第33回防衛調達審議会議事要旨

 

日時 平成16年3月17日(水)10時00分~
場所 防衛庁庁舎A棟13階第2庁議室
出席者
(委員) 川井会長 水原会長代理 小林委員 清水(俊)委員 清水(涼)委員
松﨑委員
(防衛庁) 大古管理局長 大井防衛参事官 島原価計算部長 高嶋装備企画課長
貝澤調達監察室長 大西陸上幕僚監部装備部長
村上海上幕僚監部装備部長 浦山航空幕僚監部装備部長
酒井統合幕僚会議事務局第4幕僚室後方補給計画調整官
月橋技術研究本部総務部長 清水契約本部副本部長
議題
(1)  日本飛行機㈱による過大請求事案に係る返還請求について
(2)  原価計算業務の改善について
(3)  次回の日程等
議事概要
(1)  日本飛行機㈱による過大請求事案に係る返還請求について
 防衛庁側から、日本飛行機㈱による過大請求事案に係る返還請求についての説明が行われた後、主に以下のような委員側からの指摘と質疑応答があった。
(主な指摘事項と質疑応答)
 日本飛行機㈱から過大に請求された約86億円は、どのような方法で防衛庁に請求されたのか。
 日本飛行機㈱は、防衛庁に対して、防衛庁以外の他の契約相手方との契約で発生した工数を防衛庁関連の契約に紛れ込ませる方法で実績工数の水増しを行い、それにより過大な代金の支払いを受けていた。
 同社の実績工数の付け替えの手法に、何らかの傾向はあるのか。
 個々の契約による傾向は見られない。
 防衛庁が日本飛行機㈱に対して行った特別調査の目的はなにか。
 過払いされた金額の特定である。
 日本飛行機㈱が防衛庁に過大な代金の請求を行った理由をも調査することが、今後、同様な事案の再発を防ぐためにも重要である。
 今回、日本飛行機㈱は防衛庁以外の他の契約相手方との契約で発生した工数を付け替えたというが、その契約相手方に対して、防衛庁に請求した架空工数分を減額して請求しているのか。もしそうだとするならば、日本飛行機㈱とその契約相手方とは特殊な関係にあったのか。
 他の契約相手方の分については、調査していないので把握していない。防衛庁が原価計算を行う目的から、企業に見積資料の提出を求めているが、その見積資料の根拠として、工数等の実績の報告を求める場合が多い。このため、報告する工数の水増しなどによる過大請求の隙を与える構造になっている。
 国民サイドから見るならば、防衛庁の甘さを舐めた不遜な、極めて悪質な事案である。過大に請求されていた金額等を返還させただけでは不十分であろう。防衛庁は日本飛行機㈱に対してより毅然たる措置をとるべきである。
 既に過払い額の返納だけでなく、ペナルティ的に倍の額を返納させるとともに、社長を含めた全役員の交代という社会的な制裁がなされている。
 過払額等の返還と日本飛行機㈱の役員人事の刷新でよしとせず、防衛庁に対して架空の工数を請求した原因の究明に厳正な態度で当たって頂きたい。また、原因の究明が行われないことが、防衛庁と企業との関係に疑念をもたれるおそれもあるので、ぜひ厳しい対応をお願いしたい。
 委員の指摘を厳粛に受け止め、厳正な態度で原因の究明に当たるとともに、原価計算業務の改善に取り組み、同様な事案の再発を防ぎたい。
(2)  原価計算業務の改善について
 防衛庁側から原価計算業務の改善について説明が行われた後、主に以下のような委員側からの指摘と質疑応答があった。
(主な質疑応答)
 原価計算業務の改善方法では、工数の発生元での確認、契約履行中における発生原価の確認など、基本を押さえタイミング良く監査することが必要である。また、これにより企業に対して牽制効果が働くと考えられる。
 かつては多くの原価監査官が工場の生産現場に常駐するなどして、工数の発生を現場から確認することも頻繁に行っていた。しかしながら、最近は安全上の理由等から、工場に常時立ち入ることが困難なため、事後に監査を行う場合が多い。今後は、頻繁に発生原価の実態の確認を行うことによって、牽制効果を高めたいと考えている。
 原価監査の目的は、データを検証して実態を調べることである。したがって、実態はなにかという点を忘れず、実態を追求する姿勢に視点をおいて原価監査の方法を考えて頂きたい。
また、実態の調査にあたって専門家を活用する場合には、調査目的や対象を明確にし、調査内容に適した専門家にその調査を依頼し、効果的に活用することが大切である。
 今回報告された改善方法には、これまで審議会で議論された内容が多く反映されているおり、評価できるものである。特に、企業会計の情報について懐疑的な視点で調査をするという姿勢は評価できる。それとともに、企業の工数の審査・検証を専従で行う職員を配置したことは、製造現場を重視する防衛庁の姿勢を示すもので、今回の改善事項の核となると考えられるが、これらの職員の具体的な業務はなにか。
 具体的な業務は、企業における発生作業や工数の実態調査及び技術的な観点からの工数の検証である。これを活用すれば、企業個々の生産における非能率の排除、作業の改善について検討することも可能であると考えている。将来的には、コストダウンを目指した方法についても取り組んでいきたいと考えている。また、これらの専従の職員については、将来、部内の職員を教育する際の教官的な職員になるように育てていきたいと考えている。
 製造現場を知ることは重要であるが、1年や2年の短期間で実態が明らかになるわけではない。計画的に調査を行い、5年、10年のスパンで調査を継続することが重要である。それにより、企業側に防衛庁の姿勢の変化を認識させることが可能であろう。
 防衛庁で調達している装備品の多くは市場価格が存在しないため、装備品の価格は、原価に利益率を乗じることにより算定している。したがって、企業が効率化の努力をし原価を下げると、それに伴って利益額も減少してしまう仕組みとなっている。生産の効率化、コストダウンが企業にとっても利益となるシステムを構築しなければならないと認識している。
競争入札が有効に機能すれば、原価に関係なく、場合によっては原価割れであろうと入札されるので、そうなると防衛庁による原価計算業務自体が意味を失う場合がある。あるいは、ある作業に要する標準的な工数の見極めができるならば、同様の装備品を製造している複数の企業に対しては、より効率的な生産を行っている企業の工数を基礎に原価計算を行う等、防衛庁も知見を深め改善していく必要があると認識している。
 
(3)  次回の日程等
 次回は4月21日(水)に開催の予定。詳細については事務局から後日連絡。

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