自衛隊員のメンタルヘルスに関する検討会 議事要旨
(第3回会議)


 会議の日時
 平成12年9月14日(木)1000~1200
 会議の出席者
 高橋委員、村井委員、渡邊(忠)委員、福間委員、下園委員
 柳沢人事教育局長、河野1等海佐、佐藤2等空佐、宮脇3等陸佐、上瀧人事第1課長(事務局)
 議題
 自衛隊員のメンタルヘルスを改善するための施策について
 議事の概要(主な討議内容)
 まず、次の内容で討議を進めることを合意
 メンタルヘルス活動のシステムの形成
 メンタルヘルスに関する意識改革(啓発)
 服務指導、カウンセリング、医療など各メンタルヘルス活動の改善・充実
 メンタルヘルス活動のシステムの形成についての討議
 メンタルヘルス活動を一貫性・継続性あるものにするために、理想的には、 メンタルヘルス活動全般を統轄する組織を新たに作るべきである。
 当面は、防衛庁本庁内部の各担当部署のメンタルヘルスに関する役割、責任区分を明確にし、連携を強化することが必要である。
 中央から部隊にわたる全てのシステムを同時に整備してゆくのは困難であるので、整備の優先を考えるべきである。
 隊員の階級や年齢に応じて多様なメンタルヘルス活動ができるよう、多様性のあるシステムにしなければならない。
 メンタルヘルスに関する意識改革(啓発)についての討議
(意識改革の方法として)
 メンタルヘルスに関する啓発を目的とした講義を、全隊員に対して実施する。
 指揮官が訓話等でメンタルヘルスに関して言及する。部内刊行物にメンタルヘルス関連記事を継続的に掲載する。
 メンタルヘルスのスタッフが部隊等に足を運び、実際に隊員をサポートする活動をする事により、メンタルヘルス活動がどのようなものなのかを隊員に実感させる。
 組織の上層部に対する意識改革が重要であるので、実行に際しては、上層部に対するアプローチを更に検討する必要がある。
(メンタルヘルスの定義についての討議)
 意識改革を図る際に、自衛隊にとってメンタルヘルスとは何かを隊員にわかりやすく表現する必要性があるということで認識が一致した。各委員からは、自衛隊にとってメンタルヘルスとは何かについて
 最終的には、精強な隊員を育成することである。
 精神疾患や強いストレス等への対応、自衛隊員としてより良い人生を送ることへの支援の2層からなる。ただし施策の重点は、に置くべきである。
 危機に際して、心理的に破綻しないための施策が中心となる。この際本人だけではなくその周囲の人に対する支援も重要。
 等の意見があった。なおこのテーマについては、次回の検討会でも再び討議することとした。
 服務指導についての討議
 多様な価値観に対応するために指導マニュアルを作成するべきである。
 指導者に対して、部下とのより良い関係作り等のトレーニングをするべきである。
 カウンセリングについての討議
 待ち受けでないカウンセリングを実施する要領、プライバシーの保護を確保する要領、服務指導組織との連携の要領などを具体的に規定した行動基準のようなものを作成すべきである。
 能力の高いカウンセラーを育成するために、人事管理と連動した教育体系を整備する必要がある。
 病院・医務室についての討議
 精神科の入院施設のある病院にメンタルヘルスセンターを設置し、地域のプリベンション、インターベンション、ポストベンションの中心的役割を担わせるべきである。
 医務室勤務の医官に対し精神科の基礎的事項を教育し、身体症状を訴える隊員の中に潜む精神的問題の早期発見、早期治療につなげるべきである。
 精神科医官を計画的に育成すると共に、臨床心理士、作業療法士、ケースワーカー等の導入を図ることが必要である。
 指揮官・医務室、カウンセラーの連携についての討議
 統一されたメンタルヘルス活動を実施するため、また、特別な事案に共同して対処するため、駐屯地等毎に指揮官・医務室、カウンセラー等からなる「駐屯地等メンタルヘルス委員会」を設置する。
 メンタルリハビリセンターの整備についての討議
 病院と部隊との中間施設として、メンタルリハビリセンターを設置し、復職までの間の精神的リハビリの促進や、復職調整を実施する。
 メンタルリハビリセンターでは、酒害対策のための断酒会、グループミーティング等を実施することも有効である。
 メンタルヘルスに関する研究についての討議
 特殊ストレス、デブリーフィング、メンタルヘルスに関する教育、自殺事故等の原因・特性等について研究すべきである。
 自殺、セクハラ・いじめ等の事案の対応についての討議
(自殺防止)
 「うつ状態」を重視した予防教育を実施すべきである。
 重点を指向した観察・心情把握が必要である。
 相談窓口の広報を徹底すべきである。
 群発自殺の防止等ポストベンションも重視すべきである。
(セクハラ・いじめ対策)
 加害者側の意識改革を重視すべきである。
 隊員の人間関係やストレスの継続的な把握が必要である。
 厳正な調査及び処分が必要、また、その間に被害者が更なる心理的ダメージを受けないように注意すべきである。
 相談窓口を多様化すると共に、セクハラ対策として女性の相談員・カウンセラーを育成・配置する必要がある。
 その他の意見
 指導者が、精神的問題を抱える隊員にどう接したら良いかに関する視点からの提言も必要である。
 女性隊員の精神的な問題は、顕在化しにくく対応が難しい。特に女性隊員に対する考察も提言に入れるべきである。
 採用・援護の充実、環境整備についてもメンタルヘルスに影響を及ぼす。
 メンタルヘルス活動が実施された後の評価を確実に実施し、逐次改善してゆかなければならない。
 これまでの検討結果を福間委員が「提言案」としてまとめ、次回の検討会(第4回会議)では、その「提言案」を討議することとした。

ページの先頭へ戻る