第7回人事関係施策等フォローアップ会議・ 第11回人事関係施策等検討会議合同会議議事録

1 日時

平成18年3月9日(木) 15時30分~17時00分

2 場所

防衛庁A棟13階 第2庁議室

3 出席者

  • (1)人事関係施策等検討会議委員

    栗林座長、福田座長代理、仮野委員、桐村委員、杉山委員、田辺委員、津久井委員、冨田委員

  • (2)人事関係施策等フォローアップ会議委員等

    防衛庁副長官、愛知防衛庁長官政務官、人事教育局長、統幕第1幕僚室企画調整官、陸幕人事部長、海幕人事教育部長、空幕人事教育部長、人事第1課長

4 議事

  • (1)防衛庁副長官挨拶

    ○ 人事第1課長:皆様お揃いになりましたので、ただ今より平成17年度人事関係施策等フォローアップ会議及び人事関係施策等検討会議を開催いたします。
     委員の方々には、ご多忙のところ、ご参集いただき、まことにありがとうございます。まず、人事関係施策等フォローアップ会議の議長である木村防衛庁副長官から挨拶をいただきたいと思います。

    ○ 防衛庁副長官:委員の皆様方には、ご足労いただきありがとうございます。副長官の木村でございます。人事関係施策等検討会議の委員におかれましては、平成15年以降、これまでにわたり不祥事防止施策のご指導やフォローアップをしていただきました。昨年には、防衛庁への国民の信頼を根底から覆す事案が発生いたしましたが、国民の皆様方の信頼なくして 防衛庁・自衛隊の発展はないと思っておりまして、精一杯努力していこうとしておるところでございます。
     しかし、防衛施設庁の入札談合事案等の事案が発生しておりまして、長官からの指示で私が議長となりまして再発防止策について検討しておるところであります。また、秘密情報の流出事案についても、高木政務官を長として、検討を進めているところであります。会議を通じて、国民の皆様の視点からアドバイスをいただき、自衛隊の今の現状を把握し、一人一人が認識を持ち、信頼回復を図ることが大切だと思っております。

  • (2)個別の事案について

    ○ 人事第1課長:ありがとうございました。
    それでは個別の議題に入らさせていただきます。まず、薬物事案に関する最終的なとりまとめに関して、服務企画室長からご説明させていただきます。

