第78回防衛調達審議会議事要旨

1 日時

平成21年7月15日(水)10時00分~12時00分

2 場所

防衛省A棟11階第1省議室

3 出席者

(委員)
坂井会長 小林会長代理 奥宮委員 清水(俊)委員 清水(涼)委員 山口委員 山田委員

(防衛省)
岩井防衛参事官 羽深審議官 吉田統合幕僚監部首席後方補給官 市川陸上幕僚監部装備部武器化学課長 畑田海上幕僚監部装備部長 福井航空幕僚監部装備部長 渡辺技術研究本部総務部長 多田装備施設本部副本部長 増田装備政策課長 山本監査課長 畠中監査課先任部員

4 議題

(1) 随意契約等に係るサンプリング調査審議(平成20年度海上自衛隊艦船補給処)
「深海救難艇用耐水圧油漬ケーブル修理」
(2) 1者応札・1者応募案件に係るサンプリング調査審議(平成20年度海上自衛隊)
(3) 入札状況報告(平成20年度第1/四半期)
(4) 次回の日程等

5 議事概要

 前回審議会において、平成20年度装備施設本部契約「ガスタービン発電装置機側操作盤用構成品」に関するサンプリング調査審議を行った際、

○  製造原価の約65%を占める外注品の発注先である下請負会社は、米国製造メーカーの日本現地法人であり、米国製造メーカーの製品についての販売、サービスのみを取り扱っているようである。
○  このため、当該外注品は該社を商社とした米国製造メーカーからの輸入品ではないかと推察されるが、輸入品であるならば、発注価格に為替差を考慮すべきではないか。本品は輸入品、国産品のいずれであるのか。

との指摘があった。
 審議に先立ち、上記の指摘について、装備施設本部艦船課で調査した結果を審議会に報告した。
 調査結果の概要は下記のとおり

○  本品のハードウェアそのものは米国製造メーカーからの輸入品ではあるが、汎用品であるため、日本国内での販売価格が下請負会社によって決定されている。
○  さらに、本品は輸入されてきたそのままの状態では護衛艦に適合しないため、下請負会社は自社において護衛艦の発電装置の操作盤に組み込むためのカスタマイズを行い、最終的には該社の製品として元請負会社に納入する。
○  このため、本品はいわゆる輸入品とは異なるものである。

調査結果の報告に対して、委員から以下のような意見があった。

委 本件のように、下請負会社への発注価格が、ハードウェアの輸入価格とカスタマイズのための作業費で構成されることが明らかになれば、輸入価格はどのようであったか、作業費は適正であったかなどのアイデアが生まれてくる。
 契約金額の大半を下請負が占めるような場合でも、下請負会社への発注価格については元請負会社と下請負会社との民民間での契約行為によるものであるとして、価格構成の詳細までに立ち入った調査がなされていない事例が散見されるが、十分に意識をもって価格の適正性を検証していただきたい。

(1) 随意契約等に係るサンプリング調査審議(平成20年度海上自衛隊艦船補給処)

 平成20年度に海上自衛隊艦船補給処が締結した契約の中から、サンプリング調査審議の対象として委員が抽出した、「深海救難艇用耐水圧油漬ケーブル修理」の契約について審議した。


 防衛省側から、調達品の概要及び調達要求以降、予定価格の算定及び入札を経て、契約成立に至るまでの経緯について説明が行われたのち、主に以下のような質疑応答が行われた。

(契約の概要)
 「油漬ケーブル」は深海救難艇に配線される電気ケーブルであり、深海の水圧にも耐えられるよう、絶縁油を充填したチューブによって電線が密閉されている構造となっている。
 本件は油漬ケーブルの定期修理であり、契約相手方を公募したところ、深海救難艇の製造会社1者のみの応募であったことから、該社と随意契約を締結した。
 本件契約では、契約相手方(=元請負会社)が油漬ケーブルの修理後に耐水圧試験を実施することによって深海救難艇に供するための品質を保証する責任を負っている一方で、実質的な修理作業については下請負会社が100%を実施し、下請負への発注価格が契約金額の製造原価の90%超を占めることが特徴である。


委 装備品の部品の製造や修理について、当該部品を装備品に組み込んだときのシステム全体での品質を確保するため、装備品の主契約者が契約相手方となっているが、実質的な製造・修理作業については下請負において実施される事例がこれまでにも数多く見られた。
 このような場合、本件に限らず、下請負の範囲については契約相手方と下請負会社との民民間での契約行為であるため、下請負への発注価格の原価内訳を開示してもらえず、原価の把握が困難であるとの説明である。
 原価内訳を任意で開示してもらえないのならば、下請負への原価監査(下請負監査)を実施できるような仕組みにすべきではないか。

防 下請負監査については制度として存在し、例えば装備施設本部で調達する航空機や誘導武器などでは多数の下請負会社が存在するため、必要に応じて実施している。
 下請負監査の実施には、下請負会社に監査を受け入れる態勢があるかを含め、あらかじめ契約相手方との合意が得られていることが大前提である。

委 下請負監査の実施について契約相手方の合意が得られないような事例があるようならば、公募への応募条件として下請負監査を行う場合があることを約束させるなど方法があるのではないか。本件ではそのような対応はしていなかったのか。

防 本件の下請負会社は防衛省との契約に不慣れであり、かつ、当補給処でもこれまでに下請負監査を実施した例がなかったため、下請負監査の実施を当初から予定していなかった。下請負監査に対する態勢を整え、次回以降の契約において適切に対応したい。

