第44回自衛隊員倫理審査会議事録


日時
平成22年6月9日(水)13時30分~14時30分
場所
防衛省A棟11階第1省議室
出席者
(委員) 川戸会長、藤井委員、立川委員、大森委員
(防衛省) 三輪服務管理官
議事
(1) 開会の辞

川戸会長 只今から「第44回自衛隊員倫理審査会」を開催いたします。
 本日は、各委員におかれましては、ご多忙中のところご参集いただき、本当にありがとうございました。

(2) 第42回自衛隊員倫理審査会議事録及び第43回自衛隊員倫理審査会議事録について

川戸会長 早速ですけれども、本日の議題に入りたいと思います。
 1番目の議題は、前回、そして前々回行われました「第42回倫理審査会議事録」、「第43回倫理審査会議事録」についてご説明し、ご承認をいただくことです。服務管理官から説明をお願いします。

服務管理官 まず、第42回自衛隊員倫理審査会の議事の内容でございますが、最初に①「開会の辞」、②「第41回倫理審査会の議事録」、③「平成21年度第3四半期の贈与等報告書の審査について」、④「平成21年度自衛隊員等倫理週間の実施結果について」、⑤「倫理教本の改訂について」、⑥「自衛隊員倫理に関する意識調査の結果について」、⑦「議題の議決等について」、⑧「閉会の辞」となっております。こちらは、会長を除きまして、前の委員の先生方の時に開催されたものですが、通常、次回以降の審査会においてご承認をいただきホームページに公表しておりますため、今回の審議にかけさせていただいたものです。なお、この内容につきましては、前の先生方の在任中にご確認を頂戴しております。
 次が、4月に開催されました第43回倫理審査会の議事の内容でございますが、最初に①「開会の辞」、②「委員の紹介」、③「倫理監督官挨拶」、④「会長の選任」、⑤「会長代理の指名」、最後に⑥「閉会の辞」となっております。

川戸会長 ありがとうございました。それでは、前々回、前委員で行われました「第42回倫理審査会議事録」、それから前回行われました「第43回倫理審査会議事録」について審議いたします。ご質問あるいはご意見がありましたらお願いします。

委員 第42回については、既に前委員にご確認いただいているということですので、このままでよろしいかと思います。第43回については、私からは特に意見はありません。

委員 私もこれで結構です。

川戸会長 それでは、議事録につきましては、特段のご意見もないようですので、ご承認につきましては、他の議題についての議論を終えた後で、一括して行いたいと思います。

(3) 平成21年度第4四半期贈与等報告書の審査について

川戸会長 さて、2番目の議題ですが、「平成21年度第4四半期贈与等報告書」、「平成21年株取引等報告書」、「平成21年所得等報告書」の審査を行いたいと思います。
 最初に、「平成21年度第4四半期の贈与等報告書」の審査から行いたいと思いますが、この審査は、倫理法第6条の規定に基づいて、5千円を超える贈与等を受けた部員級以上の隊員が提出をした「平成21年度第4四半期の贈与等報告書」について、当審査会が審査を行うものです。それでは、これにつきまして、説明をお願いします。