    ○ 服務企画室長:スライドに従いまして説明させていただきます。昨年続発しました薬物事案について、今年の2月に再発防止策の最終的なとりまとめを行いましたので概要を説明いたします。検討の経緯ですが、昨年7月以降12月までに大麻取締法等の違反容疑で計17名の自衛官が逮捕、又は書類送検されております。自衛隊はこの全員に対して懲戒免職等の処分を実施しております。こういった状況の中、防衛庁副長官を議長とする薬物問題対策検討会議を発足させ、爾後、計6回の会合及び4回の部隊視察を実施して再発防止策を検討してきた次第です。
     検討の結果、事案の主な問題点として、いくつか明らかになったことがございます。まず、乱用の動機については、ほとんどが興味本位・好奇心でありました。それから、逮捕者の内14名は入隊後に薬物の使用を始めたとのことでありました。さらに、16名は入隊時の尿検査が導入される前に入隊しておりました。誤った仲間意識から大麻栽培を目撃してながら、上司等に報告せず、その後薬物等を譲り渡されて逮捕される事例もありました。それから薬物の使用場所ですが、ほとんどが自宅又は自家用車の中で使用しておりましたが、一部基地内の潜水艦乗員待機所などで使用していた事例もございました。そういう中で、上司や周囲の者は、薬物使用の兆候に気づくことは困難な状況でありました。ただし、海上自衛隊の第2潜水群につきましては、逮捕者等が続出したこともありまして、上司の結果責任を問いまして、群司令に処分を実施したところでございます。
     こうした問題点を踏まえまして、再発防止策ですが、大きく3本の柱がございます。
     まずは、薬物乱用防止月間の設定であり、毎年6月に行うことを予定しております。准尉曹長クラスを活用しまして、服務指導の一層の徹底等を行っていく予定でございます。それから、入隊後においても新たに薬物検査を導入することを決定いたしました。特に海上自衛隊におきましては、18年度の早いうちから着手すべく進めております。3点目に、指揮系統以外にも各種の相談窓口を設置することといたしました。例えば、警務隊にホットラインといった窓口を設置し、周知していくということでございます。概要は以上です。
     続けて、服務事案発生状況について説明いたします。自衛官の懲戒処分の推移については、毎年度1200件から1300件くらいで推移しております。最近の傾向として、全体的には横ばいから微減傾向ではあります。懲戒処分の中で比較的高い割合にある3つの態様について推移を示しておりますが、1番多い私有車両による悪質な交通法規違反は、近年減少傾向にあります。2番目に高い正当な理由のない欠勤は、概ね横ばいとなっております。それから、窃盗あるいは詐欺、恐喝については横ばいの傾向が見られます。
     そのほか若干注目すべき傾向として、傷害・暴行・脅迫については、17年度は陸上自衛隊において減少しております。次にわいせつ事案について、今年度は若干減少しており、陸上・航空自衛隊が減少しております。一方で薬物事案については、17年度が過去最多となっております。さらに、凶悪犯としまして、殺人、強盗、放火、強姦といったものですが、今年度は強姦が増加しております。
     それから懲戒処分のうち免職になる事由の内訳については、平成12年度以降18年1月までの累計ですが、約5年間で免職になった件数は667件。窃盗が45%と最も多い状況であります。次に無断欠勤については、20日以上無断欠勤すると免職という基準により処分しておりますが、3割程度ございます。次に業務上横領、凶悪犯が25件づつという状況です。

