22年度概算要求における防衛省組織改革について

平成21年8月
防衛省

 防衛省としては、防衛省改革会議の報告書に示された提言を実現するため、内部部局をはじめとする中央組織の抜本的な改革(防衛省組織改革)について、省内で検討・議論を重ねてきたところであり、今般その成案を得たので、8月末に行う22年度概算要求に盛り込むこととした。
 なお、新設・改編する局、課等の名称は、全て仮称である。

Ⅰ 組織改革の目的等

1 防衛省改革会議の報告書に示された提言の実現

 防衛省組織改革は、防衛省改革会議の報告書に示された提言を実現するために行うものであり、その目的は、報告書で提言された改革の3つの原則をより確実にかつ効果的に実行することで不祥事の再発を防止するとともに、今日の自衛隊を取り巻く安全保障環境の変化や自衛隊に求められる役割の重要性にかんがみ、文民統制をより一層徹底しつつ、人材を有効に活用して自衛隊を積極的・効率的に機能させることにある。
 このため、報告書に示された防衛政策局の機能強化、統合幕僚監部の機能強化、防衛力整備部門の一元化などについて、スクラップ&ビルドを基本に実現を図る。

2 文官と自衛官との協働体制の確立

 文官と自衛官は、それぞれ専門的知識や経験を有しており、現在のような文官と自衛官を分けた中央組織の構造においては、組織としての能力を最大限に発揮できないなどの弊害も認められる。
 このため、現状の様々な弊害を克服し、防衛省・自衛隊の全体最適を図るためには、これまでの組織を抜本的に見直して、両者が協働できるようにすることが必要である。
 したがって、今回の組織改革においては、内部部局において自衛官を定員化することなどにより、内部部局及び統合幕僚監部において、文官と自衛官を混在し、その専門性に応じて適切に配置することにより、真に文官と自衛官とが協働できる体制を構築する。

Ⅱ 内部部局の改編

1 防衛政策局の機能強化

(1)目的

 我が国の安全保障を確保するため防衛省・自衛隊の役割は益々増大する傾向にあるが、安全保障分野において内閣総理大臣及び防衛大臣を適切に補佐し、文民統制をさらに徹底し、より実効的な政策を実施するためには、官邸の司令塔機能の強化と合わせ、我が国の防衛政策の要となるべき防衛政策局の機能を強化することが必要である。

(2)具体的な組織改編

1自衛官の次長の新設等

 防衛政策局次長には現在2名の文官が配置され、局の事務を分掌して局長を補佐しているが、自衛官の専門的な知識や経験を防衛政策局の業務に活用するため、新たに自衛官の次長を新設するほか、防衛政策局に自衛官を約20名配置する。

  

2戦略構想課の新設

 防衛政策局の防衛計画課については、防衛力整備部門の一元化に伴いその機能が移管される一方、防衛政策局には新たに戦略構想課を置くこととし、我が国の置かれた軍事的な戦略環境を分析・検討し、中長期的かつ総合的な観点からの我が国防衛の戦略を策定する体制を整える。
 また、戦略構想課は、自衛官の専門的な知識や経験を生かすため、その課長を自衛官とするとともに、文官及び自衛官をもって編成する。

 

3防衛政策課、国際政策課等の機能強化

 防衛政策課に地域政策企画室を新設するとともに、防衛政策課、国際政策課等に自衛官を配置することなどにより、自衛隊の国際的活動を含む国際・地域分野での政策、防衛交流・多国間安保対話に関する政策などを的確に企画・立案する機能及び我が国の防衛政策を発信する機能を強化する。

2 防衛力整備部門の一元化・整備計画局の新設

(1)目的

 防衛力整備の全体最適化を図るため、内部部局、各幕僚監部の防衛力整備部門を統合して新たに整備計画局を新設し、各自衛隊の組織・定員・装備・配置などを一元的に取り扱う体制を整える。
 ただし、各自衛隊の隊務と密接に連携する事項については、各自衛隊の隊務を円滑に実施し得るよう、一元化の例外として、各幕僚監部で取り扱うこととするが、最終的に、整備計画局が、これらの業務をとりまとめ、防衛力整備の全体最適化を実現する。

(2)具体的な組織改編

  

1文官と自衛官の協働体制の確立

 防衛力整備の全体最適化を行うには、文官と自衛官のそれぞれの専門的な知識と経験が必要不可欠であり、内部部局及び各幕僚監部の防衛力整備事業を行っている組織・定員を整理・再編し、整備計画局には、文官を約110名、自衛官を約120名配置する。

2文官及び自衛官の次長の新設

 整備計画局に、文官と自衛官各々の専門的な知識と経験を活用するため、文官及び自衛官の次長を新設する。

3課の編成

 整備計画局には、整備計画課、年度整備課、整備構想課、装備計画課及び編成計画課を置き、文官及び自衛官をそれぞれの専門性に応じて配置するとともに、整備計画課と年度整備課は課長を文官とし、その他3課については課長を自衛官とする。
 それぞれの課の主な業務は以下のとおりである。