服務管理官 まず、最初でもございますので、この贈与等報告書の提出根拠につきまして、簡単にご説明いたします。倫理法の第6条に「部員級以上の自衛隊員は、事業者等から、金銭、物品その他の財産上の利益の供与若しくは供応接待を受けたとき又は事業者等と自衛隊員の職務との関係に基づいて提供する人的役務に対する報酬として自衛隊員倫理規程で定める報酬の支払を受けたときは、1月から3月まで、4月から6月まで、7月から9月まで及び10月から12月までの各区分による期間ごとに、次に掲げる事項を記載した贈与等報告書を、当該四半期の翌四半期の初日から14日以内に、防衛大臣に提出しなければならない」と規定されております。
 この部員級以上の「部員」といいますのは、防衛省にしかない肩書きなのですが、他省庁でいいますといわゆる課長補佐、自衛官でいうと3佐以上のものが報告の対象となっております。こういった者が5千円を超える贈与等を受けた時に報告書が防衛大臣に提出され、当該報告書をこの審査会でご審査いただく形になっております。この審査につきましては、倫理法第11条第1項第2号、「各種報告書の審査を行うこと」との規定により、当審査会の所掌事務とされております。
 それでは、平成21年度第4四半期の贈与等報告書について、まず、全体の状況をご説明させていただきます。提出件数の合計としては、248件、うち、約半数は著述に対する謝礼となっております。また、前年度同期第4四半期と比較しますと、24件の増加となっておりますが、最近1年間の傾向から見ますと、おおむね同じような推移となっております。
 また、防衛省には、陸・海・空の自衛隊以外にも、内部部局や防衛大学校、防衛医科大学校など、全部で20の機関等がございますが、毎期、陸上自衛隊が大体、全体の過半数を占めており、今期も同様に134件で最多となっております。次いで、防医大の44件、防大の24件となっております。
 陸上自衛隊が多いのは、そもそも全国の自衛隊員27万人中、16万人を占めておりますため、構成比率的にも過半数となりますが、その内容は、後ほどご説明いたしますが、部内サークル誌への著述がほとんどで、約6~7割を占めております。また、防衛医科大学校につきましては、精神科に著名な先生がいらっしゃいまして、その方面からの執筆や講演の依頼が多く、今回も1人で24件の報告書を提出しております関係から件数が多くなっているような状況です。
 それでは、平成21年度第4四半期贈与等報告書について、細部を基因別にご説明させていただきます。
 最初は、賞金の贈与ですが、1番と2番は、部内サークルの機関誌における懸賞論文で最優秀論文又は優秀論文を受賞して、その副賞として賞金を受領したものです。同様に、3番と4番は、財団法人の機関誌における懸賞論文の優秀賞、奨励賞を受賞し、その副賞として賞金を受領したものです。
 また後ほど、著述に対する謝礼でも出て参りますが、この自衛隊の部内の私的サークル誌の概略について簡単にご説明いたします。修親刊行事務局が発行します機関誌「修親」は、会員相互の親睦を図り、陸上自衛隊の幹部としての連帯感及び相互の信頼感を強化することを目的に、会員相互の親睦及び修養のために発行しており、会員は、陸上自衛隊の幹部自衛官、准陸尉、幹部配置にある事務官等であり、発行部数は約3万部です。富士修親会が発行する機関誌「富士」は、会員相互の団結と親和を図ることを目的に、主として、初・中級幹部、准・曹の普通科・特科・機甲科に関する教育訓練、研究等の参考に資するために発行しており、会員は、陸上自衛隊富士駐屯地所在部隊に所属する幹部自衛官及び幹部事務官等であり、発行部数は約9千部です。陸戦学会が発行する機関誌「陸戦研究」は、我が国における軍事学の進歩・発展に寄与することを目的に、主として陸上作戦に関する研究論文等を紹介するために発行しており、会員は、陸、海、空の幹部自衛官、幹部事務官等、OB等であり、発行部数は約8千部です。兵術同好会が発行する機関誌「波涛」は、戦略、戦術、ロジスティック、統率、戦史、作戦要務等、広い分野にわたり会員の兵術素養及びこれに関連する一般素養の向上に寄与することを目的として発行しており、会員は、海上自衛隊の幹部自衛官、幹部事務官等及びOBであり、発行部数は約2万部です。航空自衛隊幹部学校幹部会が発行する機関誌「鵬友」は、航空自衛官の資質及び素養の向上、文化活動等の推進及び後援会活動の支援並びに会員の慶弔等のほか、航空自衛隊幹部の識能の向上に資するため、内外の軍事研究論文等の紹介を行い、相互啓発の場とするために発行しており、会員は、航空自衛隊の幹部自衛官及び幹部事務官等であり、発行部数は約3万部となっております。
 次に物品の贈与について、ご説明いたします。5番は、出版社が発行している書籍の2冊について、業務用の参考文献として寄贈を受けたものです。なお、贈与を受けた価額は、それぞれの書籍の定価をもとに算定しております。
 次に供応接待等について、ご説明いたします。6番は、新聞記者と懇談を行い、飲食の供応接待を受けたものです。参加者は、報告者と相手方の記者の2名です。なお、金額につきましては、総額を確認し、出席者数で等分したものを報告しております。