    ○ 人事第1課長:それでは、各自衛隊の不祥事防止の取組状況について、陸海空の順にご説明いたします。

    ○ 陸幕人事部長:最近の特徴については凶悪化が目立ってきておるところであります。事故者の傾向は平素より自己中心的な考えを持ち、精神的に不安定、忍耐力の低下、及び全般的に自衛官としての自覚の欠如等が挙げられます。また、側面的に社会の縮図を反映しているところもあろうかと考えております。対応の方向性としまして、全般として隊員を孤立させず、隊員相互の心の通った絆を構築すべく服務指導態勢を強化していきたい。18年度の具体的施策として、新たな服務態勢への移行、上級曹長制度の検証、その他各種施策を考えております。
     最近の凶悪犯についてですが、強姦、強制わいせつ、殺人と昨年の暮れから事案がありまして、事故者は陸士、陸曹、中高年の曹長ということであります。これらの特徴としましては、平素の勤務態度はまじめにやっておりますが、プライベートにおいて孤立的、自己中心的な面が見られる傾向にあります。
     最初の施策について説明いたします。まず、新たな服務態勢への移行とは、この趣旨は、陸自に期待される役割について迅速に確実に行う組織を目指すべく、資質を涵養し、服務指導を促進する態勢を整えるということです。問題認識として、環境の変化に対応できる隊員をしっかり作っていかなければならない。特に服務に関しましては、営内生活が寄宿舎化していると。平成に入ってから輝号計画という自主自律を旨とする自由度を増した施策をとってきましたが、ややその弊害として、営内居住隊員の人間関係の希薄化、サラリーマン意識、指導者の放任主義といった弊害が出てきております。そこで今後の態勢のあり方といたしまして、新たな即応態勢に移るべく精神面の強化を図る。自主自律を履き違えた放任主義を排除し、十分に服務指導する環境を作っていく。営内生活を修養の場と位置付けていく。営内者のみならず、営外者への服務指導も強化していくといった方向性で考えております。具体的には、資質を涵養するために、外出制度について、放任主義を是正し、翌日の勤務に備えさせる。日課時限・点呼は服務規律の弛緩を是正する。それから営舎外居住の許可についても、一定期間、営内生活をさせ、同僚と寝食を共にし、団結心等を涵養する。明朗な営内生活環境の構築といった観点から、準個室化された部屋からパーティションを撤去し、相互のコミュニケーションが取れる形にしていく。営外者も含めたすべての服務のあり方をつくって、全体の態勢を作っていきたいと考えております。さらに具体的に申しますと、外出制度について、現在は平日においても外出を許容するような方針でありますが、平日については、陸曹は24時以前に、陸士は日夕点呼までに帰隊させ、翌日の勤務に備えさせる。外泊を認める特別外出は、冠婚葬祭といった特別な事情がある場合に限り、休養を目的とする外泊は、週末にのみ認めるといったように区分しまして、平日に休養を目的とした外泊は認めない方針でございます。日課時限については、現状は起床7時、課業開始8時半、消灯23時と、また部隊長の裁量により繰り上げ繰り下げが認められておりますけれども、これからは訓令にあるとおり、起床6時、課業開始8時とし、消灯は23時として全国統一の勤務時間でやっていく。さらに点呼については、現行では部隊長が定めるとしていましたが、規則による整列点呼ということで、隊員の心情(身上)把握の場としていきたい。営舎外居住の許可ですが、2士以上の既婚者に対しては、許可できるという態勢でありましたが、入隊後2年間は営舎外居住を許可しないで、営内における基礎服務期間として、同期、先輩後輩との生活を通じて、基礎的事項の修養を図っていく。個室化施策については、準個室化を見直し、陸士室についてはパーティションを廃止して、みんなでコミュニケーションできるようにしていく。陸曹室については方面総監が決定して取り払っていくということでございます。
     続いて施策の2番目の上級曹長制度についての検証です。曹士を直接指導する地位にある陸曹が、曹士の育成・管理に積極的にかかわっていく。また、部隊指揮官を補佐していくため、陸曹の最上級者を上級曹長として配置していく。これについては、18、19年度と検証を行い、その後全部隊で試行を行っていきたい。上級曹長が関与して立派な陸曹を自分達で育てていける制度を検証していきたい。
     その他の各種施策について、服務指導、教育の強化ですが、中隊の隊付准尉の服務指導上の責任を通達において明確化する。営内班、営外班ともに、営内、営外班長からの指導を強化していき、若年隊員への指導の資としたい。課程教育については、服務教育の充実ということで、薬物指導の強化を図っていく。次に、服務指導の情報共有の推進について、地方の担当者を中央に集め、情報の共有を図る。さらに、現在も行っていますが、我々が方面等へ行って、巡回説明を行う。部内システムに、服務情報ホームページを開設する。海、空と地域ごとの服務情報の共有も図っていく。これは既に東北方では行っているところです。18年度からは中方と西方で相互の集合教育の場を設ける。次に、メンタルヘルス施策についてですが、教育については部外講師の講話や、ハンドブックを配布していく。今年から、心の健康チェックシートを全員に配布し行っていく。専門知識を持った心理幹部を方面へ配置し、地域に密着した指導を行っていく。次に、懲戒処分の実施について、厳正に処分し、公表についても継続して行っていきたい。さらに、分限免職については、現在具体的調整を行っているところです。上司と部下、隊員同士のコミュニケーションの強化については、中隊長と隊員の間において、携帯のメールを活用し、心情(身上)把握を自発的に行っているところであるが、服務指導の場においてもメールを十分活用してまいりたい。各種クラブ活動、各種行事への家族の招待等も引き続き取り組んでまいりたい。借財対策も資料を作成し、教育を継続していくということでございます。

