第59回自衛隊員倫理審査会議事録

1 日時

平成26年3月19日(水)15時30分~16時30分

2 場所

防衛省A棟11階第1省議室

3 出席者

(委員) 川戸会長、藤井委員、立川委員、大森委員、友常委員
(防衛省) 廣瀨服務管理官

4 議事

(1) 開会の辞

◯川戸会長 只今より「第59回自衛隊員倫理審査会」を開催します。
 本日は、各委員におかれましては、ご多忙中のところご参集いただき、誠にありがとうございます。

(2) 第58回自衛隊員倫理審査会議事録について

◯川戸会長 それでは、本日の議題に入りたいと思います。
 1番目は、前回行われました「第58回倫理審査会議事録」について、ご承認をいただくことです。前回の贈与等報告書の中で、シンポジウムに公務で参加し、その後、同シンポジウムの主催者である外務省から報告書提出の依頼があり、こちらの報告書についてはプライベートと整理して著述し、著述料を受領していた件について服務管理官から、前回審査会上での委員のご指摘を踏まえ、整理した結果につきまして報告していただきたいと思います。

◯服務管理官 お手元に配布した「『シンポジウム』に関する外務省からの謝金について」をご覧下さい。
 経緯を申し上げますと、平成25年5月、外務省が共催したシンポジウムに公務出席した海上自衛隊の隊員が、同シンポジウム出席後に作成し、外務省に提出した論文に関し、同年7月、外務省より「謝金」として贈与を受けたものです。
 これにつきまして、前回の審査会で、公務として出席したシンポジウムと、外務省に提出した論文との関係性について考え方を整理すべきとのご指摘を頂きました。ご指摘に基づきまして、調査しましたところ、隊員への謝金支払いの経緯でございますが、平成25年5月、シンポジウム開催を担当する外務省から海幕に対しまして、同隊員に有識者としての出席依頼の調整がなされ、この際外務省からは、出席を前提に、プレゼン資料の作成及び後日、報告書用の原稿を提出することが依頼されました。その際、謝金を支払うことも説明しまして、受領が可能か確認もしております。これに対して海幕側は、「受領は問題ない」と外務省に回答しております。このシンポジウムには「有識者」として同隊員が参加しましたが、このうち公務員は同隊員のみでした。この報告書は、シンポジウムに出席した関係者等に記録の意味で作成を依頼されているものでして、基本的にシンポジウムで発表した内容を原稿形式で執筆してもらい、ホスト国が印刷しております。
 過去のシンポジウムにおける参加者について調査したところ、政府関係者以外の「有識者」として、これまでも自衛隊員がシンポジウムに参加していたことが確認できましたが、いずれも、外務省から「謝金」を受領したとしての贈与等報告書の提出は確認されておりません。前回におきましては「有識者」として参加した隊員Aは、外務省からの「謝金」については受領を辞退しており、隊員Bは「謝金」を一旦受領したものの、「倫理関係により受け取り困難と判明した」として外務省に返納していたことが明らかになりました。
 これらを踏まえまして、謝金の受け取りについて整理しますと、シンポジウム参加依頼にあたり、外務省は参加者に対し、シンポジウムで発表するプレゼン資料及び関係者用の記録としての報告書用の原稿作成を前提としており、同シンポジウムに公務として参加する場合は、報告書用の原稿作成は、あくまでも公務の一環であると考えられます。これらによりまして、同隊員が受領した「謝金」については、外務省に経緯を説明しつつ、返還措置をとりまして、本年3月に返金済みとなっております。

◯川戸会長 ありがとうございました。シンポジウム参加後に別途作成した報告書についても、公務として整理することに対して、ご質問あるいはご意見がありましたらお願いします。

◯委員 確認ですが、今の説明でシンポジウムに公務として参加する場合とありますが、公務というのは、防衛省の公務ということになるのですか。想像するところ、これまでの対応とか考え方、そういうことをシンポジウムという場を通じて公表することが防衛省の仕事として有益であると、そういう考え方なのでしょうか。このシンポジウム自体が外務省主催だったのか共催だったのかわかりませんが、シンポジウムを開催して、そこで行われる仕事は外務省としての公務なのでしょうが、公務に参加する民間人は、いろいろ負担する場合は謝金が生じると思いますが、公務員である防衛省の職員が出席した場合は、外務省の公務であっても防衛省の公務として行えるかどうかといった整理を今回行ったという理解でよろしいでしょうか。

