第5回日仏外務・防衛閣僚会合 共同声明

(2019年1月11日 ブレスト)

  1. 河野太郎日本国外務大臣及び岩屋毅日本国防衛大臣並びにジャン=イヴ・ル・ドリアン・フランス共和国欧州・外務大臣及びフロランス・パルリ・フランス共和国軍事大臣(以下「四大臣」という。)は,2019年1月11日,第5回日仏外務・防衛閣僚会合(以下「2+2」という。)を開催した。本会合のマージンで,第8回日仏外相戦略対話及び防衛大臣会談が開催された。
  2. この機会に,四大臣は,日仏間の「特別なパートナーシップ」を引き続き強化し,あらゆる分野において我々の世界が直面している諸課題を克服するため,緊密な協力を継続していく意思を表明した。このパートナーシップは,自由,民主主義,法の支配の価値の重視に基づく。2018年を通して,両国外交関係樹立160周年記念は,我々の友好関係の強さと広がりを確認し,信頼ある共通の将来を考えることを可能にした。この 野心を具体化するため,両国は,活力ある未来の中に「特別なパートナーシップ」を刻み込むため,2019年から2023年にかけての新しいロードマップを作成する意思を表明した。四大臣は,「ジャポニスム2018」の成功及び2021年にフランスが日本においてフランス文化季間を開催することを歓迎した。四大臣は,学生及び研究者の移動の重要性と同様に,とりわけバイリンガル課程による相手国の言語の学習を通した両国間の人的交流の重要性を強調した。両国は,人工知能分野を含むこれまでの二国間の科学技術協力を歓迎した。
  3. 日本とフランスは,自由,民主主義,人権の尊重,法の遵守,多国間主義,ルールに基づく国際秩序という共通のヴィジョンを共有している。四大臣は,2019年に両国がそれぞれG20及びG7の議長国を務めることを踏まえ,緊密な連携を通じて,共有された野心を促進することで一致した。
  4. 四大臣は,共通の価値及び国際法と多国間主義の遵守に基づき,インド太平洋地域の平和,安定及び繁栄のために行動するというコミットメントを再確認した。四大臣は,日本とフランスのインド太平洋に関するヴィジョンの間に多くの共通点があることを確認するとともに,この地域を,包摂的で全てのパートナーにとって自由で開かれた,平和と繁栄の地域とするために,両国のヴィジョンの間の相乗効果を促進し,特にアフリカ及びアジアの第三国における協力を促進していく意思を示した。四大臣はまた,関係する全てのパートナーと連携しつつ,海洋安全保障や開発途上国における能力構築の強化といった分野で具体的な協力を推進することで一致した。四大臣は,両国が共に太平洋国家であることを想起し,2018年5月18日及び19日にいわき市(福島県)で開催された第8回太平洋・島サミット(PALM8)へのニューカレドニア及び仏領ポリネシアの参加を歓迎し,この地域に関する日仏間の対話を強化することを確認した。
  5. 海洋分野における両国の古くからの協力を強固にするため,四大臣は,海洋に関連する課題(海洋ガバナンス,科学・イノベーション,海洋プラスチックごみを含む環境,ブルー・エコノミー,海洋安全保障,技術・産業協力)の重要性に鑑みた交流を強化し,具体的なイニシアティブの発展を促進するために,両政府間の包括的海洋対話を立ち上げることを決定した。また,多国間の場におけるグローバルな課題に関する協力も促進される。四大臣は,法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序に対するコミットメントを再確認した。

