第80回防衛調達審議会議事要旨

1 日時

平成21年10月14日(水)10時00分~12時05分

2 場所

防衛省A棟11階第1省議室

3 出席者

(委員)
坂井会長 小林会長代理 奥宮委員 清水(俊)委員 清水(涼)委員 山口委員 山田委員

(防衛省)
岩井審議官 小城統合幕僚監部首席後方補給官 田邉陸上幕僚監部装備部長 矢野海上幕僚監部装備部長 福井航空幕僚監部装備部長 渡辺技術研究本部総務部長 柴尾装備施設本部副本部長 増田装備政策課長 豊嶋監査課長 畠中監査課先任部員

4 議題

(1) 随意契約等に係るサンプリング調査審議(平成20年度航空自衛隊第3補給処)
「移動式警戒監視システムJ/TPS-102 改修」
(2) 1者応札・1者応募案件に係るサンプリング調査審議(平成20年度航空自衛隊)
(3) 次回の日程等

5 議事概要

●随意契約の見直しによる取組について

 財務大臣通知「公共調達の適正化について」が平成18年8月に発出され、政府として随意契約の見直しが行われることとなった。防衛調達審議会では、随意契約の見直しに伴う監視体制の充実強化として、平成20年度以降、競争入札への1者応札案件、企画競争・公募への1者応募案件に対して、「1者応札・1者応募案件に係るサンプリング調査審議」により重点的なチェックを実施しているところである。

 前回の審議会において、「1者応札・1者応募案件に係るサンプリング調査審議」を実施した際、従来、競争性のない随意契約を行ってきたものについて、随意契約の見直しによる取組において特に企画競争・公募の取扱いについてどのようであるかを改めて説明するようにとの指示があった。
 今回の審議会では、審議に先だって上記について防衛省側から説明を行った。
 説明の概要は下記のとおりである。

○  財務大臣通知に掲げる区分に照らし、随意契約によらざるを得ない場合を除き、原則として一般競争入札(総合評価方式を含む。)による調達を行うものとする。従来、競争性のない随意契約を行ってきたものについては、一般競争入札又は企画競争若しくは公募を行うことにより、競争性及び透明性を担保するものとする。
○  「企画競争」とは、複数の者に企画書等の提出を求め、その内容について審査を行う方法をいう。企画競争を行う場合には、特定の者が有利とならないよう、①参加者を公募すること、②業者選定に当たっては、業務担当部局だけではなく契約担当部局も関与する必要があること、③審査に当たって、あらかじめ具体的に定めた複数の採点項目により採点を行うこと、等により、競争性及び透明性を担保するものとする。
○  「公募」とは、行政目的達成のため、どのような設備又は技術等が必要であるかをホームページ等で具体的に明らかにしたうえで、参加者を募ることをいう。公募は、従来、研究開発等を委託する場合等に特殊な技術又は設備等が不可欠であるとして、発注者の判断により、特定の者と契約していたようなものについて、当該技術又は設備等を有している者が、他にいる場合がないとは言い切れないことから、必要な技術又は設備等を明示したうえで参加者を募るものである。
○  したがって、当初から複数の者による競争が存在することが考えられるようなものについては、原則として、一般競争入札を行うこととし、事務又は事業の性格等から、これにより難い場合には、企画競争を行うものする。
○  なお、①外国政府がライセンス生産を認めているもの、②防衛装備品等の研究開発業務において分割して契約した場合の2回目以降の契約、③検査、修理の履行中に新たな不具合等が発見されたもの、④有償援助調達、等については、引き続き随意契約によらざるを得ないものとして取り扱っている。

(参考)財務大臣通知「公共調達の適正化について」(財務省HP)
http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/koukyou_02.htm
「所管公益法人等との随意契約の適正化について」(内閣官房HP)
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/tyoutatu/060613siryou_2.pdf
「公共調達の適正化に関する公表」(防衛省HP)
http://www.mod.go.jp/j/procurement/tekiseika/20090729.html

委 企画競争では、応募者から企画書等を提出させ、最も優れた提案を採用するものであるが、最終的には1者との商議によって契約を締結するため、随意契約に区分されるとのことである。公募においても、応募者が1者であれば、やはり1者との商議によって契約を締結するため、随意契約に区分されるとのことである。
  しかしながら、随意契約をできる限り排除すべきとする国民の目線からすると、この区分は認識が違うようである。企画競争や公募は、いずれも競争形態をとっているのだから、競争契約として区分した方がより国民にわかりやすいのではないか。

委 随意契約・競争契約の区分として、競争契約は入札での価格競争を基本とする会計法自体が改正された訳ではないので、最終的に1者との商議を行うこととなった場合は随意契約に区分されるということか。そして、会計法での随意契約を締結するプロセスとして、企画競争や公募の実施が財務大臣通知において示されているということでよいのか。

