防衛庁・自衛隊における看護師養成の在り方に関する懇談会(第1回)議事録

 

日 時平成17年9月29日(木)10:00~12:00
場 所防衛庁第一庁議室(庁舎A棟11階)
出席メンバー:井伊久美子、黒岩祐治、竹尾惠子、西岡清、西元徹也、平野かよ子
  五十音順、敬称略)
 
参事官
   おはようございます。衛生担当防衛参事官の西山でございます。今日はありがとうございます。ただ今、北村防衛庁長官政務官が入室致しますのでそのままでお迎えください。
 

(北村防衛庁長官政務官入室)

参事官
   それでは早速でございますけれども、ただいまから「第1回防衛庁・自衛隊における看護師養成の在り方に関する懇談会」を開催させていただきます。座長が選任されるまでの間、私が議事進行を務めさせていただきます。よろしくお願いします。それではまず、北村防衛庁長官政務官からご挨拶をお願いします。
北村防衛庁長官政務官
   皆さんおはようございます。ただいまご紹介いただきました、防衛庁長官政務官の衆議院議員北村誠吾でございます。本日は大変お忙しい中、皆様方には「防衛庁・自衛隊における看護師養成の在り方に関する懇談会」の委員としてお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。厚く、お礼申し上げます。
本懇談会の開催にあたりまして、一言、ご挨拶を申し述べさせていただきたいと思います。本来でございますれば、大野防衛庁長官が出席致しましてご挨拶を申し上げるべきところでございますけれども、あいにく本日は参議院の本会議がございまして出席の要請があっております。誠に申し訳ないことでございます。大野防衛庁長官より、委員の皆様方にくれぐれもよろしくお伝え申すようにということを命じられておりますので、その旨ご了承たまわりますようお願いを申し上げます。
現在、防衛庁・自衛隊におきましては、自衛隊中央病院及び防衛医科大学校の3年制の高等看護学院により、看護師を養成いたしておりますが、昨今の自衛隊活動におきましては、東チモールでの国際平和協力業務、インドネシア、スマトラ沖の地震等における国際緊急援助活動、さらにイラクでの人道復興支援活動など自衛隊の任務の多様化に適切に対応していく看護能力が必要であり、他方、防衛医科大学校病院においては、高度先進医療を提供する特定機能病院として、医療の高度化・複雑化に適切に対応する高度な看護能力が必要であり、それらが、今、防衛庁・自衛隊に求められていると考えております。このため、3年制の看護師養成課程を4年制化することに関する長官指示により、庁内にプロジェクトチームを作りまして検討させているところでございます。係る検討に際しまして、防衛庁・自衛隊に必要な看護師等を如何に養成するべきかにつきまして、看護学に対する高度、専門的な観点はもとより、幅広い観点から、提言をいただく必要があると考えまして、今般、この懇談会を開催させていただいた次第でございます。終わりになりますけれども、就任頂きました、各委員の皆様方におかれましては、是非とも、防衛庁・自衛隊の現状をご理解いただきまして看護師養成の在り方につきまして、活発なご議論をお願い致し、ご提言をいただけますようお願い申し上げまして御挨拶とさせていただきます。
 

平成17年9月29日 防衛庁長官政務官  北 村 誠 吾

   以上であります。どうぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございます。
参事官
   どうもありがとうございました。早速ですけれども、お手元の資料Aに従いまして懇談会の委員の方々を私の方からご紹介させて頂きます。まず、兵庫県立大学看護学部教授の井伊久美子委員、フジテレビジョン報道局解説委員の黒岩祐治委員、国立看護大学校校長の竹尾惠子委員、横浜市立みなと赤十字病院院長で東京医科歯科大学名誉教授の西岡清委員、日本地雷処理を支援する会の会長で元統幕議長の西元徹也委員、国立保健医療科学院公衆衛生看護部長の平野かよ子委員、今日は、福岡県立大学看護学部学部長の安酸委員は所用があってご欠席ということでございます。
それから、初回ですので私ども円卓内に座っております事務局も紹介させて頂きますが、私のまず右から紹介させて頂きますと、長官官房企画官で看護の4年制化のプロジェクトチームの長をやっています土本企画官、運用局という局がありまして、そこの衛生官で原衛生官、陸上幕僚監部の衛生部長の加瀬将補、医大の方から、防衛医大の管理担当の副校長の岡崎副校長、それから人事教育局の教育課長の上原課長、それから、今日はオブザーバーとして、文部科学省と厚生労働省からも担当の方がお越しいただいておりますけれども、お名前は省略しますけれども今後いろいろと御指導をたまわりますようよろしくお願いいたします。
それから早速でありますけれども、懇談会の運営について事務局から説明させますので資料をごらんいただきたいと思います。原衛生官の方からよろしく。
衛生官
   説明省略
参事官
   また、これについてもご意見がございましたら後ほどお願いしたいと思います。続きまして、座長の選出でございますが、通常ですと互選という形になります。ただもう事前に各委員にはご了解頂いておりますので、その手間暇を省きまして西岡先生に座長をお願いしたいと存じますがいかがでしょうか。
各委員
   異議なし
参事官
   ありがとうございます。それでは、西岡委員が座長に選任されましたので、これより懇談会の進行は、座長の方よろしくお願いいたします。
西岡座長
   それでは座長にというお話ですのでこれから座長を勤めさせていただきたいと思います。本懇談会では、タイムスケジュールと致しまして年末までに「基本構想取りまとめ」あるいは「中間報告」を提出し、また、年度末までにその「最終報告」のとりまとめを行うということになっております。非常に短い期間でございますが、委員の方々に活発な御意見をいただき、また、ご協力頂きたくよろしくお願い申し上げます。
そこで、座長が副座長を指名するという形になっていますので、ここで副座長に国立看護大学校校長の竹尾委員にお願いしたいと思いますがいかがでございましょうか。よろしいでしょうか。
各委員
   異議なし
西岡座長
   ありがとうございます。では、竹尾委員どうぞよろしくお願い致します。
竹尾副座長
   ご指名を戴きました。補佐をして、助けていきたいと思います。よろしくお願い致します。
参事官
   それでは、恐縮でございますが、公務がございますので北村防衛庁長官政務官が退出させて頂きます。
防衛庁長官政務官
   どうぞ皆様方よろしくお願い申し上げます。失礼します。
西岡座長
   それでは、討議を開始させて頂きたいと思います。本日、防衛庁側から提出されております資料につきまして、事務局側から説明をお願い致したいと思います。
それでは、事務局の方から説明をお願いします。ご質問やコメントがたくさんあると思いますが、説明がすみましたところで是非とも活発なご意見をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。
衛生官
   資料E-①~④説明(省略)
西岡座長
   ありがとうございました。
今、防衛庁の看護の状況、特に自衛隊中央病院防衛医科大学の看護師養成に関する現状をお話し頂きました。また、さらに看護師を取り巻く環境ということで日本全体での看護教育のデータをお示し頂きました。何か、ご質問、意見ございましたら自由にフリーディスカッションということでお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
何かご質問、今のご説明に関してございませんでしょうか。
竹尾副座長
   今、看護についてずいぶん詳しくご説明戴きましたが、自衛隊病院では保健師さんとか助産師さんとかはどのくらい働いていらっしゃるのか、たぶん自衛隊の看護学校だけの養成ではないように思うんですが、どうしていらっしゃるのか。分娩件数など結構ありますけれども、どのようになっていますか?