国際,地域,地球規模課題

  1. 国際情勢に関する意見交換により,多くのテーマに関し日仏間の見解が一致していることが確認され,四大臣は,これらのテーマについて定期的な意見交換を継続していくことで一致した。
  2. 特に北朝鮮はその例である。両国は,国連安保理決議に従った,北朝鮮の全ての大量破壊兵器,弾道ミサイル並びにそれらに関連する計画及び施設の完全な,検証可能な,かつ,不可逆的な廃棄という目標に対するコミットメントを確認した。この目標は国際社会全体の目標である。両国は,2018年6月12日の米朝首脳会談を含む,この目標に向けた外交的努力を歓迎する。両国は,北朝鮮に対して関連国連安保理決議の履行に向けた明確なコミットメントと具体的な行動をとることを求めるとともに,国連安保理決議の完全な履行を徹底するため,瀬取りを含む北朝鮮の制裁回避について,引き続き協力して対処していくことで一致した。この点,フランスは,2019年の上半期に海上哨戒機及び艦艇といったアセットの派遣を通じて,違法な海上活動に対する監視活動への貢献を強化する意図を表明した。フランスは,北朝鮮に拉致された全ての日本国民の即時帰国に向けて努力する日本への連帯を表明した。
  3. 四大臣は,とりわけ海洋法に関する国際連合条約(UNCLOS)に規定されている,国際法の諸原則に基づく,ルールを基礎とした海洋における秩序の維持に対するコミットメントを再確認した。四大臣は,航行及び上空飛行の自由,阻害されない貿易,自制並びに外交的及び法的手段を通じた紛争の平和的解決の重要性を強調した。四大臣は,東シナ海及び南シナ海における状況に対して引き続き強い懸念を表明した。四大臣はまた,緊張を高め,地域の安定及びルールに基づく国際秩序を損なう一方的な行動に対し,強い反対を改めて表明した。四大臣は,全ての当事者に対し,国際法上の義務を遵守し,そのような行動をとることを自制するよう求めた。四大臣は,実効的で国際法に適合し,自由で開かれた海洋の維持を保証する南シナ海行動規範(COC)の策定を目指す現行の交渉の重要性を強調した。四大臣はまた,地域の安定確保のために,このような外交的取組が,国際法に従った形で係争のある地形の非軍事化及び平和で開かれた南シナ海へとつながるべきであるとの認識を表明した。
  4. イランに関し,両国は,イランの核開発計画が軍事目的に転用されないよう保証する唯一の手段であるイランとEU3(英仏独)+2(中露)間の包括的共同作業計画(JCPOA)の維持及び右をエンドースする国連安保理決議第2231号の遵守を重視する。フランスはEUとともにイランがJCPOAによって定められている制裁解除の恩恵を得られ続けるように積極的に取り組んでいる。日本はフランスのこの努力を支持する。JCPOAへの支持とは別に,両国は,弾道ミサイルの分野及び中東地域におけるイランの不安定化を招く活動を懸念しており,イランがその義務に合致することを呼び掛ける。
  5. シリアに関し,両国は,最優先課題が特にISILを念頭にしたテロに対する持続的な勝利であることを喚起する。両国は,無差別の軍事作戦,拷問の多用,人道支援の妨害,人口の均衡を歪め,難民・国内避難民の帰還を故意に妨げることを目的とした政策等を継続するアサド政権の背理行為を非難する。両国は,シリアにおける化学兵器の使用と闘う決意を想起する。この分野において風化や不処罰があってはならない。両国は,シリア政権及びその支持者に対し,保有する全ての化学兵器を申告し,解体することを呼び掛ける。両国は,国連安保理決議第2254号に従って,全てのシリア国民にとって受入れ可能な交渉による政治的解決を達成するために,国際社会の努力を集結させることの緊急性を再確認する。これは,シリアを持続的に安定させ,テロ行為の再発を防止し,難民・避難民の安全かつ自発的な帰還を可能とする唯一の方法である。両国は,信頼性のある政治的移行がしかるべく実施される場合に,シリアの復興に対する支援を実施する準備があることを再確認した。両国は,シリア及び避難先の諸国において,シリアの危機から被害を受ける全てのシリア人に対し人道支援を提供するコミットメントを維持するとともに,国境を越えるものを含め,人道支援への安全かつ障害のないアクセスが保障される必要性を想起する。