◯事務局 この度、支払自体は外務省から依頼を受け、防衛省からは出張命令が出ておりまして、防衛省の公務として整理しております。ちなみに今回のシンポジウムにおきましては、公務員ではない民間の方も参加しているのですが、その方々にも外務省から公用パスポートが発給されています。

◯委員 外務省から防衛省として依頼を受けて、それで同隊員がその依頼に応え防衛省は命令をして出席したというのは、それは公務というのは明白ですが、いろんなシンポジウムがあり、個人として依頼されるケースもあると思いますが、それは公務にはならない。出席するに到るプロセスが組織間で行われた依頼の応諾に基づいて決定されたから公務である。こういう分類の考え方でいいですか。

◯委員 公務かどうかの判断は総合的にすべきことだと思います。本来、実質的なところと形式的なところは一致するのが望ましいのは当然ですが、申し上げたいのは、形式的、手続き的なところだけではなく、実質的な意味において公務かどうか判断すべきであり、実質を破綻させずに手続き出来たかということで判断しがちですが、実質的にどういうところに公務性があったかを念頭においてご検討いただければと思います。

◯服務管理官 委員が言われたとおり、海上自衛隊の中でどのような整理があったのか詳細は把握しておりませんが、専門的な分野で知見を持った隊員が、同シンポジウムに出席するということが防衛省としての利益になると、そういう考え方が整理されたうえで公務として出張命令を出していると考えられますので、中身に着目するということは非常に大切だと考えております。

◯川戸会長 他のシンポジウムの出席について、謝礼が生じた場合には贈与等報告書でも上がってきていますので、それらは公務とは言えない訳ですよね。

◯委員 その都度、出席者の判断で処理していると思いますが、公務として実施するのがいいのか、個人的な依頼として、きちっと整理しながら対応した方がいいと思います。

◯川戸会長 他の委員の方はどうですか。

◯委員 どういった経緯でもって、そこに参加するかは、その都度の判断でいいと思いますが、形式的なことかもしれませんが組織として公務で出張しなさいという指示があってというのが前提と思いますが、後から性格上、公務かどうかと議論するものではないと、そこは明確にすべきだと思います。

◯服務管理官 出張命令を出す前にしっかり検討すべきということですよね。

◯川戸会長 他にご意見がなければ、この件は終わりたいと思います。
 それでは、議事録につきましては、他に特段のご意見もないようなので、承認につきましては、他の議題についての議論を終えた後で、一括して行いたいと思います。

(4) 平成25年度第3四半期贈与等報告書

◯川戸会長 2番目は、「平成25年度第3四半期贈与等報告書」の審査を行いたいと思います。この審査は、倫理法第6条の規定に基づいて、5千円を超える贈与等を受けた部員級以上の隊員が提出をした「平成25年度第3四半期の贈与等報告書」について、当審査会が審査を行うものです。
 それでは、説明をお願いします。