よろしいですか。
陸幕衛生部長
   詳しい数値はちょっとすぐに回答できないんですが、保健師・助産師の養成はしております。それは各学年選抜して必ず毎年何名か出すようにしています。ちょっと詳しい数字はすぐには。
竹尾副座長
   今後、看護学校を四年制化していく時に、看護師だけではないと思いましたので、現実に他の看護職種も必要としている状況があるのではないかと思いお聞きしておいた方がいいかと思ったものですから。
西岡座長
   ありがとうございます。それでは次回までにそういったデータをご用意いただければ、またディスカッションの根拠になると思いますのでよろしくお願い致します。他に何か。
どうぞ。
井伊委員
   今の竹尾先生のご質問に関連すると思うんですが、学生の卒業生の方は全員そのまま病院に就職される人ばかりで、進学をするという方はいらっしゃるんでしょうか。いらっしゃるとすればどのくらいの割合で進学されるのかをお伺いしたいと思います。
衛生官
   実はですね、両養成所、高等看護学院とも文科省の専修学校に指定されておりません。ですから、進学ができないのが現実で、進学するとすると一から4年制に入るというかたちになって、いわゆる編入とかという形で現在はできていません。したがって、現在ほぼ全員が就職している。両学院ともですね、それが現状です。
それと、あと、卒業して何年か勤められて、例えば、昔でいうと、今日ご欠席の安酸先生は確か、3年ぐらい勤められて、やめられて四年制に一から入り直して勉強されたという形で。いわゆる看護師をとって、他の養成所では専修学校の指定をとっていますので、例えば四年制の三年目に編入ですね、そういう制度があるようですけれども、実は自衛隊の養成所はですね、部内の職業教育的な位置づけになりますので専修学校がとれていない。したがってそういう形の進学は、ないというのが現状でございます。
西岡座長
   どうぞ、黒岩委員。
黒岩委員
   少子高齢化社会が進むにつれてですね、ナースの養成っていうのはどんどん必要になってくる、そういう中で、最近希望者が減ってきている、この現状はなぜなのか、それをどのように認識されているのでしょうか。
衛生官
   両看護学院とも難易度でみると結構高い、大学並みの結構高いところにあるんですけれども、これはやはり、少子化があるだろうっていうのもありますけれども、それプラス進学志向いわゆる、大学へ行きたいというような、高校を卒業する方々のですね、希望がある。まずは進学したい、そうするとたいてい四年制、それからできれば短期大学、それで最後に普通はこういう養成所みたいなところにくるんだと思います。
私の経験から行きますと、県で養成所を持っているところですが、どんどん下がってきたという経験もございまして、やはり、そういう高校卒業者の方々の進学希望というのがベースとしては非常に大きいんじゃないかなという風に考えております。
黒岩委員
   ということは、四年制大学になれば応募者は増えるだろうと、こういう見通しですね。
衛生官
   一つはそういう期待もあります。
黒岩委員
   そうすると、予算との関係になりますけれども、ちょっと先食いしすぎているかもしれないんですけど、議論が看護学校を大学化するためにはどれくらい予算が増えるのかというあたりはどうでしょう。
衛生官
   そのあたりはまだ積算はしておりません。例えば、教員にしてもですね、看護師の今の三年制の養成所でそれぞれ15名と8名を専任教員としてもっていますけれども、教員の数としては、それをまた増やさないといけないというのも当然ありまして、定員的にもやはりかなり負担がかかるという風に考えております。ただ、予算的に、金額的にどれくらい増えるかというのは、今現在全然試算をしておりません。現段階では、まだそこまで計算をしておりません。
西岡座長
   黒岩委員、何か特別な、このぐらいの枠であればいいとか、なにかそういったご意見でございますか。
黒岩委員
   今日は、その話、出なかったんですけれども、要するに四年課程にしたいということですよね。基本的にこの懇談会の目的というものは、今日はその目的が出てこなかったんで不思議に思ったんですけれども、四年制にしたいということであったよと。
私は最初その話を聞いたときにすればいいじゃないですか、何が問題なんでしょうかって思ったんですね。だから、わざわざ何を検討するのかなと。資料を見ても、世の中の大きな流れは看護大学、四年制の教育が当たり前になってきているという状況の中で養成所をいつまでも持っているということ自体がおかしいのであって、それは、四年制にすればいいじゃないですかということで、もう議論はそこで終わっていると思ったんですけれどもね。ただ、まあこういう検討会で我々が意見を言うのならば、そこでいろんな、こう、そこから見えるいろんな問題点も改めて我々が浮き彫りにした方がいいんじゃないかなと思って、私はここにやってきました。
そもそも、その、そもそもでいうとですね、自衛隊の医療っていうのは何のためにあるのかっていうところだと思うんですね。それはもう、医官、医者も含めた議論というのもある程度整理しないといけないのだろうなと。私自身が、こういう問題に取り組み始めたのは平成元年、今から16年前になりますけれども、救急医療のキャンペーンいうのをテレビでやっておりまして、その時に、救急車の中に医療がない。おかしい。プレ・ホスピタルケアが空白である。おかしい。アメリカにはパラメディックという救急救命の専門家みたいな人が救急車に乗ってる。救急車の中である程度救急医療を始めると。日本は何もしないで運ぶだけだと。おかしいってことで、まあ、2年間、延べ放送回数100回を超えるキャンペーンをやったんですけれども、その中でアメリカのパラメディックを見に行きました。アメリカのパラメディックっていうのはどうしてできたのかっていうと、原点は、ベトナム戦争の衛生兵でした。衛生兵は、医者ではないけれども医師に代わって現場でかなりの救命の医療行為をするの。その資格が、ベトナム戦争終わってから、パラメディックという資格になったのだということなのです。それを聞いて、日本にも衛生隊みたいな人たちがいるのだろうなと思って、それで自衛隊の衛生隊を取材したのがきっかけでした。そして、びっくりしたんですけれども、自衛隊は医療集団だということがわかったんですね。たくさんの医者もいるしナースもいるし、いろんな資格を持った人がたくさんいる。そんな中で、しかも自衛隊自身がそれを養成する機関までもっている。まさに、自衛隊、軍というのは自己完結型組織なのだなあということを痛切に実感して、あっ、これはすごいなと思って。ところが、その自衛隊のすさまじい医療の集団はいったい何しているのかと、何の為にあるのかといったら、有事に備えて待ってますって話だったんですね。そして、その自衛隊の看護学校へ行ってみたら人形相手に治療する訓練をしている。