    ○ 海幕人教部長:海上自衛隊における不祥事防止の取組状況について説明いたします。昨年9月、海幕に不祥事防止施策検討委員会を設置し、各部隊の特性に応じた不祥事防止施策の具現化に向けて検討してまいりました。その概要について説明します。まず傾向についてですが、違反態様のワースト3である、悪質な交通法規違反と正当な理由のない欠勤については、過去5年間傾向に変化は認められない。私行上の非行に関して、近年はのぞき、痴漢、強制わいせつと、いわゆるわいせつ行為が増加傾向にある。これは生活環境の変化、カメラ付携帯電話、インターネットの普及等も原因にあると考えられます。生活環境の変化に応じ、ネットオークションへの違法な出品や情報漏えい、インターネットを介した児童買春の増加が懸念されているところです。これらの状況を踏まえ、不祥事防止施策を検討してまいります。なお、最近生起しました情報流出事案については秘密保全事故として、原因の調査を行っているところです。
     次に不祥事防止施策として、上質隊員を確保するため採用制度等の見直しや、以後の人事ローテーションや適正な人事管理施策としまして、1教育制度や教育・指導法の見直し、2懲戒処分の厳正な実施及び情報の周知徹底、3メンタルヘルス施策の推進、4分限処分の適正な運用等を直接的施策として考えております。また、これらの施策のバックアップ、サポートする形での間接的施策として、個室化の見直し、身上把握の強化、相互牽制態勢、家族との連携等の勤務環境を通じた間接的施策も検討を進めております。今回の薬物事案の再発防止については、不祥事防止施策の具現化・実現化によって達成していきたいと考えております。海上自衛隊の部隊で発生した事件事故等においては、海幕から事案の概要、懲戒処分等を全国に通知するとともに、先任伍長のネットワークを通じて各部隊の先任伍長へも同様の情報を伝達し、情報の共有化及び周知徹底を図ってまいります。

    ○ 空幕人教部長:航空自衛隊の不祥事防止状況及び取組み状況について説明いたします。主に前年度の服務の状況、具体的取組み施策、及び今後の施策と分けてご説明します。航空自衛隊におきましても強姦等の事案が発生し、全体的に若い世代での事案が発生しており注視しておるところでございます。17年度全般の傾向として、150件から170件発生しておりました事案の件数が、逐年減少していたところですが、17年度は若干増加しております。違反態様としては、欠勤・飲酒運転が増加しつつあります。性犯罪は減少しているものの、凶悪犯罪、強姦等が続発しております。階層別に見てみますと、1士以下の違反が増加しており、そのほとんどが欠勤であります。特に29歳以下の若年隊員が多かった。それらの点を踏まえ、昨年末より、不祥事防止施策等を各部隊に周知し、指揮官に服務指導の徹底を求めております。具体的に、准尉及び曹の階級の自衛官による服務指導を重視する観点で、准曹士先任制度の検討をしているところでございます。そして、幹部自衛官への服務指導の強化としましては、人事担当部長等による会議、及び薬物犯罪防止に関する研修を実施したところであります。服務指導に係るノウハウの共有として、17年度から初めて、服務担当者会同を実施し、情報の共有を図っているところです。上司と部下、隊員同士のコミュニケーションについては、内務班の運営要領の試行を実施しています。その他借財対策、懲戒処分の基準の見直し、分限処分制度の適切な運用、心身的に問題を抱える隊員にはカウンセラー等の養成や、部外カウンセラーの招へいといったように様々な観点からアプローチしてまいります。
     准曹士先任制度につきまして説明いたします。准曹の適任者が、各級指揮官を補佐し、服務指導態勢の一層の充実及び組織の更なる活性化を目指すため、18年3月末から20年3月末まで試行を実施します。具体的には、隊員の服務指導に関する各級指揮官の意図の徹底、准曹士隊員の服務の現状認識、指揮官に対する報告、改善方法の意見具申、身上把握、人事選考等に関する助言、他の自衛隊や米軍との准曹レベルでの交流を行わせます。
     身上把握の方策としまして、隊員身上票というものを航空自衛隊では作成しております。例えば、家族の状況、身上把握の内容等を示しております。具体的には各隊長等が、部下隊員を服務指導する際に、活用するものであります。結果、当該隊員が異動した先においても、継続一貫した服務指導ができるようになっております。しかしながら、各指揮官の指導に差が出てきておりまして、有効活用のためもう一度整理しなおしていきたいと考えているところです。
     内務班につきまして報告します。上司と部下、隊員同士のコミュニケーションの活性化という観点から整理しました。内務班の現状及び問題点としては、幹部・上級空曹の指導力低下。航空自衛隊においてはウイング21という施策により、外出、点呼要領の自由化、準個室化等行ってきておりますが、そういった中で、営内飲酒や団結力の低下が出てきているのではないかと。内務班においては人間関係の希薄化、規律の弛緩といったものが見られるのではないかと。そういう点で我々は、内務班を修練の場とし、一定の基準の下、規律ある団体生活を実施していくようにしているところでございます。17年の夏から19年の夏まで、全部隊において試行を実施していくこととなっております。内務班の指導態勢については、隊長が指導責任を持ち、営内者だけでなく営外者へも指導を実施していくこととする。居室については入隊3年未満の空士は原則大部屋。点呼については、整列点呼。外出、下宿、営舎外居住については、それぞれ制限を設け、入り口の時点で内務班を修練の場として、その後は生活の基点とするというように試行を実施しているところです。

