げているつもりはありません。

Q: 沖縄の普天間代替施設の件なのですが、環境アセスメントの本調査が、土曜日にも始まったわけですが、それを受けて名護市、宜野座村の再編交付金について、交付を今の時点でどのような判断をされているのでしょうか。

A: このお話は、名護市長のお考えをよく確認をしたいというふうに思っております。名護市長のお考えをよく確認をした上で、再編特措法の規定に従い、速やかに関係行政機関との協議の上、適正な判断を致したいと思っています。現時点で、こうであるというふうな断定的なことを申し上げられる状況にはないということです。よく市長のお考えを確認したいと思っております。

Q: 沖合への移設に関する考え方というのは、いかがでしょうか。

A: そのことについても、よく確認の上ということですから、私としてこうだ、ああだということを今申し上げることは致しません。