第40回自衛隊員倫理審査会議事録


日時
平成21年9月10日(木)13時30分~14時30分
場所
防衛省A棟17階航空幕僚監部大会議室
出席者
(委員) 栗林会長、桐村委員、田中委員、田辺委員、川戸委員
(防衛庁) 上瀧人事教育局長、三輪服務管理官
議事
(1) 開会の辞

 栗林会長 只今より「第40回自衛隊員倫理審査会」を開催いたします。
 本日は、各委員におかれましては、ご多忙中のところご参集いただき、誠にありがとうございます。本日の議題に入る前に、8月1日付けで人事教育局長が交代されましたので、一言ご挨拶をいただきたいと思います。

 人事教育局長 このたび、8月1日付で防衛監察本部の副監察監から、人事教育局長を拝命いたしました上瀧でございます。10年前、当審査会の庶務担当でもある人事第1課長として、倫理関係の仕事をご一緒させていただいておりましたが、それ以来、各委員の先生方におかれましては、非常にお忙しいところ、防衛省、ひいては政府全体、国民のために、ご尽力を賜りまして、誠にありがとうございます。
 私自身も今度は、人事教育局長という立場で、隊員の倫理の保持に全力を尽くしていかなければならないと考えております。実は、監察本部におりました時にも、倫理については、定期防衛監察の対象項目ということで、取り組んでおりまして、少しずつは隊員に定着しつつあるのかなとは感じておりますが、まだまだ引き続き見ていかなければならないとも考えております。
 そのためにも、今後とも、先生方のお力をお借りいたしまして、一生懸命やって参りたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。簡単ではありますが、以上で私の挨拶とさせていただきます。

 栗林会長 ありがとうございました。

(2) 第39回自衛隊員倫理審査会議事録について

栗林会長 それでは、早速、本日の議題に入りたいと思います。
 1番目の議題は、前回行われました「第39回倫理審査会議事録」についてご説明し、ご承認をいただくことです。服務管理官から説明をお願いします。

服務管理官 それでは、前回の第39回自衛隊員倫理審査会の議事の内容ですが、お手元に議事録をお配りさせていただいております。最初に①「開会の辞」、②「第38回自衛隊員倫理審査会の議事録」、③「自衛隊員倫理規程の一部改正に関する報告(国会報告)について」、④「平成20年度第4四半期の贈与等報告書等の審査について」、⑤「国の行政機関の法令等遵守に関する調査結果に基づく勧告について」、⑥「自衛隊員の倫理に係る意識調査(アンケート)について」、最後は、⑦「議題の議決等について」及び「閉会の辞」となっております。説明は、以上です。

栗林会長 ありがとうございました。それでは、この「第39回倫理審査会議事録」について審議いたします。ご質問あるいはご意見がありましたらお願いします。

栗林会長 議事録につきましては、特段のご意見もないようですので、ご承認につきましては、他の議題についての議論を終えた後で、併せてお願いしたいと思います。

(3) 「平成20年度自衛隊員の倫理の保持に関する状況及び倫理の保持に関して講じた施策に関する報告」(国会報告)について

栗林会長  2番目の議題は、「平成20年度自衛隊員の倫理の保持に関する状況及び倫理の保持に関して講じた施策に関する報告(国会報告)」についてです。
 「平成20年度自衛隊員の倫理の保持に関する状況及び倫理の保持に関して講じた施策に関する報告」は、自衛隊員倫理法第4条に基づいて、自衛隊員の職務に係わる倫理の保持に関する状況等について、内閣が、国会へ報告するものであります。
 これは、当審査会として了承する性格のものではありませんが、内容を承知しておく必要があります。
 そこで、服務管理官から簡単に説明をお願いします。