実際の自衛隊病院を取材してみると患者がほとんどいない、がらんとしているわけですね。で、話を聞いてみたらナースだけの問題ではなくて、ドクター自身も患者がいなくて困ってますと、不思議なことを言っていました。そして、患者がいないってどういうことかっていう、と医者にとっては非常に危機ですと。せっかく資格取ったんだからその資格を生かすために自分たちは臨床経験積み重ねたいと思うんだけれどもそういう場がない。どうしてそういうことになってるんだというと、自衛隊の病院というものはごく一部を除いて、防衛医大、中央病院等々を除いては一般の市民を見ることができないことになっているので、そして、われわれは非常に不安を覚えながら有事に備えて待っているという状況。非常に変だな。そんな中で、外枠だけはどんどん変わっていって、防衛白書なんか見ると自衛隊の在り方、多機能で弾力的な「実効性のある」防衛力。ただ単に、有事に備えて待ってますという自衛隊から変わってきた。という中で自衛隊の医療集団というものがいろんな使い方ができるんじゃないか。それは国際的な要請に基づいて答えることもできるだろうし、日本の大きな災害に対して非常に大きな力を発揮できるのじゃないか。そういう可能性を持ちながら封じ込められた存在の矛盾点を非常に痛切に感じてですね、まずは、自衛隊の医療を一般に開放するところからはじめなきゃいけないんじゃないかなという風に思いました。つまり、臨床経験というものを増やしていってもらうような形にしないと自衛隊の医官だっていうだけで臨床経験のない人がいきなり海外に出かけて行っても、何も役に立たないじゃないっていう風なことで、まあ思ったのですが。それからもう十何年もたってますけども、意外にもその点はあまりにも変わっていないっていうような現象があるいうことを踏まえながら、今、ここで自衛隊の看護だけ取り上げても、取り出してみてですね、看護の在り方どうあるべきなのかといった時に、今、この自衛隊の医療の在り方はどうあるべきであり、その中のナースは何が期待されているのかということを整理しないと、この議論は説得力のある、外に向かって拡がらない議論になってしまうだろうと思って、あえてそういうことを言いました。
西岡座長
   ありがとうございました。非常に良いご意見だと私も思っておりますが。実際には四年制にするということだけが目標ではないと思いますね。やはり、自衛隊・防衛庁の看護、これは看護というのは、医療の中で非常に重要なパートだと私も思っています。だから、どういったことをやるのか、どういったことを国民に還元できるのかという視点もやはりご議論頂くことの方が大事かなと。確かに今、看護大学がたくさん増えました。看護大学校を卒業して来られるナースの方々の実力が、かつての養成所の方と比べて、実地の面ではかなり劣っている部分があるというのが、現場から発言されています。確かにいろんなことは、よく教育されてご存じではあるのですが、ただ、大学という名前になって実践の部分から離れてしまった時の、実践部分が少なくなったというようなかたちのご批判も所々の現場ででているのですね。そういった面も考えながら、防衛庁それから防衛医科大学校、自衛隊中央病院の看護師にどういう役割を与えていくかっていうことも是非ともご議論を戴かないと、今まである四年制の看護大学と同じもの作ってもあんまり特徴がなくなってくるのではないかということで、そういったこともご議論頂けると非常にありがたいと私は思っております。是非ともご意見をお願いします。
竹尾副座長
   あの、今いろいろお話戴きました件で、大学校は増えていません。大学は増えましたけれど。大学を出てもあまり技術は上手くないのではないかという批判は確かにあるようですが。そういうことは、教育内容をいろいろ変えていくことで乗り越えられるのだと思うのです。大学校の発足の時に感じましたことは、今日は文部の方もおいでになっているようですが、文部系の大学と同じような大学、看護大学を作るのであれば、他省庁がそういうものを、作るということはできないようです。逆に言えば、文部でやらない、その省庁でやらなければならないというようなものが、出てこなければそこで立ち上げる意味がないし、議論するべきところはそこなのではないかと思っております。ですから、防衛庁が大学校を作る、看護系の大学校にするということは、やはりそれなりの、他の文部系の一般大学ではできないものがあるのだということを強く打ち出さなければ、設立の意味がないと思います。確かに一般大学ではこうした防衛庁で必要な訓練をやれっていうのは、ちょっとできないと思いますので、そこが当然、担うべき役割としてはっきりさせながら四大化に向けることはできるだろうと思います。看護学校を、他が大学化したから、防衛庁も四大にしたいというのはそう簡単にはいかないと思います。この場ではそういうことをきっちり、防衛庁としての看護の役割みたいなものを教育するということを、はっきり出していくことで設立する意味、四年制にする意味がはっきりしてくるのだと思っております。教育内容には、看護師教育も、保健師教育も、助産師教育もふくまれると思っております。
西岡座長
   平野委員どうぞ、お願いします。
平野委員
   お話を伺いますとこれまでの養成機関は専修学校にも位置付けられていないということは、教育を受けている学生が職員でもあるということかと思います。一般的には看護教育を受ける学生は職員ではありませんが、今後、4年制の教育を考えようという時、防衛庁の方向性としては、ここの懇談会で提示されたあり方で柔軟にお考えになるのか、あるいはあくまでも職員であることを前提とされるのか、何かお考えがあれば、お聞かせください。
衛生官
   今の点ですけれども、今現在、防衛医科大学校、防衛大学校、これはそれぞれ4年制、6年制ですけれども、で教育をして、大学評価・学位授与機構で、学士を戴いています。このそれぞれの大学校の学生はですね、「学生」という防衛庁独特の身分なんですけれども、定員にない職員ということで、「学生手当」を出しています。一般の自衛官ではなく、定数外の隊員という位置づけで「学生」といういい方をしています。今回考えています看護師につきまして、先ほど申しましたように陸上自衛隊の方は「自衛官」、医大の方は「非常勤の職員」。それぞれ処遇も違っているのですけれども、今回は、できれば、同じような形の身分を考えていきたい。その一つのモデルとしては、今、防衛大学校・防衛医科大学校でやっている「学生」というかたちで手当を出した形のものを考えていきたいというように思っております。
西岡座長
   どうぞ、黒岩委員。
黒岩委員
