第52回防衛調達審議会議事要旨

日時

平成18年4月19日(水) 10時00分~

場所

防衛庁庁舎A棟13階第2庁議室

出席者

(委員)
 坂井会長 小林会長代理 江畑委員 清水(俊)委員 清水(涼)委員 東葭委員

(防衛庁)
 小島防衛参事官 草地原価計算部長 月橋装備企画課長 松田調達監察室長 宮代統合幕僚監部首席後方補給官 寺田陸上幕僚監部装備副部長 宮浦海上幕僚監部装備部長 山川航空幕僚監部装備部長 米岡技術研究本部総務部長  岡﨑契約本部副本部長

議題

(1)過大請求事案に係る返還請求について

(2)平成16年度調達監察について

(3)落札率1に関する前回の宿題について

(4)労務借り上げ契約について

(5)原価計算研究会における検討の概要について

(6)情報流出事案に係る特約条項(違約金条項)について

(7)次回の日程等

議事概要

(1)過大請求事案に係る返還請求について

○ 本件は、㈱大原鉄工所、日本無線㈱及び長野日本無線㈱による過大請求事案に対し、返還の請求を行い、納付が確認されたものである。
 本事案を受けて当該3社は、コンプライアンス委員会の設置や内部監査機能及び内部統制機能の強化等の措置を講じたこと、又、当庁においても今後、原価計算部門が実施している契約相手方に対する制度調査において、抜き取り調査や内部統制の調査の改善を行う方針が打ち出された等の説明が行われた。その後、主に以下のような質疑応答があった。

(主な指摘事項と質疑応答)

委: 過大請求が会社ぐるみ又は経営者が関与して行われた場合は、内部監査や内部統制の強化等では改善が期待できないのではないか。

防: 会社内部の対策では一定の限界があるものと考える。従って、当庁としても制度調査方式を改善する点に加え、原価計算方法の精緻化及び現場作業のチェックを強化する方策も別途検討しており、これらを複合活用することで、過大請求事案に対する抑止効果を高めたいと考えている。

委: 過大請求が生じる動機として、原価の決め方にも原因はないのか。過大請求をしないと利益がでないような調達価格になっているとか、企業側にも言い分があるのではないか。

防: 調達価格に関しては、原価計算方法の改善として原価計算研究会で検討を行っており、本日の議題(5)で説明させて頂きたい。


(2)平成16年度調達監察について

○ 契約本部及び原価計算部に対して、入札談合行為の防止策として講じた改善措置の取組状況等に関し、監察した結果の説明が行われた後、主に以下のような質疑応答があった

(主な指摘事項と質疑応答)

委: 落札率1の案件は、全体件数が14年度から16年度にかけて年々減少しているとのことであるが、落札率1に燃料関係の契約が多い理由は何か。

防: 燃料関係では、原油の値上がりが影響している。契約時点からみて納入時点で値上がりが予測される場合、当初の予定価格では落札に至らないものが多くなる。
 その結果、入札参加者が示した最低商議価格(又は最低入札価格)が妥当な場合は、改めて予定価格とされることとなる。改めて行う入札において入札相手方は、前回示した最低商議価格(又は最低入札価格)をもって応札するため落札率1となる。


(3)落札率1に関する前回の宿題について

○ 前回の審議会で、当庁の落札率1案件の全体に対し、一般競争契約と指名競争契約の割合について調査することが求められた。今回の審議会で、一般競争が83%、指名競争が17%という結果が報告された。
 本件に関しては、特記すべき質疑応答はなかった。


(4)労務借り上げ契約について

○ 本件は、技術研究本部(以下「技本」という)が実施する研究開発の中で、不定期に行われる試作品の試験において、技術者が不足する場合に、それを補うため民間企業等の技術者の労務を借り上げている。これに関して、3月末の参議院外交防衛委員会で、この契約が随意契約で行われていた点及び、契約金額が不当に高いのではないかとの質疑があった件に関する審議会への説明である。
 今後の見直しとして、試作品に関する細部知識がなくても実施可能な労務借り上げは一般競争契約に移行すること、及び、労務借り上げの予定価格の算定方法については、本日の議題(5)にある原価計算方法の見直しの中で検討していく等の改善策の説明が行われた後、主に以下のような質疑応答があった。