◯服務管理官 それでは、平成25年度第3四半期の贈与等報告書について、お手元にございます横長の棒グラフが付いております資料で、全体の状況をご説明させていただきます。色のついた棒グラフの下にある表の左側、太線で囲まれている部分が、平成25年度第3四半期分でございまして、件数の合計としまして226件となっております。内訳としましては、「講演等に対する謝礼」が111件であり、前年度比20件の増加となっていること、また季節のギフトがあったことが、今回総件数の増加の理由となっております。
 一枚おめくりいただきまして、組織として多いところでは、毎期どおり、陸上自衛隊の102件が最多で、次いで防衛医科大学校の48件となっております。
 それでは、平成25年度第3四半期贈与等報告書について、お手元の総括表により、細部をご説明させていただきます。まず物品の贈与 について、ご説明いたします。
 1番と2番は、利害関係がある企業からの物品の贈与となりますが、H-2ABロケットの打ち上げ及び輸送サービス連続成功を祝う立食パーティーに参加した際に、参加者全員に配布されたロケット模型の記念品です。3番、4番及び5番は、大使館からのクリスマスギフトとしてワインを受領したものです。6番は、利害関係のない企業から就任祝いとして胡蝶蘭を受領したものです。
 続きまして、供応接待 について、ご説明いたします。
7番と8番は、さきほどご説明した1番と2番が企業の主催する記念パーティーに参加して、飲食の供応接待を受けたものです。参加者は、主催者側を含めて95名で、接待を受けた価額は、主催者側に総額を確認し、出席者数で等分したものであります。
9番は、部外団体からの依頼に応じて行った講演に引き続き行われた懇親会として、飲食の供応接待を受けたものです。参加者は、該当会員を含め10名で、接待を受けた価額は、その他の懇親会に参加した者の会費となります。10番は、社団法人からの依頼に応じて行った、講演に引き続き行われた懇親会として、飲食の供応接待を受けたものです。参加者は、該当会員を含め170名で、接待を受けた価額は、その他の懇親会に参加した者の会費となります。
 続きまして、著述に対する謝礼について、ご説明いたします。
11番から69番は、部内の私的サークルが発行いたします機関誌、修親、富士、陸戦研究、鵬友、波涛への著述であり、70番から79番は、財団・社団法人が発行する書籍への著述、80番から86番は、新聞社が発行する新聞等への著述、87番から98番は、出版社が発行する書籍への著述、99番から101番は、その他の機関が発行する書籍への著述に対する謝礼です。
 続きまして、著述による印税について、ご説明いたします。
102番から111番は、出版された書籍、DVDによる印税を出版社等から受領したものとなります。
 続きまして、監修等に対する謝礼について、ご説明いたします。
112番は、出版社が発行する書籍の内容に対し医学的知識をもって編集に携わったことにより、監修料を受領したものです。
 続きまして、講演等に対する謝礼について、ご説明いたします。
113番から136番は、財団・社団法人からの依頼による講演、137番は、独立行政法人からの依頼による講演、138番から145番は、地方自治体からの依頼による講演、146番から164番は、大学等からの依頼による講演、165番から181番は、企業からの依頼による講演、182番から202番は、その他の団体からの依頼による講演に対する謝礼です。企業からの依頼による165番から177番は、それぞれ利害関係のある製薬会社からのものとなりますが、いずれも事前に承認を得ており、金額も基準の1時間2万円の範囲内であるため、こちらについても問題はないものと考えております。
 続きまして、会合等への出席に対する謝礼について、ご説明いたします。
203番から213番は、財団・社団法人からの依頼による会合等への出席、214番から220番は、企業等からの依頼による会合等への出席、221番から223番は、その他の団体からの依頼による会合等への出席に対する謝礼です。
 続きまして、テレビ出演等に対する謝礼について、ご説明いたします。
224番から225番は、テレビ会社からの依頼によるテレビへの出演に対する謝礼です。
 最後に報告遅延の著述に対する謝礼について、ご説明いたします。
226番は、著述に対する謝礼の受領ですが、遅延報告として提出されたものですので、総括表の最後にこのような形で書かせていただいております。
 今回の著述に対する謝礼は、利害関係のある財団法人からの著述の依頼であり、事前の承認申請は提出しているものの、昨年4月に入金があった際に入金の確認をしていなかったことから、贈与等報告の提出を失念していたものであります。担当者も承認申請があがってきたにも関わらず、贈与等報告の照らし合わせをしておらず、年間の承認申請と贈与等報告書とを確認していたところ、今回の報告が未提出であることに気付き、本人に確認したあと、報告が上がって来たものです。この方については、報告を遅延したことは初めてであり、事前承認申請も提出していることから、特に悪質性があるとは考えられず、今回の件につきましては注意喚起を行って、再発防止を図ると言うことで、先生方の了解が得られればそのように処置させていただきたいと考えております。
 以上が、贈与等報告書の詳細でございますが、最後に、利害関係者から依頼を受けて行った講演及び会合等の、参加者の参加費についてでございます。
お手元の一枚紙の「講演及び会合の参加費の状況」をご覧ください。
本期分につきましても「利害関係あり」となっている講演及び会合等につきまして、調査を行いました。「利害関係あり」の14件中9件は、参加費無料で行われているもので、有料であった残り5件につきましても、参加費2,000円以下と少額なものであり、特に高額な参加費はございませんでした。
 平成25年度第3四半期の贈与等報告書の説明は、以上でございます。