   平野先生のご指摘どおり、最初に予算のことを話しに持ち出したのはそのようなことがありまして、わざわざ看護大学校に切り替えるということを国民にむけて、この説得力をもって訴えなくてはいけないというように。ただ単に看護大学校になりますよ、だけだったらそれによって予算の変化がないならばあまり大きな問題にならないのですけれども、特に予算的には当然増えるだろうといったときに、どう、ここのところをクリアするか。国民にむかっては「なるほどね」というところ、それは自衛隊ならではの看護をするのだというところを打ち出してゆく、非常に大事だと思います。私は16年前に取材したときに医官をみてびっくりしたんですけれども、医官が訓練していました。それは大規模災害が起きたときのことを想定して、ヘリコプターに乗ってその医官がホバーリングしてロープをつたってどんどん降りていくという訓練でした。ヘリコプターからロープを使って降りてくる医者はそうめったにいないわけであって、それはまあみるからに明らかに自衛隊でないと出来ないな、自衛隊医官は大事なんだなとそのときに痛切に目に見える形で感じることができたのです。そうなるのだったら、ナースの問題も今、臨床実習というか非常に少ないままにナースとして社会にでて行く。看護教育の一般の看護教育の大きな問題点でもあると思うのですよね。だからそれは看護だけではなくて医者の教育も同じようなことがある。やはり臨床研修というものが。ですから多少提案ですけれども自衛隊で看護大学にして看護大学校にしてナースを送り出すためには、やはり徹底的な臨床に強い教育の在り方をやって、そしてそういうものがすぐに実践力になるようなナースを送り出していきますというようなことを宣言されてこの企画を始められると、防衛庁の中だけの話にとどまらず看護教育全体に対する大きなインパクトになるかなと、そのためだったら予算をそれなりに増やしても我々国民は納得しますよということであります。
西岡座長
   はいどうぞ
西元委員
   私は医療・看護には全くの素人なのですが、自衛隊の部隊を使う立場、そこから自衛隊の医療というものを考えますと大きく分けて平時における医療・看護とそれから緊急事態のときの医療・看護とがある。当たっているか当たっていないかわからないのですけれども大きく分けましてこの2つになる。平時において非常に大事なのは先ほどもちょっと説明にありました隊員の健康管理あるいは戦列から離れた者をできるだけ早く復帰させてあげる、言うならば、施設の整ったどちらかというと施設の整った場所できちっとしたケアをしてという、これが一つの側面であります。もう一つその非常に重要な問題として、先ほど黒岩委員の方から緊急事態に備えてという話がございましたが、緊急時における救急、基本は救急医療ということになるのだろうと思います。それは大きく分けまして2つの側面がありまして、一つは訓練、演習の場ですね。もう一つは災害派遣あるいは国連の平和維持活動、国際貢献援助活動、イラク人道復興支援活動などといういわゆる野外における活動ということ。野外における活動も本当に施設も何にもないところで応急的にする場合と、ある程度の応急的な施設である程度整った施設でやる、これはそのときの状態によって様々であるのではないかと思います。したがって、その自衛隊の医療・看護というのはどうしてもこの両面を兼ね備えた形を常に保持していかなくてはならないのではないかと考えております。そこでそのまさしく黒岩委員がおっしゃいましたけど臨床経験という問題がですね、私が乏しい知識で知る限り自衛官の医官はその臨床の経験がなかなか得られない。部隊の医官にいるよりはできるだけ中央病院に、一応、自衛隊で言えば中央病院へもどって行きたいという意向がでてくる。したがってもし余力があればその出た先で他の一般の病院との間を自由に交流できるような制度をやっぱり作ってやらないとこの臨床経験というのはなかなか得られないのではないかと思います。このように、そこでちょっと長くなりましたが最後に、その緊急時における主としてあまり施設のない場所における医療・看護という問題で徹底的に重要なのはチームワークであると考えます。自衛隊中央病院の高等看護学院における教育8ページの中に特に責任感・規律心を重視するとともに、協調的態度を育成するとありますけれども、これこそまさに自衛隊医療です。一つの非常に大きな特徴になると思います。すなわち集団でお互いで助けながら人を助けていくという、そこに非常に大きな特徴があると思います。だから3年間寝食ともに生活をし、そこから生まれるものというかいざとなった時、非常に大きな力が生まれる。
西岡座長
   皆さんから大変良い意見を頂いていますが、さて。
どうぞ。
平野委員
   資料のなかに衛生科隊員という職があり、教育訓練として病院を利用されているとありましたが、この衛生科隊員というのは、どのようなことを任されている方たちで、どういう能力が求められているのかについて、参考までにお教え頂けますか。
陸幕衛生部長
   衛生科隊員のほとんどは部隊に配置されており、中央病院でないあの自衛隊のその他に4個病院に准看護学院ができております。そこで准看の教育を2年、各県の試験を受けまして資格を持ちます。そして全員ではないんですけれどもさらに教育して、救急救命士の資格を取らせる。そういう隊員が各部隊の衛生科部隊に入って衛生科隊員になっております。まったく医療の資格がないというわけではありません。
西岡座長
   私も教えてほしいのですが、この自衛隊中央病院と防衛医大の方なのですが、実際には自衛隊関係の方の健康管理だと疾病に対する対策などが中心になると思いますが、どの位の患者を受け入れているのか、どういった形の患者を受け入れているのかというのはある程度のデータがございますでしょうか。といいますのは、ここでナースをその育成するため、あるいは医師もそうなのですが、それだけの、そのバックグラウンドがあるのかどうか、こういうことも検討しなくてはいけないのかなと。たぶん先ほど黒岩委員がいわれたように患者がいなくて困っているんだという状況であれば医師もいい方を育てることはできませんし、それからナースに臨床経験を積ませることも非常に難しくなってくるのではないかと思います。これは今日でなくて結構ですので、どういった形になっているのかというところを、その視野において、看護の4年制大学にするかという問題、自衛隊の各病院の医療がどうあるべきかということに関わってくると思います。次回の時で結構ですのでなんかそういったことを考える資料があればと思います。
どうぞ。よろしいです。
竹尾副座長
