第71回防衛調達審議会議事要旨

1 日時

平成20年9月17日(水)10時00分~12時05分

2 場所

防衛省A棟11階第1省議室

3 出席者

(委員)
坂井会長 小林会長代理 江畑委員 奥宮委員 清水(俊)委員 清水(涼)委員

(防衛省)
岩井防衛参事官 羽深審議官 杉崎統合幕僚監部後方補給官
市田陸上幕僚監部装備部副部長 畑田海上幕僚監部装備部長
福井航空幕僚監部装備部長 槇原技術研究本部総務部長 多田装備施設本部副本部長
増田装備政策課長 山本監査課長 松村監査課先任部員

4 議題

  1. (1)平成19年度防衛装備品等の契約に係るサンプリング調査(技術研究本部)
  2. (2)平成19年度契約における1者応札・1者応募案件に係るサンプリング調査(技術研究本部)
  3. (3)総合取得改革推進PT報告書の進捗状況及び防衛省改革の実現に向けての実施計画について
  4. (4)次回の日程等

5 議事概要

(1)平成19年度防衛装備品等の契約に係るサンプリング調査(技術研究本部)

 平成19年度に技術研究本部が締結した随意契約の中から、サンプリング調査対象として委員が抽出した「新戦車の分解点検・組立役務作業」の契約(下記「契約の概要」参照)について審議を行った。
 防衛省側から、調達品の概要及び調達要求以降、予定価格の算定及び商議を経て、契約成立に至るまでの経緯について説明が行われた後、主に以下のような質疑応答が行われた。

(契約の概要)
 本件は技術研究本部において、現在、開発中である新戦車試作機の連続走行試験を行った後に、車体部の分解点検・再組立を実施して、信頼性・耐久性に関するデータを取得する役務作業の契約である。
 本件では契約相手方の選定を目的とした公募を実施したが、応募があったのは新戦車の試作を受注している会社のみであったため、該社と随意契約を締結した。

委 本件では役務作業の一部を、契約相手方の事業所から社内の他事業所に下請負として発注している。両事業所間の取引額を製造原価として予定価格に計上したとのことであるが、社内の事業所間での取引額に内部利益を含める会計処理を行っている会社の場合は、原価計算の際に、当該取引額から内部利益を控除しなければならないはずである。
 本件において、内部利益はどのように取り扱われているのか。

防 該社の経理規則を確認したところ、社内の事業所間での取引には内部利益を加算しないとのことであった。このため、当該取引額を製造原価として予定価格に計上した。

委 本契約には原価監査を実施し、原価実績に基づいて契約金額を精算する特約条項が付帯されている。原価監査の際には、社内の事業所間での実際の取引額に内部利益が含まれていないかを確認すべきではないか。

防 ご指摘のとおり、当該取引額が該社の経理規則のとおりに処理されているかを確認し、内部利益が含まれていた場合には相当額を精算する処置をとる。

委 本件では契約相手方の子会社に対しても役務作業の一部を下請負として発注している。現在の企業会計は関連会社・子会社を含めた連結会計が原則であり、防衛省が適用する経費率に関わる制度についても、将来的には連結会計を視野に入れていく必要があるのではないか。

防 ご指摘の点については、企業会計における連結会計への動向を注視していくこととする。

委 平成19年度の契約実績によると、新戦車の部品が複数の契約によって調達されているが、仕様が同じものについては一括調達した方が経済的ではないか。

防 新戦車は試作事業を進めている段階であり、部品についても適切な仕様を模索しているところである。このため、平成19年度に調達した各部品は仕様や調達時期が異なることから、このように複数の契約に分割している。
 今後は各部品の仕様が確定した段階で一括した調達を検討していく。

(2)平成19年度契約における1者応札・1者応募案件に係るサンプリング調査(技術研究本部)

 平成19年度に技術研究本部において締結された契約のうち、
 ・ 一般競争に付したところ、応札者が1者のみであった案件(1者応札案件)
 ・ 公募・企画競争に付したところ、応募者が1者のみであった案件(1者応募案件)
の中から、委員により抽出されたサンプリング調査対象について審議を行った。

(1者応札案件)
  解析評価棟として使用するプレハブの借上、衛星画像 他4件
(1者応募案件)
  燃焼器試験用装置他の点検等の役務 他2件

 防衛省側から、契約の概要、1者応札・1者応募となったと考えられる要因、契約に際して設定している条件についての説明が行われた後、主に以下のような質疑応答が行われた。

