第77回防衛調達審議会議事要旨

1 日時

平成21年5月27日(水)10時00分~12時15分

2 場所

防衛省A棟地下1階統幕第2大会議室

3 出席者

(委員)
坂井会長 小林会長代理 奥宮委員 清水(俊)委員 山口委員 山田委員

(防衛省)
岩井防衛参事官 羽深審議官 吉田統合幕僚監部首席後方補給官 岩崎陸上幕僚監部装備部副部長 畑田海上幕僚監部装備部長 福井航空幕僚監部装備部長 渡辺技術研究本部総務部長 多田装備施設本部副本部長 増田装備政策課長 山本監査課長 畠中監査課先任部員

4 議題

(1) 随意契約等に係るサンプリング調査審議(平成20年度装備施設本部)
   「シェルタ(修理車用)」
      「緊急避難シェルタ(国際平和協力活動用)」
  「ガスタービン発電装置機側操作盤用構成品」
    「ガスタービン発電装置機側操作盤用構成品(初度費)」
(2) 1者応札・1者応募案件に係るサンプリング調査審議(平成20年度装備施設本部)
(3) 平成20年度各地方防衛局入札監視委員会における審議状況
(4) 次回の日程等

5 議事概要

 審議に先立ち、㈱富士インダストリーズ及び極東貿易㈱による輸入品調達での過大請求について、現況報告を行った。

 ㈱富士インダストリーズによる過大請求については、平成18年11月にその事実が発覚したことから、同社の入札参加資格を停止するとともに、同社に関する契約の過払い額についての調査を実施してきたところである。
 上記については第57回審議会で報告を行ったが、平成21年4月に過払い額を確定し、延納金と併せて同社に返還請求を実施した旨を今回の審議会に報告した。
 なお、同社から請求額の全額が同月24日に返納されたことなどから、同社に対する入札参加資格停止を解除した。
 
 
 
 
 

 極東貿易㈱による過大請求については、㈱山田洋行による過大請求事案等を踏まえ、当省との一般輸入に係る契約実績のある企業について調査を行ったところ、平成20年1月にその事実が発覚したことから、同社の入札参加資格を停止するとともに、同社に関する契約の過払い額についての調査を実施してきたところである。
 上記については第67回審議会で報告を行ったが、平成21年4月にこれまでに判明した過大請求に係る過払い額を確定し、延納金と併せて同社に返還請求を実施した旨を今回の審議会に報告した。
 なお、同社に対する調査は引き続き実施する。

 上記の報告後、主に以下のような質疑応答が行われた。

(参照:平成21年4月24日の公表の「㈱富士インダストリーズ及び極東貿易㈱による過大請求について」は、当省HP http://www.mod.go.jp/j/press/news/2009/04/24b.html に掲載)

委 輸入品調達において、海外製造メーカーの作成した見積書等を偽造することで過大請求が行われていた事案は、本件の2社と㈱山田洋行の合計3社によるものであると認識しているが、同様の会社はこれ以上存在しないと考えてよいのか。

防 ㈱山田洋行による事案発覚以降、同様の過大請求を行っていた会社が他にも存在しないかという観点から、サンプル的に海外製造メーカーの見積書等を直接照会し、その真正性を確認する調査を現在継続中である。

委 同じ手法によって過大請求を行っていた会社が3社も存在したとなると、防衛省の輸入品調達に対する不信感を否定できないが、再発防止に努めているのか。

防 現在、輸入品調達の契約においては、海外製造メーカーが発行した見積資料の原本等、価格等証明資料を防衛省に対して提出するか、またはこれに準ずる証明を行わなくてはならないことを特約条項によって日本国内の契約相手方に義務づけている。
 また、装備施設本部の在米の輸入調達専門官を10名に増員し、現地での価格調査に当たっているところである。
 これらの施策の実施により、今後の輸入品調達に係る契約では、同様の過大請求が行われることはないものと考えている。


(1) 随意契約等に係るサンプリング調査審議(平成20年度装備施設本部)

 平成20年度に装備施設本部(艦船車両担当)が締結した契約の中から、サンプリング調査審議の対象として委員が抽出した、4件の契約について審議した(2件ずつまとめて審議)。

 防衛省側から、調達品の概要及び調達要求以降、予定価格の算定及び入札を経て、契約成立に至るまでの経緯について説明が行われたのち、主に以下のような質疑応答が行われた。

number_01.gif(73 byte) 「シェルタ(修理車用)」
   「緊急避難シェルタ(国際平和協力活動用)」

(契約の概要)
 本2件の契約は、いずれもコンテナの形を呈したシェルタを調達するものである。 「シェルタ(修理車用)」はトラックの荷台に搭載した状態で、シェルタ内において装備品の修理作業を行える構造となっており、「緊急避難シェルタ(国際平和協力活動用)」は地上に設置することにより、隊員がシェルタ内に緊急避難できる構造となっている。
 また、いずれのシェルタも一般競争入札に付しているが、前者は汎用のトラックコンテナと同等の製品であるため、3社による競争がなされている一方で、後者は防弾性能を重視した特殊鋼板を使用していることから、当該鋼板の加工技術を有する1社のみの応札となっている点が特徴である。