 著述に対する謝礼について、ご説明いたします。7番から97番は、部内サークルが発行する機関誌への著述に対する謝礼、98番から102番は、財団法人が発行する機関誌等への著述です。このうち、100番は、防衛省が行う労務借上において契約の申し込みがあり、今後も同様の契約の際には入札するとのことから、「契約の申し込みをしようとすることが明らかな事業者等」に該当し、利害関係者として整理しております。このような利害関係者からの依頼に応じて、報酬を受けて、出版物への寄稿を行うという行為は、禁止事項ではありませんが、倫理規程第9条第1項に基づき、あらかじめ倫理監督官に承認を得ることが必要となっております。また、同条第2項に基づき、報酬額についても基準を定めることとされており、400字詰め原稿用紙1枚あたり4千円としております。100番は、あらかじめ事前に承認を得ており、受けた報酬の金額も原稿用紙1枚当たり4千円以内という規準の範囲内であるため、問題がないと考えております。また、103番は、社団法人が発行する機関誌への著述、104番は、独立行政法人が発行する機関誌への著述、105番から119番は、出版社等が発行する書籍等への著述、120番から132番は、新聞社が発行する新聞等へ書評等の著述、134番と135番は、その他の団体が発行する機関誌への著述です。
 著述による印税について、ご説明いたします。135番は、以前執筆した新聞記事が引用されたことに伴う著作権料の支払い、136番から150番は、出版社から出版された書籍による印税です。151番から153番は、自身が行った講演のDVD売上げに伴う印税となっております。
 監修等に対する謝礼について、ご説明いたします。154番と155番は、書籍の編集の謝礼として、編集料を受領したものです。なお、この書籍等の監修等に対する謝礼につきましては、倫理規程第6条において、特定の書籍等の監修等に対する報酬の受領が禁止されており、「国の補助金や経費で作成される書籍等、国が過半数を買い入れる書籍等については、その監修や編さんを行ったことに対する報酬を受けてはならない」と規制されておりますが、今回の著作物については、それぞれ防衛省としての買い入れはなく、国の補助金や経費で作成されるものではないことから、この禁止行為には該当いたしません。
 講演等に対する謝礼について、ご説明いたします。156番から160番は、財団法人からの依頼による講演、161番から166番は、社団法人からの依頼による講演、167番は、独立行政法人からの依頼による講演、168番から170番は、公的機関等からの依頼による講演、171番から175番は、自衛隊の協力団体等からの依頼による講演、176番と177番は、ボランティア団体等からの依頼による講演、178番から182番は、企業からの依頼による講演です。このうち、180番から182番は、相手方の企業が製薬会社であり、報告者が防衛医科大学校で使用する医薬品の選定や調達に係る決裁過程に関与しているため、利害関係者に該当することになります。この利害関係者からの依頼に応じて、報酬を受けて、講演等を行うという行為は、先程もご説明したとおり、禁止事項ではありませんが、事前に倫理監督官に承認を得ることが必要となっております。また、報酬額についても上限が定められており、講演等では、1時間あたり2万円としております。180番から182番は、あらかじめ事前に承認を得ており、受けた報酬の金額も1時間当たり2万円以内という基準の範囲内であるため、問題はないと考えております。183番から188番は、大学等からの依頼による講演、189番から192番は、その他の団体からの依頼による講演です。
 会合等への出席に対する謝礼について、ご説明いたします。193番から195番は、財団法人からの依頼による研究会等への出席、196番から198番は、社団法人からの依頼による研究会等への出席、199番と200番は、公的機関等からの依頼による研修会等への出席、201番から203番は、大学等からの依頼による会合等への出席、204番から213番は、企業からの依頼による会合等への出席です。このうち、204番から211番は、先程の説明と同じく、それぞれ利害関係にある製薬会社からの依頼で、座長やコメンテーター等として出席したものですが、それぞれ事前に承認を得ており、金額も1時間当たり2万円以内という基準の範囲内であるため、問題はないと考えております。214番から218番は、その他の団体からの依頼による会合等への出席です。
 講義等に対する謝礼について、ご説明いたします。219番と220番は、社団法人からの依頼による講師、221番から229番は、特定非営利法人からの依頼による講師、230番と231番は、公的機関等からの依頼による講師、232番と233番は、社団法人等からの依頼による指導です。
 テレビ出演等に対する謝礼について、ご説明いたします。234番から239番は、テレビ会社等からの依頼によるテレビ・ラジオ等への出演に対する謝礼です。
 最後に、新聞等へのコメントに対する謝礼について、ご説明いたします。240番から248番は、新聞社、出版社等からの依頼により、新聞・雑誌等へのコメントや対談・座談会出席などの取材協力を行ったことに対する謝礼です。

