第32回自衛隊員倫理審査会議事録


日時
平成19年11月16日(金)13時30分~14時30分
場所
防衛省D棟6階第2省議室
出席者
(委員) 栗林会長、桐村委員、田中委員、田辺委員、川戸委員
(防衛庁) 森服務管理官 等
議事
(1) 開会の辞

会長 只今より「第32回自衛隊員倫理審査会」を開催します。本日は、ご多忙中のところ、各委員におかれましては、ご参集いただき、誠にありがとうございます。本日は、守屋前事務次官に係る接待疑惑等を受けまして、自衛隊員の職務に関する倫理の保持につきまして検討することを予定しているものでございます。
 では、本日の議題に入る前に、人事教育局長から、一言ご挨拶いただきたいと思います。

服務管理官 (人事教育局長代理挨拶)

会長 ありがとうございました。

(2) 守屋前事務次官の接待疑惑等について

会長 それでは、早速本日の議題に入りたいと思います。1番目の議題は、守屋前事務次官の接待疑惑等について、官房秘書課から説明をお願いいたします。

官房秘書課 本日は、お忙しい中お集まり頂きありがとうございました。報道等で既に接していると思われますが、先月19日に守屋前事務次官と山田洋行前専務とのゴルフ接待疑惑が報じられて以降、守屋氏から聞き取りを含め、事実関係の確認をし、その結果につきましては、先月23日の大臣の記者会見でその内容を発表したところでございます。それから、10月29日、11月15日に、それぞれ衆議院、参議院において証人喚問が行われまして、議員証言法の宣誓下における守屋氏による証言が行われたということでございます。
(証人喚問による守屋氏の証言等についてご説明)

会長 ありがとうございました。それでは、本件につきまして、ご意見、ご質問等がありましたらお願いします。

委員 防衛監察本部は、この件に関しては何か調査をしているのですか。

官房秘書課 防衛監察本部が、この守屋氏の事案を受けて、全省の課長級以上の職員に対して、網羅的な倫理規程違反、倫理規程が守られているかコンプライアンスの観点から監察をしているところでございます。

事務局 中程の資料にございます。特別防衛監察ということで、約420名を対象に実施しているところです。今、特別監察をしており、聞き取り等調査をしているところですが、ここで疑わしい事実が出てくると、我々が調査の手続をとり、先生方にお願いするわけですが、それ以外につきましては、後ほどご説明いたしますが、制度面の欠陥がないかなど検証をいたしておりまして、緊急に処置すべきものとして、準備をしているものでございます。

委員 私の理解するシステムで行くと、倫理監督官は次官ですから、そこで問題が起こった場合には、大臣が直接やるということはないでしょうから、総括倫理管理官は倫理問題で一番近いところにあることから、人事教育局長が調べるということにはいかないのですか。

服務管理官 事務次官は内局ということではないのですが、内局の懲戒処分を担当している秘書課ということで行いました。どちらがやってもいいとは思いますが、特命的に指示されたということになると思います。特別監察につきましても、総括倫理管理官であります人事教育局長が420名をそれぞれスタッフを作って分担してヒアリングをするという方法もあると思いますが、今回は、監察本部という組織を使って、特別監察をやろうということを上部で判断したということでございます。

委員 少し話はそれますが、今度のことで、非常に気になるのは、新聞報道は本当かどうか分かりませんが、あれだけやっていれば周りの人は気付きますよね。気付かないということはあり得ないですよね。そのときに、中から訴えようとしたら、職員はどこに行けばいいんですか。

事務局 自分のところの倫理管理官です。

委員 それは、飛び越えても構わないわけですよね。

事務局 今は公益通報制度もあります。

委員 それは、どこに行くのですか。

事務局 公益通報は、官房文書課にいきます。官房文書課が一番ふさわしい、調査するところに割り振ることになります。

委員 その辺をきちんとしなければ、我々がこれまで何回もやってきたことが、非常に虚しいくなります。

委員 それまでは、受け付けていなかったのですか。

事務局 受け付けないというわけではないのですが、いわゆる公益通報制度という枠組みでは受け付けていなかったということです。ただ、そういった情報があれば、当然こちらのほうに流れてくるはずでございます。

