第57回防衛調達審議会議事要旨

日時

平成18年11月15日(水) 10時00分~

場所

防衛庁庁舎A棟13階第2庁議室

出席者

(委員)
 坂井会長 小林会長代理 江畑委員 奥宮委員 清水(俊)委員 清水(涼)委員 東葭委員

(防衛庁)
 小川防衛参事官 齊藤装備政策課長 安藤監査課長 廣瀨監査課先任部員 古賀統合幕僚監部首席後方補給官 寺田陸上幕僚監部装備部副部長 宮浦海上幕僚監部装備部長 山川航空幕僚監部装備部長 住吉技術研究本部総務部長 五十嵐装備本部副本部長

議題

  1. (1)(株)富士インダストリーズによる過大請求事案について
  2. (2)平成17年度防衛装備品等の契約に係るサンプリング調査
  3. (3)次回の日程等

議事概要

(1)(株)富士インダストリーズによる過大請求事案について

○ 11月9日(木)、(株)富士インダストリーズより当庁向けの輸入品(航空機部品等)の価格について過大請求を行った旨の報告があり、これを受けて当庁は、現在、事実関係を確認中である旨の第一報を防衛調達審議会へ報告した。

(2)平成17年度防衛装備品等の契約に係るサンプリング調査

○ 防衛庁側からサンプリング調査対象とした、技術研究本部の随意契約による「次期固定翼哨戒機用飛行試験支援装置」の製造請負契約、及び一般競争契約による「試験評価用路面作製役務」の役務請負契約に関し、次の項目についての説明が行われた後、以下のような主な指摘と質疑応答があった。

  1. 調達品の概要
  2. 調達要求の概要と契約成立に至る経緯

【次期固定翼哨戒機用飛行試験支援装置】

(参考)本件は、現在試作が進められている次期固定翼哨戒機の、飛行試験に使用するフライト・シミュレータに関する製造請負契約である。

委: 次期固定翼哨戒機(P-X)及び次期輸送機(C-X)の開発プロジェクトにおいて、フライト・シミュレータは機体及び搭載機器の設計・試作、試作機の飛行試験、運用開始後の教育訓練の各段階で使用されるとの説明である。
 本件は、教育訓練用フライト・シミュレータよりも簡易型な内容の装置を製作しているが、P-Xのライフサイクル全体を見据えたプロジェクト管理の視点に基づき、当初から最終的には教育訓練用フライト・シミュレータとすることを目指して、各段階で改造を加えていく方式ならコストを抑制できるのではないか。

防: 飛行試験の段階は、試作機の各機能や性能を評価する段階にあり、ソフト面、ハード面共に実用化までには様々な変更が予測される。一方、教育訓練用フライト・シミュレータは、新人パイロットの養成に使用するため、実機に近い精密な機能・性能、操作手順の再現が必要であり、機体の仕様が確定した後に教育訓練用フライト・シミュレータを製造する方法が妥当と考えている。
 なお、飛行試験用フライト・シミュレータのソフトウェアは、これまでに設計・試作用フライト・シミュレータで構築したソフトウェアを活用して作成している。(プログラム・ステップ数で約85%を流用)

委: プロジェクト全体の視点から検討・評価しなければ、今回の方法で本当に安くできたのか判らないのではないか。今後、プロジェクト管理を導入するということであり、その成果に期待したい。

防: 現在、総合取得改革の施策の一環として、プロジェクト管理の具現化に向けた検討を行っているところであり、庁全体で現状よりも体系的に実施していくべきであると考えている。

委: 契約相手方は主な装置をA社から購入しているが、A社と防衛庁が直接契約し、ソフトウェアは防衛庁(技術研究本部)が作成すれば、より安価な調達が可能になると思われるがどうか。

防: 随意契約としたのは、A社から購入している装置はフライト・シミュレータを構成する一部分であること、また本件の契約相手方は、操縦感覚を模擬する中心部分の特許を有していることからである。
 またフライト・シミュレータのソフトウェアは、基本的に機体の設計・試作時に作成したソフトウェアがベースとなっている。米国においても、この種のソフトウェアは機体製造会社が作成しており、官側においてソフトウェアを作成する例は他国においてもなく、官側ではソフトウェアを作成できる能力がない。

委: 官が所有している設計・試作用フライト・シミュレータのソフトウェアは、P-X及びC-Xの試作(契約相手方は本件と同じ)段階から本件に至るまで、継続して相手方へ貸付けているとのことであるが、貸付品が目的以外に使用されないことをどのように確認しているのか。

防: 貸付品については、仕様書において貸付品である点を明示し、契約条項においてこれらの貸付品は契約の目的以外に使用したり利用したりしてはならないこと、及び職業上要求されると考えられる程度の注意義務(所謂、善管注意義務)をもって保管しなければならない点を規定している。
 なお、P-X及びC-Xの試作契約(装備本部が締結)上、装備本部の監督官が貸付品の管理状況をチェックしている。

【試験評価用路面作製役務】

(参考)本件は、試作戦車の機動性能試験のために使用する路面(堅硬路及び泥濘地)の建設を内容とする役務請負契約である。

委: 本件では役務請負契約条項を適用しているが、路面建設の実態からは、既存の工事請負契約条項を適用した方が合理的と考える。今後は、より適切な契約条項の新設を図るということであるが、ぜひ契約の内容から適切と考えられる契約条項の検討をして頂きたい。

委: 本件建設場所と同じ敷地内における別件の施設整備工事(防衛施設庁の発注工事)の受注会社B、Cの両社は、本件の入札に際して、共通仮設費等の経費低減が見込めるとして、予定価格よりもかなり低い価格で入札している。それならば今回、見積提出をしたB社(C社は、見積提出の協力依頼に応じなかった。)は、見積段階から安価な見積書を出すのが本来ではないのか。

防: 原則としては、見積段階から必要となる個々の経費を積上げる方法で見積もるべきだが、本件のような土木工事では、一般的な積算要領が刊行されていることから、見積書はその積算要領にある単価率や諸経費率を適用するのが通常となっている。一方、入札においては、各会社の得意分野やその他の諸条件を考慮した価格が入札価格となる。

委: 陸上自衛隊はイラクのサマワにおいて立派な道路を造った。本件の路面建設も、陸上自衛隊の施設部隊に任せることはできなかったのか。

防: 当初、近傍にある陸上自衛隊の施設部隊に対し路面建設作業の打診を行ったが、当該施設部隊は、海外派遣の準備や訓練などの関係から本件への対応が困難な状況にあり、本契約となったものである。

委: 施設部隊における訓練の一環として本件のような工事を行えば、実践的であり現場の士気も上がるのではないか。近傍の施設部隊のみならず、幅広く他の施設部隊にも打診を行うべきである。

防: 委員の指摘を踏まえ、今後検討していく。


(3)次回の日程等

次回は12月13日(水)に開催の予定。詳細については事務局から後日連絡。

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