防 随意契約の見直し以前では、安易に随意契約を行うなど、必ずしも適切とはいえない事例があるのではないかとの指摘があり、政府として随意契約の適正化について取組を進めた結果、従来、随意契約を行っていたものは、真に競争性のない随意契約によらざるを得ない場合を除いて、一般競争入札、企画競争、公募のいずれかの競争形態がとられるようになったものである。
 一般競争入札でも、総合評価方式のように、価格のみではなく価格以外の要素を含めて競争するものもあるが、会計法における競争契約の基本的な考え方は価格である。そのため、企画競争や、また、公募を実施しても1者応募のものは、最終的に商議によって価格を決定することから、競争契約の一種とは整理されていない。
 しかし、前述の随意契約の見直しによる取組によって、同じ随意契約のなかでも、企画競争や公募を実施した結果、やはり1者とならざるを得なかったものか、参加資格や納期、数量等に改善の余地のある状況で1者となってしまったものかなど、随意契約を行うプロセスが明らかになり、透明化に寄与しているところである。

委 しかしながら、防衛調達審議会での審議案件のなかにも、企画競争や公募を実施しなくとも、およそ随意契約になるであろう案件が多数存在する。これらについても、一律に企画競争や公募を実施することは、行政コストに無駄があるようにも思われる。
 現在、随意契約によらざるを得ないものの要件として、外国政府等がライセンス生産を認めているもの等を規定しているが、本当にこれらのみで適当か、引き続き検討していただきたい。

(1)随意契約等に係るサンプリング調査審議(平成20年度航空自衛隊第3補給処)

 平成20年度に航空自衛隊第3補給処が締結した契約の中から、サンプリング調査審議の対象として委員が抽出した、「移動式警戒監視システムJ/TPS-102 改修」の契約について審議した。

 防衛省側から、調達品の概要及び調達要求以降、予定価格の算定及び商議を経て、契約成立に至るまでの経緯について説明が行われたのち、主に以下のような質疑応答が行われた。

(契約の概要)
 平成16年度、移動式警戒監視システムJ/TPS-102の製造会社との契約によって、各交換部品が市場においていつ頃製造中止となり枯渇するのかが調査され、枯渇する交換部品については代替としてどのような対策が必要であるのかが検討された。
 本件は、平成16年度契約での検討により、交換部品の枯渇時期が最も迫っていることが判明した部位について、新規の部品に対応するよう改修を行うものである。
 本件では、契約相手方の選定に当たり企画競争を実施したが、移動式警戒監視システムJ/TPS-102の製造会社1者のみの応募であったため、該社との随意契約を行った。
 この結果、移動式警戒監視システムJ/TPS-102の製造、部品枯渇対策の検討、改修までの一連の契約は、同一の会社が相手方となっている。

委 本件では企画競争を実施しているが、企画競争は複数の者に企画書等の提出を求め、その内容について審査を行う方法であるため、今回のケースではあまり適当ではないのではないか。
 すなわち、今回のケースでは、平成16年度契約において部品枯渇のためにはどのような改修が必要であるかといった企画要素まで検討されている。となれば、平成16年度契約での検討結果を実現できる者として、どの会社が適当かという観点で契約相手方を決定することになるのだから、公募(=どのような技術等が必要であるかを具体的に明らかにしたうえで参加者を募るもの)の方が適当ではないかと思われる。

防 本件は修理など恒常的な業務を実施するものではなく、平成16年度契約での検討結果を改修によって実現する際に、技術力、品質管理等の面からより優れた相手方を選定できる可能性があると判断したものである。しかしながら、ご指摘のように、本件は平成16年度契約での検討結果によるところが多く、企画競争と公募の境界にあったようにも思われる。
 一般競争、企画競争、公募のいずれかの競争形態をとった手続そのものには問題はないが、企画競争になると応募者は企画書を提出しなければならないため、手順が増えることになる。契約相手方の選定には、どの競争形態をとることが最適なのかを今後も十分に考慮していきたい。

委 本品は平成元年度に初回契約が締結され、平成12年度に最終号機の納入が完了している。最終号機の納入からわずか10年程度で交換部品が枯渇し、そのための改修を実施しなければならないようでは、導入当初からライフサイクルコストの見通しが甘かったのではないか。

防 近年の装備品では、コスト抑制の観点から部品等に民生品を多数活用しているが、特に電子部品では市場における技術更新のサイクルが早いため、早期に部品が製造中止となることがある。このことは、装備品の導入当初からある程度予想されることであるが、一方でコスト面でのメリットが大きいことから、検討の上、必要に応じて民生品の活用を進めているところである。

防 さらに、本件の場合、保有する装置の全数を改修するのではなく、半数に限定して改修し、その際に取り外される部品を未改修の装置での交換部品として活用することによって、部品枯渇対策そのもののコストも抑制している。

委 民生品の活用によって、部品枯渇の問題が生じる可能性があることは理解できる。
 しかしながら、防衛省側の主導で導入した装備品であるにもかかわらず、交換部品が枯渇することを製造会社から申し入れられ、同社からの提案どおりに改修が行われるなど業者の言いなりになっている体制であるならば問題である。今回の部品枯渇対策として、この改修が適当であるかの検証は行われているのか。