委員 防衛監察本部というのは、以前はなかった組織だと思いますが、図で見ますと、陸海空幕僚監部に対する監察も行うとなっておりますが、これは、防衛監察本部というのは、強制権限を持っているのでしょうか、それとも実際上の内部監察的なものなのでしょうか。

事務局 特別の権限は持っておりません。ただ、組織的には独立し、大臣直轄で、直接的に監察できるというものであります。

委員 それは、陸海空の各部隊にまで及びうる権限を持っているということですね。

事務局 はい、そうです。

委員 陸海空に警務隊というのがあると思います。それは強制権限をもっていると思いますが、陸海空の警務隊の権限は内局には及ばないのですか。

事務局 警務隊は司法警察職員でございますが、その権限は自衛隊法第96条に定まっております。基本的には、自衛官、陸海空統幕に勤務する事務官が犯した犯罪を一義的には捜査をします。但し、その人達に関係のあるその他の人の犯罪であるとか、施設内の犯罪であるとか、例えば、市ヶ谷駐屯地で起きた犯罪については、自衛官だけでなく、我々のようなシビリアンについても対象となります。

委員 ここは、部隊としては、陸上自衛隊ですか。

事務局 ここの管轄は陸の警務隊です。

委員 内局の職員の退職発令や懲戒処分の発令あるいはそれに関する事務はどこですか。

官房秘書課 官房です。

委員 依願退職発令をする際に、現職中に何らかの非違行為がなかったか、明らかになっていない懲戒処分の対象事由があるなどといった場合には、そういう調査などは通常行われるのでしょうか。依願退職の発令をするときに、退職金は当然のごとく支払われるわけでしょうか。

事務局 規律違反の疑いが明らかにあるときは、退職を認めないという制度がございます。仮に辞めてしまい、この者が逮捕されて、禁錮以上の刑を受けるという場合には退職金は返納されます。これは、退職手当法で返納されます。もしくは、逮捕され、起訴されている間に退職した場合については、払わないことができることとなっております。

委員 いずれにしても、退職金の支払いの問題についてでありますが、一旦、退職発令をしてしまった後に、退職発令を取り消すというのは今までやっていないのですか。

事務局 はい、返納手続以外はやっておりません。

委員 退職発令をするときに、例えばひき逃げ事故を起こして隠しおおせて、そのまま退職したら、少なくとも懲戒免職処分を受けることはない状態のままになりますよね。明らかになっていない場合ですね。ところが、ひき逃げで事故を起こしましたと申告したら、懲戒免職処分になるかもしれませんよね。

事務局 はい、その場合、退職を認めませんので。

委員 ですから、逃げ得を許すというようなことが一般的にあり得る、退職発令の仕方になっているのは、おかしいのではないか。つまり退職発令そのものに瑕疵があったということで、退職発令を取り消した上で、懲戒免職をするなり、もう一度やり直すべきだと私は思っているわけですが、一般職の国家公務員法でそのようなことはできないのだと解釈されているわけなので、それは運用上できないというのであれば、立法措置をとってでも、そういう場合には、退職発令を取り消して、もう一度元に戻した上で、懲戒免職をするなり何なりすべきであると思っております。防衛省でもご検討いただければと思います。

事務局 今まさに、その制度についてですが、実はこの事案を契機として、先日、総務大臣の呼びかけで、先生がご提案された制度を政府として今後検討するという状況にあります。

委員 そういう状況にあるとは今まで存じませんでしたので、是非、それは進めていただくべきだろうと思います。

委員 防衛監察本部とこの審査会との関係はないのでしょうか。

事務局 審査会とは関係はありません。

委員 しかし、対象にする事案はかなり近寄っていると思いますが。

服務管理官 特別監察で倫理法違反が見つかると、こちらの審査の範疇に入るということなので、直接の繋がりはありません。

委員 今回の場合は、特別監察を実施するという特命が下ったので、そちらで中心でやり、こういういうときには、通常の倫理問題と違って、総括倫理管理官の手を離れるということですか。

事務局 特別防衛監察で分かったことは、直接大臣に上がりますので、大臣がそのような違反を認識し、疑いがあると思料するときは、自衛隊員倫理法第12条に基づいて、倫理審査会に調査を命ずるという仕組みになりますので、あくまでも防衛監察は端緒でございます。