  6. 両国は,イスラエルとパレスチナが,国連の決議に基づき,また,当事者間の交渉プロセスの枠組みで,エルサレムを両国の首都とし,国際社会が承認した国境の中で隣り合って平和的かつ安全に共存するという,二国家解決を実現することに深くコミットする。ガザ地区における人道・経済・社会危機に直面し,両国は国際社会に対し,今日においては国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)を介したものを含む具体的なプロジェクトを通じて,また,将来的には,イスラエルの安全に対する懸念を尊重しつつ,包囲の解除,及びパレスチナ国民和解の枠組みにおけるパレスチナ自治政府のガザ帰還を呼び掛けることにより,ガザ地区の住民を支援するよう呼び掛ける。
  7. 両国は,アフリカ,特にサヘル地域の安全と開発のために協力する共通の利益を共有する。四大臣は,テロの脅威や国境を超えた組織犯罪に対する安全確保のための取組を支援するため,G5サヘル諸国を含むアフリカでの日仏の開発援助の重要性を改めて喚起した。フランスの大臣は,日本の大臣に対して,特にこの地域における平和と安全を確保するためのイニシアティブに対し日本の支援を強化する方策を検討することを奨励した。四大臣は,本年8月に開催されるTICAD7の成功に向け協力していくことを確認した。
  8. 両国は,ロシアとの一貫したハイレベルの対話を維持することに共通の価値を有している。対話が生産的であるためには,対話が確固たるものであり,日仏が共有する法の遵守に基づく諸原則に合致しなければならない。四大臣はまた,ロシアがウクライナに対して行ったケルチ海峡とその近海における最近の行動に関するG7外相声明を改めて確認した。日本とフランスは,自制,国際法の遵守及び更なるエスカレーションの阻止を,改めて緊急に呼び掛け,ロシアに対し,拘束した船員と船舶を解放するよう求める。両国はまた,全ての関係者による,今日,ドンバスにおける危機を解決するための唯一の実現性のある解決策であるミンスク合意の履行を重視していることを想起する。両国は,ノルマンディ・フォーマット及び三者コンタクト・グループの枠組みにおける努力に対する支援を継続する。
  9. フランスは,国連安保理改革の一環として,日本が常任理事国となることに対する支持を再確認した。また,両国はユネスコにおける日仏協力を強化することで一致した。
  10. 両国は,多国間貿易システムが直面する新たな諸課題を認識しつつ,紛争解決に係る機能的な機関を有するWTOを中心とした,ルールに基づく開かれた多角的貿易体制への支持を再確認した。日本とフランスは,とりわけ不公正な貿易慣行に対する新たなルールを発展させ,紛争解決システムの機能を向上し,WTO加盟国による透明性と通報に関する義務の遵守を確保しつつ,WTOの改革を支持するため,関心を有する他のパートナーと共に協力を深化することを約束した。両国は,2019年の大阪サミットで進捗をレビューするというG20ブエノスアイレス・サミットにおける首脳による宣言のコミットメントを改めて確認した。
  11. 気候変動の脅威に直面し,両国は,野心と決意を持って,パリ協定を実施するとの強いコミットメントを確認した。1.5℃の地球温暖化に関する気候変動に関する政府間パネル(IPCC)報告書の結果を懸念とともに留意し,気温上昇1.5℃未満を目指す努力を継続しつつ,気温上昇を2℃未満に抑えるとの目標実現に向けて取り組む緊急性を想起しつつ,日本とフランスは,2020年以降,低排出型の発展のための長期的な戦略の一環として,環境と成長の好循環の実現を通じて,イノベーションを促し,世界の脱炭素化をけん引し,気候変動対策で主導的な役割を果たすべく尽力する。また,生物多様性の危機に対処するため,2010年に日本で採択された愛知目標を含む戦略計画2011-2020に続く,野心的かつ現実的な生物多様性枠組を2020年に採択するために尽力することの重要性につき一致した。