服務管理官 お手元にお配りしております冊子が、内閣が国会へ報告したものであります。一般職につきましても、総務省がとりまとめ、同じ項目で同日、国会に報告しております。なお、本報告は、平成13年度から毎年国会に報告され、今回で9回目となるものです。
 報告の内容につきましては、お手元にお配りしております「報告書の概要」でご説明させていただきます。各種報告書の提出件数等につきましては、贈与等報告書が911件、株取引等報告書は5件、所得等報告書は108件で、ほぼ前年並みとなっております。なお、これらにつきましては、本審査会においてご審査をいただいているものであります。
 また、届出等の状況ですが、利害関係者との飲食の届出、これは、いわゆる割り勘で自腹の分が1万円を超えるものについての届出となりますが、これが2件ありました。また、利害関係者からの依頼による講演等の承認が356件ありました。
 次に、懲戒処分等の状況につきましては、懲戒処分が行われた事案が3件、懲戒処分ではないのですが、注意が行われた事案が1件でした。
 懲戒処分では、3件のうち、免職が2件、減給が1件です。
 免職となったものについて、具体的に申し上げますと、利害関係のある事業者から金銭の贈与を受けていたというもの、もう一つが利害関係者から金銭の贈与を受け、及び不動産賃貸料等を支払わせ財産上の利益の供与を受け、並びに飲食の供応接待を受けたというものであります。
 それから、減給及び注意とした者については、元事務次官の事案を受けて行いました監察本部の特別監察の結果、判明したものですが、具体的には、利害関係者と共にゴルフ及び飲食をし、会費との差額分の供応接待を受け、その際、無償で役務の提供を受け、減給1月(1/30)の処分をおこなったもの、また、注意が行われた案件は、利害関係者から物品の贈与を受けたものです。
 次に、政令等の制定又は改廃の状況ですが、20年度末までに行われた政令の改正として、倫理規程の改正が1件ありました。これは、前回の審査会でご説明させていただきましたが、防衛省職員の給与等に関する法律施行令が改正され、倫理規程において、その条文を引用している規定に変更が生じたため、所要の整理を行ったものです。なお、この改正については、今回の報告とは別に、倫理法第5条第4項の規定に基づきまして、今年の6月9日、国会に報告されております。
 最後に、倫理法等の適正な運用の確保等のための施策ですが、まず、自衛隊員等倫理週間が、平成20年度は1月25日から1週間行いまして、教育資料や倫理ビデオによる教育を行ったほか、部内の啓発用及び部外者用のパンフレットを配布、さらに、倫理ホットラインの設置、部外講師による講演会等を実施いたしました。また、各種研修においては、自衛隊員の倫理感のかん養・保持のためのカリキュラムを充実させ、部内の各機関では、各種会議等において、倫理法の周知徹底等の指示・指導を実施したというものです。
 以上が報告書の概要となりますが、こちらは先月の25日の閣議を経まして、報告書は当日、国会に提出されております。

栗林会長 ありがとうございました。この報告につきまして、ご質問あるいはご意見がありましたらお願いします。

委員 この国会報告というのは、例えば、衆議院議長と参議院議長それぞれに報告書が提出されるということでしょうか。

服務管理官 実務的な話で申しますと、両院事務局の議案課というところへ報告書を提出しておりまして、形式的には、それで報告したということになっております。

委員 それは、衆議院と参議院と別々にですか。

服務管理官 はい、両院それぞれに行っております。また、国会議員一人一人に対しましても両院の文書課を通じて、別途、報告書を配布いたしますが、参議院では同日、行っておりますところ、衆議院は解散中であったため、特別国会招集後に改めて配布することとなっております。

委員 あて先はどうなっているのですか。

服務管理官 報告書本体をこのまま持ち込んでおります。

事務局 特に送付状のようなあたま紙を付すこともしておりません。

委員 これがそのまま届けられるということですか。それから、実際に、過去も何回か国会報告をしている訳ですが、報告書が衆議院と参議院に届くということで、報告は終了しているということでしょうか。その後、何か審議の対象とされるようなことはないのでしょうか。

服務管理官 両院の議案課へ届けたことで、形式上は報告したということになりますが、実際にこれを読んだ国会議員の先生方が何か国会で質問をするということはあり得ると思います。ただし、これはあくまでも報告ですので、報告した時点で終了したということになります。