会長 では、この議題については以上とし、次の議題に移ります。

(3) 自衛隊員等の職務に関する倫理の保持に関する措置について

会長 次は、「自衛隊員等の職務に関する倫理の保持に関する措置」についてであります。事務局から説明をお願いします。

事務局 今般の事案が発生し、特別監察をやっており、当面はっきりと規律違反が分かっているのは、守屋前事務次官、その者の昨日の喚問で出た名前の者であります。その他は新聞情報であり、どのくらいの人数が違反を起こしたか分からない状況の中で、それでも防衛大臣が、至急手を打てるべき措置を検討せよということから、今検討しておりますのが、こちらにある3つの項目でございます。
 今回、倫理監督官がこのような事案を起こしたということから、異例ではございますが、防衛大臣から倫理監督官あてに、幹部職員等の規律の緩みが生じていないか点検せよという旨の通達を発出するものです。防衛省にも自衛隊員の他に約30名ではございますが、一般職の者もおり、国家公務員倫理審査会長から倫理監督官あてに同様の趣旨の通達が来ておりますので、この二つを受けて、倫理監督官から、総括倫理管理官、各機関等の倫理管理官あてに通達を出すものでございます。その通達の中身につきましては、実際にそのような不祥事、事案が起きていないか点検するものでございます。
 そして、次の取組ですが、大臣の指示があったもので、自衛隊員倫理カードになります。自衛隊員倫理教本は、一定以上の者には配布しておりますが、内容が難しく、また、配られても活用されにくいということから、もっと簡単明瞭に書いたものを全隊員に常時携帯させよという趣旨で作成の命がありまして、これを20数万の全隊員に配布するものでございます。内容については、隊員に分かり易くということで、このような行為はダメだ、こういう行為をした場合にはこういう処分になるということを明示し、かつ、肝心なところは、疑問があったら勝手に判断しないで、倫理管理官に相談しなさいと、相談先を記入したカードを配るというものでございます。
 それから、最後でございますが、平成17年度から実施している自衛隊員等倫理週間ですが、今年度も1月に予定しております。従前にも増して内容を充実させるといったことで、今後検討をするところでございます。例えば6月に作成した倫理ビデオを期間中に全隊員に再度見せるなどといった内容を盛り込みまして、周知徹底いたしたいと考えております。
 以上が、当面の職務に関する倫理の保持に関する措置でございます。

会長 ありがとうございました。ご質問あるいはご意見がありましたらお願いいたします。

会長 先程の委員の質問に関連しますが、防衛監察本部がこの度は特に、特別防衛監察ということで行うということと、倫理管理官の権限との関係ですが、倫理管理官の仕事は違反行為があった場合には大臣に報告することになりますよね、今回は、倫理管理官は脇において、特別監察でやるということですよね。

服務管理官 今回は、レベルの高い者、本省の課長級以上、自衛官でいうと将補以上の者に特別監察ということで、大臣の直属である防衛監察本部でヒアリングするという措置です。その中で、ゴルフを利害関係者としていたなどという事実が明らかになった場合には、改めて倫理法に基づく措置をとることになりますので、今回については端緒を発見するということで、具体的な倫理法違反を調査するという観点ではございませんので、倫理審査会との権限との重複があるとは考えておりません。

会長 その点を明確にしておきたかったところです。

委員 やはり、これだけの長い間違反行為が行われていて私どもは知らず、また、私どもは上がってきた案件だけを審査しているということに、この会は何だったんだと思ってしまいます。このように特別監察をやっているということで、時々はこういった形で一斉に聞いてみるとか、なにがしかの働きかけをしないと、誰かから告発がないと審査会はやっていないということになるわけではないでしょうか。何のためにこのような大きな組織を作ったのか、この機能はまだまだ発揮されていないのではないか。もちろん教育は大事ですが、一年間に一度、きちんと聞いてみるとか、何かやっていかないとと思います。

服務管理官 確かに、今回こういった事案が起きたことからこそ、特別監察を行ったわけですけれども、やはり、今回の事案を契機に反省材料として今後の取組の検討の資としたいと思います。

委員 このように長期間にわたって違反行為が行われていたということは、かなり根が深いのではないかと思います。やはり、定期的に調査するなどあると思いますが、公益通報制度などは今まであまり機能していないのではないかと思いますが、どうですか。

