第79回防衛調達審議会議事要旨

1 日時

平成21年9月16日(水)10時00分~12時15分

2 場所

防衛省A棟11階第1省議室

3 出席者

(委員)
坂井会長 小林会長代理 奥宮委員 清水(俊)委員 清水(涼)委員 山口委員 山田委員

(防衛省)
岩井審議官 小城統合幕僚監部首席後方補給官 田邉陸上幕僚監部装備部長 矢野海上幕僚監部装備部長 福井航空幕僚監部装備部長 渡辺技術研究本部総務部長 柴尾装備施設本部副本部長 増田装備政策課長 豊嶋監査課長 畠中監査課先任部員

4 議題

(1) 随意契約等に係るサンプリング調査審議(平成20年度技術研究本部)
「海外高空試験支援作業(その2)」
(2) 1者応札・1者応募案件に係るサンプリング調査審議(平成20年度技術研究本部)
(3) 入札状況報告(平成20年度第2/四半期)
(4) 次回の日程等

5 議事概要

 審議に先立ち、これまでの審議会において指摘のあった下記の2点について、フォローアップを実施した。

「Kuバンド衛星通信回線の借上げ」契約における契約相手方の約款について
(第78回審議会のフォローアップ)

 第78回審議会(平成21年7月15日)において、海上自衛隊での平成20年度の1者応札・1者応募案件について調査審議を行った際、補給本部契約「Kuバンド衛星通信回線の借上げ」について、

 委 契約相手方の約款で規定されている料金表を市場価格として予定価格を算定しているとのことであるが、本件の料金表は海上自衛隊に対してのみ適用されるものではなく、他の会社にも適用されるようなものであるのか。

 防 約款は同社のホームページにおいて公表されていることから、いずれの会社においても同じ料金表が適用されているものと思われる。また、電気通信サービスの一部には約款を総務大臣に届出しなければならないようなものもあり、本件がこの届出を要するものに該当するのかを含めて、詳細を後日報告する。

との質疑応答があった。
 今回の審議会において、上記についてその後に調査した結果を審議会に報告した。
  調査の結果は、下記のとおり

○  本契約は、本件の契約相手方によって広く一般に提供されているKuバンド衛星通信回線サービスを海上自衛隊において利用するものである。
○  電気通信事業法では、平成16年3月までは全ての電気通信サービスについて、約款の作成が義務づけられており、約款を総務大臣に事前届出することとなっていたが、同年4月以降、サービスの提供が自由化され、基礎的電気通信役務等を除き、約款の作成義務、事前届出制が撤廃された。
○  本サービスは、現在では約款の作成義務がないが、平成16年3月以前に約款が作成されており、旧電気通信事業法のもとに総務大臣への事前届出がなされた。海上自衛隊では平成19年3月から本サービスを利用しているが、海上自衛隊が利用する以前から約款が作成されており、かつ、作成当初は事前届出がなされていたことから、料金等、約款上での規定事項は一定の公共性が確保されているものであると考える。

同一社内での事業所間取引における振替価格の取扱いについて
(第76回審議会のフォローアップ)

 第76回審議会(平成21年4月15日)において、平成20年度に実施したサンプリング調査審議に対するフォローアップを行った際、

○  一般に、同一社内の事業所間での取引について、会計処理上、製造原価を振替価格とするのではなく、製造原価に事業所販売間接費を付加した金額を振替価格として処理している企業があり、予定価格においても振替価格に事業所販売間接費が含まれる場合がある。
○  この場合、事業所間販売間接費は、防衛省と当該事業所が直接に取引する際の経費率にすでに含まれている可能性があり、当該事業所が同社の他事業所を経由して防衛省と間接に取引する場合においても事業所販売間接費を計上することは、同社の売上を総計するとこの費用が二重に計上されているおそれがある。

との指摘があった。
 今回の審議会において、上記について当省での経費率の算定における実際の状況を審議会に報告した。
  報告の概要は、下記のとおり

○  ご指摘のとおり、当該事業所が防衛省と直接に取引する場合のみに事業所間販売間接費を負担させるとしている場合は、当該事業所が同社の他事業所を経由して防衛省と間接に取引する場合においても事業所販売間接費を計上すると、この分が二重計上となる。
○  これを防止するため、防衛省と直接に取引する場合と同社の他事業所を経由して防衛省と間接に取引する場合の双方に、事業所間販売間接費が適切に負担されるよう経費率の算定を行うことで、同社の売上を総計したときにこの費用が二重計上されないようにしている。
○  事業所間販売間接費の取扱いについて適切に処置しているところであり、原価計算の担当者に本件を周知させるよう、引き続き努める。

