第1回防衛施設中央審議会議事録

日 時:平成12年4月12日(水)1620~1715
場 所:防衛庁本館6階第2庁議室
出席者:
(委 員)
青山 武憲 日本大学法学部教授
住田 裕子 弁護士
添谷 芳秀 慶應義塾大学法学部教授
花岡 信昭 産経新聞東京本社論説委員室論説副委員長
福島 安紀子 総合研究開発機構国際研究交流部主任研究員
外間  寛 中央大学法学部教授
山本 吉宣 東京大学大学院総合文化研究科教授
(防衛庁)
瓦防衛庁長官
依田総括政務次官
西川政務次官
佐藤事務次官
守屋官房長
地引官房総務課長
大森防衛施設庁長官
山中総務部長
宝槻施設部長
議事要旨:

【官房総務課長】
 ただ今から防衛施設中央審議会の会合を開催させていただきます。
 本日は、御多忙のところ、各委員におかれましては御参集いただきまことにありがとうございます。
 私は、官房総務課長の地引でございます。本日は、初めての会合であり、会長も決まっておりませんので、僭越ではありますが私が進行役を務めさせていただきます。
 よろしくお願いいたします。
 まず、平成7年9月29日に閣議決定された「審議会等の透明化、見直し等について」によれば、審議会等の具体的運営は、法令に別段の定めのある場合を除き、当該審議会等において決定されるべきのものであるが、原則として、会議の公開、議事録の公開などを行うことにより、運営の透明性の確保に努める。特段の事情により会議又は議事録を非公開とする場合は、その理由を必ず明示することとし、議事要旨を原則公開とすることとなっております。

 本日の会合につきましては、事前に各委員に御了解いただいたところでございますが、会長の互選等でございますので公開することとします。 (一同了解)
 それでは、まず、平成12年4月1日付けで、本審議会の委員に就任されました7名の皆様を御紹介させていただきます。

 日本大学法学部教授でいらっしゃいます

青山 武憲 様

 弁護士でいらっしゃいます

住田 裕子 様

 慶應義塾大学法学部教授でいらっしゃいます

添谷 芳秀 様

 産経新聞東京本社論説委員室論説副委員長でいらっしゃいます

花岡 信昭 様

 総合研究開発機構国際研究交流部主任研究員でいらっしゃいます

福島 安紀子 様

 中央大学法学部教授でいらっしゃいます

外間  寛 様

 東京大学大学院総合文化研究科教授でいらっしゃいます

山本 吉宣 様

 それでは、ここで、瓦防衛庁長官から、御挨拶がございます。

【瓦防衛庁長官】
 本日は、防衛施設中央審議会の委員各位におかれましては、御多忙の中を御参集いただき誠にありがとうございます。第一回の防衛施設中央審議会の開催に当たりまして一言御挨拶を申し上げます。委員の皆様は、それぞれお忙しい仕事をお持ちなわけでございますが、防衛庁から御就任をお願いしたところ、当審議会の任務に理解を示され、お引き受けいただいたことに、改めてお礼申し上げます。
 国際情勢は、冷戦後の今日におきましても複雑で多岐な地域紛争の発生、大量破壊兵器等の拡散といった危険が存在するなど、依然として不透明、不確実な要素をはらんでおります。国の独立と平和を確保するためには、引き続き 防衛庁・自衛隊として、必要な機能の充実と防衛力の質的向上に努めることが重要であると考えています。
 さらに、我が国独自の防衛努力に加え、米国との安全保障体制は、我が国の安全の確保のみならず我が国周辺地域の安定にも重要な貢献を果たしております。
 申すまでもなく、日米安全保障体制の中核的要素は、米軍の駐留でございまして、我が国は、日米安全保障条約第六条に基づき米軍に施設・区域を提供する義務を負っております。施設・区域は、米軍の活動拠点であり、その使用を円滑かつ安定的なものとすることが、日米安保体制を維持し、その信頼性を高めるために必要不可欠な要素であります。
 このため、米軍に施設・区域として提供する必要がある民公有地につきましては、所有者との合意により賃貸借契約を締結することを基本としておりますが、合意が得られない場合には、止むを得ず駐留軍用地特別措置法に則りまして権原を取得することといたしております。
 後ほど詳しい説明があると思いますが、昨年七月に地方分権推進一括法が成立いたしまして、その中で駐留軍用地特別措置法が改正され、本年四月から内閣総理大臣による代行裁決制度が導入されました。この制度は、収用委員会の事務が遅延するなどして土地等の権原取得に支障が生じるといったことのないよう、最終的な執行責任を国が果たし得る仕組みを設けたものであります。これにより、安全保障に関する条約上の義務の的確な履行という高度の公益性を帯びた国家的要請に応えられる態勢の整備が図られたと考えております。
 本防衛施設中央審議会は、内閣総理大臣の代行裁決に際し、議決を行うことを主な任務とするわけでありますが、委員各位におかれましては、それぞれの専門分野で培われた幅広い知見に基づき、公正・中立な立場で慎重な御審議をいただくようお願い申し上げます。また、これを機会に、防衛行政また防衛施設行政全般につきましても広く御指導、御助言を賜りますようお願い申し上げて、私の御挨拶とさせていただきます。