事務局 はじまったばかりですので、まだ周知が行き届いていないのだと思います。

委員 9月に始まった倫理法等の違反行為の通報以外についても、それほど機能していないのではないかと思います。やはり、周知徹底しないと、一度こういうのを作りましたというだけでは、皆さん頭からすぐに離れますし、また、やはり自分の身を考えますから通報しても不利益を受けないことを周知徹底しないといけないと思います。

委員 今度の案件は、特別監察で調べた後に、総括倫理管理官に報告は上がってくるのですか。

事務局 これは、仕組みとして、大臣の命を受けて実施しておりますので、監察監は、直接大臣に返すいうことになります。

委員 では、大臣案件で、倫理関係があったら、下りてくるということですか。

事務局 はい、大臣が直接認識いたしますので。

委員 これは、ここで審査しているレベルでは片付かないと思いますが、国民皆がそう思っていると思いますが、長い間続き、しかも、堂々とやっているような感じです。それをちゃんと言う侍がいなかったというのは、企業であれば完全に組織ぐるみと言われます。上意下達が厳しい社会だから黙ってましたと言ったら、そういう忠君の士は出てこないのかという話になってしまいます。出てこなかったというのは、組織的な大きな問題ですよね。

官房秘書課 今、上級幹部の所在を把握するための処置を大臣官房で検討しているところです。

委員 周りで気がつかないということが不思議だと思います。企業でも社長がちょっとおかしなことをすれば、社長は辞めさせられるなどの仕組みがあります。取締役会で社長を辞めさせるわけで、株主総会は取締を選任して、取締役会で社長を互選で選ぶわけですから、それは勇気のいることです。これは、お金をもらったというだけではなく、経営に失敗したというだけでもやられるわけですよ。

委員 GPSをつけるにしても、次官の秘書がついているわけですからね。

官房秘書課 休日中に秘書官が張りついているわけではありませんので、休日の行動把握というのは、なかなか完全とまではいきませんが。

委員 それは、ある省のトップとしてはおかしいですよ。社長であれ、役員であれ、全部秘書は掴んでいます。何かあったときに、すぐ連絡が取れなかったら、まして、国防のところで連絡がとれないというのはあり得ず、そのために秘書がいるわけです。責任を持つ以上は、休日はフリーというわけにはいかないですよね。普通の自衛隊員でも、招集がかかったら来られるような連絡体制が引かれているではないですか。

会長 先程、委員の先生からご意見がありましたように、この審査会は上がってきたものだけを審査しており、もっと他にあるのではないかといった懸念はいつもあったわけです。この審査会の権限が倫理法の中にありますけれども、倫理規程に関すること、懲戒処分の基準、倫理の保持に関する事項に係る調査研究及び企画、企画というのはビデオを作ったということなどですかね。自衛隊員の職務に係る倫理の保持のための研修に関する事項、最後のホですが、自衛隊員倫理規程の遵守のための体制整備に関する事項ですが、これはどんな範囲のことをいうのか、どのようなことが私どもとして言えるのか。私の考えでは、もっと違反事項について発掘の努力をしてほしいということを、私ども審査会から防衛大臣に向けて意見書を出そうかと、そのくらいのことをしなくてはならないのではないかと思っているところであります。今日の町村官房長官の記者会見でありましたが、防衛省改革の全般の有識者会議をこれから設立して2月に答申を出すということもあるので、そういったことと絡んで、それを見てからでもという気もありますが、皆さんはそれについてどう思われますか。

委員 危険なところで働いている自衛隊員も一杯いるわけですから、この際、きちっとしないと、それこそモラルハザードですよね。守屋さんに対してと同時に、それを隠しおおせた周辺に対し、一般の自衛隊員は怒っていると思います。それは、ものすごい不信感だと思います。

委員 何か仕組みを変えていかないと、そういったことが表に出るような形にしないといけませんね。

委員 やはり、このことについて皆さん大変危機感を持っていますよ。一自衛隊の問題ではないですね。全体が同じに見られるという危機感をもっています。それは、国の信頼が揺らぐということですよ。外国での報道もかなり出てくるでしょうから、部屋の中で考えているよりは遙かに大きな問題を与えられていると思います。

会長 どういうアクションを審査会がとるかということを含めまして、来月定期の審査会がありますので、その際、先生方のお考えを頂いて、また議論したいと思います。これで本日の審査会を終了いたします。本日は、ご熱心に討議を頂き、誠にありがとうございました。

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