第69回防衛調達審議会議事要旨

1 日時

平成20年5月28日(水) 10時00分~12時00分

2 場所

防衛省A棟11階第1省議室

3 出席者

(委員)
坂井会長 小林会長代理 江畑委員 奥宮委員 清水(俊)委員 清水(涼)委員 東葭委員

(防衛省)
小川防衛参事官 羽深審議官 山本監査課長 松村監査課先任部員
古賀統合幕僚監部首席後方補給官 渡部陸上幕僚監部装備部長
宮浦海上幕僚監部装備部長 山崎航空幕僚監部装備部長
槇原技術研究本部総務部長 五十嵐装備施設本部副本部長

4 議題

  1. (1)平成19年度防衛装備品等の契約に係るサンプリング調査(装備施設本部)
       5.56mm機関銃MINIMI
       軽油特1号(免税)
  2. (2)平成19年度契約における1者応札・1者応募案件に係るサンプリング調査(装備施設本部)
  3. (3) 次回の日程等

5 議事概要

(1) 平成19年度防衛装備品等の契約に係るサンプリング調査(装備施設本部)

 平成19年度に装備施設本部において締結された随意契約の中から、サンプリング調査対象として委員により抽出された以下の2件について審議を行った。

  1. 5.56mm機関銃MINIMI
  2. 軽油特1号(免税)

 防衛省側から、調達品の概要、調達要求から予定価格算定及び商議を経て、落札・契約成立に至るまでの経緯について説明が行われた後、主に以下のような質疑応答が交わされた。

【5.56mm機関銃MINIMI】

(契約の概要)
本品は陸上自衛隊で使用する5.56mm機関銃MINIMIの製造請負契約である。
本品の製造に際しては、ベルギー国エフ・エヌ・エルスタール社との技術援助契約を締結している必要がある。日本国内において当該技術援助契約を締結しているのは、現在のところ、本件の契約相手方のみであるが、競争による契約を追求する目的から、契約相手方を公募(※1)したところ、応募があったのは本件の契約相手方のみであったことから、該社と随意契約を締結した。
本件は、予定価格の算定にあたって、作業効率化促進制度に基づく工数審査(※2)の結果を反映することにより、調達価格の低減を図っている点が特徴である。

※1 公募による契約
 公募は、従来、特殊な技術又は設備等が不可欠であるとして、発注者の判断により、特定の者と契約していたようなものについて、当該技術又は設備等を有している者が、他にいる場合がないとは言い切れないことから、必要な技術又は設備等を明示したうえで参加者を募るものである。

(参照:「公共調達の適正化について(財務大臣通知)」を財務省HPhttp://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/koukyou.htmに掲載)

※2 作業効率化促進制度に基づく工数審査
 装備品等の製造等に要する作業工程等を実際に観察し、分析・評価をすることにより、標準的に必要とされる工数を算出する。ここから実際の作業工程等において発生した工数の妥当性、非能率な作業の排除の可能性を検討し、作業効率化によって可能になると考えられる工数低減の余地を「作業効率化要求書」として、契約相手方に示す。
 この「作業効率化要求書」の提示を受け、契約相手方は向こう3年間の各年度での工数の低減計画を「作業効率化計画書」として防衛省に提出する。防衛省での審査の結果、当該作業効率化計画が妥当であると認められる場合には、これを予定価格の算定に反映させるというもの。

(参照:「中央調達による作業効率化促進制度」についての政策評価書を当省HPhttp://www.mod.go.jp/j/approach/hyouka/seisaku/results/18/sougou/youshi/sougou06_youshi.pdf
http://www.mod.go.jp/j/approach/hyouka/seisaku/results/18/sougou/honbun/sougou06_honbun.pdfに掲載)

委 作業効率化促進制度に基づく工数審査にあたって、部外のコンサルタントを活用しているとのことであるが、当該コンサルタントと本件の契約相手方との間に利害関係が存在するなどにより、工数審査において客観性が損なわれていないかが重要である。本件の工数審査におけるコンサルタントはどのようにして選定された会社なのか。
また、工数審査において客観性が保たれているかについて、どのような方策がとられているのか。