【官房総務課長】
 次に、本審議会の会長でございますが、駐留軍用地特別措置法により、委員の皆様の互選で選出していただくこととなっております。
 そこで、どなたに会長をお願いしたらよろしいか、御推薦等ございましたら、よろしくお願いいたします。

【外間委員】
 青山武憲委員が、会長としてふさわしいと思います。

【官房総務課長】
 ただ今、青山委員の御推薦がございました。委員の皆様、いかがでしょうか。

【官房総務課長】
 御異議ないようですので、青山委員が会長に選任されました。
 それでは、青山会長から、一言御挨拶をいただきたいと思います。
 また、防衛施設中央審議会令により、会長に事故があるときは、会長があらかじめ指名する委員が、その職務を代理することとされておりますので、会長から、会長代理の御指名を併せてお願いいたします。

【青山会長】
 ただいま御指名をいただきました、会長を務めさせていただく青山でございます。
 本審議会の円滑な運営が図られますよう全力を尽くしてまいるつもりでございますので、委員各位の皆様には、くれぐれも御協力をお願いいたします。
 会長代理につきましては、住田委員を指名させていただきたいと思いますが、住田委員よろしくお願いいたします。

【官房総務課長】
 それでは、以後の議事進行は、青山会長にお願いします。
 なお、誠に申し訳ございませんが、ここで大臣、総括政務次官、政務次官、事務次官及び官房長は、別の会議がございますので、退席させていただきます。

(大臣外退席)

【青山会長】
 本日の会合は、会長の互選が目的でございますが、初めての会合でございますので、防衛庁から本審議会の概要及び駐留軍用地特別措置法の適用実績につきまして、せっかくですから説明を行っていただきたいと思います。では、よろしくお願いいたします。