    ○ 人事第1課長:それでは総括として、今後の不祥事防止施策の観点からご説明させていただきます。

    ○ 服務企画室長:今後、防衛庁として取り組んでいく重点施策についてご説明いたします。
     まず、不祥事の現状として、大きく分けて職務に起因するもの及び私的行為に起因する不祥事がございます。最近の事例に当てはめれば、職務に起因する不祥事として、談合の問題、秘密情報のネット流出の問題等が該当し、また、私的行為に起因するものとして、薬物事案やわいせつ事案等が該当いたします。いずれの事案にしても 防衛庁・自衛隊の国民からの信頼を失墜させるものでありますので、しっかりとした対策を立てることが必要であります。
     再発防止の取組みへの現状ですが、一つは事案に応じた対策を立てるということ。個々の事案の特性に応じ、薬物事案であれば薬物検査の導入を決定したところでございますし、談合の問題については現在、副長官を長とする検討会において入札手続、再就職等様々な角度から問題を検討しているところです。それから、秘密情報の流出事案については、髙木政務官を長として検討会を立ち上げ、秘密保全の問題、情報保証技術の問題等について、検討を行っているところです。情報流出については詳細を調査中ですが、概要を若干説明いたしますと、海上自衛隊におきまして、2月21日の夜に保全監査隊が、ネット上に海上自衛隊の資料が流出していることを確認したことで発覚し、その後の調査の結果、あさゆきの乗組員が業務用データを無許可で持ち出し、ファイル共有ソフトがインストールされた私有パソコンにおいて作業をし、コンピューターウィルスに感染し、データがインターネット上に流出したものです。流出資料の一部には秘に相当する情報が含まれておりました。これに対し、直ちにとった対策としまして、事務次官通達を発出し、職務上使用する私有パソコンにおいては、ファイル共有ソフトの削除を確認すること。私有パソコンに保存されている業務用データについては、不要なデータを削除する。許可を得れば認められていた私有パソコンでの秘密情報の取り扱いを全面禁止するという対策をとったところです。更に再発防止のための検討会を設置し、政務官を委員長として、3つの検討グループを設置し、現在、秘密保全検討グループ・技術検討グループ・処分基準検討グループにおいて検討しているところです。
     事案毎の対策と並び、全般的な対策としまして、いずれの事案についても遵法精神の欠如、モラルの低下といったものが共通して見られますので、従来から実施しております各種防止施策を推進することも重要です。内容については陸海空の説明にございましたが、人事面の施策として、服務指導の強化、カウンセリング態勢の充実強化、人事管理制度等の見直し。教育面の施策として、幹部や准曹士自衛官に対する服務指導能力の向上、精神教育の充実強化、あるいは透明性を高めるための懲戒処分の公表といったものを従来から実施しているところです。
     今後の不祥事防止の重点事項としましては、これまでの施策は継続しつつ、中央と地方、各自衛隊の垣根を越えて情報を共有し、全庁的な施策を実施していくことを計画しております。計画の1点目として、防衛庁規律強化活動としまして、隊員の気の緩みがちな夏期休暇前後の期間に、本庁の担当者が部隊等を訪れ、庁としての取組みの説明、意見交換を実施するという取組みを計画しております。逆に、地方から中央に集まってもらい集合訓練を行い、意識の共有化を図る取組も行う。警務隊による講話を各地で実施するなどを計画しております。2点目に、隊員個人に対するインターネットやメールを通じた情報サービスです。服務関連の情報を発信し、隊員個人に対する情報ネットワークを構築することを検討してまいりたい。最後に、談合事案や情報流出事案に関する検討会において検討されている懲戒処分基準の明確化についてです。現状では、各機関で長官の承認を受けて通達で基準が定められているところです。通達にて違反態様がまとめられておりまして、現在約30種類に類型化され、それぞれ処分基準が規定されております。ちなみに談合事案になると調達経理取扱違反、秘密情報の流出事案については、秘密保全に関する違反がそれぞれ関係します。現在の処分基準はさほど明確とは言い切れない部分がありまして、裁量の余地がかなり認められている一方、具体的にどういう行為に対し、どういう処分をするかについては不明確というのが現状です。他方飲酒運転についてはかなり詳細な基準が設けられております。以上の現状を踏まえ今後の課題として、現行基準については、同種事案の再発防止や厳正な処分実施の観点より、基準の明確化を図ることが必要となっております。

