第73回防衛調達審議会議事要旨

1 日時

平成20年11月19日(水)10時00分~12時00分

2 場所

防衛省A棟11階第1省議室

3 出席者

(委員)
坂井会長 小林会長代理 江畑委員 奥宮委員 清水(俊)委員 清水(涼)委員

(防衛省)
羽深審議官 吉田統合幕僚監部首席後方補給官 渡部陸上幕僚監部装備部長 畑田海上幕僚監部装備部長 福井航空幕僚監部装備部長 槇原技術研究本部総務部長 多田装備施設本部副本部長 増田装備政策課長 山本監査課長 松村監査課先任部員

4 議題

  1. (1)平成19年度防衛装備品等の契約に係るサンプリング調査(陸上自衛隊関東補給処)
  2. (2)平成19年度契約における1者応札・1者応募案件に係るサンプリング調査(陸上自衛隊)
  3. (3)入札状況報告(平成19年度 2~3/四半期)
  4. (4)次回の日程等

5 議事概要

(1)平成19年度防衛装備品等の契約に係るサンプリング調査(陸上自衛隊関東補給処)

 平成19年度に陸上自衛隊関東補給処が締結した随意契約の中から、サンプリング調査対象として委員が抽出した、ガスボンベの法定定期検査に関する2件の契約
「87ATM用高圧ガスボンベの再検査 他95品目」
「SAM-3発射装置用冷却ガスボンベの再検査 他27品目」
について審議を行った。

 防衛省側から、調達品の概要及び調達要求以降、予定価格の算定及び商議を経て、契約成立に至るまでの経緯について説明が行われた後、主に以下のような質疑応答が行われた。

(契約の概要)
本2件は、87式対戦車誘導弾(87ATM)及び93式近距離地対空誘導弾(SAM-3)のそれぞれの発射装置に使用する冷却用ガスボンベについて、高圧ガス保安法に基づく再検査(定期検査)を実施する役務契約である。
本2件は同種の検査を実施するものであるが、両者の間には下記のような相違点が存在する。

構造上の相違として、87ATM用ガスボンベの容器が一体成形品であるのに対して、SAM-3用ガスボンベの容器には溶接による継ぎ目がある。

このため、SAM-3用ガスボンベでは検査の都度、容器の塗装をはく離し、溶接部の確認を行わなければならない。

いずれのガスボンベも装着する装備品に適合するように設計された特注品であり、特に両者の間ではバルブの構造が大きく異なる。

契約相手方の選定を目的とした公募を実施したところ、それぞれのガスボンベの検査に対して、それぞれ1者のみの応募があり、応募者と随意契約を締結した。これらの会社は、それぞれの装備品の開発にあたり、ガスボンベの製造について参入していた会社である。

予定価格は、87ATM用ガスボンベの検査については市場価格方式(※1)によって算定されており、他方、SAM-3用ガスボンベの検査については原価計算方式(※2)によって算定されている。

※1 市場価格方式:取引の実例価格として一般的に公開されている価格(市場価格)その他売買の基準となる価格をもとに予定価格を計算する方式。
※2 原価計算方式:生産費用を構成要素(直接材料費、加工費、直接経費)ごとに積み上げた製造原価に適正利益等を付加することにより予定価格を計算する方式。

委 補給処や部隊での保管中にガスボンベ内が腐食しないよう、10気圧程度のガスを低圧充填した状態で検査工場から出荷しているとのことである。このガスを充填するための費用が、87ATM用ガスボンベの検査のみに計上されているが、SAM-3用ガスボンベの検査では当該費用が発生しないのはなぜか。

防 SAM-3用ガスボンベでは容器に溶接部が存在するため、バルブ及び容器の単体での検査のほかに、組み立てた状態での気密試験を実施する必要があることから、試験実施後に10気圧程度だけ試験ガスを残留させている。この結果として、腐食防止のためにガスを充填するのと同じ効果を得ており、ガスの充填費用が発生しない。

委 ガスボンベ使用時に、ガスを高圧充填する装置を部隊で保有しているとのことであるが、検査工場において経費をかけて腐食防止用のガスを低圧充填せずとも、納品後に部隊において充填することにより、当該経費は節減できるのではないか。

防 検査終了後のガスボンベにガスを充填する際には、充填ガスの純度を損なわないよう、ガスボンベ内を一旦真空にする必要があるが、部隊ではガスボンベ内を真空引きする装置を保有していないため、検査工場出荷時にガスの充填を実施する必要がある。

委 各予定価格は、SAM-3用ガスボンベの検査では原価計算方式により算定している一方で、87ATM用ガスボンベの検査では市場価格方式により算定している。
しかしながら、いずれのガスボンベも各装備品用の特注品であるため、検査業務に全く市場性がなく、陸上自衛隊の各補給処での取引価格をもって市場価格としている。
より適正な予定価格の算定を実施するためには、87ATM用ガスボンベの検査においても原価計算方式を採用すべきではないか。