委員 分かりました。ありがとうございました。

栗林会長 ありがとうございました。他に、ご質問、ご意見等はありませんでしょうか。なければ、「平成20年度自衛隊員の倫理の保持に関する状況及び倫理の保持に関して講じた施策に関する報告(国会報告)」は、以上とします。

(4) 贈与等報告書の審査について

栗林会長 次に、3番目の議題は、「平成21年度第1四半期贈与等報告書」の審査を行いたいと思います。
 この審査は、倫理法第6条の規定に基づいて、5千円を超える贈与等を受けた部員級以上の隊員が提出をした「平成21年度第1四半期の贈与等報告書」について、当審査会が審査を行うものであります。それでは、これにつきまして、説明をお願いします。

服務管理官 それでは、平成21年度第1四半期の贈与等報告書について、お手元の資料で、全体の状況をご説明させていただきます。
 今回、ご審議をお願いしますのは、平成21年度第1四半期分となります。総数では247件で、前年度同期と比較しますと11件増加しておりますが、ほぼ同数です。
 機関については、一番多いところでは、毎期どおり、陸上自衛隊が全体の半数を占めており、次いで防衛研究所となっております。
 防衛研究所は、前年度同時期から12件増加しております。その理由としては、今年の4月に北朝鮮が弾道ミサイルを発射し、5月に核実験を強行した関係で、朝鮮半島の研究家として、同研究所所属の隊員に対する講演やテレビ出演の依頼が相次いだことによるものです。
 それでは、平成21年度第1四半期贈与等報告書について、細部をご説明させていただます。
 最初は、賞金の贈与です。1番から7番は、部内サークルである富士修親会による「機関誌「富士」の優秀記事」に選ばれて、その副賞として賞金を受領したものです。次に、有価証券等の贈与としまして、8番及び9番は、新聞社から、コンサートのチケット(1枚6千円相当)の贈与を受けたというものです。なお、このチケットは、全席2千席のうち、8百席を官公庁又は取引先の関係企業等に配布しているというものであり、当該隊員だけに特別に便宜が図られたというものではないと聞いております。
 次に供応接待等についてですが、10番は、元国会議員との懇談で、飲食の提供を受けたものです。その価額は、メニューを参考にしているということです。
 著述に対する謝礼について、ご説明します。11番から85番は、部内の私的サークルが発行いたします機関誌(修親、富士、陸戦研究、波濤、鵬友)への著述、86番から93番は、財団法人が発行する機関誌等への著述、94番は、社団法人への著述、95番から99番は、学会への著述、100番から107番は、新聞社が発行する新聞への著述、108番から125番は、出版社が発行する書籍等への著述、126番から130番は、大学、その他の団体が発行する書籍等への著述です。
 また、著述による印税ですが、131番及び132番は、それぞれ自身の著作物の一部が国家試験や他の書籍に使用されたことに伴う著作権料、133番から148番は、出版社から出版された書籍による印税です。
 それから、監修等に対する謝礼ですが、149番から151番は、書籍の内容又はテレビの番組に関して、監修を行ったことにより監修料を受領したものです。これらは防衛省としての買い入れはなく、国が経費や補助金を支出しているものでもないため、禁止行為には該当いたしません。