【防衛施設庁山中総務部長】
 防衛施設庁総務部長の山中でございます。お手許の資料に沿いまして、防衛施設中央審議会の概要について説明いたします。既に当審議会の委員に御就任をお願いするに際しまして、当審議会の役割あるいは駐留軍用地特別措置法の改正の結果については、御説明させていただきました。重複する部分があるかもしれませんが、新しい仕事ですので簡単に説明させていただきます。
 1ページを御覧ください。設置根拠は二つありまして、駐留軍用地特別措置法第30条及び防衛庁設置法第16条の2でございます。
 従来、防衛施設中央審議会というものがございましたが、これは政令を根拠としておりまして、今回、一昨年、昨年のいわゆる中央省庁改革の論議の中で、国が設置しております様々な審議会のあり方の見直しが行われました。その中で、審議会機能としていわゆる不服審査、そういったものを担う審議会については、引き続き存続するという取扱いになりました。そういうことから、当審議会につきましても従来行っておりました、その3の所掌事務の(1)番及び(3)番、こういったものの役割につきましては引き続きお願いし、更に新たに後ほど申し上げますけれども、先程大臣の御挨拶にもございましたが、内閣総理大臣の代行裁決等の権限行使に際しての諮問機関としての新たな役割を担うということから、法律を根拠とし、構成につきましても従来は防衛施設庁長官が任命をいたしていたものが、内閣の承認を得て内閣総理大臣が任命し、委員各位の任期も2年から3年と新たな位置付けがされているということでございます。
 2ページを御覧ください。昨年の7月に駐留軍用地特別措置法が改正されました。元々の経緯は、平成7年に地方分権推進法が制定され、地方分権推進委員会というものが設けられまして、国と地方の役割分担の見直し、あるいは地方で行っておりました公共事務、団体委任事務それから機関委任事務、こういった事務区分の見直しに取り組んだのですが、議論の結果として、地方公共団体の事務が、自治事務と法定受託事務の二つに大きく区分し直された、裏返せば機関委任事務がなくなりまして、完全に事務自体を廃止するものと、事務を存続するものに区分され、事務を存続するものについては、国が直接行うことで存続させる。そういった仕分けの議論を地方分権推進委員会で行ってまいりまして、第1次から第5次の勧告でございますが、その第3次の勧告におきまして、駐留軍用地特別措置法に基づく土地等の使用・収用に関する事務についても論議をされて、そのアンダーラインの部分に入れてありますが、役割分担を明確にする観点から、国は国が国際的に負っている安全保障上の義務の履行に全責任を負い、一方、知事や市町村長は地方公共団体の代表者としての役割に徹するという基本的な考え方から、2番、3番にその事務の仕分けをし直したということでございます。
 この勧告の中で、3ページのアンダーラインになりますが、公共用地の取得に関する特別措置法、これは建設省所管の土地収用法の特別措置法のことでございますが、それに準じまして緊急裁決の制度を、それから収用委員会が相当な期間を経てもなお裁決を行われないときは、収用委員会に代わっていわゆる代行裁決を行うという勧告がなされました。
 これを受けまして、次の4ページになりますが、一昨年の5月に地方分権推進法に基づきまして地方分権推進計画、これが閣議決定されております。この計画の中で具体的に、法定受託事務になるものと、国が直接執行するものとに大きく仕分けがし直されまして、収用委員会が法定受託事務、これは機関委任事務でありましたが法定受託事務に整理し直され、一方、国が直接執行する事務が真中からずうっと下の方にございますが、こういったものを国がするというふうな仕分けを計画の中で具体的に書き込んだということでございます。なお、先ほど御覧いただきました推進委員会の勧告にありましたのとほぼ同様の事柄を、5ページの「その他」にアンダーラインを引いておりますが、その所も計画に整理し直したという経緯がございます。6ページ以下がそういう勧告あるいは計画を踏まえて立案されました475本の地方分権一括法の中でも駐留軍用地特別措置法の部分を要綱抜粋をいたしております。それから9ページのフローチャートは、すでに御覧いただいているものでございます。基本的には、土地収用法の特例法として土地収用法に準じた手続を規定いたしておりますが、その2重に囲った部分、これは従来機関委任事務で市町村長や知事にお願いしてましたが、これは直接行うという形に改められたのでございます。真中から下の方で収用委員会のその事務につきましては、機関委任事務から法定受託事務にその事務の性質を代えましたが、基本的に収用委員会が所掌する事務の内容は代わっておりません。こうした中で、収用委員会の事務が何らかの事情で遅延等をしまして、権利取得裁決を得られないという場合の手当てを二つ、この法律で設けております。一つは、継続使用でございますが、平成9年、ちょうど3年前の駐留軍用地特別措置法の改正によりまして、従来から継続して使用している土地について使用ができない場合に、暫定使用の制度を設けたのでございます。提供している土地について収用委員会に裁決申請をしている限りは、継続使用の土地について、権利取得裁決が得られるまでの間、暫定使用として権原が継続するという制度も新たに加わりました。それによってもなお新規に使用又は収用する権原を取得する必要がある場合の手当てがございませんので、それを昨年の地方分権一括法の中で改正をしていきたいと、さっきも言いましたように緊急裁決、代行裁決の制度を新たに設けたというところでございます。これは、具体的なケースを想定して改正をしたということはございませんので、あくまでも米軍への施設・区域の提供という条約上の義務を的確に履行するという極めて高度の公益的要請を満たすための担保措置をしっかりしたものにしようという考え方からこういった改正を行ったものであります。あと法律を並べておりますが、御覧いただきたいと思います。こういう中でも、一番大きなと言いますか、当審議会に御審議をお願いする一番大きなものは、内閣総理大臣が代行裁決を行うに当たっての諮問に応ずるということでございますが、先程も申し上げましたが不服審査機能と言いますか、そういうものも審議事項に含まれております。12ページ13ページにありますように法律の規定によりまして、異議申立てや不服申立てがあった場合に審議会に諮問することになっております。これらは過去実績が一件もございませんでした。おそらくこの後も実績としてでてくるものもないかと思いますが、ただ審議会としてはこういった所掌事務を持っているというところでございます。簡単でございますが、説明を終わらせていただきます。