◯川戸会長 ありがとうございました。それでは、贈与等報告書に対するご質問、自由なご意見を頂きたいと思いますので、よろしくお願いします。

◯委員 192番から194番の講演等に対する謝礼のところですが、さきほど、講演等の謝礼の基準が1時間あたり2万円ということでしたが、この3件については1時間あたり2万円を超えていますが、その点はどのような処理となっていますか。

◯事務局 利害関係者からの講演等に対する謝礼の基準は、1時間あたり2万円以内と決まっておりまして、著述等に対する謝礼は1枚あたり4千円となっております。今回の192番から194番は利害関係者ではありませんので金額の制限はありません。

◯委員 さきほどの金額の基準は、利害関係者からの依頼で講演等を行う場合の謝礼の基準で、利害関係者でない場合は、金額の制限は無いということですね。

◯川戸会長 他にご質問、ご意見等がなければ、贈与等報告書の審査は、以上とします。
 次に、「平成25年度自衛隊員等倫理週間の実施結果について」です。
 本週間は、隊員の職務に係る倫理の保持に関する意識の高揚を図るための取組を実施する期間として、平成17年度から実施しているものです。
 それでは、説明をお願いします。

◯服務管理官 お手元の資料に基づき、ご説明させていただきます。
 ただ今、会長からもご説明のありましたとおり、自衛隊員等の職務に係る倫理の保持に関する意識の高揚を図るため、平成17年度からこの週間を始めていますが、今年度につきましては、一般職の国家公務員倫理週間と時期を同じくし、12月1日から12月7日までを週間に設定し、施策を実施しました。
 実施項目としましては、教育、ホットライン受付時間延長、広報、講演等がございますが、以下項目毎にご説明させていただきます。
 まず、教育については、原則として全職員を対象とし、当方で作成し配布しました教育資料及び倫理ビデオを使用して、各機関毎に教育を実施いたしました。
 次に倫理ホットラインですが、本年度は、倫理週間実施期間中の、倫理に関する相談及び通報の受付時間を10時から20時までとして、受付時間を通常より1時間延長し対応いたしました。受付の件数としましては、9件の相談がありました。また、相談内容の区分別の件数としましては物品等の贈与について4件、飲食について1件、その他として4件でございました。また、倫理規定違反の疑いについての通報が1件ございました。細部は「倫理ホットラインの相談等の内容」の4番となります。以下、資料に基づき説明させていただきます。
 全自衛隊運動競技大会に係る通報について説明させていただきます。
趣旨としまして、自衛隊員倫理週間中の12月4日、倫理通報窓口に「全自衛隊運動競技大会において、懇親会の様なものが開かれ、その場にスポンサーの様なメーカー等がビンゴ大会の景品を提供していたようだが、これは倫理法上問題ないのか。業者は嫌々、自衛隊の慣習でやらされているのではないか。参加費や会場代についても怪しいと思う。」というメールがございました。これにつきまして、調査を行いまして、その結果をご報告いたします。
 全自衛隊運動競技大会は、自衛隊の愛好隊員による全国大会で、平成17年に第1回大会が開催されて以来、今年度は、平成25年11月に第8回大会として開催されました。大会においては、基地・駐屯地別の団体戦と個人戦が行われ、今年度開催の大会には、地区大会を勝ち抜いた約190名の隊員が参加しました。
 大会の運営は、有志隊員で構成される「全自衛隊運動競技連盟」の役員が中心で、陸海空自衛隊に1名ずつ事務局長が置かれ、この3名のうちから1名が「連盟総括事務局長」に指名され、この「総括事務局長」の属する軍種が大会運営の諸雑務を担当しております。
 本年度の大会においては、「協賛」として部外団体A、B社、C社、D社とされており、このうち民間企業3社からは、以下の物品を「協賛品」として提供されていたことが判明しました。
 これら「協賛品」は、大会役員や大会参加者に配布されるとともに、夜に行われた懇親会のビンゴ大会の景品として使用されたことが判明しました。