委 本件のように、部品の実質的な製造・修理に係る作業の100%が下請負に発注される事例では、直接下請負会社と契約を締結できない理由として、装備品に当該部品を組み込んだときのシステム全体での品質保証責任を元請負会社である契約相手方に負わせるということが強調されている。
 契約相手方の品質保証責任は重要であるが、だからといって下請負への発注価格が不明であってよいということにはならない。下請負への発注内容を含め契約についての責任は全て契約相手方にあるのだから、契約相手方は発注者である防衛省に対して、下請負への発注価格の詳細についても十分な説明を行うべきである。
 下請負監査によって発注価格の原価を把握することを大いに行っていただきたいが、それ以前にも下請負監査の有無にかかわらず、契約相手方から発注価格の詳細について納得のいく説明を受ける姿勢をもっていただきたい。
 
防 ご指摘をふまえ、まずは本件について原価調査を行い、次回の契約において下請負監査を付すことを契約相手方に対して調整していく。

(参考)
※ 原価調査:次回以降の調達に対する予定価格の算定に必要な資料を得るために、当該契約の発生原価の全部又は一部を確認するための調査。
※ 原価監査:契約相手方が契約の履行のために支出・負担した費用が原価として妥当であるか否かを審査し、契約代金を確定するために行う監査。

(2)1者応札・1者応募案件に係るサンプリング調査審議(平成20年度海上自衛隊)

平成20年度に海上自衛隊が締結した契約うち、
・一般競争入札に付したところ、応札者が1者のみであった案件(1者応札案件)
・公募・企画競争に付したところ、応募者が1者のみであった案件(1者応募案件)
の中から、委員により抽出されたサンプリング調査対象について審議を行った。

(1者応札案件)計16件
  防火ヘルメット
  救命胴衣灯 【計3件】
  航空機部品(官給品)BEARINGほか9品目
  航空武器等用部品(官給品)COUPLERほか15品目
  航空武器等用部品(官給品)BEARINGほか86品目
  航空武器等用部品(官給品)IDESICCANTほか86品目
  航空機部品(エンジンO/H用)GEARほか18品目
  航空機部品(部隊整備及びエンジンO/H用)CASING TURBINEほか3品目
  航空機部品(部隊整備及びエンジンO/H用)HOUSING REARほか1品目
  防弾盾,3型
  防弾板,2型,胸用ほか1件
  陸上戦闘服用雨衣,1号Aほか6件
  酷暑用作業着,海甲,上衣,1号Aほか65件
  陸上戦闘外衣,1号Aほか12件
  
(1者応募案件)計6件
  不用弾薬の処分(MK44魚雷、73式及び80式魚雷本体)
  Kuバンド衛星通信回線の借り上げ
  APU修理作業
  APUオーバーホール作業 【計3件】


 防衛省側から、契約の概要、1者応札・1者応募となったことについて推察される理由、1者応札・1者応募の改善のために緩和できる条件や今後取り組む方策等について説明を行ったのち、主に以下のような質疑応答が行われた。


(航空機部品(官給品)、航空武器等用部品(官給品))
委 航空機部品・航空武器等用部品の契約では、納期が3日~2週間程度と極端に短いものもあれば、2年を要するものもある。いずれも航空機等に使用する部品であるにもかかわらず、納期にこれほどまでの差があるのはなぜか。

防 これらの部品は、航空機等の修理契約において交換を要する部品が発見された場合に修理会社に対して支給する官給品である。官給品は、部隊での在庫量を限られた予算で確保するため、故障発生率や使用時間に基づいた数量を予測して計画的に調達している。
 しかしながら、予想外の交換部品が発生した場合には、修理契約への官給を急ぐため、部品製造会社の在庫品を充当するなどし、このような短期間での調達を行っている。

(陸上戦闘服用雨衣、酷暑用作業着、陸上戦闘外衣)
委 陸上戦闘用雨衣ほか2件の調達では、特許等の特段の制約がないにもかかわらず、契約ごとに異なる1者のみが応札している。
 これらの被服の調達は、やむを得ない事情により短納期での契約となったために、工場の操業上の都合により応札者が偏ってしまったとのことであるが、十分に納得できる説明ではない。短納期であることを理由に会社間で受注量を分け合っていないかなど、応札者の動向を引き続き注視すべきである。

(Kuバンド衛星通信回線の借り上げ)
委 Kuバンド衛星通信回線の借り上げでは、契約相手方の約款で規定されている料金表を市場価格として予定価格を算定しているとのことである。この料金表を市場価格として認めるためには、約款が広く適用されていなければならないが、本件の料金表は海上自衛隊に対してのみ適用されるものではなく、他の会社にも適用されるようなものであるのか。

防 約款は該社のホームページにおいて公表されていることから、いずれの会社においても同じ料金表が適用されているものと思われる。
 また、電気通信サービスの一部には約款を総務大臣へ届出しなければならないようなものもあり、本件がこの届出を要するものに該当するかを含め、料金表がどの程度の範囲に適用されるものであるのかを後日報告する。

(3)入札状況報告(平成20年度第1/四半期)

 経理装備局監査課は、装備品等の調達に係る契約金額が1,000万円を超える競争契約での入札状況(予定価格、応札者数、最低入札金額等)について調査・検討し、不自然な入札案件について審議会に諮っている。
 今回は平成20年度第1/四半期分を対象に不自然な入札案件の抽出を行ったところ、新たに審議会に諮る案件はなかった旨を報告した。

(4)次回の日程等

 次回は9月16日(水)に開催の予定。詳細については事務局から後日連絡。

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