【防衛施設庁宝槻施設部長】
 防衛施設庁施設部長の宝槻でございます。駐留軍用地特措法の適用実績について、御説明いたします。
 まず、本土における駐留軍用地特措法に基づく土地の使用権原の取得については、昭和28年から昭和37年の間に、横田飛行場等22施設について計49件の使用・収用適用事例があったところであります。
 適用事例の内訳につきましては、使用が45件、収用が4件となっております。駐留軍用地特措法は「使用を基本」としているところでありますが、収用の理由としては、土地所有者から使用に代わる収用、いわゆる逆収用の請求によるものが2件、土地所有者との買収交渉の不調によるものが1件、所有者が居所不明のためのものが1件であります。
 なお、本土における駐留軍用地特措法の適用は、昭和37年3月の相模原家族住宅地区の使用裁決を最後になく、土地所有者の御理解を得て円満に賃貸借契約を締結し、使用権原を得て使用しているところであります。
 次に、沖縄における駐留軍用地特措法に基づく土地の使用権原の取得について申し上げます。
 先ず、公用地等の暫定使用法による使用手続について御説明いたします。
 昭和47年5月15日の沖縄の本土復帰に際し、米軍施設等として引き続いて使用する必要がある民公有地のうち、土地所有者から賃貸借契約の合意が得られない土地、北部訓練場等60施設、2,850件、面積約4,518.7haにつきましては、暫定的に一定期間の使用権を設定し、国等はその間に契約等の合意により使用できるよう努力する等の措置を定めた「沖縄における公用地等の暫定使用に関する法律」が制定され、国は、同法に基づき5年の使用権原を取得したものであります。その後、位置境界明確化法の附則で公用地暫定使用法を改正し、さらに、5年間同法により使用権原を取得し、昭和47年5月15日から昭和57年5月14日の間、10年使用したものであります。
 次に、第1次駐留軍用地特措法による使用手続について御説明いたします。
 当庁は公用地暫定使用法に基づく使用の間、土地所有者への契約説得に努め、その結果、契約の合意が得られなかった嘉手納飛行場等13施設、所有者153名、619筆、面積約69.5haについては、駐留軍用地特措法に基づく手続を執り、昭和57年5月15日から昭和62年5月14日の間、5年の使用権原を取得したものであります。ただし、一部の返還予定事案にあっては、2年ないし3年のところもありました。
 次に、第2次駐留軍用地特措法による使用手続について御説明いたします。
 駐留軍用地特措法に基づき使用してきた土地のうち、引き続き駐留軍の用に供する必要がある土地、嘉手納飛行場等11施設、所有者2,068名、271筆、面積約43.2haにつきましては、駐留軍用地特措法に基づく手続を執り、昭和62年5月15日から平成9年5月14日の間、10年の使用権原を取得したものであります。一部5年のものもありましたがこの手続の際に、嘉手納飛行場の3筆の土地、所有者1,979名、面積約2,000㎡につきましては、いわゆる一坪共有運動が展開されました。
 次に、第3次駐留軍用地特措法による使用手続について御説明いたします。
 本土復帰時の昭和47年5月15日を始期とする賃貸借契約を締結し、契約期間の満了後の平成4年5月15日以降の土地の使用について所有者との合意が得られていないもの及び駐留軍用地特措法に基づき使用してきた土地のうち、引き続き駐留軍の用に供する必要がある土地、那覇港湾施設等12施設、所有者575名、109筆、面積約11.5haにつきましては、駐留軍用地特措法に基づく手続を執り、平成4年5月15日から平成9年5月14日の間、5年の使用権原を取得したものであります。だたし、一部返還予定事案にあっては、3年のところもありました。
 この手続の際にも、普天間飛行場の1筆の土地、所有者518名、面積67㎡につきましては、いわゆる一坪共有運動が展開されました。
 次に、第4次駐留軍用地特措法による使用手続について御説明いたします。
 駐留軍用地特措法に基づき使用してきた土地で、平成9年5月15日以降も引き続き駐留軍の用に供する必要がある土地、嘉手納飛行場等12施設、所有者3,108名、241筆、面積約35.3ha及び賃貸借契約期間が平成8年3月31日に満了し、契約期間満了後の使用について所有者との合意が得られなかった楚辺通信所の1筆、所有者1名、面積約236㎡につきましては、平成7年3月、駐留軍用地特措法に基づく手続を開始したものであります。
