岩屋防衛大臣による第5回拡大ASEAN国防相会議及び第4回日ASEAN防衛担当大臣会合への出席並びに二国間会談等の実施について(概要)

平成30年10月20日
防衛省

 10月19~20日、岩屋防衛大臣は、シンガポールを訪問し、第5回拡大ASEAN国防相会議(以下「ADMMプラス」という。)及び第4回日ASEAN防衛担当大臣会合に出席した。また、ADMMプラス参加国の国防大臣等との二国間会談等を行ったところ、概要以下のとおり。

第5回ADMMプラス会合写真

1.第5回ADMMプラスについて

  1. (1)10月20日、ASEAN10か国及びプラス国(8か国)の国防大臣等の参加を得て、第5回ADMMプラスが行われた。会議においては、7月に開催されたADSOM(高級事務レベル会合)プラスの結果及び前日に開催されたASEAN国防相会議(ADMM)における決定について報告が行われるとともに、参加国の国防大臣等の間で、地域の安全保障課題について意見交換が行われ、「信頼醸成措置」及び「テロ対策」に係る2つの共同声明が採択された。
  2. (2)岩屋防衛大臣からは、スピーチの中で、まず、我が国が唱える「自由で開かれたインド太平洋」の維持・強化において、同地域の中核に位置するASEANの中心性と一体性の強化が重要である旨述べ、防衛省・自衛隊として、今後もADMMプラスにおける防衛協力に主体的に関わるとともに、地域の平和及び安定のために二国間の様々な能力構築支援等に注力していくことを強調した。
  3. (3)また、信頼醸成措置の分野においては、インド太平洋地域において、「法の支配」を軽視して力によって一方的な現状変更を試みる動きに対し我が国として断固反対すると述べつつ、同地域における「法の支配」の貫徹の重要性について強調した。さらに、航空分野における信頼醸成措置の試みとして、空中における軍用機同士の遭遇に係るガイドライン(エア・ガイドライン)がADMMにおいて結実したことを高く評価するとともに、ADMM及びADMMプラスの枠組において議長国のシンガポールのリーダーシップの下で信頼醸成に資する積極的な動きがあることを歓迎し、このような「法の支配」の充実や発展が進むことが地域の信頼醸成につながる旨述べた。
  4. (4)テロ対策の分野においては、テロ・ネットワークの多くが国境を跨いでいる中、国際的な協力がますます重要であり、その観点からASEAN有志国で進められているテロ対策に係る情報共有に向けた動き「アワーアイズ」を支持する旨述べた。また、現代のテロの特性として、テロの手段が多様化するなか、化学テロ対処の経験がある防衛省・自衛隊としてもCBRNに係る防衛協力も惜しまない考えである旨述べた。

【参考1】日本以外の参加国国防大臣等

(1)ASEAN加盟国等

  • ブルネイ: ハルビ第二国防大臣
  • カンボジア: ティア・バニュ副首相兼国防大臣
  • インドネシア: リャミザルド国防大臣
  • ラオス: チャンサモーン国防大臣
  • マレーシア: モハマド国防大臣
  • ミャンマー: セイン・ウィン国防大臣
  • フィリピン: ロレンザーナ国防大臣
  • シンガポール: ウン国防大臣
  • タイ: プラウィット副首相兼国防大臣
  • ベトナム: リック国防大臣
  • ASEAN事務局: トゥアン事務次長

(2)プラス国

  • 豪州: パイン国防大臣
  • 中国: 魏鳳和(ぎ・ほうわ)国防部長
  • インド: シタラマン国防大臣
  • ニュージーランド: マーク国防大臣
  • 韓国: 鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防部長官
  • ロシア: ショイグ国防長官
  • 米国: マティス国防長官

【参考2】EWGの現議長国

  • 人道支援・災害救援: マレーシア、米国
  • 海洋安全保障: シンガポール、韓国
  • 防衛医学: ミャンマー、インド
  • 対テロ: タイ、中国
  • PKO: インドネシア、豪州
  • 地雷処理: ラオス、ロシア
  • サイバーセキュリティ: フィリピン、ニュージーランド

2.第4回日ASEAN防衛担当大臣会合について

  1. (1)10月20日、第4回日ASEAN防衛担当大臣会合が行われ、実践的な日ASEAN防衛協力に向けた意見交換が行われた。
  2. (2)冒頭、議長国シンガポールのウン国防大臣から岩屋大臣が紹介され、45年に及ぶ日本とASEANの長い協力の歴史に触れつつ、本会合では日本が一昨年表明した日ASEAN防衛協力の指針である「ビエンチャン・ビジョン」の現況及び今後の進展について議論する旨述べ、開会した。
  3. (3)岩屋大臣から、インド太平洋地域は多様で複雑な安全保障上の課題に直面しており、これらに対して我々は一致協力して迅速かつ有効に対応することが求められている旨指摘し、平成28年に発表した「ビエンチャン・ビジョン」の下での、日ASEAN防衛協力のモメンタムを維持しつつ、日本とASEANの間でより実践的な防衛協力を推進することが一層重要になっているとの認識を述べた。
  4. (4)また、岩屋大臣から、「ビエンチャン・ビジョン」の下、既に具体的な協力事業を実施に移してきているが、今後はASEANが目指す地域の防衛当局間のインターオペラビリティの向上を支援する方針であり、より実践的な協力を推進していきたい旨述べた。
  5. (5)さらに、岩屋大臣から、具体的な提案の一つとして、日ASEAN「プロフェッショナル・エアマンシップ・プログラム」というASEAN全加盟国の空軍士官の日本への招へい事業を通じて、空軍種間の信頼醸成を目指すとともに、法の支配の貫徹に向けた価値の共有を進めることを計画している旨述べた。また、我が国としては、実践的な日ASEAN防衛協力は、「自由で開かれたインド太平洋」の維持・強化のために重要であるとともに、ASEAN側のニーズに根差したものであるべきとして、ASEANとの協議を充実させたいと考えている旨伝え、双方向的な協議サイクルの充実化に向けた意見交換を行った。
  6. (6)ASEAN側の大臣から、「ビエンチャン・ビジョン」発表後、日ASEAN乗艦プログラム、HA/DR分野に係る招へい事業、オピニオンリーダー招へい事業など様々な日ASEAN防衛協力が進展していることに対して歓迎の意が示されるとともに、今後もより実践的な日ASEAN防衛協力を推進することへの期待が示された。

3.二国間会談等について

 日米韓で三国間防衛相会談を実施した他、米国、中国、シンガポール、韓国と個別に二国間防衛相会談を実施(以下、実施順で記載)。

以上