第36回防衛調達審議会議事要旨

 

日時 平成16年6月16日(水) 10時00分~
場所 防衛庁庁舎A棟13階第2庁議室
出席者
(委員) 川井会長 水原会長代理 江畑委員 小林委員 清水(俊)委員 清水(涼)委員 松﨑委員
(防衛庁) 大古管理局長 大井防衛参事官 島原価計算部長 高嶋装備企画課長
貝澤調達監察室長 大西陸上幕僚監部装備部長 河野海上幕僚監部装備部長
浦山航空幕僚監部装備部長 井上統合幕僚会議事務局第4幕僚室長 
小波技術研究本部会計課長 清水契約本部副本部長
議題
(1)  平成15年度防衛装備品等の契約に係るサンプリング調査
(2)  落札率1の案件に関する対応について
(3)  次回の日程等
議事概要
(1)  平成15年度防衛装備品等の契約に係るサンプリング調査
 防衛庁側から、指名競争による航空機燃料の売買契約、随意契約による地対空誘導弾システムの製造請負契約の2分野を対象として、次の項目について説明が行われた後、主に以下のような指摘と質疑応答があった。
 調達品の概要
 調達要求の概要と契約成立に至る経過について
(主な指摘事項と質疑応答)
【航空機燃料について】
 航空機燃料の予定価格の算定は、同一納地における前回の落札額を基準にして、原油価格に変動があった場合には、この変動分を考慮する方法で計算しているが、燃料の輸送経費や当該原油価格を除いた精製費等については前回価格のままとなっている。この算定方法では、業者に予定価格が事前に推測され、実質的に競争が働きにくい状況となろう。競争性の見地から、精製費等が単純に前回価格のままでよいのか疑問であり、適正な精製費等とは一体いくらなのかといった原価計算の視点からの検討が必要であろう。
 当庁としても原価計算の必要性は認識しており、業者に細部資料の提出を依頼しているが協力が得られていない。このため、原油価格などの公表資料から設定した前提条件を使って計算を行い、この計算と予定価格を比較するなどの分析を実施している。前回価格については、過去の落札価格と比較・検証するなどして、より適正な価格の算定に努めている。
 納地により精製費等は異なっているが、業者は原価計算をしているからこそその値が異なっているのであろう。防衛庁のように精製費等を単に前回価格のままとしていれば、原油価格と輸送費を加えることで簡単に計算ができてしまう。これでは、業者は容易に予定価格を推測でき、実質的に競争が働いていない可能性もある。他の納地の精製費等と比較して、一番安い業者の精製費等に納入地への輸送費などを加えて予定価格とする方式も検討してはどうか。このような視点から、現在の精製費等の相場について他の業者からも情報収集する方法も有り得ようし、業者の協力が得られるにはどうしたらよいかといった発想の転換をするなど、より適正な予定価格の算定に向けた努力が重要であろう。
 今後、委員の指摘を十分に踏まえながら行っていきたい。
【地対空誘導弾システムについて】
 地対空誘導弾システムの予定価格では、特別割掛費と称して、製品の製造に先立って必要な初期費用を、ある期間で割り掛けて計上している。この費用について、防衛庁と企業との間で解釈の違いが生じる恐れがある。また、割掛期間について、企業側からすれば最終的に何年先まで続くのか、また、払ってもらえるのか否か分からないといった不安もあろう。初期費用として認める際の判断基準や、割掛期間の限度について明確に規定した規則類はあるのか。
 委員指摘のような内容を規定した規則類はない。現状では、製品の製造に先立って必要となる初期費用の計算方法や、その費用を総生産量で割り掛けることができる旨、訓令で規定しているだけである。
 割掛の対象となる費用が、適正かつ妥当なものであるのかを検証することが非常に重要である。防衛庁では、この費用について、どのように確認しているのか。
 特別割掛費は厳格に把握・計上する必要があるものと認識しており、原価監査等により実績を精査し、発生総額、その内容の適正さについての確認をしている。
 割掛の残額は国が支払うべき費用なのか。
 製造に先立って必要な初期費用は、生産が終了するまでの全期間に亘って効用が及ぶものであり、製品全体で均等に負担されるべき費用であることから、現状では、各年度の契約において、応分の負担額を特別割掛費として計上している。
 なお、費用の総額は、生産が終了するまでに全額の支払いが完了するように予算の確保に努めている。
(2)  落札率1の案件に関する対応について
 予定価格と落札価格が同一の契約(落札率1)に関して、各調達機関での入札の経緯や談合情報の有無等の事実関係調査を行った結果、及び本案件への防衛庁による対応策についての報告に対して、以下のような指摘があった。
(主な指摘事項と質疑応答)
 本案件(落札率1)の発生要因や今後の対応措置など、様々な観点から分析及び検討しているが、発生要因に関しては、これまでの防衛調達の実態を弁解しているに過ぎないという感が否めない。本審議会では、予定価格の算定等に関して、これまで何度も指摘してきたにもかかわらず、本案件が2006件もあったことは極めて深刻に受け止めるべきである。こうした状況を考慮し、必要なのは職員の徹底した意識改革であり、各職員のコンプライアンスの涵養、能力向上に努めることこそが重要である。職員に徹底して予定価格の算定等に関する勉強をさせ、自信をつけさせる必要がある。これまで行ってきた業務慣習を否定し、一体何処が間違っていたのか、改善するにはどうしたらよいか、という意識の下、組織をあげて取り組んでいくことを期待する。
 今後、委員の指摘をこれからも十分に踏まえながら取り組んでいきたい。
 14年度のみならず、継続的に調査を行うべきである。
(3)  次回は8月25日(水)に開催の予定。詳細については事務局から後日連絡。

ページの先頭へ戻る