 しかしながら、平成7年9月の米兵による不幸な事件を契機に沖縄の諸問題が提起される中、駐留軍用地特措法手続の地方自治体への機関委任事務である土地・物件調書の署名押印等の事務について、沖縄県知事がこれを拒否されたため、国は地方自治法に基づく職務執行命令訴訟を提起したものであります。このうち、署名押印等代行事務に係る訴訟は、平成8年8月28日の最高裁大法廷判決において国側が勝訴し、公告・縦覧代行事務に係る訴訟は、沖縄県知事が内閣総理大臣との話し合いを経て、平成8年9月18日、同事務を行ったことから、訴えを取り下げたところであります。
 平成8年11月から沖縄県収用委員会の審理に手続が移り、平成9年2月から公開審理が開始されたものの、同年3月末の段階では次の公開審理の日程も決まらないという状況にあり、使用期限までに必要な手続が完了する見通しが得られませんでした。
 政府としては、日米安保条約上の義務を果たすことは、日米関係だけでなく国家の存立に関する重大な問題であり、現に提供している米軍施設・区域の土地について使用権原が無くなる状態は、絶対に回避しなければならないとの立場から、平成9年4月、継続使用が必要な土地について、適正な補償を確保した上で、収用委員会の裁決による使用権原が得られるまでの間は、暫定使用が認められる内容とする駐留軍用地特措法の一部改正法案を国会に提出し、衆・参両院とも8割以上の国会議員の賛成を得て同年4月17日に成立し、4月23日に公布・施行されたことから、前述の楚辺通信所を除く手続中の土地について平成9年5月15日から暫定使用を行うこととなりました。
 なお、楚辺通信所については、賃貸借契約期間が平成8年3月31日に満了し、同日までに使用権原を得ることができず、4月1日以降、使用権原のない状態となりました。このため、平成8年3月29日、官房長官談話において「当該土地が土地所有者に返還されていない状態につき、『直ちに違法である』というには当たらない」との政府統一見解が示され、使用を続けたところであります。その後、駐留軍用地特措法改正法の附則により、平成9年4月25日以降は暫定使用を行い、平成8年4月1日から平成9年4月24日までの間の使用については損失を補償したところであります。
 収用委員会の裁決が得られるまでの間は、暫定使用により使用権原を確保できることとなりましたが、この間、沖縄県収用委員会の審理が進められ、同委員会は、平成10年5月19日、嘉手納飛行場等13施設、所有者3,109名、242筆、面積約35.3haの大部分の土地について、使用期間を1年から5年とする使用を認める裁決を行い、同年9月3日に使用権原を取得したところであります。
 しかし、位置境界明確化法に基づく認証手続が完了していない土地、いわゆる未認証土地であるキャンプ・シールズ等4施設、所有者2,311名、13筆、面積約1.8haにつきましては、地籍が確定していない以上、土地の特定はあり得ないとして却下の裁決が行われました。このため、却下裁決された土地については、暫定使用しているところであります。
 この却下裁決に対し、同年6月17日、那覇防衛施設局長は、却下裁決された土地は、いずれも過去2回の沖縄県収用委員会の裁決において、位置境界明確化法の手続を通じて現地に即して特定できると判断されており、また、未認証土地が現地に即して特定できることは署名押印等代行事務に係る職務執行命令訴訟の最高裁大法廷においても明らかにされているとして、建設大臣に却下裁決の取消しを求め、審査請求を行ったところであります。
 審査請求の状況については、平成10年9月25日、沖縄県収用委員会の弁明書に対する反論書を建設大臣に提出し、12月15日、土地所有者の同手続への参加申請に対する建設大臣の許可がなされ、昨年11月29日、30日に沖縄で12月6日に東京において土地所有者の意見陳述が実施されたところであり、今後、公害等調整委員会の意見聴取を経て、建設大臣の裁決が予定されているところであります。
 当庁としては、今後、建設大臣の審理を経て却下裁決が取消され、一刻でも早く使用裁決による使用権原が得られることを期待しているところであります。
 現在の駐留軍用地特措法適用の状況でありますが、嘉手納飛行場等12施設に所在する241筆、約35.2haを使用しているところであり、このうち、平成10年5月19日の沖縄県収用委員会の使用裁決により使用権原を得て使用している土地は、嘉手納飛行場等11施設に所在する228筆、約33.5haとなっており、また、暫定使用している土地は、嘉手納飛行場等4施設に所在する13筆、約1.8haとなっているところであります。