防 平成16年度契約での報告書では、部品枯渇対策として複数の代替案があり、例えばある案では改修費用は比較的高額であるものの部品点数が大幅に減少することから整備費用が低減されるなど、費用対効果を検証した結果が合わせて報告された。
 上記の報告を受け、航空自衛隊においてどの案が最も適当なのかを十分に議論したのち、今回の改修を採択したものであり、改修の実施に当たっても防衛省側の主導権は損なわれていないと考えている。

委 平成16年度契約での報告書において費用対効果の検証がなされていたのであれば、今回の改修費用が報告書での試算値からかけ離れていないかの検証が必要である。報告書での試算値から比較して、今回の改修費用は適当であるか。

防 平成16年度契約から今回の改修まで約4年が経過しており、時点の違いはあるが、双方の金額はかけ離れているものではない。

委 本件の改修では、製造会社は設計やプログラム作成、完成品の機能確認試験を実施するのみであり、A社(契約相手方の100%資本の子会社)とB社(契約相手方の50%資本の子会社)が下請負会社として実質的な改修作業を実施している。
 A社、B社の見積が適正であるかの検証として、過去の契約での実際原価の提示を両社に求めたところ、製造会社の完全子会社であるA社については実際原価を提示し、見積とのかい離がないことが確認できたとのことである。B社についても、契約金額の大幅な割合を占め、また、50%資本であるとはいえ、製造会社の子会社であるのだから、実際原価の提示を強く求めるべきではないか。

防 B社に対しては現在も調整中であり、特約条項においても「原価の確認を行うため、必要に応じ下請負会社の管理する営業所、工場等の場所に立ち入ることができる」ことを約束しているので、引き続き、実際原価の提示を求めていきたい。

※実際原価:契約相手方が、自ら定める原価計算の実施に関する規定に基づいて契約履行のために支出し、又は負担した財貨の実際消費量をもって計算した原価。

(2)1者応札・1者応募案件に係るサンプリング調査審議(平成20年度航空自衛隊)

平成20年度に航空自衛隊が締結した契約のうち、
 ・一般競争入札に付したところ、応札者が1者のみであった案件(1者応札案件)
 ・公募・企画競争に付したところ、応募者が1者のみであった案件(1者応募案件)
の中から、委員により抽出されたサンプリング調査対象について審議を行った。

(1者応札案件)計12件
  トナーカートリッジ(K) 外44品目
  大容量トナーカートリッジ(ブラック) 外11品目
  トナーカートリッジ(ブラック) 外33品目
  トナーカートリッジ-ブラック(K) 外8品目
  トナーカートリッジ(イエロー) 外5品目
  トナーカートリッジ 外21品目
  スタンプ 外18品目
  ボールペン 黒 油性 0.5 外16品目
  つづりひも 外16品目
  PPC用紙(再生紙)A3 外73品目
  給汽業務の部外委託
  DUCT SEG 外4品目

(1者応募案件)計8件
  CONNECTOR 外40品目
  T-4システム・データ統合管理業務(エンジン)の会社技術利用(20国)
  U-4維持管理(機体)会社技術利用(20国)
  SEAT ASSY 外1品目
  VALVE 外14品目
  作戦用通信回線統制システム システム整備一式
  固定式警戒管制レーダー装置J/FPS-3構成品修理 92EA
  COMBUSTION CHAMBER

 防衛省側から、契約の概要、1者応札・1者応募となったことについて推察される理由、1者応札・1者応募の改善のために緩和できる条件や今後取り組む方策等について説明を行ったのち、主に以下のような質疑応答が行われた。

委 トナーカートリッジ、ボールペン、つづりひもなど、消耗品・文房具類が年度末のわずかな期間に大量に発注されている。これらは、数千万円から1億円程度の契約規模であるにもかかわらず、例えば公告期間が6日間で、かつ納期が2週間といったように、明らかに競争性を阻害しているものが散見される。このように年度末に集中した調達は断じて止めるべきである。

防 これらの消耗品・文房具類は、各部隊での要望に基づいて必要量を調達したものだが、消耗品・文房具類のための予算が少ないことから、年度途中での不意な出費に備え、年度末まで執行を差し控えていたものである。決して予算の無駄遣いを行っているものではない。

委 予算の執行上で事情があるとしても、そのために競争性が極端に損なわれていることを問題視しているのである。年度末の調達量を少なくできるよう、四半期ごとに計画的に調達し、年度末の調達についても予算額をなるべく早く確定することによって、十分な公告期間、納期を確保すべきである。

防 昨年度の1者応札・1者応募案件に係るサンプリング調査審議でも、インクカートリッジの契約が審議されたが、その際も年度末の調達であるために納期が短いことが指摘された。その後、翌年度末の調達では、納期を例年よりも長く確保したものについて、応札者が複数になった事例があったことを以前の審議会で報告したところである。ご指摘を踏まえ、公告期間、納期を十分に確保できるよう、引き続き検討していきたい。

(3)次回の日程等

次回は11月18日(水)に開催の予定。詳細については事務局から後日連絡。

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