(主な指摘事項と質疑応答)

委: 試作品の目標とする機能・性能の完成度を高めるための試験として、当該試作品を製造した企業と随意契約で労務借り上げ契約し、改めて当該製造企業に別途代金を支払う理由はなぜか。試作品を納めるに当たり、製造企業側で試験を行って目標性能を確認していることは当たり前ではないか。

防: 労務借り上げ契約をして行っている技本の試験は、民需品の例で言えば、製品をマーケットに出し、そこで発覚した不具合を改善して、製品を改良していくプロセスに相当すると考えている。
 現在の技本の研究開発では、試作品を製造することと、試作品納入後に技本で試験を行うことを分けているが、米軍の例では、これらを分けずに一括して試作契約としている。今後の検討課題として、技本の研究開発でも、労務借り上げとして別途契約することなく、試作品の製造請負契約の一部として含める方式について検討していく。


(5)原価計算研究会における検討の概要について

○ 第43回原価計算研究会(平成18年2月開催)における検討の概要を説明し、主に以下のような質疑応答があった。
 (参照:原価計算研究会での検討の概要は、当庁HPにおいて「第43回原価計算研究会議事要旨」として公表中)

(主な指摘事項と質疑応答)

委: 間接部門の費用はなるべく製品に直課していくとしているが、これを実現するためには、補助部門の作業工数等を製品別に把握することが前提になる。しかし、中小の企業によっては対応が難しいのではないか。従って、全ての企業に適用するのではなく、先ず大手の企業から適用していくのではないかと理解しているが。

防: 確かに大手の企業から適用となる。中小企業によっては、原価計算への労力補強が困難な場合も考えられるため、そのときには別の方法が必要と考えている。

委: これまで製品原価へ配賦していた間接部門費の取扱いが大きく見直されることになる。しかし、売上げの100%が防需の企業においては、全ての契約の原価を合計したものは変わらないから、その結果として原価が安くなる契約もあれば、高くなる契約もあるということになるのか。

防: そのとおりである。例えば、売上げの100%が防需の企業において、役務契約と製造請負契約があれば、役務契約の原価は安くなるが、その分、製造請負契約の原価は高くなるという例が考えられる。


(6)情報流出事案に係る特約条項(違約金条項)について

○ 本件は、近年防衛関連企業において度重なる情報流出事案が発生している状況に鑑み、特に企業における秘密保全措置をより実効的にするために、刑事上の措置に加え、民事上の制裁又は抑止力として、契約に違反して秘密を漏洩した企業に対しては、民法第420条第3項でいう損害賠償の予定ではない違約金に係る条項(以下「違約金条項」という)を契約に盛り込むことを検討しているという状況について説明が行われた。その後、主に以下のような質疑応答があった。

(主な指摘事項と質疑応答)

委: 本件は、国家の安全保障に関わる事項であり、談合のように金銭的な賠償で済むような問題とは概念的に違う。本来、国の授権があって、行政罰として罰金を課すことが法律で定められるべき事項であると考えられなくもないが、本案のように私人間の契約で違約罰を課す方法も一案ではないか。
 また、違約金額については、民法第90条の公序良俗に反することにはならないと思うが、少なくとも何を漏えいしたら違約金を課すか、という点については明確にしておく必要があるだろう。

防: 秘匿必要度の低い情報は対象とならないので、公序良俗に反することにはならない。因みに、漏えいした場合に違約金を課せられることとなるのは、特別防衛秘密、防衛秘密及び庁秘のいわゆる形式秘に関する事案に限定している。

委: 企業側が、違約金条項を契約に盛り込むことに合意しない場合はどうするのか。

防: この違約金条項は、契約を締結する重要な条件として、合意しない企業とは契約を結ばないとすることを考えている。


(7)次回の日程等

次回は6月21日(水)に開催の予定。詳細については事務局から後日連絡

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