【青山会長】
 ありがとうございました。ただいま「防衛施設中央審議会の概要」と「駐留軍用地特措法の適用実績」につきまして、御説明がございましたが、この御説明に対しまして何か御質問ございませんでしょうか。いかがでしょう。

【添谷委員】
 収用委員会の事務が遅延した場合ですが、継続使用の場合は、暫定使用ということです。暫定使用の期限というか期間について、何か規定があるのでしょうか。

【総務部長】
 基本的には、使用の権利取得裁決が得られるまででございます。
 例えば、現在、収用委員会の裁決を不服として施設局長が、建設大臣に対して審査請求をしていますが、この間も継続使用の状態が続くということになります。法律の書き方は、そういう書き方でございまして、権利取得の裁決が得られるまでの間、又は権利取得の裁決が得られないことが確定した状態になって、初めて暫定使用が切れるということなんですが。

【添谷委員】
 得られない状態とは、どういうことでしょう。

【総務部長】
 実際上は、建設大臣に対する審査請求が却下されて、国の裁決申請そのものがないといったような事態になれば、その時点で使用権原が切れることになります。

【添谷委員】
 その文脈でいうと、この審議会は基本的には関係はないと。

【総務部長】
 そうです、関係ありません。

【添谷委員】
 関係のある新規の場合なんですが、これは具体的ケースとしてどういうふうに想定されているのでしょうか。

【総務部長】
 例えば、新たにどこかで米軍に施設・区域として提供する必要が生じて、純粋にいわゆる基地を確立する場合もあるかもしれませんし、あるいは、既存の施設を返還し、代わりに新たに提供する場合も考えられますが、その場合に、基本はあくまでも想定される地域における土地所有者との民事上の契約をして提供していく。ところがどうしても契約に応じていただけない土地が一部残った場合、駐留軍用地特措法を適用することとなります。適用しても、収用委員会における審議がスムースにいって、使用権原、取得の裁決をすれば収まるのですが、これが2年3年経過し、何らかの事情で同委員会が裁決をしない場合、防衛施設局長が同委員会に緊急裁決を申し立てることとなりますが、その時、同委員会が緊急裁決しない場合、防衛施設局長が同委員会に異議を申し立て、内閣総理大臣が代行裁決する場合に本審議会に諮ることとなります。