委 1者応札案件の中には、履行期間が短いために応札者が限定されてしまったと推察される契約が含まれているが、十分な履行期間を確保するよう改善ができないのか。

防 例えば「解析評価棟として使用されるプレハブの借上」においては、設置についての地元への説明に時間を要したことにより契約期間が短くなってしまったが、今後はこうした事情を踏まえた上で、早期に契約締結が行えるよう努めていく。

委 衛星画像の売買契約では調達数量の表記が「1枚他」となっているため、画像1枚の他に何を調達しているのかがわかりにくく、この契約金額が妥当であったのかも判断できない。もっと契約の内容をわかりやすくするよう、調達要求の品名や数量の表記を改善すべきである。

防 本件は合計66枚の衛星画像を購入したものであるが、ご指摘の点については改善していく。

(3)総合取得改革推進PT報告書の進捗状況及び防衛省改革の実現に向けての実施計画について

 当省の総合取得改革推進PT(プロジェクトチーム)は平成20年3月28日に報告書を取りまとめ公表したところであるが、その後の進捗状況を7月30日に公表した。
 また、同年7月15日に公表された防衛省改革会議の報告書を受け、当省では防衛省改革の実現に向けての実施計画を策定し、8月26日に公表した。

(参照:「総合取得改革推進PT報告書の進捗状況」については、
当省HP「http://www.mod.go.jp/j/approach/others/equipment/sougousyutoku/pdf/siryou/20_07_30.pdf」に掲載。
「防衛省改革の実現に向けての実施計画」については、
当省HP「http://www.mod.go.jp/j/approach/others/kaikaku/20080827c.html」に掲載。)

 防衛省側から「総合取得改革推進PT報告書の進捗状況」及び「防衛省改革の実現に向けての実施計画」のうち、防衛調達に関わる事項についての説明を行った後、主に以下のような質疑応答が行われた。

委 一般輸入調達における海外製造メーカーとの直接契約の推進に関して、該当するメーカー側の反応はどのようであるか。

防 直接契約を推進するために、大使館関係者、諸外国の在日商工会議所会員企業、海外製造メーカーの日本法人向けの説明会を平成20年7月3日に実施した。海外製造メーカーには、従来どおり商社を経由した契約の方が便利であるという意見が多かったが、当省との直接契約に関心のあるメーカーも存在した。

委 中央・地方調達データの一元化を行うためのシステムの構築を、平成21年度から22年度において実施するとのことであるが、今後の実施計画の詳細を説明されたい。

防 平成19年度の随意契約見直し計画のデータを今年度当初に収集しており、現在このデータをもとに、平成21年度にシステム設計を行うための予算の概算要求を行っているところである。また、平成22年度には実際のシステムを整備する計画であり、このための予算要求を来年度に行う予定である。

委 防衛省改革会議の報告書では防衛調達審議会についても提言されており、改革実現に向けての実施計画では「例えば、取得方式のチェックの在り方を見直し」するとなっているが、具体的にはどのようなことを計画しているのか。

防 防衛調達審議会においては、防衛調達に関わる規則や調達の実施段階におけるチェックとして契約のサンプリング調査、1者応札・1者応募のサンプリング調査、入札経緯の検証などを審議しているが、さらに総合取得改革推進PT報告書に掲げられている新たなインセンティブ契約制度やコスト縮減の施策についても審議項目に加えていくことを考えている。

委 例えばインセンティブ契約制度を審議対象として取り上げる場合、制度や統計を報告されただけでは、実際にインセンティブがどの程度働いているかを評価することは難しい。制度に関わる具体的な契約を提示し、審議に諮られたい。

防 ご指摘のとおり、具体的な契約を取り上げることによって審議できる体制を築いていく。

(4)次回の日程等

 (株)山田洋行による過大請求事案については、第68回審議会において処理状況の報告を行ったが、その後の平成20年9月12日、新たに判明した過払額を債権として確定し、他の契約における支払債務と相殺したことを、今回の審議会において報告した。

(参照:平成20年9月12日に公表の「(株)山田洋行による装備品価格に係る過大請求について」は、当省HP「http://www.mod.go.jp/j/press/news/2008/09/12b.html」に掲載)

 次回は10月15日(水)に開催の予定。詳細については事務局から後日連絡。

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