防 本制度での工数審査では、作業効率ロス(作業者の実際の作業ペースと標準的な作業ペースの差)をMOST法(※3)という分析手法により、客観的に算定している。今回の工数審査で活用したコンサルタントは、現在、日本国内においてMOST法の特許実施権を許諾されている唯一の会社である。このため、本件を含めて過去3年間で、合計9品目の調査・分析を実施しているが、いずれの品目においても同一のコンサルタントを活用している。
なお、工数の低減値の最終的な決定は、コンサルタントからの分析結果の報告を受け、MOST法や作業効率化についての専門教育を受けた職員が、この報告を基に「作業効率化要求書」を作成し、調査対象企業との交渉を実施することで行っている。このため、コンサルタントだけでなく、防衛省、調査対象企業の3者が確認した値となっており、客観性は十分に確保されている。
※3 MOST法:MOST = Maynard Operation Sequence Technique
 標準的に必要とされる作業時間の測定法の一種。米国Maynard社によって開発され、作業の流れ、繋がりに着目した測定法。

委 「作業効率化計画書」では、3年後の最終的な作業効率化に向けて、適用期間3年間での各年度の工数の低減値を取り決めているが、実際の契約において、途中の年度で当該計画書において予定されているよりも効率化が進んだために大幅な工数の低減がなされた場合、または、効率化が遅れたために工数の低減が達成されなかった場合、当該契約及び次年度以降の契約での契約金額はどのように取り扱うのか。

防 「作業効率化計画書」が適用される3年間の契約金額は、当該計画書において当初から取り決められている工数に基づく金額で確定されるため、効率化における実際の進捗の影響を受けることはない。このため、当該計画書よりも早く効率化が進んだ場合には会社の利益となり、効率化が遅れた場合には会社の負担となるため、効率化の促進効果が期待できる。

委 本件では作業効率化に相応する契約金額の低減がなされており、本制度の成果が見られる。しかしながら、「作業効率化計画書」の適用期間後の契約で、工数が当該計画書を適用する前の工数に戻るようなことがあっては本制度の本質をなさないと言える。当該計画書の適用期間の終了後も、予定価格の算定において、本制度の趣旨を踏まえた適切な工数の計上がなされるよう努められたい。

防 当該計画書の適用期間終了後においても、本制度の趣旨を反映した工数により契約を締結する旨を契約相手方と調整しているところであり、今後も委員の指摘を踏まえた調達を行ってまいりたい。

【軽油特1号(免税)】

(契約の概要)
 本件は、硫黄島の基地において電力用発動発電機に使用する燃料の売買契約である。  硫黄島には港湾施設がないため、本品の納入にあたっては、沖合に船舶を停泊させた状態で、船舶に装着しているフローティングホースを伸張し、島側のパイプラインに接続して揚油する必要がある。
日本国内において、この硫黄島の地理的条件に適した専用の器材及び設備等を有する船舶は、現在のところ、一隻のみである。本件の契約相手方はこの船舶の運航会社との間で当該船舶を優先的に使用する契約を締結している会社であるが、競争による契約を追求する目的から、契約相手方を公募したところ、応募があったのは本件の契約相手方のみであったことから、該社と随意契約を締結した。

委 本件の軽油の他にも、各種の燃料が硫黄島用に調達されていると思われるが、契約金額について他の契約との関係はどのように取り扱われているのか。

防 燃料そのものの価格は、各契約で個別に計算をし、契約金額に計上している。輸送費は、本件の輸送を含め、硫黄島までの1回あたりの総輸送費を、同時に運ぶ各契約での輸送量に応じて按分している。

委 本件の場合、納入物品は一般的に流通している軽油であるが、納入方法がフローティングホースを装着した船舶でなければ不可能といった特異性のために、軽油そのものの調達を含めて、本契約の履行が可能な会社が特定の一社に限定されている。
軽油の売買と輸送業務とを分割して別の契約とすることにより、軽油の売買における競争性を増し、価格低減を実現することはできないのか。