防 87ATM用ガスボンベの検査の場合、実際の検査業務は下請負業者において実施されているが、当該下請負業者は従業員数が10人に満たない会社であり、当省の実施する原価調査に対応できる態勢となっていないため、市場価格方式を採用した。
 原価計算方式の採用にあたっては、原価調査のための態勢を整えていく必要があるが、ご指摘を踏まえ、検討を行うこととする。

委 各補給処での契約を比較した場合、交換バルブをある補給処での契約のみ官給品とし、他の補給処での契約では検査業者が製造会社から購入することとしていたり、また、実際の検査業務は同一の下請負会社において実施されているにもかかわらず、ある補給処での契約金額は他より高額であったりするなど、不統一な状況が見受けられる。
 この理由として、地域での事情の差などを挙げているが、現状の予定価格の算定方法では、本当にそうであるのかが説明できていない。原価計算方式による予定価格の算定を追求し、何年かごとに上記の検証を行うなど、予定価格の適正化を図っていただきたい。

(2)平成19年度契約における1者応札・1者応募案件に係るサンプリング調査(陸上自衛隊)

平成19年度に陸上自衛隊において締結された契約のうち、
・ 一般競争に付したところ、応札者が1者のみであった案件(1者応札案件)
・ 公募・企画競争に付したところ、応募者が1者のみであった案件(1者応募案件)
の中から、委員により抽出されたサンプリング調査対象について審議を行った。

(1者応札案件)
  砲腔洗浄機(155mm砲及び203mm砲用)
  戦闘糧食(ビーフカレー)、戦闘糧食(クラッカー)、戦闘糧食(まぐろステーキ)
  偽装網、リチウム電池、液晶プロジェクタ2件、草刈払機、自動給茶機
(1者応募案件)
  地対艦誘導弾地上装置の定期整備、多用途ヘリコプター部品のオーバーホール、標的機管制装置の部品、90式戦車自動装填装置の改善2件、師団等指揮システムのシステム維持・整備支援2件

 防衛省側から、契約の概要、1者応札・1者応募となったと考えられる要因、契約に際して設定している条件についての説明が行われた後、主に以下のような質疑応答が行われた。

委 砲腔洗浄機は、㈱山田洋行が外国産の製品を日本国内で在庫として保有していたものを該社から購入したものであり、いわゆる一般輸入調達品ではないため、該社による過大請求事案(※3)には該当しないとのことである。しかしながら、本品のように自衛隊以外に購入される見込みのない製品を該社が在庫として保有していたこと自体不自然に感じるが、その理由は確認しているか。

防 契約に当たって、当該品を在庫として保有している理由を該社に確認したが、明確な回答は得られなかった。

委 本件の場合、一般輸入による調達には該当せず、契約の締結は㈱山田洋行の提示する売価をもとに行われることになるが、その売価の正当性はどのように確認したのか。

防 ご指摘のとおり、今回は一般輸入により調達したものではないため、外国製造メーカーに対する出荷価格の真正性についての確認はできなかった。しかしながら、過去に一般輸入による同一品の調達実績があったことから、他の一般輸入調達での契約と同様、外国製造メーカーに対して当該同一品の出荷価格を確認したところ、改ざん等の問題はなかった。この真正性の確認結果を踏まえ、本件との価格比較をしたところ、大きなかい離がなかったため、本件の価格は妥当であるものと判断した。

※3 ㈱山田洋行による一般輸入調達における過大請求事案:
 平成19年11月22日、㈱山田洋行が防衛省に納入した輸入装備品2件の契約について、過大請求を行っていたことが判明した。これを受け、同社を取引停止とするとともに、同社との平成14年度以降の他のすべての契約についても、見積書等の真正性を外国製造メーカーに直接確認する調査を実施している。
(なお、本件は取引停止前に締結された契約である。)

委 戦闘糧食の入札では、業務の効率化の観点から、複数の品目について同時に入札を実施し、応札者は希望する品目についてのみ応札する方法がとられている。その中で一部の品目については、複数の会社が同じ入札に居合わせたにもかかわらず、品目ごとに応札者が分かれ、一者応札となっており、各会社がお互いに敬遠し合っているような傾向が見受けられる。
しばらくの間、応札者の動向を注視し、競争性のある入札環境の整備に努められたい。

(3)入札状況報告(平成19年度 2~3/四半期)

経理装備局監査課は、装備品等の調達に係る契約金額が1,000万円を超える競争契約での入札状況(予定価格、応札者数、最低入札金額等)について調査・検討を行っている。
今回は平成19年度2~3/四半期分を対象に、入札談合を疑わせるような不自然な入札案件に関しての調査審議を行った。(なお、平成19年度2/四半期分については、第72回審議会で審議する予定であったが、時間の都合により割愛されたものを今回に編入した。)
 この調査審議の結果は、担当の調達実施機関に通知し、当該機関においてさらに必要な情報収集及び検討を実施する。

(4)次回の日程等

次回は12月10日(水)に開催の予定。
詳細については事務局から後日連絡。

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