    ○ 人事第1課長:説明は以上です。委員の先生方からご質問や意見がございましたらお願いします。

    ○ 委員:営内の見直しについて、陸上自衛隊の2年間の試行はなぜ、そんなに時間がかかるのか。
     航空自衛隊も同じく試行期間が長いと思われるがいかがか。スピーディにならないものか。

    ○ 空幕人教部長:制度については、各部隊は既に始めております。ただ、やらせている程度が各部隊によって差があるのが現状ですので、航空自衛隊全体として3月から行っているところです。若干の不安は、例えば人事に関する助言などを謳っているけれど、逆に職権乱用にあたる部分まで行くことを危惧しておりまして、不具合が出てきた時の調整期間も含めて2年の試行とさせていただいています。

    ○ 陸幕人事部長:陸においても希望としてはもっと早くしたい。1年目で実際の試行を行ったメリット、デメリットが出る。そのデメリットを修正して行いたい。失敗は許されないので、確認しながら動いていきたい。ただし、試行して良ければ試行期間の短縮をしたい気持ちもあります。

    ○ 委員:空の場合は試行と言わないで、実行して1年後に見直すという方がいいのでは。

    ○ 空幕人教部長:結節結節でいろいろな反省事項を踏まえたい、修正箇所は出ると思います。

    ○ 海幕人教部長:関連ですが、海の場合は下士官集団で上級海曹会というものを作っております。これは任意の団体で、いわば横のつながり、下士官群の横のつながり。やっていることは地域におけるボランティア活動など。先任伍長制度は指揮系列に沿った形でやっているので、上級海曹会とは性質が異なっている。ただし、人選において上級海曹会の会長が先任伍長という役職になる可能性がある。できるだけかぶらないようにしているが、人選において若干の問題が出てくることは考えています。

    ○ 空幕人教部長:航空自衛隊も同じですが、同様な団体として連合准曹会というのがあります。私的な団体で、活動内容も陸・海とあまり変わらないのですが、今回の准曹士先任制度をはじめたことによって、同様のことが起こり得るところです。

