防衛政策の基本

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1.国家安全保障戦略

第1段落

我が国が憲法のもとで進めている防衛政策は、これまで1957(昭和32)年に国防会議と閣議で決定された「国防の基本方針」にその基礎を置いていましたが、これに代わるものとして、2013(平成25)年12月17日に我が国として初の「国家安全保障戦略(戦略)」が国家安全保障会議及び閣議において決定されました。

第2段落

「戦略」は、我が国の国益を長期的視点から見定めた上で、外交政策及び防衛政策を中心とした国家安全保障に関する基本方針を定めたものです。これは国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から、我が国の安全及びアジア太平洋地域の平和と安定を実現しつつ、国際社会の平和と安定及び繁栄の確保にこれまで以上に積極的に寄与していくことを基本理念として明らかにしています。

第3段落

「戦略」は、我が国の防衛力について国家安全保障の最終的な担保であるとの位置づけを明らかにしつつ、我が国を守り抜く総合的な防衛体制を構築することとしています。防衛省としては、「戦略」に基づき、実効性の高い統合的な防衛力を整備し、統合運用を基本とする柔軟かつ即応性の高い運用に努めるとともに、政府機関・地方公共団体・民間部門との連携を強化してまいります。同時に、外交政策と密接な連携を図りながら、日米同盟を強化しつつ、諸外国との二国間・多国間の安全保障協力を積極的に推進してまいります。

【参考】国防の基本方針

国防の目的は、直接および間接の侵略を未然に防止し、万一侵略が行われるときはこれを排除し、もって民主主義を基調とするわが国の独立と平和を守ることにある。この目的を達成するための基本方針を次のとおり定める。

  • 国際連合の活動を支持し、国際間の協調をはかり、世界平和の実現を期する。
  • 民生を安定し、愛国心を高揚し、国家の安全を保障するに必要な基盤を確立する。
  • 国力国情に応じ自衛のため必要な限度において、効率的な防衛力を漸進的に整備する。
  • 外部からの侵略に対しては、将来国際連合が有効にこれを阻止する機能を果たし得るに至るまでは、米国との安全保障体制を基調としてこれに対処する。

2.防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画

第1段落

「防衛計画の大綱」(防衛大綱)は、我が国の防衛の基本方針、防衛力の意義や役割、さらには、これらに基づく、自衛隊の具体的な体制、主要装備の整備目標の水準といった今後の防衛力の基本的指針を示すものです。

第2段落

我が国は、昭和33年度以降、4次にわたる防衛力の整備計画に基づき、防衛力の漸進的な整備を行ってきましたが、昭和51年10月に、我が国が保有すべき防衛力の水準を明らかにし、我が国の防衛力整備のあり方などについての指針を示すものとして、「昭和52年度以降に係る防衛計画の大綱」が国防会議と閣議で初めて決定されました。その後、冷戦の終結などの国際情勢の大きな変化、自衛隊の国際活動を含む役割に対する期待の高まりなどを踏まえて、平成7年11月に「平成8年度以降に係る防衛計画の大綱」が、国際テロ組織の活動、大量破壊兵器や弾道ミサイルの拡散などが国際社会の共通の課題となっていることなどを踏まえて、平成16年12月に「平成17年度以降に係る防衛計画の大綱」が、さらに、平成22年12月に「平成23年度以降に係る防衛計画の大綱」がそれぞれ安全保障会議と閣議で決定されました。わが国は、こうした防衛計画の大綱に基づき、昭和61年度以降は、5年間の経費の総額と主要装備の整備数量を示す中期防衛力整備計画(中期防)を策定し、現在に至るまで防衛力の整備・維持・運用などを行ってきました。

第3段落

このような変遷を経て、平成25年12月17日に、我が国として初の「国家安全保障戦略」、現在の防衛大綱(「平成26年度以降に係る防衛計画の大綱(25大綱)」)、及び平成26年度から平成30年度までの5年間を対象とする「中期防衛力整備計画(中期防)」が国家安全保障会議と閣議で決定されました。25大綱では、厳しさを増す安全保障環境に即応し、海上優勢・航空優勢の確保など事態にシームレスかつ状況に臨機に対応して機動的に行い得るよう、統合運用の考え方をより徹底した「統合機動防衛力」を構築するとの考え方が示されました。さらに、このような考え方を中期防で具体化し、統合機動防衛力を構築することとしています。

3.その他の基本政策

「戦略」、「大綱」を受けて、わが国は、憲法のもと、専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国とならないとの基本理念に従い、日米安保体制を堅持するとともに、文民統制を確保し、非核三原則を守りつつ、実効性の高い統合的な防衛力を効率的に整備していきます。

(1)専守防衛

専守防衛とは、相手から武力攻撃を受けたときにはじめて防衛力を行使し、その態様も自衛のための必要最小限にとどめ、また、保持する防衛力も自衛のための必要最小限のものに限るなど、憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略の姿勢をいいます。

(2)軍事大国とならないこと

軍事大国という概念の明確な定義はありませんが、わが国が他国に脅威を与えるような軍事大国とならないということは、わが国は自衛のための必要最小限を超えて、他国に脅威を与えるような強大な軍事力を保持しないということです。

(3)非核三原則

非核三原則とは、核兵器を持たず、作らず、持ち込ませずという原則を指し、わが国は国是としてこれを堅持しています。

なお、核兵器の製造や保有は、原子力基本法の規定でも禁止されています。さらに、核兵器不拡散条約(NPT:Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons)により、わが国は、非核兵器国として、核兵器の製造や取得をしないなどの義務を負っています。

(4)文民統制の確保

第1段落

文民統制は、シビリアン・コントロールともいい、民主主義国家における軍事に対する政治の優先、または軍事力に対する民主主義的な政治による統制を指します。

第2段落

わが国の場合、終戦までの経緯に対する反省もあり、自衛隊が国民の意思によって整備・運用されることを確保するため、旧憲法下の体制とは全く異なり、次のような厳格な文民統制の制度を採用しています。

第3段落

国民を代表する国会が、自衛官の定数、主要組織などを法律・予算の形で議決し、また、防衛出動などの承認を行います。

第4段落

国の防衛に関する事務は、一般行政事務として、内閣の行政権に完全に属しており、内閣を構成する内閣総理大臣その他の国務大臣は、憲法上文民でなければならないこととされています。内閣総理大臣は、内閣を代表して自衛隊に対する最高の指揮監督権を有しており、国の防衛に専任する主任の大臣である防衛大臣は、自衛隊の隊務を統括します。また、内閣には、国防に関する重要事項などを審議する機関として国家安全保障会議が置かれています。

第5段落

防衛省では、防衛大臣が国の防衛に関する事務を分担管理し、主任の大臣として、自衛隊を管理し、運営する。その際、防衛副大臣と二人の防衛大臣政務官が政策と企画について防衛大臣を助けることとされています。

第6段落

また、防衛大臣補佐官が、防衛省の所掌事務に関する重要事項に関し、自らが有する見識に基づき、防衛大臣に進言などを行うこととしているほか、防衛会議では、防衛大臣のもとに政治任用者、文官、自衛官の三者が一堂に会して防衛省の所掌事務に関する基本的方針について審議することとし、文民統制のさらなる徹底を図っています。

第7段落

以上のように、文民統制の制度は整備されていますが、それが実をあげるためには、国民が防衛に対する深い関心を持つとともに、政治・行政両面における運営上の努力が引き続き必要です。

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