委 「シェルタ(修理車用)」は、汎用品と同等の製品であるのならば、もっと多くの応札者があってもよいと思われる。現在の3社以外に、応札者数の拡大は図れないのか。

防 特定の会社だけに入札参加を呼びかけることは公正性を欠くこととなるので、どのように取り組めば公正性を担保しつつ、応札者数を拡大できるのかについて、常に留意していきたい。

委 応札者3社のうち、これまでに落札しているのは2社のみである。
 落札者がこの2社のみに偏らないよう、一層の競争性を確保するためにも、応札者の拡大を図るべきではないか。

防 落札者の動向について留意しつつ入札業務に当たるとともに、応札者の拡大に努めたい。

委 「緊急避難シェルタ(国際平和協力活動用)」の契約相手方は、最近、社内の会計処理を変更している。予定価格の算定にこの変更を適用することが適切であるか、十分に検証する必要があるのではないか。

委 変更の内容を見ると、それまでは、工場における経費率として加工費率のみを設定しており、加工工数の多寡に応じて加工費及び製造間接費が配賦される管理としていた。今般、外注発注のための費用と資材発注のための費用を加工費率から別立てし、これらの費用については主に直接材料費の多寡に応じて原価が配賦される管理へと変更がなされている。この変更は、原価の発生を工場での活動ごとに、より適切に管理できるような方向に移行しているものではないか。

委 会計処理が変更される場合には、防衛省にとって不利とならないかを十分に検証しなければならない。変更に際して、どのような検証がなされたのか。

防 該社から変更の申請があった際、装備施設本部との履行中の契約が数件あったが、新旧それぞれの会計処理により契約金額を試算したところ、当該変更によっても価格に大きな変動がないことを確認した。このため、当省の予定価格の算定においても、変更後の会計処理を容認することとしたものである。

number_01.gif(73 byte) 「ガスタービン発電装置機側操作盤用構成品」
   「ガスタービン発電装置機側操作盤用構成品(初度費)」

(契約の概要)
 本件は、護衛艦のガスタービン発電装置の操作盤について、アナログ方式の計器類が製造中止となる対策として、デジタル方式の同計器類を調達するものである。
 本品は、護衛艦の発電装置操作盤に適合する特注品であるが、今回が第1回目の契約であるため、調達品そのものを実際に製造するための費用(製品費)のほか、専用治工具の製造費や製造図面等の作成費など、初度に必要となる費用(初度費)が発生する。
 初度費については、平成19年度までは各年度の契約にわたって分割して償却していたが、平成20年度以降、第1回目の契約に一括して計上することとなった(第67回審議会において報告)。
 今般、初度費を一括計上する契約の具体的事例として、本件契約を取り上げて調査審議を行った。初度費を一括計上する契約においては、製品費に係る契約(製品費契約)と初度費に係る契約(初度費契約)のそれぞれに予算が付与されるが、予定価格の算定、入札及び契約の締結では、製品費契約と初度費契約をまとめて取り扱う点が特徴である。

委 本件は一般競争による契約であり、次回以降の契約についても競争形態を採るとのことである。他方、本品の製造に係る初度費については、第1回目の契約で一括計上され、次回以降の契約ではいずれの会社が落札しようとも、初度費は支払われないとのことである。
 次回以降の契約で初度費が支払われないのであれば、今回の契約相手方以外の会社にとって受注意欲がおきないのは当然であるが、それでも競争に付すことは、競争契約の形骸化につながるのではないか。

防 ご指摘のとおり、本品は特注品であるため、次回以降の契約締結時において本品の製造設備や技術資料を有する会社は、今回の契約を受注することによって設備等の投資を行った該社のみということになると思われる。
 従来、このような場合では、発注者の判断により、当該製造設備や技術資料を有する者が唯一であるとして随意契約を行っていたが、「随意契約の見直し」以降、他にそのような技術を有する会社が次回以降の契約締結時において全く存在しないとも言い切れない、初度費が支払われずとも新規受注したいという会社の存在を完全には否定できないなどの視点から、入札・公募等の競争形態を採ることにより、新規参入会社の存在を確認しているところである。
 第三者に対して誤解を与えないよう、特殊な事情を有するために1者応札・1者応募とならざるを得ない案件と、納期や数量等の契約上の制約により1者応札・1者応募となっているような案件を峻別して取り扱うことが肝要であり、このための調達職員の能力を高めていきたい。