川戸会長 ありがとうございました。それでは、ここで贈与等報告書の審査に入らせていただきます。これに対するご質問、自由なご意見を頂きたいと思いますので、よろしくお願いします。

川戸会長 この基因というのは、他にも項目があるのでしょうか。

服務管理官 基本的には、贈与等報告書の記載事項である「贈与等又は報酬の支払いの基因となった事実」欄に、「会合等への出席」、「著述」、「講演」、「その他」とありますので、これに基づき報告者が記入したものを私共の方で分類をしている、事務局の方で便宜上の整理をしているというものです。必ずしも法令どおりの区分けとなっているわけではありませんが、毎期同じような項目となっております。

川戸会長 報酬基準では、テレビの出演について規制はないのですか。

服務管理官 講演等の中に含まれますので、仮にテレビ局が利害関係者に該当する場合には、1時間当たり2万円の基準が適用されます。しかし、通常、テレビ局が利害関係者になる例はありません。

委員 報酬基準についてなのですが、利害関係者以外であれば、報酬額にも上限がないということでしょうか。ケースバイケースとか。

服務管理官 確かに基準としてはありません。ただし、倫理規程第5条に利害関係者以外の者等との間における禁止行為として、「社会通念上相当と認められる程度を超えて供応接待又は財産上の利益の供与を受けてはならない」とありますので、具体的にいくら以上というものはないのですが、常識の範囲とか、一定の限度というものはあろうかと思います。ただ、人的役務の対価として報酬を受けるということにつきましては、実力のある方、特別の知見を有する方が多少高めの報酬を得たとしましても、通常、利害関係がなければ、賄賂的なものになるとは考えにくいため、一概に禁止されていないということだと思います。

委員 この役務を提供するというのは、勤務時間との関係ではどうなんでしょうか。

服務管理官 休日でなければ、休暇をとって行わせております。

委員 そこはダブルペイにはしないということですね。分かりました。

委員 この報告制度は、職務専念義務に違反するかどうかをチェックするというよりは、利害関係者とのいわゆる癒着みたいなものをチェックする、国民からの疑惑や疑念というものを払拭させるということが制定目的の中心だったと理解しておりますけれども、そういうことでありますと、報告されている方は全て、その疑いや懸念があるということで、それを確認するために必要な範囲から報告させているということですか。例えば、利害関係といっても、国民から見て、問題なさそうだというようなものは、入っていないということでしょうか。

服務管理官 要は一定階級以上の者が5千円を超える贈与等があった場合には、報告されて参ります。ただし、全てということではなく、人的役務の対価としての報酬に関しては、これは職務に関連した報酬となりますので、職務とまったく関係のない、個人として行ったものに関して報酬を受けた場合には、報告の対象とはなっておりません。

委員 そこは「基因となった事実」欄で、職務と関連性があるかどうかをチェックするわけですね。他方、「事業者等」の欄では、利害関係のあるなしに関わらず全てが記載されているようですが、利害関係がないにもかかわらず、職務関連の役務の提供、金銭のサービスを受けたというのは、本来は倫理法的な観点からは問題ないのでしょうが、一応全部を報告させているということでしょうか。

服務管理官 はい、その通りです。

委員 そこまでやっている意味としては、本当に利害関係があるのかないのかをチェックしたいということなんでしょうか。

服務管理官 利害関係のあるなしにつきまして、我々も事務的には見ているつもりではありますけれども、仮に利害関係がなかったとしても、国民の目から見て、疑惑や不信を招くようなものがないかどうかを、念のため先生方にチェックしていただくという趣旨なのではないでしょうか。