    ○ 委員:潜水艦における薬物事案について、2週間ほど部外者ですが実際に潜水艦に乗せてもらって、潜水艦乗りがどういう状況で、気持ちで勤務しているか、ある程度把握したつもりです。潜水艦での人間関係が必ずしも薬物使用の原因ではないが、拡がったのは潜水艦ならではではないかと思うのです。一つの事件で9人の逮捕者が出た。横須賀に限ると1000人を下回る人数なのに9人の逮捕者が出ている。やはり特殊な勤務環境の中で、横のつながりが強い。だからどうしても身内をかばいたくなる。潜水艦乗り以外の隊員との付き合いも少なくなりがちでもあるので、悪いやつが一人いると影響を受ける部分がある。そこで、艦内で疑心暗鬼になることがあるのではないかと、他の誰かが薬物やってるんじゃないかと。9人も逮捕者が出ると、大体一つの艦に一人くらい逮捕者がいることになる。お互いどうしても疑心が出るのなら、薬物検査を頻繁に行い、無実を常に証明していけば信頼関係ができる。飛行機に乗るときは靴の裏まで調べられる。それであれば、潜水艦に乗るときも薬物検査を常態化している方が気分的に楽になるのではないか。

    ○ 海幕人教部長:検査の導入は18年度からなんですが、今我々が考えておりますのは、総員に対して任意で、誰が当たるかわからない抜き打ちでやっていくことを考えている。現時点では特別に潜水艦乗りだけを対象にしているわけではない。制度的には部隊ごとにでもやっていいことになっておりますので状況によっては併用していくことも考えています。

    ○ 委員:ある部隊の、例えば潜水艦乗りを任意で調べることはできるのですか。

    ○ 海幕人教部長:それは可能です。

    ○ 委員:そういう形で運用していけばいいのではないですか。潜水艦で実務を行っている隊員には、制度を応用してでも、やっていけばそれこそが抑止力になると思う。大麻をやっている人間が潜水艦に乗っている状態で何か事故があれば、国の安全保障上の大問題になるおそれがある。そのあたりは事案があった以上、重点的にやっていく必要があると思います。

    ○ 海幕人教部長:潜水艦乗りの中で拡大した今回の事案ですが、ご存知のとおり元同僚、入校同期、といった非常に狭い世界で結束力が高いことが裏目に出たと感じます。

    ○ 委員:陸の場合は、営舎外居住は入隊後2年間、空の場合は30歳未満のように差があるのですが、それぞれ理由があるのならばかまいませんが、確たる理由がないのならば同一の基準にしたほうが分かりやすいのではないかと思いますがいかがでしょうか。

    ○ 陸幕人事部長:理由の一つは、陸海空では任期制隊員の任期が違うところがあります。陸は2年で、海と空は3年というようにです。

    ○ 委員:陸や空でも相互に話し合って、ケースについて話し合う、集まって話すチャンスをとらえて意見交換ができれば有効かと思います。次に、カウンセラーの養成について、大学の臨床心理学や産業カウンセラー養成講座に通わせるというのは立派なことと思います。私は10年ほど前にカウンセリング専攻に通った時に、同じく机を並べた仲間に陸上自衛隊の方がいまして、イラクに心理幹部として行ったと記憶しております。帰ってきてから朝雲で対談をしたのですが、彼は3年間筑波で勉強しておりますし、個別に先生ともネットワークを持っております。外部の人を呼ぶのもかまいませんが、自衛隊のことをよく分かっていて経験のある人を、彼は定年を迎えましたが、そういった方を活用することもいいのではないかと。自衛隊の中でも専門の教育を受けた方がいるのでそういった方を忘れないで欲しいと思います。最後に、秘密情報流出事案について艦艇で使用するコールサインや暗号が流出したとのことですが、これは既に変更されているということでいいですね。