両国は,G20,G7,One Planetサミット及び国連事務総長主催の気候サミットは,2019年に,これらの分野における機運を大いに高める特別な機会を提供するものであることを強調する。両国は,「世界環境憲章」に関する建設的な議論が引き続き行われることに期待を表明した。この点に関し,フランスは,「世界環境憲章に向けて」とのタイトルの国連総会決議に対する日本の支持を歓迎する。同様に,フランスは,日本が太陽に関する国際的な同盟に加盟したことを歓迎する。
  12. 鯨類資源の管理・保存に関し,フランスは,IWCへのオブザーバー参加等を通じ,海洋生物資源の適切な管理のために国際的な協力を続けていくという日本の立場に留意し,両国は,鯨類資源の持続的な管理・保存に関し,意見交換を続けていくことを確認した。
  13. 両国は,持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて機運を高めるべく協力していくことを改めて確認し,貧困からの脱却のために必要な経済成長及び持続可能な開発を支えるために,国際開発のための革新的資金調達を支援する必要性を確認した。この文脈で,フランスは,開発のための革新的資金調達に関するリーディング・グループの新議長国に日本が再び就任したことを歓迎した。フランスは,UNITAIDに対する資金拠出を行う日本の意図を好意的に受け止めた。
  14. 四大臣は,中東,アジア,ヨーロッパでの化学兵器の再出現に対しては断固たる対応が必要であることで一致した。化学兵器使用への不処罰に反対する国際パートナーシップに他の38のパートナー国と共にコミットする両国は,これらの化学兵器を使用又は開発する者を不処罰のままとしないために協力し合う。四大臣は,この再出現という文脈において,化学兵器禁止機関(OPCW)の強化に関連する,2018年6月に化学兵器禁止条約(CWC)第4回特別締約国会議で採択された決定を歓迎した。四大臣は,とりわけシリアにおけるあらゆる化学兵器の使用を行う者を特定するための新しい部署の設置,及び自国領域における攻撃の際に将来OPCWによる支援を求める可能性のある加盟国とOPCWとの間の協力のために設置された仕組みを歓迎した。
  15. テロの脅威に関し,両国は,我々の民主主義社会の基盤そのものを攻撃する現象との闘いにおいて連帯し,あらゆる関係国際機関において,また,2019年に両国がそれぞれG7議長国とG20議長国を務める際に進められる取組の下に,共に行動することを約束する。両国は,テロ目的のインターネット使用との闘いの分野における全ての関係者の一層の努力と,2019年に豪州が開催するフォローアップ会合を念頭に,2018年4月25日及び26日にパリで開催されたテロ(ISILとアル・カーイダ)資金対策に関する国際会議の際に採択されたパリ・アジェンダの全ての措置の早急な実施を呼び掛ける。
  16. 日本とフランスは,核不拡散レジームの礎石,核軍縮達成の不可欠な基礎,また原子力の平和的な利用の開発の重要な要素である核兵器の不拡散に関する条約(NPT)の重要性を強調する。両国は,2020年NPT運用検討会議の成功を非常に重視する。両国は,軍備管理に関する効率的な国際システムの維持及び軍縮に対する重要性を想起する。また,両国は,中距離核戦力(INF)全廃条約が国際安全保障において歴史的に果たしてきた戦略的役割を認識し,本件を注視する決意を表明した。日本とフランスは,米露による新戦略兵器削減条約(新START)の引き続きの履行と米露両国の核兵器の削減に向けた対話の継続を呼び掛けた。両国は,通常兵器の不正取引対策へのコミットメント及びこの分野における適切な国際的な仕組みへの支持を改めて強調した。両国は,地域と国際社会の安全と安定に資するために,武器及び関連汎用品・技術の輸出管理に係る協力を継続することで一致するとともに,第4回日仏輸出管理措置委員会を可能な限り早期に東京で開催することで一致した。