委員 先程ご説明にありました部内の私的サークル誌につきまして、財務的なバックグラウンドはどうなっているのでしょうか。

服務管理官 基本的には、会員から徴収する会費となります。ものによっては、機関誌における広告収入とかがあるかもしれません。

川戸会長 要するに、昔、独立行政法人等が本を作って、省庁が強制的に買い上げていたようなことがあって、補助金まがいのことを指摘され、これが悪いという実例があったため、当初、こうした部内誌もすべからく報告させるようになっていたんでしょう。ただ、今ではそうしたこともなく、これらの部内誌は、純粋に会費で運営されているようですので、今更、報告させる必要もないのではないかと、そういうことの懸念がおありなのでしょうか。

委員 そこまで考えていたわけではないのですが、倫理法ができた時に、この報告書は大変な負担がかかるので、どういう効果があるのかというのを疑問に思っていたんです。本当に、この制度で成果があがっているのか、疑惑や不信を払拭するためといっても、PRに過ぎないのではないかと感じたものですから。そして、実際に、中身を見ても、問題のなさそうなものまで報告されているので、どうなのかなと思った次第です。

服務管理官 職務に関連するというのが、どう見るかというのがあると思うのですが、基本的には職名などの肩書きを載せているものは、必ずしもその内容が防衛などの業務に関係していなくとも、職務に関連するものとして報告書を提出させております。そういう意味では、その内容が全然職務に関係のないと思えるものも、結果的には入ってきているという状況です。

委員 懸賞論文という形で贈与を受けているものがありますが、例えば、懸賞金が高く、なおかつ、応募数が少なかった場合等を考えた時に、気を付けることなどはあるのでしょうか。

服務管理官 過去にも航空自衛隊の幹部が企業の懸賞論文で最優秀賞を受賞し、賞金を受けたということがありました。その際の考え方としましては、まず、募集の方法が新聞広告などで広く公募されており、かつ、選考者が複数の有識者等で構成されていて、選考が中立的で厳正に行われているようであれば、国民の不信や疑惑を招かないのではないかというような整理をしたところです。

川戸会長 よろしいですか。他にご質問、ご意見等がなければ、ご承認いただいたものとして、贈与等報告書の審査は、以上といたします。

(4) 平成21年株取引等報告書、平成21年所得等報告書の審査について

川戸会長 引き続きまして、「平成21年株取引等報告書」、「平成21年所得等報告書」の審査を行います。これは、倫理法第7条及び第8条の規定に基づいて、審議官級以上の隊員から提出されたそれぞれの報告書について、当審査会が審査を行うものです。それでは、これにつきまして、ご説明をお願いします。

服務管理官 まず、株取引等報告書についてご説明いたします。公務員の株取引については、そもそも公務員は職務上許認可権限を有しており、様々な情報を知り得る立場にあるため、倫理に反する株取引等を抑止することを目的として、報告を求めているものです。
 この根拠としましては、倫理法の第7条に「審議官級以上の自衛隊員は、前年において行った株券等の取得又は譲渡について、当該株取引等に係る株券等の種類、銘柄、数及び対価の額並びに当該株取引等の年月日を記載した株取引等報告書を、毎年、3月1日から同月31日までの間に、防衛大臣に提出しなければならない」と規定されており、この規定に基づきまして、提出された報告書をご審査いただくこととなります。なお、贈与等報告書につきましては、四半期毎の審査となりますが、この株取引と次にご説明いたします所得等の報告につきましては、年に1回の審査となっております。
 平成21年分の株取引等の報告は、全部で5件ございました。この5件につきましては、自衛隊員倫理規程第3条第1項第5号で禁止行為となっております利害関係者からの「未公開株式の譲り受け」に該当するものはございません。内容につきましては、1番と2番の方は、株式の取得のみ、4番の方は、株式の譲渡のみで、3番及び5番の方は、表のとおりの取得、譲渡がありましたが、特に問題のあるような取引はないと思われます。
 続きまして、所得等報告書についてご説明させていただきます。その根拠としましては、倫理法第8条に「審議官級以上の自衛隊員は、次に掲げる金額及び課税価格を記載した所得等報告書を、毎年、3月1日から同月31日までの間に、防衛大臣に提出しなければならない」と規定されておりまして、前年1年間を通じて審議官級以上の自衛隊員であったものに報告書の提出義務がございます。平成21年分としましては、全部で111名が対象となっておりますが、国からの給与所得については、それ自体では特段の疑惑を招くこともないという趣旨かと存じますが、報告書の金額欄への記入を省略できることになっておりますため、国からの給与所得のみの方77名を除きまして、国からの給与所得以外の所得のある方34名につきまして、その内容をご説明いたします。
 一番多いのが雑所得ですが、主として、著述や印税、講演等に対する報酬によるもので、先程ご審議いただきました贈与等報告書に出てくるようなものとなります。また、不動産所得につきましては、マンション等の賃貸料によるものです。自衛官は転勤などが多いため、自宅を貸すということも結構多いように聞いております。それから、民間勤務歴が1年以上あって、既に60歳を超えている方には、老齢厚生年金が支給されております。他には、一時所得としましては、個人年金の払戻金となっております。
 そして、株式等の譲渡所得と上場株式等の配当所得がありますが、これらは、先程ご説明いたしました株取引等報告書におきまして、株式の譲渡がありました3名の方々となっております。そのうち、「源泉徴収選択口座」と記載されている分については、「確定申告しないことを選択し、源泉徴収選択口座を通じて行った株式等の譲渡所得」である場合、金額の記載を省略し、源泉徴収を選択した旨を記載すればよいこととなっておりますので、その旨の記載がされております。