   これから大学教育をしていくことは私は当然のことだというふうに思うのですが、確かに先ほどから臨床の力は大事だと何かあった時何か手が動くのは当然のことなのですが大学化していくときには技術があればいいんだという議論だけで、じゃその4年間やればいいんだという話にもなっていかないと思うんですね。やはり日本の顔として、例えばその海外に出ていったり協力していくときに、単に技ができるとそれは褒められるのでしょうけれど、もっと広い視野でそこで何が起こっているのかというのがわかる、あるいは相手の状況を判断していけるような、例えばそういうものがあって技があって初めて役に立つのだろうという気がしますので、やっぱり4年の大学教育がいるっていう意味では、そういう見る目といいますか、全体をみながら実現化していくのだというそこをやっぱり、だからこそいるのだ、大学教育がいるのだ、広い教養がいるんだという、単に技だけではないということが出てくるんだと思います。ですからそこをやっぱり出すことと、防衛庁としての特徴ある活躍もその中にということをちゃんと出していくことで4年制大学が必要だといっていかなくてはいけない。今、私がここで申し上げたかったのは一つは防衛医大病院側のどっちかというと病院の看護師養成という色と自衛官として訓練を受ける学校とがありましてこれをどういうふうにもっていくのかということですね。私は自衛官として訓練した方が良いのかどうなのかあると思うのですが、実際に病院に勤務しているナースが海外などで非常時だといってバーッと出、引き抜いてやるわけにはいかないわけです。病院はそりゃ機能が停止してしまうわけです。そういうところの余裕といいますか、そういうものをもった上でこう看護師が出て行けるようにしておかないと。病院は病院であまっているわけでないので、10人も20人もでたら大変なことになるのです。ですからそのことも考えておかなくてはいけない。どういう形でそれをやったら一番いいかということをはっきるさせておかないといけないという、2つの面があるのです。
西岡座長
   竹尾先生がおっしゃるように2つ自衛隊中央病院の場合と防衛医大の場合と両方分けて考えなくてはいけないですね。どちらもその特徴付けをして頂かないといけないのかなと思います。今、先生がご指摘頂きましたように、やはり国際性といったことも一つのキーワードになるのかなというように感じておりますが。黒岩委員どうぞ。
黒岩委員
   実際に自衛隊の病院に行ってみると感じるのは患者が少ない。自衛隊というのはがっちりした人が多くて、あまり病気にはならないそうですよね、元々少ない。少ないのはいいことですよね。今、矛盾した論点が浮き彫りになっていまして、自衛隊の看護大学校で育てるべきは臨床のエキスパートを養成するといいながら、育てる施設、臨床経験が非常に少ない状況にある。ここをどうするのか。そこが最大の課題である。それは防衛庁の中だけで話していても無理な話で、防衛庁が各職域病院として断っている訳じゃなくて、それぞれの病院でオープンにして一般開放にしたら、大抵、地元医師会がだめだと、こういう構図があり、この構図はなかなか打ち破れない時に、逆の発想があるかなと思うんですね。日本の病院はナースが足りているのかというと、どこも足りないわけで。そこで逆にでかけていってお助けをするような顔をしながら、そこで臨床経験を積ませて頂くというか、そういう風な形があるのではないかな。特にみんなが嫌になるような仕事をむしろ、積極的にやっていくという風なことになったとき、ありがたがれて臨床経験は積めるんじゃないかな。そういうことも含めて考えていかないと議論は有意義なものにならないのでは。と思います。
陸幕衛生部長
   私、防衛医大の卒業生でした一人なのですけれども、ここへくる前は、自衛隊熊本病院で院長をさせて頂きました。先ほど黒岩委員がおっしゃるとおり、当病院ですと病床利用率が30%、病床数100床ですから、患者がだいたい30名くらい常時いる。中央病院ですとオープン化していますから、正確の数字ではありませんが、4、50%くらいの患者さんがいるという状況でございます。臨床例が少ないと、入院患者数ではそのとおりなんですが、外来ですと、患者数はいると。それもただ、一般の病院からすると、同等かというとやはり少ないという、その面で補足ということで、我が社はそれを放置しているわけではなくて、周辺に非常にいい公的病院、自衛隊と日頃お付き合いさせて頂いている病院が熊本日赤、熊本大学医学部付属病院、国立熊本病院、済生会熊本病院とすばらしい病院がありまして、そこにナースとか医者を受け入れてくれる機会があるんですね。そこに集中的に約1ヶ月から2ヶ月、交互にレベルアップを図っている。うちにない機材とかといったものも習得できるとか教育機会をできるだけ作るようにしています。それは制度的にきちっと確立したものは無いんですが、各院長はそういった工夫をして、できるだけいざというときの診療ができる体制をとるという努力をしております。
西岡座長
   ありがとうございました。
どうぞ
井伊委員
   また、違うことになるのですけれども、先ほど、専修学校でないので大学への編入学するような進学ができないという話だったのですけど、そういうことを学生は、分かって入学してくる訳なのですよね。ですから、学生のニーズがどれだけあるのかということについては、把握しておられるのか。ということと、でも3年課程は終わっているわけですので、助産師学校とか、保健師学校の専門学校にいくことは多分できると思うのですけれども、そういう希望の人たちがどうなのかということを伺いたいというのが一つです。それともう一つは、退職状況で卒後3年で30%というのは、平均的というか、他の自衛隊以外の病院でもこのくらいの、それが一年で10%とか退職をするっていうのは、多くもなく少なくもないのかもしれませんが、かなり、給与をもらって学んで3年でお辞めになるのかなって気になったりもするのですけれども、このようなことについてはどのような分析になるのでしょうか。
陸幕衛生部長
   自衛隊中央病院の高等看護学院を卒業した者の卒後の退職状況ですが、入校中に辞める学生がぱらぱらおります。それはほとんどの理由は進学を目的として辞めています。人数は3学年でみますとだいたい5%くらいです。221名学生がおりますが、12名が退職をしています。途中で辞めてその多くの理由は進学という実情でございます。
防衛医大 副校長(管理担当)
   防衛医大の方は、やめられる理由としては、結婚・出産のための退職や他病院へ移籍するとか、地方出身者がおられますので地元に帰るとか、あるいは先ほども話にでましたが、大学への進学とかそのような理由で退職しております。
陸幕衛生部長
   言い忘れましたが、先ほど説明しましたのは在学中に辞める数だったのですが卒業者の退職者の60%は結婚・育児で辞めております。だいたい年間6~70名。
黒岩委員