 企業による協賛の経緯として、まずB社ですが、平成17年の第1回大会開催にあたり、大会の質をより高いものにしようとの狙いから、協会公認レフェリー1名を招聘し、大会開催前にコーチングや審判講習を実施し、また大会アドバイザーとして同氏を大会に招待しております。
 関係者の記憶によれば、第1回大会終了後、同氏の「知り合い」と名乗るB社の販売担当者が、第2回大会の総括事務局長を来訪し、大会スポンサーの申し入れがあったとのことです。この際、先方の提案は、「旗の提供、大会会場でのグッズの販売、大会関連商品にロゴを入れる」等であり、当時の連盟事務局内で相談したところ、「スポンサーを持つことは、我々にとって害にはならないだろう」とし、陸海空でも各自検討したということです。また、当時の幕の服務室に相談したところ、「ロゴ入れ、メーカー品販売は不可だが、旗ならいいだろう」という回答があったということです。旗とは「○○回全自大会」とかかれた横断幕で、横断幕自体には、B社の名前は入らないということで、この提供を受けました。併せてB社のいくつかの商品についても、販売促進用ということで提供を受けたということです。その後、B社側から、広告を載せて欲しい、旨の依頼があったため、大会パンフレット裏面にB社の広告を掲載したということです。確認できた範囲では、B社の「協賛」は、第2回、5~8回大会であり、また少なくとも第2回、6~8回の大会パンフレットにB社の広告が掲載されております。
 C社につきましては、「協賛」は、第5~8回で、いずれも同社からは、スポーツドリンクの提供があったということです。ただ同社がどのような経緯で「協賛」を開始したかは不明です。
 D社につきましては、「協賛」は第7~8回で、いずれもドリンクの提供があったということです。同社については、第6回の総括事務局長が業務上の知り合いを通じて、D社の利害関係はない方と知り合うことができ、この人に大会への「協賛」を打診したところ、快諾の返答があったものです。
 第6回大会のみにおいては、E社が「協賛」しており、関係者によると、同社からはスポーツドリンクの提供があったということです。ただ、同社の「協賛」の経緯は不明ですが、第6回大会の事務局長は、大会開催前に、第5回事務局長からの申し受けで、B社、C社、E社の担当者に「協賛」をして貰えるかの確認をとり、「承諾」を得たということです。ただこの際、E社側からは、「協賛は今回限りにして欲しい」旨の話があったので、第6回大会限りの「協賛」を得たということです。
 防衛省側からの働きかけとしては、企業4社の「協賛」の経緯は区々で、不明な点もあるものの、総括事務局長が各社担当者に連絡をとり、「協賛のお願い」を行ってきていたことが判明しました。また、総括事務局長は、これら企業の連絡先について、後任の総括事務局長に引き継いでいたことも明らかとなっております。しかし、歴代総括事務局長とこれら企業との間に利害関係があったとは確認されておりません。
 参加費・会場代などについては、第8回大会の収支決算報告書を確認した結果、参加費や会場代等について、「協賛」企業が負担しているといった状況は確認されませんでした。なお、収入としては、隊員からの参加費に加え、部外団体「自衛隊体育振興互助基金」から助成金を得ていることは確認できましたが、不明な収入は確認されませんでした。
 全自衛隊運動競技大会への参加の態様ですが、事務次官通達の「自衛官の部外における運動競技会等への公務の参加について」を受けて発出された、人事教育局長通知の「自衛官の部外における運動協議会等への公務での参加について」の係る運用について」に基づき、各機関等の長が、「公務」として参加させることが認められる「全自衛隊大会」となっています。
 今回の大会については、全国からの隊員の参加がありましたが、確認できた範囲では、少なくとも、今大会の運営を担当した自衛官については、大会前日から「公務」として大会に参加しており、市ヶ谷地区隊員については「公務」とはしていないことが判明した。「公務」とするかどうかについては、所属機関等の長の判断に委ねられ、各部隊により対応は区々であることがわかりました。

