第45回防衛調達審議会議事要旨

 

日  時 平成17年6月15日(水) 10時00分~
場  所 防衛庁庁舎A棟13階第2庁議室
出席者
(委 員)

川井会長 水原会長代理 江畑委員 小林委員 清水(俊)委員 清水(涼)委員 東葭委員

(防衛庁)

野津管理局長 大井防衛参事官 草地原価計算部長 松田調達監察室長 大西陸上幕僚監部装備部長 河野海上幕僚監部装備部長 山川航空幕僚監部装備部長 宮代統合幕僚会議事務局第4幕僚室長    米岡技術研究本部総務部長 渡部契約本部副本部長

議  題
(1)  平成16年度防衛装備品等の契約に係るサンプリング調査
(2)  工数審査(作業効率化促進制度)について
(3)  次回の日程等
議事概要
(1)平成16年度防衛装備品等の契約に係るサンプリング調査
 防衛庁側から、随意契約による「衛星通信役務」の役務請負契約について、次の2 項目に関する説明が行われた後、主に以下のような指摘事項と質疑応答があった。
①調達品の概要
②調達要求の概要と契約成立に至る経緯
(主な指摘事項と質疑応答)
【衛星通信役務】
   本件の契約相手方は、売上先のほぼ100%が防衛庁であることから、決算書を精査することが重要である。当該社の平成13年度と平成14年度の決算書を比較してみると、平成13年度の当期利益が大きくなっているが、その理由は何か。
 平成13年度に当期利益が増大した理由は、当該年度に固定資産である中継器の取得価格の減額見直しを行い、既に償却した減価償却額の修正額を特別利益に計上したため、例年よりも利益が大きくなったものである。
 平成12年度までに計上した減価償却額は、結果として過大に計上されたことになり、その過大分は法人税等の対象となる利益を圧縮したものとなるため、これを修正する目的から、平成13年度に、これまでの過大分の累積額を特別利益に計上したものである。
 平成12年度までに計上した減価償却額が、結果として過大に計上されたことになるのであれば、防衛庁はその過大分を回収すべきではないのか。
 当方の契約上における減価償却費の計算は、先ず、平成13年度の固定資産の減額見直し後の減価償却対象額から、平成12年度までに計上した減価償却額の累積額を控除した償却残額を算出し、その償却残額を残りの償却期間で均等に負担することとしている。契約相手方の経理処理とは異なる減価償却となるが、償却期間が終了した時点での減価償却額の累計額は双方とも一致するため、過大な支払いにはなっていない。
 保証委託費に適用している保証料率について、該社の事業は、過去に人工衛星の打ち上げや運用不具合いに関する事故が複数回起きていることから事業リスクがあり、銀行等から資金を借入れる際に保証が必要となるとして、借入金に対し、衛星事故に関係する保険料率を参考にした料率を適用しているとの説明であった。この料率は、銀行等へ支払う借入金利よりも高くなっているが、保証料は保険概念ではなく金利概念で計算すべきではないのか。
 中小企業の例であるが、金融機関から事業に必要な資金を銀行等から借りるとき、公的機関である「信用保証協会」が保証人となって、資金を借りやすくしている。信用保証協会が徴収している保証料は信用保証料となっているが、当該協会のホームページによれば、信用保証料のうち60%から80%を保険料で占めているとされており、保険概念を含んだ料率になっている。
 契約相手方は、過去に複数回の事故が起きているにも拘わらず、開業初期を除いて赤字にはなったことがない官需100%の事業であること、及び保証元を株主が引き受けている点を踏まえると、当該保証料率が適切な水準といえるのか疑問であり、契約相手方はかなり優遇された取引きを行っているとの印象を受ける。契約相手方が要求した費用をそのまま支払うのではなく、国民の税金を支出する立場でものを考えて、改めて検討して頂きたい。
 委員の指摘を踏まえ、今後検討して参りたい。
 この契約は、人工衛星を保有している下請負先への発注額が契約金額の大きな比重を占めており、当該下請負先の原価調査を平成11年度に行ったとの説明であった。その結果、第三者賠償責任保険を掛けていない事実が判明したため、その保険代金を返納させたとのことであるが、その経緯を説明して頂きたい。
 当時、外国の人工衛星が地上に落下するという事案から、第三者賠償責任保険が話題となり、当該下請負先も保有する人工衛星に第三者賠償責任保険を掛けるとのことで、当庁もその費用を計上した。しかしながら、最終的に下請負先は、当該保険を掛けなかったため、当初計上した当該保険の費用に金利を加えた額を返納させたものである。
 今後は、契約相手方の主張する費用の内容をよく検討した上で計上すべきか否かを判断し、また、実績確認に当たっては、厳しい姿勢で調査を行って頂きたい。
 委員の指摘を十分踏まえ、当該下請負先の調査を厳正に実施する。
(2)工数審査(作業効率化促進制度)について
  防衛庁側から、工数審査(作業効率化促進制度)についての説明が行われた後、主に以下のような指摘と質疑応答があった。
  (参考)工数審査(作業効率化促進制度)
 装備品等の製造等に要する作業工程等を実際に観察して分析・評価し、標準的に必要とされる工数を算出するため、実績工数から作業ロスや作業効率ロスの排除について検討を行い、契約相手方に作業効率化の余地を示した作業効率化要求書を交付。契約相手方から、当該要求書に基づいた作業効率化計画の提出を受け、その妥当性等を審査。審査の結果、当該作業効率化計画が妥当と認められる場合には、これを予定価格に反映させるというもの。
(主な指摘事項と質疑応答)
   大変結構な試みであると思う。実態調査が一番の前提でなければいけない。ただ、この実態調査がたった5名でどこまでやれるのかが不安である。
 朝から晩まで、工場の現場社員の工程を終始追いかけて実態調査を実施しており、非常に負担の大きいものとなっている。事業のスタートとして、要求した5名の体制では、年間3社の3品目の実態調査が限界であると思っており、人員の追加要求も考えている。また、工場の現場にいる監督官や検査官、及び出張の形となるが、原価計算の担当職員へもこの工数審査に関する知識を習得させ、この観点を踏まえた業務の手法を実施していくことを考えている。
 作業効率化を進めるためには、契約相手方の作業手順や手法・技術を管理する、レベルが重要と思われるが、本件を実施するに当たり、どのような考えをもっているのか。
 技術力について、工程を管理して手順をきちんと作成しながらモノ造りをしている会社に対して、全てを職工に任せてモノ造りをしている会社では、品質の面で大きな問題が出てきている。後者の場合、職人から職人へと技術を盗むように継承するような習慣の中で後継技術者の育成がうまくいっていない業種があるように感じている。ライセンス生産品では、非常に細かな手順書が作成されているが、国産の生産品については、細かな手順書を作成せず、職工が図面を見ながら経験を基準にしてモノを造り上げている面が一部にある。
 これから先の技術基盤の維持、発展という意味では、こうした作業手順・手法の管理レベルを高めていくことが必要だと考えている。
(3) 次回の日程等
  次回は8月24日(水)に開催の予定。詳細については事務局から後日連絡。

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