川戸会長 ありがとうございました。それでは、株取引等報告書及び所得等報告書につきまして、ご質問、ご意見を頂きたいと思います。

委員 不動産所得とか株式の譲渡所得でマイナスが出るというのは、どういうことでマイナスになるのでしょうか。

服務管理官 株については、売却時の価格が購入時の価格を下回ったことによる売却損です。

事務局 不動産所得につきましては、家賃等の収入額を単純に合計したものではなく、そこから減価償却費であるとか、修繕費、借入金利息等の必要経費を除いたものが、所得として計上されておりますため、収入よりもそうした経費がかさんだ場合にはマイナスとなっております。

委員 不動産所得でプラスになっているというのは、そうした経費を控除しても、なおかつ収益があったというものですか。

事務局 はい。そうです。

委員 所得等報告書の雑所得というのは、贈与等報告書の中での報酬とダブルで報告されるということですか。

服務管理官 贈与等報告書は四半期毎で、所得等報告書は年に1回ですが、そういうことになります。

委員 どういう意味があるんですかね、そこまでチェックする必要性があるのでしょうか。

事務局 報告書に漏れがないか等を現場では確認しております。

服務管理官 審査会で何故審査するのかというのが、先生のご質問の趣旨ですよね。

委員 観点が違うといえば観点が違うのでしょうね。所得等報告書の方は、何か幹部職員が地位を利用して不当な利益を得ていないかみたいなものをチェックするというのが中心であって、贈与等報告書の方が審査のメインになるのかとは思いますが、雑所得というのは色々なものがあるので、その中にたまたま前に報告したものが入り込むこともあり得ると、その程度のことなのでしょうかね。

服務管理官 正に贈与等報告書では、貰ってる人と企業等との間の個別の関係が適正かどうかを見ていただくことかと理解しております。確かに、合算すれば一緒になってしまうのですが。

委員 審議官級以上というのは、自衛官でいうと将補以上ですか。

服務管理官 指定職でもある将補(一)以上となります。

川戸会長 よろしいですか。他にご質問、ご意見等がなければ、株取引等報告書及び所得等報告書の審査は、以上とします。

(5) 議題の議決等について

川戸会長 それでは、本日審議されました「第42回自衛隊員倫理審査会議事録」、「第43回自衛隊員倫理審査会議事録」、「平成21年度第4四半期の贈与等報告書」、「平成21年株取引等報告書」、「平成21年所得等報告書」につきまして、各委員に承認をいただきたいと思います。

(6) 閉会の辞

川戸会長 次回のスケジュールについては、委員の皆様のご都合を承りつつ、事務局より個別に連絡させていただきたいと思います。
 以上で、本日予定しておりました議題につきましては全て審議が終了いたしました。本日は、ご熱心にご審議いただき、ありがとうございました。

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