  •  整備計画課
     局内の総括業務を行うとともに、防衛力整備に関する制度の企画・立案、防衛力整備事業に関する総括的な業務、自衛隊の態勢等の能力評価、中期防衛力整備計画に関する業務などを行う。
  •  年度整備課
     年度の防衛力整備に係る計画及び予算の編成・総括に関する業務を行うとともに、予算執行の管理に係る業務も行う。
  •  整備構想課
     自衛隊の態勢に関する構想の策定や分析を行うとともに、自衛隊の中長期的な構想を作成する。
  •  装備計画課
     自衛隊の装備に関する中長期的な計画を策定するとともに、年度の装備に関する事業計画の策定、研究開発計画に関する業務も行う。
  •  編成計画課
     自衛隊の部隊編成や自衛官定数に関する中長期的な計画の策定、年度の部隊編成に関する事業計画の策定を行う。
  

3 その他

(1)経理装備局の改編(管理企画局の新設)

 経理装備局については、会計課の機能が整備計画局等に移管されることに伴い、自衛隊の装備の調達や施設に関する業務に加え、人事教育局が行っている教育に関する業務と運用企画局が行っている訓練に関する業務をとりまとめる課(教育訓練課)を新設し、自衛隊が行う装備の調達や教育訓練などの業務を管理する新たな局として管理企画局に整理・再編する。
 また、管理企画局の次長には、文官の次長に加え、自衛官の専門的な知識や経験を活用するため、自衛官の次長を置くとともに、局の総括を行う管理企画課と教育訓練課には、自衛官も配置する。

(2)大臣官房の改編

 経理装備局の会計課については、防衛力整備に関する機能は整備計画局へ移管するが、内部部局の予算等に関する業務は大臣官房に移管することとし、文書課に会計室を新設する。

(3)人事教育局の改編(人事局の新設)

 人事教育局については、人材育成課が所掌している事務のうち、教育等に関する事務を管理企画局に移管するなど、新たな局として人事局に整理・再編を行うとともに、自衛官の専門的な知識や経験を活用するため、給与課、厚生課及び衛生官に自衛官を配置する。

(4)書記官・部員制度の廃止

 現在の部員制度については、その創設当初の趣旨が変化してきていることなどを踏まえ、自衛官が内部部局において定員化されることに併せて、書記官・部員制度を廃止し、他省庁と同様、課長補佐等の職制を導入する。

Ⅲ 各幕僚監部

1 統合幕僚監部の機能の強化

(1)目的

 運用企画局と統合幕僚監部の実態としての業務の重複に起因する責任の不明確な部分を解消するとともに、一つの組織の下で合理的かつ一体的に業務を行い得るよう、運用企画局を廃止し、基本的に、その機能を統合幕僚監部に担わせ、もって自衛隊が各種事態に迅速かつ実効的に対応できる体制を整える。

(2)具体的な組織改編

  

1文官と自衛官の協働体制の確立

 文官及び自衛官が協働して業務を行い得る組織編成とするため、運用企画局を廃止するとともに、新たな統合幕僚監部には、自衛官を約300名、文官を約110名配置する。

2運用政策総括官等の新設

 統合幕僚監部の業務に文官の専門的な知識や経験を活用するため、副長クラス及び部長クラスに文官を配置することとし、運用政策総括官及び運用政策官をそれぞれ新設する。
 また、運用政策総括官については、内部部局、他省庁との調整などを円滑に行うため、大臣官房審議官に充てる。

    

3運用部の再編

 運用企画局の機能を基本的に統合幕僚監部に移管することに伴い、運用部を再編することとし、運用に関する各種制度の企画・立案などに関する業務を行う企画調整課、武力攻撃事態等における自衛隊の運用に関する業務を行う運用第1課、国際平和協力活動及び災害派遣など、運用第1課の所掌以外の自衛隊の運用に関する業務を行う運用第2課を置き、文官と自衛官の協働体制を確立するため、それぞれを専門性に応じて各課に配置する。
 なお、企画調整課の課長は文官とし、運用第1課及び第2課の課長は自衛官とする。

4防衛部研究・計画課の新設

 自衛隊の運用に関する研究や、統合幕僚監部の業務に関する年度計画の策定、統合運用の実績及び将来の在り方を踏まえて整備計画局に防衛力整備に関する意見を述べる業務などを行うため、防衛・計画部から改編される防衛部に研究・計画課を新設し、その課長は文官とする。

2 陸・海・空各幕僚監部の改編

 防衛政策局の機能強化や防衛力整備部門の一元化など、今回の中央組織における抜本的な改革に併せて、陸・海・空各幕僚監部において防衛力整備などに関する業務を行っている部署を整理・再編し、各幕僚監部において的確に業務を行い得る組織体制を構築する。

Ⅳ 今後の予定

 これらの組織改革については、防衛省として22年度概算要求に盛り込み、今後、政府内における調整を行い、政府予算案としてとりまとめられた上、当該予算案や防衛省設置法等の所要の法改正について国会における審議などを経て、平成23年初め頃を目途に、実施することとする。

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