  調査の結果としまして、通報内容のとおり、今年度開催された全自衛隊運動競技大会において、複数の民間企業が「協賛品」を提供し、これらをビンゴ大会の景品等として参加隊員で消費していたことが判明しました。また、数次の大会において、B社の広告を大会パンフレットに掲載していたことが確認されました。しかし、通報内容にあった「参加費や会場代」については、不明な点は確認されませんでした。
 全自衛隊運動競技大会は、愛好隊員による体育活動ですが、自衛官においては、事務次官通達にて、「公務」での参加については「目的、性格及び規模等を勘案し、技術の向上、体育の振興、広報上の効果及び隊務に与える影響等を総合的に判断して参加させる」とし、機関等の長により判断を委ねているものですが、大会への参加の公務性が認めているものと解釈しております。
 このように「公務性」を有する活動に対し、利害関係はないとはいえ、民間企業から「協賛品」を受領する行為は、「隊員の任免、分限、服務等に関する訓令」第10条第2項「職務に関して贈物又は謝礼を受けてはならない」とする規定に抵触していると判断される可能性が高いと考えられます。一方、企業側が「協賛」を行うメリットとしては、企業の広報であると考えられ、大会パンフレットへの広告掲載や、大会を報じた新聞に協賛企業の名前が掲載される等、公務性の高い活動を行っている自衛隊員が、同活動を通じて、「協賛品」を得る見返りに同企業の広報活動の一端を担うことは、「協賛企業」である一部企業の利益を誘導しているようにも解せられ、直接、自衛隊員倫理規程の禁止行為にはあたらないものの、「自衛隊員が国民全体の奉仕者であり一部に対してのみの奉仕者ではない」とする自衛隊員倫理規程の行動基準に反するのではないかとの懸念を惹起させ、不適切であると考えられるという評価をしたものです。
 これにつきまして、審査会委員皆様のご意見を伺いたいと考えております。

◯川戸会長 ありがとうございました。それでは委員のご意見を伺いたいと思います。よろしくお願い致します。

◯委員 公務や公務性というのは、どのように定義されているのですか。

◯服務管理官 自衛隊員が職務として行っているものを公務としています。

◯委員 職務としてと言うことになると、さきほどの説明の中で、「隊員の任免、分限、服務等に関する訓令」第10条に職務とありますが、その職務と同じ意味で使われているのですか。

◯服務管理官 その通りです。

◯委員 公務というのは抽象的な概念で、職務というのは防衛省の職員一人一人についての話しですかね。抽象的な職務もあるのでしょうけど。

◯委員 訓令には職務の定義はないのでしょうか。

◯服務管理官 ございません。

◯委員 防衛省全体の任務規定とか、所掌事務規定とかがあって、その中に内局とか、各自衛隊について所掌事務が決められていて、その組織に所属している職員全員が防衛省、内局、自衛隊の任務なり職務に資する。そういう活動に該当するかどうかが公務性とか職務とかの、実質的な判断基準になるべきだと思います。スポーツを自衛隊員が活発にやるというのが体力増強とか、そういう面での効果もあるだろうし、組織間の協力性や協調性が必要とされることが想像できますので、こういう活動をすることで、三自衛隊がそれぞれ参加するということで、お互いの交流を深めるということに有益というふうに思いますけれども。

◯委員 「隊員の任免、分限、服務等に関する訓令」で、「職務に関して贈物又は謝礼を受けてはならない」というのは、そもそもの趣旨は給与を貰って実施している行為について、それに加えて他から謝礼とか贈物を貰うのは二重取りを禁止している事を明確に言っているのではないかと思うのですが、それと公務が一緒かどうかは、例えばこの大会は、性格として公務性とか公務と認められるとなっていますが、参加する時にその間の給与は支払われていますか。支払われているのであれば、職務と公務がイコールなので、協賛とかスポンサーとか、そこに何らかの報酬が支払われるのは、さきほどの規定に反すると思うのですが、そこの区別はどうなっていますか。公務性や公務と言っていても給料が支払われているのか、それと休日に行われていますが、休日の振替をするとかの措置をとられていれば就業時間中の行為として分類できるので、公務というのは職務遂行中の行為に対して別の報酬があったという判断が成り立つのではないかと思うのですが、公務っていうのは、そこまでカバーされているのでしょうか。