   看護師が辞めるっていうのはですね、これは防衛庁だけの話だけでなく日本のナース全体の非常に大きな問題だと思うんですね。ちょっと今データを持っていませんけど、せっかく正看護師の資格をとった人が1年目に辞めてしまう人が随分いるということですね。それはじゃ医者が資格を取って1年で辞めるのか、辞めないですよ。どうしてナースだけが辞めるのかといったところですが、せっかくの教育を受けて資格をもって出てきて病院に入ってきたら、あまりにも自分が受けた教育と現実とのギャップに悩まされて自信喪失というかやっていけないという気持ちになって辞めていく。しかも医療ミス等々のことがいろいろと騒がれている。またそういうことで自信を失ってということがあって。だからこそさっきからいっているようにこの4年制、自衛隊の中の防衛庁の中の看護大学校というのは本当にこの実践派という看護師を育てる。これがだから今の看護全体の中の一番の問題点、そこを突破するきっかけになるから非常に意義があると思いますね。
西岡座長
   前の大学病院では460人おりましてその内100人が毎年変わるんですね、辞めてどっかに移られるか、あるいはそのままオフィスのナースになられるかというような形になっています。まあこの3年間で30%という数字は非常に高い数字ではないように私たちは思います。非常に多くの方が転職されますし、今ご指摘があったように学校で習ったことと現実とのギャップが大きいということも理由になるかもしれません。ここでは特にデューティというものなどを課しておられるのでしょうか。ほとんど国費でまかなって教育しているわけですから。卒後何年間は関連施設等で働くとといったデューティはあるのでしょうか。
衛生官
   現在はございません。はい両方とも。自衛隊中央病院の方は、自衛官になってしまっていますので学ぶことが仕事ですので、それに対するデューティというのは、学ぶことがデューティになりますのでその後の縛りはありません。医大の方も縛りはありません。
西岡座長
   かなり優遇されているように思うのですね。私、今、赤十字におりますので、赤十字の場合ですとそういうことではなしに奨学金を各病院が出しておられるんです。その代わり卒業されたらそこに勤めて頂くと、それがいやなら奨学金を返して頂くというようになっているということがあるのですが、これはもう今後考えていかなくてはならないポイントだなと思いますけど。他にご意見は、今日は自由にいろいろなことをお聞き頂いて、今後こういった資料が必要だということをご指摘頂くとよいかと思います。
黒岩委員
   これは事務局の皆さん嫌がるとかもしれないのですけれど、今回准看養成について全く触れられていない。看護教育在り方、看護師養成の在り方を考えるときに准看の話を抜きにして考えることは違和感さえ覚える。ですから自衛隊の中で実際に准看護師養成が行われているわけですし、そしてそれがどの位の数がいて、どういうようにやっているのか。私は、准看師養成もやめて看護大学校で一本化するというのが適切であると考えます。准看護師養成がどうしても必要なのかという特別な理由があればそれを明らかにするべきであると思って。ですが今回細かい資料を出して頂いたのですが、准看護師養成の実態についての資料も出していただきたいなと思います。それで、基本的にいうと厚生省は准看護師養成の問題検討会で21世紀初頭に看護教育の一本化に努めるという検討会の報告書が交付されているわけですね。しかしそれが実際に実現できないというのは医師会等の抵抗があり、すんなりいかないところがあると思うのですが、国の方針として一応決まっているわけですね。それは国が防衛庁の中で必死に動くというのは当然のことで、むしろ動かないことがおかしいと思いますのでその点を是非考慮して頂きたい。
衛生官
   数だけいいますと現在、准看として1,800名います。養成所としては陸上自衛隊で4つ、海・空でそれぞれ1つ計6つ持ってまして、150人程度養成をしている。
西元委員
   今の問題は、自衛隊の医療の根幹に触れる問題だと思います。というのは准看の人たちがどういう役割をしていて何をしているのか、もう少しはっきりおっしゃって頂いた方がいいと思います。今、私も知識がないわけではないのですが、私が申し上げて間違える恐れもありますので、この件は何故それが必要なのかということを、もしそれを正看護師にしてしかも大学制にした場合にいったいどのようなことが起こるのか、それは根本的な防衛庁自衛隊の人事制度に間違いなく人事給与制度に波及すると思うのですね。だからその実態はみなさんご指摘のようにはっきりさせておいた方が良いと思いますね。
平野委員
   これまでのお話の中で、これから考えるにあたっては防衛庁の医療全体をみながらという話の一端として、今後どのような能力をもった看護職が期待されるかを考えるために、自衛隊関係の職員の方は、どういう疾患で入院や受診されているのか実態というのでしょうか、危機的な状況でのお仕事もあり精神的なストレスも非常に高いかと思います。非常に救急救命的な健康問題以外にメンタルな問題もあるのではと思いまして、受療の実態についての資料も提示していただけたらと思います。
西元委員
   今の先生のご指摘に関連して、非常に情緒的な発言になるのですけれども現在イラクの人道復興支援の中に看護師さんがいらっしゃってですね、イラク、場所はサマーワですが、毎日「今日もおつかれサマーワ」という放送があるんです。これがですね隊員の士気を維持し、その和ませるのにどれほど大きな力を発揮しているかというのを。実はその放送は看護師さんが主体となって、ディスクジョッキーをやりながら毎日毎日放送をしている。あの殺伐とした中でこれがどの位隊員の士気を維持し、部隊としてちゃんとした姿でいくために必要かということは、こんこんと、帰ってきた隊員から聞かせられました。非常に情緒的な一面なのですが。と申しますのは、そういう具合に全く違うところに野外に出て行った時に、今のような形で全然別な力を発揮する、これが看護師さんの一つの大きな役割なのではないかな。自衛隊という組織を考えればですね。
西岡座長
   ありがとうございます。この間の新潟県の地震でも心のケアだとかそういったものも取り上げられておりますが、課程の中のそのカリキュラムの中に入れていってもらわなくてはいけないのではないかと思います。
はいどうぞ。
竹尾副座長
   現実に、今、教育し実習をしているところがかなりないといけないのじゃないかと思うのですが、どんなところでどのように実習しているのでしょうか。カリキュラムそのものは出てましたが、多くの学生を教育するのは大変だと思うのですけど。たぶん中央病院だけでは済まない状況なのではないかと思うのですが。
陸幕衛生部長
   おっしゃるとおりでございます。自衛隊中央病院の場合は、ちょうど、敷地の隣にですね、国家公務員共済組合の三宿病院がございます。そちらの方は、民間にフルオープンされているので、そちらの方で、症例の補足は一般の高齢者とか女子に対しては、そちらの方が患者が多ございますので、そちらで実習して、数的には多分、普通の病院と変わらないと思います。
竹尾副座長