委 下請負会社に外注する品代が製造原価の大幅な割合を占め、かつ確定金額として計算されているが、下請負会社について調べたところ、米国製造メーカーの日本現地法人のようであり、外注品は輸入品ではないかと推察される。
 輸入品であるならば、ドル価によって取引されているはずであるため、確定金額とせずに為替変動による精算を後日行うべきではないか。

防 外注品については、国産品、輸入品のいずれであるかは明確ではないが、本件の契約相手方(元請負会社)と下請負会社との間で円価によって価格交渉がなされていることを確認したため、確定金額として取り扱ったものである。

委 下請負に係る発注価格の決定に当たり、元請負会社が下請負会社と交渉を行った結果決定された価格であるというだけで当該発注価格が適正であると判断するのではなく、国産品であるか輸入品であるかについて業態調査を行うなど、意識をもって取り組んでいただきたい。

防 ご指摘の事項について十分に留意し、予定価格の算定業務に当たりたい。

(2)1者応札・1者応募案件に係るサンプリング調査審議(平成20年度装備施設本部)

平成20年度に装備施設本部が締結した契約うち、
  ・一般競争入札に付したところ、応札者が1者のみであった案件(1者応札案件)
  ・公募・企画競争に付したところ、応募者が1者のみであった案件(1者応募案件)
の中から、委員により抽出されたサンプリング調査対象について審議を行った。

(1者応札案件)計14件
  3 1/2tトラック
  3 1/2tトラック(ウィンチ付)
  1 1/2tトラック
  1/2tトラック
  水上艦用ソーナーシステムOQQ-22-1  ※製品費契約、初度費契約の計2件
  潜水艦ソーナー・システムZQQ-7B  ※製品費契約、初度費契約の計2件
  半長靴3型
  戦闘靴2型,一般用
  地上マイクロ伝送システム
  共有サービス基盤用ソフトウェア(その2)
  百里基地用着陸拘束装置(含む。基礎据付調整工事)
  衛星通信役務

(1者応募案件)計7件
  潜水艦(8120)
  99式自走155mmりゅう弾砲車体部
  99式自走155mmりゅう弾砲  ※製品費契約、初度費契約の計2件
  衛星通信役務
  03式中距離地対空誘導弾  ※製品費契約、初度費契約の計2件

 防衛省側から、契約の概要、1者応札・1者応募となったことについて推察される理由、1者応札・1者応募の改善のために緩和できる条件や今後取り組む方策等について説明が行われたのち、主に以下のような質疑応答が行われた。

 委 「百里基地用着陸拘束装置(含む。基礎据付調整工事)」は、着陸拘束装置の輸入調達と基地への基礎据付調整工事が一体となった契約である。
 契約相手方である建設会社のみが装置の国内販売権を有しているため、本件は1者応札となっているようであるが、装置の輸入調達と工事を分割して契約すれば、工事については他の建設会社の参入が可能になるのではないか。

防 装置は構成品単位で輸入され、輸入時の状態では着陸拘束装置として機能するものではない。各構成品を基地に据付けるための工事を施工し、最終的な調整を行うことによって完成品となる。

 このため、装置の機能・構造を熟知している建設会社に、完成工事まで請け負わせることによって完成品全体の品質を確保する目的から、装置の輸入調達と工事を一体とした契約としているものである。

(3)平成20年度各地方防衛局入札監視委員会における審議状況について

 平成19年11月、公共調達の適正化に関する関係省庁連絡会議(以下、「連絡会議」という。)において、全ての府省の全ての契約の監視が行えるよう、本省のみならず、相応の発注規模の地方支分部局にも第三者機関を設置することとされた。

 防衛省においては、従来、中央調達及び各自衛隊補給処等における装備品調達については本省に設置している防衛調達審議会が、建設工事については各地方防衛局に設置している入札監視委員会が、契約の監視を行ってきたところであるが、連絡会議の結果を受け、地方における装備品を含む物品等の調達については各地方防衛局に設置している入札監視委員会を活用して監視を行うこととし、平成20年3月に監視体制の見直しを行った。

 各地方防衛局入札監視委員会での平成20年度の審議状況ついて、防衛省側から主に下記の報告を行った。

ア 物品調達  99件(光無線通信装置、PPC用紙、内地精米 等)
イ 役務調達 170件(食器洗浄作業、病院施設清掃、一般廃棄物処理 等)
ウ その他 23件(給水管改修、構内道路補修、宿舎ベランダ手摺補修 等)
エ 委員からの意見の具申等(1件)
  審議対象件数全ての落札率が高い、地域性があることは理解するものの、競争性をもっともたせるべき。例えば、他省庁等に問い合わせるなどし、多数の業者が参加できるよう検討する必要がある。

(4)次回の日程等

次回は7月15日(水)に開催の予定。詳細については事務局から後日連絡。

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