二国間協力

  1. 四大臣は,日仏外交関係樹立160周年の機会に,2018年7月14日のパリにおける革命記念式典パレードへの陸上自衛隊隊員の参加に象徴される,日仏の安全保障・防衛分野における協力の強化を歓迎した。
  2. 四大臣は,2018年9月に日仏海軍種間で一致した「海上自衛隊と仏海軍の協力に係る戦略的指針」,及び海自護衛艦「ゆうぎり」と仏海軍フリゲート「ヴァンデミエール」の共同訓練(VINEX18),並びにその際の仏海軍フリゲート「ヴァンデミエール」の日本寄港を歓迎した。四大臣は,2019年も同艦による日本寄港及び共同訓練の可能性を検討することで一致した。また,四大臣は,仏空母シャルル・ド・ゴールを中心とする空母機動群がインド洋に展開する機会を捉えて日仏共同訓練を実施することで一致した。陸軍種について,四大臣は,本年4月のボッセー仏陸軍参謀総長の訪日による山崎陸幕長とのハイレベル交流の実施について歓迎するとともに,空軍種について,四大臣は,航空自衛隊の輸送機がフランスに寄航する機会を捉え,部隊間の交流や訓練実施の可能性を検討する方針で一致した。四大臣は,インド太平洋地域における両国の共同訓練及び演習を全ての軍種で実践的かつ定期的に進めていくとの方針を確認した。
  3. 四大臣は,とりわけ安全保障・防衛に係る両国間の信頼に基づく深い対話の枠組みにおいて,日仏間の戦略的な協力の強化のために尽力する意思を確認した。
  4. 四大臣は,フランスの戦略レビュー及び2019年-2025年の軍事計画法,並びに,日本の防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画(2019年度-2023年度)の発表を歓迎し,その結果として生ずる新たな協力の機会を指摘した。戦略分析及び確認された能力の強化における優先事項の一致は,共同プロジェクトの特定と進展を容易とする要因である。
  5. 四大臣は,安全保障・防衛協力の分野において,2018年7月13日のパリにおける物品役務相互提供協定(ACSA)の署名により可能となる,日本国自衛隊とフランス軍の間の相互運用性を強化する重要性を強調した。四大臣は,相互理解を向上し,とりわけインド太平洋地域における共同演習の機会を適切に捉えるため,防衛当局間のハイレベルの相互訪問の強化を慫慂した。
  6. 四大臣は,二国間及び多国間の場,特にG7の枠組みで,海賊,海上テロ,IUU漁業といった海上における違法な活動等に対し連携して取り組むため,とりわけ海洋状況把握(MDA)を始めとする海洋安全保障に係る情報交換及び協力を発展させることで一致した。四大臣は,ソマリア沖・アデン湾における海賊対処について,両国のプレゼンスが引き続き重要であることを認識し,ジブチ地域訓練センター(DRTC)の活用を含めた協力を強化することで一致した。
  7. 防衛装備・技術協力に関し,四大臣は,防衛装備品委員会(最近では2018年7月5日に東京で開催)の監督の下で協力を強化する期待を示した。四大臣は,2016年12月に発効した防衛装備品・技術移転協定の枠組みに基づく初の日仏協力案件である次世代機雷探知に係る共同研究の開始のための取決めが,2018年6月のユーロサトリの際に日本の防衛装備庁とフランスの軍事省装備総局の間で署名されたことを歓迎した。四大臣は,本共同研究の進展に係る期待を表明した。四大臣はまた,海洋,航空,宇宙の分野で高い技術を誇る日仏両国の防衛産業間協力をより一層促進する意思を表明し,これらを含む幅広い分野において将来的な協力を見据えつつ議論が進んでいくことへの期待を共有した。
  8. 四大臣は,自由,公正かつ安全なインターネット空間に向けて,2018年6月12日に東京で開催された協議の結果に基づき,サイバーセキュリティ分野で推進されている協力の見通しを歓迎し,サイバー空間における信頼と安全のためのパリ・コールを共同で支持したことを歓迎した。四大臣は,サイバー空間においても,その他の分野と同様に,既存の国際法が適用されるとともに,遵守されるべきであることを想起した。四大臣は,サイバーセキュリティの分野で設置された包括的な対話枠組で実施されている作業の継続と深化を促進するとともに,2019年に日仏がG20/G7の議長を務めることが,サイバーセキュリティとインターネット環境の安全に関し意見交換を継続するための一つの機会となることで一致した。
  9. 次回の包括的宇宙対話を見据え,四大臣は,あらゆる側面(宇宙状況把握,国際的なルールづくり,宇宙システムの抗たん性の強化,衝突回避,地球観測,宇宙科学・探査,通信・放送,打上げ機及び必要に応じた産業協力の促進等)で我々の宇宙協力を更に強化する意思を表明し,この目的のために,この卓越した分野の全てのアクターの協力を呼び掛けた。
  10. 両国は,2017年3月20日の意図表明文書で再確認された原子力安全,核セキュリティ,核不拡散,アトメア技術の推進,核燃料サイクルの実施,及び特に高速炉技術の研究開発を含む民生用原子力の分野における緊密なパートナーシップを継続する。このパートナーシップは,特に産業セクターにおいて,とりわけ日本企業のフランス原子力部門への資本参加を含む,日仏企業間の緊密な協力として現れている。2018年11月21日にパリで開催された第8回日仏原子力委員会は,民生用原子力のすべての分野における協力の深さを強調した。両国はまた,福島第一原子力発電所の廃炉において,日仏産業間の更なる協力を慫慂する。両国は同様に,平和的目的のための熱核融合に関する国際プロジェクトであるITERの実現に完全にコミットした。

欧州連合

  1. 四大臣は,とりわけアジアにおける安全保障課題に対して拡大した役割を担うEUの意思,特に安全保障・防衛分野においてEUを強化するフランスのイニシアティブを支持した。四大臣は,共通安全保障防衛政策(CSDP)の枠組みにおいて日本とEUの協力を深化させる重要性を再確認した。四大臣は,2019年2月1日に予定されている日EU戦略的パートナーシップ協定の暫定適用を歓迎した。この協定により,安全保障上の,又はグローバルな主要課題に対し共通の対応が促進されなければならない。四大臣は,6億人を超える人口を抱え,世界のGDPの約30%を占める一大経済圏を創出する,日EU経済連携協定が2019年2月1日に発効することを歓迎した。協定の実施は,日仏経済関係に新たな勢いを与え,企業間の通商取引,産業パートナーシップ,相互投資,研究・開発,イノベーションを促進する機会となるだろう。四大臣は,アジア欧州会合(ASEM)の枠組みにおいて協力する意思を再確認し,2018年10月18日及び19日にブリュッセルで開催されたASEM首脳会合の成功を歓迎するとともに,2019年にスペインで予定されているASEM外相会合に向けて緊密に協力していくことを確認した。
  2. 四大臣は,具体的な協力プロジェクトの特定に向けて,2018年12月12日に局長級で開催された協議を歓迎した。本日の会合の成功を踏まえ,四大臣は意見交換を継続し,2020年に次回「2+2」会合を開催することを決定した。

(了)