   私どももそうなのですけれども、精神科領域を含めいろいろなところへ実習にいかなければならないので、いろいろな科が必要で、患者さんがそこにいらっしゃらないと学生は勉強できないわけです。4大化していくにあたって実習の場所、学ぶ場所を考えないといけない。教育上のスタンダードなことがクリアされていないと教育の場としてふさわしくないので、そういったことも視野に入れて考えていかなくてはいけないと思いました。あともう一つは、国際性という意味で、日本国内の実習だけでなくて海外の実習も考えられます。私どもは2週間くらい学生を外国に出してますけれども、これはすごく大変ですけれども、そこから得るものは随分あるみたいです。ですから危険と隣り合わせなので出す側はらはらするんですけれども、一応安全に留意しながら実習にだしています。そんなことも視野に入れて訓練を考えられたらと思います。
陸幕衛生部長
   学生の期間中、海外に派遣という制度はございません。ただ卒業すると優秀なナースにつきましては、米軍のCombat Casualty Care Course、野戦戦闘のコース、これは陸軍がやっているコースなのですけれども、そういうコースに入れて野戦の戦闘状況を受ける看護、そういったものを学ばせております。期間的には2~3ヶ月です。卒業後です。
西岡座長
   どうぞ
黒岩委員
   今、急に思いついたのですけれども、自衛隊ならではのナースの在り方の一つとして、危機管理のスペシャリストがなくてはならん。病院で医療ミス等々のいろんなことがあったときにどのような対処ができるか。危機管理ということを考えたときにその専門職としてのナースの在り方を考えたとき病院の全体のことをわかっていながら、治療法などわからないといけない。まさにその危機管理というのは自衛隊がもっとも得意とすることであるはずのことですから、そういう意味でのスペシャリティといえるようなコースを作るというのも自衛隊ならではなのかなと思います。
西岡座長
   ありがとうございました。非常に重要なポイントだと思います。ひとつの売りになるのかなと思っておりますが。確かに今、病院の中では、ご存じだと思いますけれども、リスクマネージャ、ゼネラルリスクマネージャをほとんど、ナースの人がやっているというのが現状で、そういった意味で一つの分野として入ればいいと思います。それから国際的な活動は私も日が浅いですが、赤十字社にいきますと赤十字本社との関係で世界赤十字のいわゆる災害医療というコースがいっぱいあり、そういったものに参加させるといったようなことが、実際には行われております。自衛隊の機能と赤十字の機能は似ていると思いながら、お話を聞いておりました。実際、今日は非常にたくさんのキーワードをいただけたと思います。まだ、お時間がございますので、自由にご意見等を。
お願い致します。
井伊委員
   防衛医科大学校組織図の中に医学科と医学研究科があってこれは大学院に相当する内容であるとおっしゃったんですが、現行では看護師がキャリアデベロップメントというか、自衛隊員としては、やられるというお話がありましたけれど、看護専門職として学びを重ね得るシステムというか、それは現状ではどういうふうなプログラムがあるかということと、例えば、防衛医科大学校組織図の中の医学科と医学研究科というのは学部と大学院という関係であれば、看護師に対しても学習を積み重ねていくシステムが想定できるのか?学びを重ねるというシステムは必要だと思いますが。
衛生官
   それぞれでの教育過程がありますので、これについては次回に準備したいと思います。医大の方の医学研究科につきましては、もちろん、自衛官であればだれでもいいのですけど、基本的に今までは、ほとんどが医官です。歯科医官が過去に入ったことがありますが。それぞれ、陸海空の幕僚長の推薦のもとにきめておりまして、残念ながら看護師の資格を持っている方は入ったことはございません。門が閉ざされているというわけではないですけれども、現実的にはそういう形です。ほとんどが医官です。
西岡委員
   どうぞ
平野委員
   健康の危機管理につきましては、地方自治体の保健所においても健康危機管理が期待されてきていることでもあり、今後そういったところにも卒業生を考えていただけるのかとも思いました。また、別のことですけれど、防衛庁関連の養成機関に対する国民の期待ですが、資料をみさせて頂き、お金をかけずに学べるというメリットを期待している点があるのではないかと思いました。なぜ学生さんは、防衛庁関連の養成所を選ぶのか、国民側からはどのような期待があるのでしょうか? 経済的なことも多いのでしょうか。期待に関する資料があれば、次回で結構ですが、お教え頂けたらと思います。
衛生官
   資料は、準備致しますけれども、中央病院などで話を聞くと、仕送りをしている学生がいると、結構そういう方もおられます。それから、家族が自衛官である方もたくさんおられる。医大の方もそうです。どのような形でここを選んだのか、そういうものを示すものを次回までご用意します。
西元委員
   実は私も興味がありまして、というよりも、関心があったものですから、実際にフライングをしてある方にお話を伺ってきました。学生なんですが、これはどういうきっかけで知ったかといいますと、私、私的な若い方たちと勉強会で東北のある部隊長をなさった方から実はこういう人がいますというお話があったんですね。自衛隊の高等看護学院の試験に合格した者で東北大学教育学部を受験し、東北大学教育学部に合格した。そうして選んだのは、高等看護学院でありました。そこまで私が情報としてある方からうかがったものですから、直接、その学生に会いました。会っていろいろお話を伺ってきました。やっぱり、このほかにも何人か現実にいらっしゃるようでして、例えば、東京理科大、北海道大学、宮崎大学、看護大学、防衛大学校と合格しながら、高等看護学院にくるという学生が確実に存在しているということをうかがって、一人の方にうかがったときに、実はこういう人たちもいるよと聞いて本当にびっくりしました。そこにさまざまな、理由があるんだろうと思うのです。先生のご指摘もそのうちの一つであることは間違いないと思うんです。それでその方に、ところであなたは何でここを選んだんですか。いうことで真っ先に帰ってきた答えが、「国際貢献」で、「私は是非したいと思っております。」というのが彼女の答えでした。非常に感激して、2年生なのですが、ところであなた、こちらに来てへ入って後悔していませんか、という具合に聞きましたところ、「全く後悔していない。」何故、最後の質問だったんですけれども、「それは、みんなからお互いに励まされながらやってきた。体力的に自信がなくて自分一人ではとてもやって来れなかった」というのが彼女の答えであって、「大学生活より、ずっと充実感があると思ってます」と。特殊な学生、たまたま、そういう方に行き会っただろうと、一つの例として聞き流して頂きたいと思います。失礼致しました。
西岡座長
   他に何かありますか?