(1) 随意契約等に係るサンプリング調査審議(平成20年度技術研究本部)

 平成20年度に技術研究本部が締結した契約の中から、サンプリング調査審議の対象として委員が抽出した、「海外高空試験支援作業(その2)」の契約について審議した。

 防衛省側から、調達品の概要及び調達要求以降、予定価格の算定及び商議を経て、契約成立に至るまでの経緯について説明が行われたのち、主に以下のような質疑応答が行われた。

(契約の概要)
 本件は、米国の試験施設において技術研究本部の職員が次期固定翼哨戒機用エンジンに関する試験を実施するのに際して、契約相手方が供試エンジン及び試験器材の現地での設置作業、試験に際してのエンジン運転などの補助、試験後の撤去作業等を実施するものである。
 契約相手方は、米国での試験の終了後、本契約に基づいて技術調整報告書(米国試験施設側との技術調整支援に係る報告)及び作業結果報告書(米国試験施設での1日の支援作業及び試験結果の1次解析結果の報告)を成果物として技術研究本部に納入する。

委 本契約では、米国試験施設での日々の支援作業の内容や、同試験施設で実施した試験結果を契約相手方において整理させ、その報告書を提出させることになっており、いわゆる知的成果物を要求している。
 一般的に、ソフトウェアの作成やコンサルティングのような知的成果物に係る作業においては、練度の高い者が従事する場合は時間単価が高くなるものの作業効率が上がり、他方、練度の低い者が従事する場合は全く逆の関係となるため、実際にどの練度の者がどの作業に従事するのかを考慮して作業費を決定することが多い。
 しかしながら、本件では報告書作成費用を作業者の練度を考慮することなく、報告書1枚当たりの作成時間を一律■時間(■は、ある特定の時間数であるが、予定価格に関連するため、ここでは■として表記)として設定し、
 報告書作成費用(円) =予想枚数(枚) ×■(時間/枚) ×設計部門の加工費率(円/時間) によって計算している。
 報告書作成費用の計算には、実際にどの練度の作業者が報告書のどの部分を作成するのかを細分し、練度に応じた時間数と時間単価を積み上げて計算すべきではないか。

委 確かに本件では報告書作成費用の計算に作業者の練度が考慮されていないが、本件は、この方法により計算した報告書作成費用を上限値として原契約を締結し、履行後に実際原価を確認して精算を行う概算契約となっている。
 このため、原契約時には作業者の練度が考慮されていなくとも、精算の過程で結果として作業者の練度が反映される仕組みとなっている。原契約時に報告書作成費用を予測する簡便法として、この方法を適用することは妥当と考える。

委 現在の方法は、簡便法としては一理あるものの、報告書の総枚数によって契約金額が決まるため、契約相手方にとってはなるべく枚数の多い報告書を作成した方が有利になる。このため、実際に報告書の作成に要した時間(実績時間)そのものが妥当かどうかという検証も行うべきではないか。
 そのためには、実際にどの練度の作業者がどの部分を作成するのかまで細分した見積を事前に作成し、精算での実績時間の集計過程で見積との突合わせが行えるようにする必要がある。

防 ここでの報告書は確かに技術的なものではあるが、過去の契約においても同様のものが作成されており、総枚数が概ね予測できる範囲のものである。また、1枚あたり■時間という作成時間の設定についても、報告内容が極めて創造性の高いものであるというわけではなく、これまでの契約において恒常的に行われているようなものであり、そのため、作業者の練度の影響をそれほど受けないことから、過去の契約での実際原価から平均的な時間数を算出した。
 これまでの契約での実際原価を把握しているため、予想枚数や1枚当たりの作業時間の設定が適切であるかについて引き続き検証していきたい。

委 ぜひとも、これらの設定値についての検証結果を後日、提示していただきたい。
 また、報告書等、知的成果物の作成に係る費用の計算において、作業者の練度を考慮することはできないか、将来的な課題として注視していただきたい。

(2)1者応札・1者応募案件に係るサンプリング調査審議(平成20年度技術研究本部)