【添谷委員】
 考えられる流れというのはありますか。

【総務部長】
 現実問題として、新規に施設局として提供する土地について、今現在、私どもが想定しているものはございません。例えば、よく普天間飛行場の移設について聞かれることがありますが、移設場所も明確に決まっているわけではありませんし、また、本問題は、地元とよく話し合って決めていくこととなっておりますので、現時点で今後どうなるのか言うことはできません。
 現実に当面するものは、ございません。

【添谷委員】
 ありがとうございました。

【青山会長】
 関連質問ございますか。

【住田委員】
 平成13年3月に使用権原が切れる土地については、きちっと状況を見極めなくてはいけないような気もいたしますが。

【施設庁長官】
 当審議会は、新規のもの、また、一定のプロセスを踏んで最後の拠り所として内閣総理大臣が義務を果たすという場合に、本審議会にお諮りすることとなります。
 今、委員がおっしゃいました件は、確かにこれから私ども対応していかなければならないのですが、従来、賃貸借契約ないし特措法で使用させていただいているものの延長であります。

【青山会長】
 外に何か質問ございますか。

【花岡委員】
 非常勤の国家公務員として、我々何か気を付けることはあるんですか。 例えば、倫理規定とか。

【施設庁長官】
 審議会の任務をやっていただく上で、それなりの責任はございますが、一般の公務員が持っているような責任とは少し違うと思います。あくまで防衛庁の公的な審議会のメンバーというふうな意味合いでございます。倫理規程に例をとれば、諮問的非常勤職員については適用除外になると承知しています。
 守秘義務の問題も、審議会の議論をしていただく上では、適用になるはずです。
 先程、官房総務課長が申しましたように、審議会そのものが基本的に公開が原則でありまして、会議、議事録等を公開することにより当事者又は第三者の権利、利益や公共の利益を害するおそれがある場合には、全部又は一部を非公開とすることができることとなっており、一般的には心配いらないと思います。

【青山会長】
 ほかに何か御質問ございますか。

【施設庁長官】
 いずれにしても、防衛施設庁側は、事業の直接の当事者、事業主でございまして、いわゆる一般的な言葉で言うと被告側にある訳でございまして、防衛庁の方が客観的に事案について審査できる。
 そういう面で審議会そのものが、防衛庁に置かれておりますし、また、委員の先生方も内閣の承認となっております。

【青山会長】
 この2つのことにつきまして、「防衛施設中央審議会の概要」あるいは「駐留軍用地特措法の適用実績」について、御質問ございませんか。

【青山会長】
 よろしゅうございますか。それでは、既に時間も過ぎていますので、本日はこれをもちまして終了させていただきたいと思います。
 次回の会合でありますが、防衛庁の方から具体的な諮問事項がございましたら、その都度開催いたしますが、諮問事項がございません場合でも、年に1度程度は開催し、私達が意見交換したり、防衛庁から御説明を承ったりする機会を持ちたいと思います。
 いずれにしましても、事前に委員皆様の御都合を確認させていただき、私の方から連絡することとします。
 また、防衛施設中央審議会令によれば、本審議会の議事手続その他審議会の運営に関し必要な事項は、会長が審議会に諮って定めることとされていますので、本審議会の運営について何か決めておくべきことがありましたら、次の会合までに私の方から委員の皆様にお諮りしたいと思っておりますので、その節はよろしくお願いいたします。
 なお、冒頭、官房総務課長の方から御説明がございましたとおり、審議会の議事内容の透明性を確保するというのが政府の方針と聞いておりますので、取りあえず本日の会議で、私が会長に、住田委員が会長代理に決まりましたことを、防衛庁の方で公表していただくことといたします。また、本日の議事録につきましては、防衛庁で作成し、委員の皆様の承認を得て確定した上で、適当な形で防衛庁において一般の閲覧に供していただきたいと存じております。
 よろしゅうございますか。 (一同了解)
 本日は、お忙しいところ、まことにありがとうございました。

以上

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