黒岩委員
   今おっしゃったことは、自衛官を目指す人の動機付けになっているのですね。大きく変容してきている。以前だったら、国際貢献をする自衛隊なんて考えられなかったですからね。大きく変わったんですね。そういう意味では、日赤、赤十字と相通じるところが非常にあるという感じがしますね。
西岡座長
   赤十字でも国際貢献をしたいという方が非常に多いですね。そういった形で集まって来られてます。お互い相互乗り入れして作っていけば、すごくいいものができるのかな。と感じておりますが。他に何か、こういった資料が是非ほしいというものがございますでしょうか?資料を整えて頂けます次回までにさらに深く検討していくことになろうかと思います。それでは時間になって参りました。今日は非常に活発なご討議、意見を頂戴してその中でキーワードを申し上げますので、漏れておりましたら、ご指摘頂きたいのですが、一つは、臨床を重視した即実践的な持った実力のあるナースを育て上げることが一つでございます。また、同時に人格の涵養をもてる形のなお且つ、国際性を持ったようなナースを育てる。また、チームワークを非常に大事にして、それによる医療活動を行う、或いは災害活動を行うようなナースを育てるのが大切ではないかということをご指摘いただきました。実際には、自衛隊中央病院でのナースの養成と、防衛医大でのナースの養成と二つ、性格上が違うとことがあるんですが、それぞれにとってやはり、特徴を自衛隊の特徴を加味しなければいけないのではないかと、ご指摘いただきました。その中で、これからの看護教育の中で、国際貢献といったことあるいは、心的なケア、また、看護師のキャリア・ディべロップができるような形での教育体制というものを考えなければいけないということも頂きました。今後の資料をまた、おまとめ頂くところで、准看護師の問題、それから各看護師養成所が看護大学になったとしても、連携する病院がどういった形のネットワークを作れるのかというのも一つ宿題としていただきました。これから、教育内容の検討という部分をかなり詰めていくことによって、もう少し特徴づけができるのではないかと思っております。何か、私が申し上げました中で、漏れているようなこと、是非ともこれを、またキーワードとして入れるべきだとご指摘いただければと思います。
竹尾副座長
   漏れているということではないんですが、看護の教育ではもちろんその場に応じてその特徴を出すということが大事なんですが、原点としてはヒューマニズムと申しますか、看護学の基盤にはヒューマンケアとかケアリングという精神があってその上に教育を積み上げたいと加えていただきたいと思います。大学教育として根底になくてはならないものと思っておりますので。よろしくお願いします。
西岡座長
   もちろんです。私、人格の涵養という言葉に含ませて頂きましたが、そういった形でのものを是非とも底辺に持ちたいと思います。この間までやっておりました医師の臨床研修制度と同じ言葉なのでございますが、そういった中で、また、海外の人たちともいろいろな面で協力できるような方を育て上げて頂きたいと考えております。それも加えて頂いておきまして。何か他に忘れておりますことがございましたら、ご指摘頂きたいと思います。よろしいでしょうか?
それではさらにまた、資料を整えて頂きまして是非とも、いい形での看護大学校ができる形でご検討いただきたいと思います。ありがとうございます。今後の予定に関しまして、お願い致します。
衛生官
   はい。資料のF、最後の一枚をみて頂いて、スケジュールの案ということで。本日は、第1回ということで、防衛庁・自衛隊における看護師養成の現状及び医療看護活動の現状(その1)を説明させていただきました。第2回目、次回10月28日を予定しております。そこでは、今、それぞれのご指摘、あるいはご要望がありました資料を元にですね、もう少し、防衛庁・自衛隊の医療看護活動を深く掘り下げた資料を準備したいと思います。それと合わせまして、諸外国における看護師養成についてもご紹介させて頂きたいと考えております。それとご要望がありました資料につきましてはできるだけ、調整して提出したいと思っています。それから、現場視察でございますけれども、今のところ、中央病院と防衛医大の病院及び高等看護学院をご視察頂ければと、考えております。日程等につきましては、事務局の方から調整をさせて頂きます。是非とも、御参加頂きたいと思います。それから第3回目につきましては11月の下旬に予定しておりまして、それから第2回の議論次第でございますけれども、この第1回、2回の議論を踏まえまして、私どもの方で基本構想(案)をこの辺りまでに作っていきたいと思っておりまして、そこでご議論をしていいただければと思います。結果は12月のところで大臣に報告したいと思っています。それから年を開けましてからは、もう少し看護師の養成課程のそのものの細かい内容を、カリキュラム的な内容といいますか、少しご議論をいただけたらと思って2回ほど考えております。3月の上旬、最終回として全体まとめてはどうかと、第4回、5回あたりは、全体で集まって頂く代わりに看護関係の先生方にお願いするのもいいかなと思っております。この辺りは、座長、副座長と相談したいと思っておるところです。最終的には3月の末辺りには最終報告という形のものを取りまとめたいと考えております。
西岡座長
   ありがとうございました。それでは、現場視察でありますが、委員の先生方は忙しいと思いますが。是非とも御参加ください。次回は10月28日です。
黒岩委員
   時間は同じですか?
衛生官
   13時から15時です。
西岡座長
   本日は非常にいいご議論ありがとうございました。
以上

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