 また、152番から160番は、朝雲新聞社が発行している「防衛ハンドブック」の原稿につき、校正を行ったことにより、校正料を受領したものです。本著作物は、防衛省として買い入れを行っておりますが、発行部数の47%であり、過半数には至っておらず、また、国の補助金や経費で作成されるものではないため、禁止行為には該当いたしません。
 講演等に対する謝礼ですが、161番から163番は、財団法人からの依頼による講演、164番から173番は、社団法人からの依頼による講演、174番は、宗教法人からの依頼による講演、175番は、公的機関からの依頼による講演、176番から184番は、自衛隊の協力団体からの依頼による講演、185番から188番は、ボランティア団体からの依頼による講演、189番から193番は、大学からの依頼による講演、194番から205番は、企業からの依頼による講演、206番から208番は、その他の団体からの依頼による講演です。
 なお、企業からの依頼による講演のうち、195番から200番は、それぞれの製薬会社と利害関係にありますが、いずれも事前に承認を得ており、金額も1時間当たり20,000円以内という基準の範囲内であるため、問題はないものと考えております。
 会合等への出席に対する謝礼ですが、209番は、財団法人からの依頼による会議への出席、210番から213番は、社団法人からの依頼による研究会等への出席、214番は、特定医療法人からの依頼による発表会への出席、215番及び216番は、企業からの依頼による会合等への出席、217番から219番は、その他の団体からの依頼による会合等への出席です。
 なお、企業からの依頼による215番及び216番は、それぞれ利害関係にある製薬会社からのものとなりますが、いずれも事前に承認を得ており、金額も基準の範囲内であるため、問題はないものと考えております。
 講義等に対する謝礼ですが、220番及び221番は、社団法人からの依頼による講師、222番は、独立行政法人からの依頼による講師、223番及び224番は、特定非営利法人からの依頼による講師、225番は、公的機関からの依頼による講師、226番及び227番は、学会からの依頼による講師であります。
 テレビ出演等に対する謝礼ですが、228番から244番は、テレビ会社等からの依頼によるテレビへの出演、245番は、ラジオ局からの依頼によるラジオ番組への出演です。また、新聞等へのコメントに対する謝礼については、246番及び247番は、雑誌又は機関誌の記事とするため、出版社等からの依頼に応じて、コメントなどの取材協力を行ったことに対する謝礼です。
 最後に、倫理法が対象とする贈与等報告には該当しないのですが、参考として報告させていただきます。内容としましては、1番が、県立高校からの依頼により、指導員を務めたことに対して、謝礼として物品を受領したもの、2番は、財団法人からの依頼により、検査の支援を実施したことに対する謝礼、3番は、地方自治体からの依頼により、地域医療の支援を実施したことに対する謝礼です。
 平成21年度第1四半期の贈与等報告書の説明は、以上です。