◯委員 実際に参加した隊員について有給休暇を取らずに通常出勤という扱いをしているという趣旨ですか。土曜日や日曜日は休日出勤であれば、例えば手当や代休とかの処置がとられると思いますが、どのような整理になっていますか。

◯服務管理官 通常であれば代休処置になると思うのですが。

◯事務局 公務として土・日曜日に勤務した場合は代休処置になりますが、今回の場合、実際に代休を取得したかの確認は出来ておりません。

◯委員 民間企業の場合、残業代不払いかどうかという問題になって、厳密なんですよね。職務として行っている行為に対して他から報酬を受けるのは、民間企業は認めていない。その辺の公務という取扱いが本当はどうなっているかが判断基準の一つだと思います。一応、組織的には認められている大会ですよっていう程度のものだったら、それは公務ではあっても職務とは違うと思います。「職務に関して贈物又は謝礼を受けてはならない」という訓令には抵触するとは言えないと思います。

◯委員 この問題は確かに報酬の二重取りみたいな側面があるかもしれませんが、「自衛隊員は国民全体の奉仕者であり」とあるように、公平性・公正性の観点から一部の企業からだけ不透明な関係を設けるのは、良くないという趣旨もあるのではないかと思うのですが。

◯委員 この大会以外に、スポーツやスポーツ以外にも愛好者の集まる大会の場合は、その時の扱いはどうなっているのですか。

◯服務管理官 いくつかスポーツに関する大会があるのですが、このような形でドリンク等の提供を受けている他の事実については確認しておりません。

◯川戸会長 他の大会においても職務として代休を取得しているかどうかをチェックするのと、もう一つは、公の職務と思われてる人達の目から見てどうなのかという指摘ですね。

◯委員 例えば企業の入札等においては、一部の者だけに不当な取扱いをしてはならず、公平・公正でなくてはならないということですね。たまたま公募して応募したのが1社だけというのは別の事だと思いますけど。

◯川戸会長 裏のつながりだけで決めてというのは、倫理上、釈然としないというのが別の意味でありますね。その辺りの整理を改めてした方が良いと思いますね。

◯委員 今、おっしゃられた整理でいいと思います。一つ気になったのが、参加の態様で各機関の長が公務として参加させることが認められるという判断をする権限を持っていると思いますが、なおかつ、それぞれの範囲である場合には公務で、そうでない場合には公務ではないと、今回の場合には市ヶ谷地区の隊員は公務にはしていないと、それは判断によって裁量で可能だと思うのですけど、同じ大会に違う地位で参加するというのが、問題ではないと思いますけど、今回は全員が自衛隊員だけなのですか。それともOBや他の方は参加していますか。

◯服務管理官 この大会に選手として参加しているのは自衛隊員だけです。
 運営とか連盟にはOBが入っております。

◯委員 公務と公務ではないという人が混ざっている。そうであれば公務でない人はドリンクを飲んで良くて、公務の人は飲んではいけないという整理は厳しいのかなと。外から見た人は全体として公務と判断するから、やはり倫理規定第1条の「公務の信用に影響を与えることを常に認識して行動しなければならない」というところに若干問題が出てくる可能性があるかなと。

◯委員 気になったのが経緯の中で、自衛隊の側から企業に対して協賛を持ちかけているのが、強いて言えば倫理規定第1条の2の「職務や地位を自らや自らの属する組織のための私的利益のために用いてはならない」というところに若干抵触するのかなと、自衛隊に言われたら断れずに物を出させられて、協賛は今回限りにして下さいという話しもあるので、今までの議題と少しズレますが、そういう観点からも、他のスポーツの大会でもこのような事が行われているとすれば、自衛隊全体の公務の信用とかを考えて、差し控えるような方向に指導した方がいいのかなと思います。