    ○ 海幕人教部長:はい。変更しております。

    ○ 委員:心理幹部の話は全くもっておっしゃるとおりなのですが、ただ25万の大組織なので、一人二人の優れた方に指導してもらうばかりでなく、どういう風に心理幹部を組織に組み込んでいくか、昇進や人材育成について、メンタルヘルスの大きな課題の一つとして心理幹部をどういう風に養成するか、どういう風に処遇するか大きな問題点です。

    ○ 委員:私が言おうとしたのは、自衛隊のことをよく知っている人が、制度、システムを作る時にはOBになっているかもしれませんが、外部から人を時間単価で採用するにしても、システムを作る時に専門家が機能できれば良いかと思います。

    ○ 委員:陸の営外者への指導の強化というのは、画期的なことだと思いますが、反面、効果的な運用ができるか疑問がありまして、通達で出されているということですので、簡単に説明してもらいたい。他自衛隊ではここまでのアプローチを今後必要とされるのか確認したい。

    ○ 陸幕人事部長:営内者だけでなく営外者においても事故を起こしたり、あるいは営外者が営内者を指導する場面もありますし、指導強化の必要性を強く感じました。実際運用は部隊で行っておりまして、営外者への指導は部隊で行っている。

    ○ 委員:営外者の指導は、指導者が営舎外に出向いて隊員を指導するものと錯誤して質問致しました。営外者の指導も部隊内で実施されるのであれば特に問題はありません。

    ○ 海幕人教部長:採用が厳しい時代、自衛隊が3Kといわれていた時に、魅力化して人材を集める必要があると、営外、営内含めてかなり規律を緩和した流れがあります。ここで、もう一度原点に返って見直そうとやっているが、一度緩めたものを締めるにはなかなかエネルギーが必要でして、今鋭意努力しているところでございます。

    ○ 空幕人教部長:空の場合は、去年の夏から2年間試行しているところですが、この成果を踏まえようと思います。営外者の指導は基本的には隊内にて行うこととしております。ただし、営外者は原則結婚している隊員ですが、家族を誘った形でイベント等に招待し、身上把握に努めたいと考えています。上司に借財のこととか女性のことだとかなかなか相談しづらいと思う。奥さんと話しをすることで普段の隊員の身上を把握できることもあると思いますので活用して行きたい。

    ○ 人事第1課長:時間がまいりましたので、各幕からの施策に関する事項及び、庁として取り組む施策等に関しまして、検討会議としてご了解頂いたということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。では、検討事項は進めていきたいと思います。最後に、座長の栗林先生から一言いただきたいと存じます。

    ○ 栗林座長:我々は平成15年10月から検討会議委員として動いてきたわけですが、10数回に及ぶ検討会議、地方におけるヒアリングを通じて、 防衛庁・自衛隊の皆さんが組織を挙げて全力で不祥事防止に一生懸命取り組んでいらっしゃるということは十分承知しておるところです。しかしながら、国民からの信頼を裏切る不祥事が起こり、私としましても大変遺憾に思っております。本日説明いただいた施策につきましては、検討会議が今まで出してきた意見がちりばめられておりまして、大変評価できるところが多いと思います。それでも、具体的な問題への対応については、今後様々な改善を重ねていっていただきたい。なによりも一丸となって、取り組んでいくということが大事だと思います。またそれをしっかりフォローアップしていただきたい。また今回のように適宜進捗状況をお聞かせいただき、委員の専門的立場から助言させていただいて、できるだけ協力させていただきたいと考えております。

    ○ 愛知政務官:本日は委員の先生方、本当にありがとうございました。貴重なご意見また示唆に富んだ専門的見地からのご意見、我々もしっかりと取り組んで行きたいと思っております。こういった問題は一朝一夕になくなるものではございませんが、精力的に取り組んでいきたいと思っております。

    ○ 人事第1課長:本日は非常に長時間にわたりご議論いただきありがとうございました。これで人事関係施策等検討会議を終了させていただきたいと思います。


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