栗林会長 ありがとうございました。それでは、今、ご説明のありました贈与等報告書の審査に入らせていただきます。贈与等報告書に対するご質問、自由なご意見を頂きたいと思いますので、よろしくお願いします。

委員 倫理法上の問題ではないと思うのですが、特定の自衛隊員である人が自分自身の知識なり経験なりに基づいて、一般の方々に講演をなさるとかテレビに出演されるとか、それはそれで社会的にも意味があることだと思いますけれども、ただ、例えば、職員が勤務時間内にテレビ等へ出演するとした場合には、服務上の扱いはどのようになっているのでしょうか。

服務管理官 休暇をとっているかという意味でしょうか。

委員 そうです。

服務管理官 許可を得て、休暇を取得しております。

委員 休暇をとっているので、特段、問題はないということですね。

服務管理官 いわゆる職務専念義務に違反することがないようにしております。

委員 それに関連するのですが、オファーというのは、どのようにして来るのですか。個人に直接来るものなのか。普通は、防衛省としてのスタンスはどうなのかとか、自衛隊のスタンスはどうなのかとかの聞き方をしたい時には、組織に来るような気がするのですが、どうなのでしょうか。

服務管理官 広報課なりを通じて来るということでしょうか。

委員 そうです。個人的に来ているものであれば、休暇というのは良く理解できるのですが、どうですか。

服務管理官 広報を通じた場合には、インタビューという形になると思います。

委員 仕事を通じてとなると、謝礼を貰えないということになるのですね。

服務管理官 そうです。隊員は、職務に関して謝礼を受けてはならないことになっております。

委員 今回の場合は、職務ではなく、個人的な依頼に基づき、個人の収入として報告されているという、そういう理解でよろしいのですね。

服務管理官 はい。理屈としては、仕事ではなくて、あくまでも個人として行っているというものです。

委員 業務としてやっていた場合には、その時の謝礼は、贈与等報告書としては報告されないということですね。

服務管理官 はい、そもそも報酬を受けとることができません。

委員 この場では、あくまでも個人的に引き受けて、謝礼を得たものが報告されているという訳ですね。

服務管理官 そのとおりです。

栗林会長 よろしいですか。他にご質問、ご意見等がなければ、ご承認いただいたものとして、贈与等報告書の審査は、以上といたします。

(5) 「自衛隊員の倫理に係る意識調査(アンケート)について(中間報告)」について

栗林会長 続きまして、「自衛隊員の倫理に係る意識調査(アンケート)について(中間報告)」であります。
 それでは、説明をお願いします。

服務管理官 お手元の資料に基づき、ご説明させていただきます。
 前回の審査会において、実施することが決定いたしました「自衛隊員の倫理に係る意識調査」のうち、面談を伴わないアンケートの方の意識調査Ⅰにつきまして、これは、自衛隊員2,000人を対象とし、各機関等別に対象者を無作為抽出し、個別に回答を郵送していただいたものでありますが、各機関等からの回答がほぼ出揃いましたので、その結果の一部を速報値としてご報告させていただきます。
 意識調査Ⅰにつきましては、当初、本日の審査会に間に合うよう、8月25日を提出期限としておりましたが、今月に入っても、まだ回答が届いているような状況であります。なお、現時点での回答者数が1,982人で、回答率では99.1%となっております。
 こうした状況のため、確定値としての回答結果につきましては、まだ集計中となっておりますが、実は、先週の9月4日に、国家公務員倫理審査会が一般職及び民間企業に対して実施した同様のアンケートの結果が公表されております。そこで、特にポイントとされていた部分に関しまして、現時点での回答結果を速報値として集計しましたので、一般職及び民間企業との比較の中で、ご報告させていただきたいと思います。
 お手元の資料で、最初の円グラフが回答者の構成となっております。約半分が准尉・曹、幹部が16%、任期制隊員である士が20%、事務官等が9%となっております。年齢層としては、20代、30代、40代とだいたい同じような割合となっております。
 それから、機関等別では、基本的に隊員数の構成比率を基準としておりますが、実際の現員数が少ないところでも、最低5名からの回答を得るようにしております。
 なお、一般職につきましては、職員としては、国家公務員5,000人を対象として行っておりまして、そのうち、回答者が4,055人、回答率が81.1%となっております。
 また、民間企業については、国家公務員と接触する機会があると思われる東京・大阪・名古屋の各証券取引所の上場企業2,489社の倫理担当役員あてに調査を人事院のほうで依頼しており、そのうち、回答のあったのが671社、回答率では27.0%となっております。
 それでは、実際の質問ですが、「自衛隊員の倫理感は、最近どのように変化していると思うか」という質問に対しまして、上段が自衛隊員、中段が一般職の国家公務員、一番下が民間企業の回答結果となっております。「高くなってきている」又は「少し高くなってきている」として、倫理感が高まっていると思うと回答した者が一般職及び自衛隊員では約70%ですが、他方、民間企業では、倫理感が高まっていると思うと回答しているのは、全体の約34%に過ぎませんでした。