平成20年度に技術研究本部が締結した契約うち、
○ 一般競争入札に付したところ、応札者が1者のみであった案件(1者応札案件)
○ 公募・企画競争に付したところ、応募者が1者のみであった案件(1者応募案件)
の中から、委員により抽出されたサンプリング調査対象について審議を行った。

(1者応札案件)計8件
  ジェーン年鑑(イントラネット版)
  航空券
  特許出願等役務(機械部門)
  特許出願等役務(電気部門)
  防衛技術資料速報
  船舶設計基準(潜水艦用)に関する基礎資料の作成
  船舶設計基準(水上艦船用)に関する基礎資料の作成
  船舶設計基準(高速艦艇構造)に関する基礎資料の作成

(1者応募案件)計13件
  航空機投下用ダミーウェイト(その1)
  航空機投下用ダミーウェイト(その3)
  新戦車寒冷季耐久試験用予備品・付属品
  維持補用品(その1)
  試作機等形態管理(その1)
  新戦車の技術的検討及び形態管理作業(その1)
  AMT試験役務(セグメントⅡ-(1)前半)
  AMT試験役務(セグメントⅡ-(1)後半)
  AMT試験役務(セグメントⅡ-(2)前半)
  AMT試験役務(セグメントⅡ-(2)後半)
  次期固定翼哨戒機用エンジン(QT5号機)の修理・組立・運転等
  次期固定翼哨戒機用エンジン(QT5号機)の分解・検査等
  次期固定翼哨戒機用エンジン(QT5号機)の修理・組立・運転等(その2)
 
    ※AMT試験:航空機の実運用パターンを模擬した試験であり、本4件は次期固定翼哨戒機用エンジンの信頼性データ取得を目的として実施。

 防衛省側から、契約の概要、1者応札・1者応募となったことについて推察される理由、1者応札・1者応募の改善のために緩和できる条件や今後取り組む方策等について説明を行ったのち、主に以下のような質疑応答が行われた。

(特許出願等役務(機械部門)、特許出願等役務(電気部門))
委 特許事務所が数多く存在する中で、これらの特許出願役務に1者のみの応札となっているのはどのような理由からか。本件は一般競争により契約相手方が決定されているが、参入者の増加を期待する場合、一般競争、公募のいずれが適当であるのか。

防 公募により契約相手方を募集することは、主に契約の履行において特定の技術等が必要な場合を想定しているが、本件の場合、機械部門や電気部門での特許出願を経験していれば、どの特許事務所でも対応できる役務内容であるため、一般競争としたものである。  一般競争、公募のいずれであっても、公告または公示により一定の期間、公に知らされることから、効果としてはそれほど大きな違いはないものと思われるが、特許事務所では顧客からの申し出により業務を行うのが一般的であり、事務所側から公告を確認して契約に取り付けることがあまりないため、1者のみの応札となったのではないかと推察される。

(防衛技術資料速報)
委 本件は、技術研究本部が所有する防衛・学術に関する洋雑誌等を契約相手方に貸与し、軍事技術関連のテーマについて日本語での抄録及び技術トレンドの報告書を作成するものであるが、公益法人が契約相手方となっている。役務の内容から、当該公益法人が入札していることは納得できるが、他の業者においても履行できるものであり、複数の応札者を得るためにどのような工夫しているのか。

防 国内シンクタンク等、本件の履行が可能と思われる会社に対して下見積を要求することにより、本件の入札を周知させるよう努めているが、当初から参入意欲のない会社もあり、下見積の提出についても積極的でないのが実状である。
 しかしながら、予定価格の算定に当たっては、インターネット等により、洋書の日本語抄録の作成価格等を市場調査し、同公益法人の見積価格の妥当性を確認しているところである。

(3)入札状況報告(平成20年度第2/四半期)

 経理装備局監査課は、装備品等の調達に係る契約金額が1,000万円を超える競争契約での入札状況(予定価格、応札者数、最低入札金額等)について調査・検討し、不自然な入札案件について審議会に諮っている。
 今回は平成20年度第2/四半期分を対象に不自然な入札案件の抽出を行ったところ、直ちに審議会に諮るような案件は存在しなかったが、いくつかの案件について、引き続き動向を注視したうえで、あらためて審議会に諮ることとして了承を得た。

(4)次回の日程等

 次回は10月14日(水)に開催の予定。詳細については事務局から後日連絡。

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