◯川戸会長 他にこの件でご意見ある委員はいらっしゃいますか。

◯委員 1点は、この問題は法令手続きに違反しているかという論点もあるかと思いますが、防衛省として、こういう事を続けるのか続けないのかという施策判定みたいなものでもいいのかなという気がするのですが、公務に対する信頼性というものが厳しい中ですから、もう辞めようという判断があってもいいのかなと思います。ただ、逆の事を言うのですが、一種の悪しき習慣が続いているというところがあると思うのですが、ただ本当に悪しきかどうかというと別論でありまして、国を守る組織に対して、スポンサーと申しますか協賛というか、各国の状況は知らないですが、外国ではあり得るのではないかと思うのですが、ただ外国は企業文化みたいのがありますが、日本は企業文化が育たなかったということがありまして、逆に曖昧になっているところがありまして、外国ではどうなっているのか調べておいた方がいいのかと思います。結構、外国の軍隊は国を守る、命を張って守る。そういう組織ですから、それに対する支持者というのは、企業から一般国民まで、結構ある訳で、そういった人達に支えられているというところが、軍隊としての力にもなっている訳でありまして、自衛隊もそういうところを目指した方がいいという考えの方もいると思いますが、そういうことであれば、国内だけの話しでもいいような気がします。あと、公務の話しですけれども、バラバラに判断していいというのは、実施基準の観点から考えますと、おかしな話しかなと思います。仕事が忙しいからダメというのは、それぞれの所属機関の長が判断していいと思いますが、公務であるか公務でないかの判断は防衛省の組織によって違ってくるのかなと気がしました。例えば自衛官であれば体を鍛える必要があるから有益だから公務であり、内局は必要ないという判断があり得るのかどうかですね。あるいは自衛隊間のコミュニケーション交流ということであれば内局もダメだという理由が無いわけですね。そこは防衛省として判断しておいた方がいいような気がします。

◯川戸会長 他にご意見はありませんか。では、自衛隊運動競技大会には、このような意見がありましたので、よろしく受け止めておいて下さい。他に自衛隊員等倫理週間の実施結果について、ご意見はありませんでしょうか。

◯委員 今年から、自衛隊員等倫理週間の時期を変えられたと思いますけれども、変えた事によって、何か変化はありましたか。

◯事務局 今年度から国家公務員倫理週間と時期を合わせて12月1日から実施いたしましたが、変えたことによるメリット・デメリットは特段なく、年末の綱紀粛正と併せて設定した訳ですが、特に変わったことによる意見はありませんでした。

◯委員 何で変えたのですかという質問がないのが心配ですね。

◯川戸会長 それでは、本日審議されました「第58回自衛隊員倫理審査会議事録」、「平成25年度第3四半期の贈与等報告書」、「平成25年度自衛隊員等倫理週間の実施結果について」につきまして、各委員に承認をいただきます。

◯服務管理官 それでは最後になりましたが、自衛隊員倫理審査会会長でおられる川戸先生におかれましては、今月末で任期10年を迎えられることになります。誠に残念ではありますが、今年度をもって退任されることとなりました。これまでのご貢献につきまして改めて感謝申し上げます。
 川戸会長から一言ご挨拶いただきたいと存じます。よろしくお願い致します。

◯川戸会長 皆様、本当にありがとうございました。考えてみますと委員になって、ちょうど10年、会長になってから4年が、あっという間に過ぎましたけれども、途中には大きな問題もありましたけれども、その他にも委員を引き受けて良かったと思いますのは、ここに出てくる案件によって、自衛隊の方々はこういう形で世の中とつながっているのだと非常に良くわかりましたのが1つと、いろんな施設を見学させていただいて、現場で皆さんの率直な意見を聞かせていただいて、特に自衛隊が国を守っているということが非常によくわかりました、それについては感謝しております。そうはいっても倫理と言いましても、この10年でどれだけ進んだかと言いますと、砂上の楼閣の積んでは崩し、積んでは崩しみたいなところがありまして、いまだに浜の真砂と比べてはいけませんが、次から次へと出てくるは27万人もいるのだから仕方がないのかなと思いますけれども、次につながる委員の皆様方に周知徹底して、いろんな事を指摘していただきたいと思います。よろしくお願い致します。それから事務局の皆さんにもサポートしていただき、ありがとうございました。今後とも、どうぞご活躍なさいますようお祈りしております。本日はどうもありがとうございました。
 以上をもちまして、本日の倫理審査会は終了致します。ありがとうございました。

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