 職員としては、度重なる公務員不祥事を踏まえて、危機感なり倫理感が上がって来ているということなのかも知れませんが、それに比して民間側が約3割にとどまっているのは、ひとたび不祥事があると、それだけで、公務員全体の倫理感が低いものと見られてしまうことによるものかも知れません。いずれにせよ、官民の間では認識に大きな差異があるという結果になっております。
 なお、2,000人の自衛隊員全体と、贈与等報告の対象となる行(一)5級以上、自衛官では3佐以上の者とを比較いたしますと、自衛隊員全体では約7割が「高まっている」との回答でしたが、一定の階級以上となります贈与等報告の対象者では約9割が「高まっている」と回答しております。
 この点は、倫理週間などの教育機会を増やしていることもありますが、当省における元次官などの事件を契機として、幹部隊員により強い危機感を抱かせるような結果となって、数字にあらわれて来ているのかどうか分かりませんが、逆に言うと、少し甘いとのご批判があり得るかも知れません。一般の隊員と幹部隊員との間においても、その意識に相違があるという結果となっております。
次に、「倫理規程で定められている内容について、どう思うか」という質問ですが、「厳しい」又は「どちらかと言えば厳しい」と答えている割合が自衛隊員では約6%、一般職では約26%、民間企業では約10%となっております。
 また、「倫理法・倫理規程によって、自衛隊員(公務員)が萎縮し、行政と民間企業等との間の情報収集、意見交換等に支障が生じていると思うか」という質問ですが、「そう思う」又は「ある程度そう思う」と答えている割合が自衛隊員では約17%、一般職では約50%、民間企業では約25%となっております。
 先程の「倫理規程の内容をどう思うか」という質問と同様、「民間企業との間で支障が生ずるか」という質問につきましても、防衛省が一般職よりもかなり低い比率となっておりますが、自衛隊では、利害関係者等と接触するような部署や人間がかなり限られており、今回、無作為で抽出しておりますので、その他大勢の普通の隊員にとっては、そもそも利害関係者と接触する機会もほとんどないことが理由になっているものかと思われます。
 それを思わせるのが、先程の一定の階級以上の者からの回答結果なのですが、これを見ますと「厳しい」とか「支障を生じている」といった比率がそれぞれ自衛隊員全体の数値の2倍又は3倍となって、一般職の割合に近いものとなっております。
 贈与等報告の対象となる一定階級以上の者では、それなりの地位にも就いており、普段から民間の方との付き合いとか、また、それを自制したりしておりますので、その結果、意識も高くならざるを得ず、自衛隊員全体よりも「厳しい」あるいは「支障がある」とする回答が増えていると想像されるところです。
 最後に、「自衛隊員(公務員)の倫理保持の状況を踏まえると、現在、自衛隊員(公務員)の姿勢として不足している、あるいは更に求められると思うものはあるか」という質問に対し、必要だと思う順番に3つの複数回答を選択させております。
 1位から3位までに選ばれたものの合計数で見ますと、自衛隊員では、「自衛隊員としての使命感、責任感」が不足している、あるいは更に求められるとの回答になっているのに対して、一般職と民間企業では、「国の予算の財源は国民の税金であるという自覚」が不足しているとの回答が最も多くなっております。
 また、1位として選ばれたもので、最も多かったのが、自衛隊員では、先程と同じ「自衛隊員としての使命感、責任感」でしたが、一般職と民間企業では、「国民全体の奉仕者であるという自覚」でした。
 これは普通の自衛隊員は、特殊な勤務環境の中、訓練に励み、使命感や責任感をもって任務を遂行するように教育・指導されていることが、この回答に反映されているのかも知れません。
 そして、そのように思われますのが、一定の階級以上であります贈与等報告の対象者では、1位から3位までの合計で、「国の予算の財源は国民の税金であるという自覚」が最も多くなり、1位として選ばれたものも「国民全体の奉仕者であるという自覚」が最も多くなって、一般職や民間企業と全く同じ結果になっております。ある一定階級以上になりますと、勤務体系や職務内容がむしろ一般職に近付くなどして、同じような意識になっていくものなのかと思っております。
 なお、今回は、すべての質問につきまして、集計・分析を終えることができませんでしたが、後日、改めて全体をご報告させていただきます。
 また、現在、面接調査を伴います意識調査Ⅱの準備をすすめており、こちらは、利害関係のある事業者等との接触が多い補給処等の調達機関に所属する調達関係職員を中心に聞き取りをするというものですが、早速、明日から面談を開始する予定としております。こちらの意識調査Ⅱにつきましても、併せてご報告させていただきたいと考えております。
 説明は以上です。

栗林会長 ありがとうございました。これにつきまして、ご質問あるいはご意見がありましたらお願いいたします。

栗林会長 このアンケートは、現在、回収中とのことですが、ある程度のところで打ち切って、完全な集計をしますよね。その際、どのように分析なり公表なりを行うのでしょうか。