防 本件について、軽油の売買と輸送業務を分割して契約することについては、次の理由から適当でないと考えている。
契約相手方は、当該船舶の運航会社との間で、当該船舶を優先的に使用する契約を締結しているとともに、当該船舶は防衛省向け以外の燃料の輸送にも使用されていることから、軽油の輸送業務だけで契約相手方を募ったとしても、当該船舶の運航会社単独での応募が見込めない。
いずれの燃料の契約においても、燃料を必要とする場所まで、品質を確保した上での納入を契約相手方に対して求めている。本件に限って、軽油そのものの契約と輸送業務の契約を分離した場合に、納入された燃料に海水が混じっているなどの不具合が生じたとき、軽油そのものに問題があったのか、輸送業務に問題があったのか、責任の所在を確定しづらい。
なお、輸送業務については、他社が運航会社との間で当該船舶の使用契約を締結する可能性や、他社が所有する船舶に同種の装置を装着する可能性などが存在するため、応札者を公募することにより、一定の競争性を確保するよう努めている。

委 予定価格の内訳のうち、一般に流通している軽油そのものの価格については、各種の物価指数を適用することにより、市況を考慮したものとなっている。他方、輸送費については、市場性が全くないため、契約相手方の見積を十分に査定しているとは言い難い。輸送費についても人件費等にまで及ぶ見積の細部内訳を入手し、一般的に妥当な金額であるかを精査するなど、十分な査定をされたい。

防 当省として、委員の指摘事項を含め、査定に努めているところであり、今後、さらに努力してまいりたい。

(2)平成19年度契約における1者応札・1者応募案件に係るサンプリング調査(装備施設本部)

平成19年度に装備施設本部において締結された契約のうち、
  ・一般競争に付したところ、応札者が1者のみであった案件(1者応札案件)
  ・公募・企画競争に付したところ、応募者が1者のみであった案件(1者応募案件)
の中から、サンプリング調査対象として委員により抽出された10品目18件について審議を行った。

 (1者応札案件)

   陸自指揮システム構成品借上(西部方面隊) 1件
   航空タービン燃料JP-4(免税) 6件
   潜水艦用発電機(19SS用) 1件
   U-125A救難捜索機 1件

 (1者応募案件)

   航空タービン燃料JP-4(免税) 1件
   155mmH、M107りゅう弾 1件
   1/2tトラック 1件
   1 1/2tトラック 2件
   3 1/2tトラック 3件
   無人偵察機システム 1件

防衛省側から、契約の概要、入札公告や仕様書等において設定している条件、設定している条件の緩和の可否について説明が行われた後、主に以下のような質疑応答が交わされた。

(潜水艦用発電機の1者応札について)

委 潜水艦を建造している会社は、A社とB社の2者が存在するが、潜水艦用の発電機を製造している会社はA社のみであるのか。

防 過去にB社が製造していたこともあるが、現在、潜水艦用の発電機を製造しているのはA社のみである。

(1/2tトラック、1 1/2tトラック、3 1/2tトラックの1者応募について)

委 今回の審議対象である3タイプのトラックは、タイプごとにそれぞれ異なる会社が応募しているのが、これはどのような背景からか。

防 これら3タイプのトラックは、いずれも試作を経て量産化されたものである。トラックのタイプごとに、試作開始時にトラックメーカー各社から提案を受け、優良な提案を採用したため、タイプごとに製造会社が異なっている。
なお、業態調査を各社に行ったところ、別のタイプのトラックに新規参入するには、新たにベースになる車体を開発する必要があるため、費用、時間のいずれにおいても、既に製造を行っている会社に比較して不利であり、現在のところ、公募に応ずる意思はないとの回答であった。

(3)次回の日程等

 次回は7月16日(水)に開催の予定。詳細については事務局から後日連絡。

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