服務管理官 むしろ、この場でご議論を頂戴したいと思っているところなのですが、結果の取扱いにつきましては、今後、集計がすべて終了した時点で検討したいと考えております。

委員 「倫理規程の行為規制全般に対する印象」という質問ですが、これは、自衛隊員の倫理規程が一般職とか民間企業からどう見られているかと、そういう意味ですか。

服務管理官 いいえ、これは自衛隊員、一般職、民間企業のそれぞれが自分自身で厳しいと感じているかどうかです。

委員 それから、「自衛隊員の倫理感の変化」という質問では、民間企業の分は、民間企業の人が考える倫理感ですか。

服務管理官 民間企業の人が国家公務員の倫理感がどうなっていると思うのかということです。

委員 それは、自衛隊員と一般職をまとめてということですか。

服務管理官 多分、民間企業の方には自衛隊員も一般職も区別がつかないのでなないでしょうか。まとめて公務員という感覚で回答しているのではないかと思います。

栗林会長 今後、完全にまとめた際には、そうした違いや意味合いについての説明も入れた形で整理していただきたいと思います。

委員 これを見ますと、面白いことに一般職の人と自衛隊員とでは、ほぼ同じような結果になるのですね。不思議な位、一致していますね。

服務管理官 そうです。それぞれ約7割が自分達の倫理感はそれなりに上がっていると感じております。数値がほぼ一緒だったのは、ちょっと偶然なのですが。

委員 意識調査の調査対象者2,000人を無作為で抽出されたとのことですが、個々の隊員へは、その調査票をどのように届けたのでしょうか。部隊を通じて配布したのか、個々の隊員へ郵送したのか、どんなふうになっているのか教えてください。

事務局 調査票の配布につきましては、各幕僚監部等からそれぞれの部隊等を通じて配布しておりますが、回収については、返信用の封筒を同封しておりますので、それで直接郵送なり、部隊等の担当者へ持参するなりして、回収をしております。

委員 そうですか。各部隊の方では、誰が調査対象になったかは、分かる状態にあるということですね。

事務局 はい、分かると思います。

委員 はい、分かりました。

栗林会長 余談ですが、99%とは相当高い回収率ですね。

委員 ちなみに、一般職の方では、どのように公表したのですか。

服務管理官 これは報道資料と言う形になっておりますので、おそらく人事院の方で記者クラブなりにピンナップしたものと思われます。

事務局 また、国家公務員倫理審査会のホームページにも掲載されております。

栗林会長 一般職の回答率はどの位だったか出ているのですか。

事務局 はい、81.1%です。

栗林会長 そうすると、さすが自衛隊は、回収率が高いですね。ところで、この調査は、いつからやっているのですか。今回が初めてですか。

委員 報道によると、18年の前回調査とあり、官民の差が拡大と書いてありますけれど、前回が18年なので、3年毎に定期的にやっているものなのでしょうか。また、そのアンケートの結果は、どのように利用されているのでしょうか。

服務管理官 人事院では、平成12年の倫理法施行後3年毎に、15年、18年、21年とこれまで3回行っております。また、その利用目的としましては、色々な角度から幅広く意見を聴取して、今後の倫理の保持に関する施策に反映させたり、法改正等の参考にしているとのことです。

栗林会長 この調査は、大変良い試みですので、これからも引き続いて、できれば何年か後にまた実施していただき、過去のデータと比較するなりすれば、さらに良いのではないかと思います。

栗林会長 他にご質問・ご意見がなければ、「自衛隊員の倫理に係る意識調査について(中間報告)」は、以上といたします。

(6) 議題の議決等について

栗林会長 それでは、本日審議されました「第39回自衛隊員倫理審査会議事録」、「平成21年度第1四半期の贈与等報告書」につきまして、各委員に承認をいただきます。

(7) 閉会の辞

栗林会長 次回のスケジュールについては、委員の皆様のご都合を承りつつ、事務局より個別に連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 以上で、本日予定しておりました議題につきましては、すべて審議が終了いたしました。本日は、ご熱心にご審議いただき、誠にありがとうございました。

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