第7回 防衛調達制度調査検討会 議事概要


日 時:平成11年2月22日(月)10:00~12:00
出席者:
(委 員) 川井座長、東海、堀田、前田、吉野各委員
(防衛庁) 江間防衛事務次官、装備局長、小林参事官、松井管理課長等
場 所:防衛庁本館2階第1庁議室
議事概要
1. 座長挨拶・議題説明
2. 「供給ソースの多様化の追求等競争原理の強化」及び「契約方式及び契約相手方についての長官指示」の在り方に関して事務局より、資料に沿って説明。
3. 質疑応答

(掘田委員)
考え方はいい方向に向かっているが、将来にわたって分かるようにしなければならない。そういう観点から見ると、なぜ防衛装備品は仕様が特殊であって供給先が防衛庁に限られ随意契約になるのかということを類型化して、実務担当者が考えやすいようにする必要がある。「仕様が特殊」と一口で言っても、大砲のように完全に特殊なものから、戦車のキャタピラ、護衛艦の船体のように一部民間の技術で応用できるもの、制服のように完全に民間の技術で応用できるものなど段階がある。装備品の種類によって民間の技術が活用できる範囲が違ってくる。民間の技術で応用できるものほど競争原理を高めることは可能だろう。そういう具体的な区分けをしたほうが分かり易いのではないか。

(装備局長)
個々に判断するしかないのではないか。仕様が特殊なだけではなくて、ライセンス等の問題もあり、その会社の持っている技術によって随意契約によらざるを得ない場合もある。

(堀田委員)
実態はそうかもしれないが、世間一般に分かりやすくするために、個別の理由を類型化したほうがいいのではないか。

(座長)
将来のことを考えると、類型化も必要かもしれない。

(東海委員)
資料3ページに随意契約の根拠が4点明記されているが、文書化されているのか。

(装備局長)
文書化したものはないが、今までの運用でやってきたことを大別すれば4点になるということである。

(座長)
長官指示について具体的に事務局から説明頂きたい。

(装備局長)
海幕装備部長から、護衛艦を例に説明する。

(海幕装備部長)
艦艇調達に係る長官指示について検討しているが、防衛基盤維持の観点から次のような問題点があり解決策が見つからない。
第1に、艦艇建造基盤の弱体化である。指名競争契約は、各社間の競争を招き1社独占になりかねない。防衛上、地理的に離れた複数の建造所が確保される必要がある。また、競争による価格の低下により、品質の確保が困難になる。さらに、1社独占になると、他の造船所の艦艇建造技術者は、他の部門に派出されることになり基盤の弱体化を招くことになる。
第2に、艦艇修理基盤の弱体化である。現在、主要5基地近傍に修理造船所が確保されているが、第1の問題により、母基地近傍の造船所での定期修理や有事の際の作戦海面付近での修理が不可能になる。
第3に、艦艇の質の低下である。艦艇建造は、造船所の技術力に頼っており、競争契約すると、官側で設計、適正価格算出機能を持たなければならず、現状では対応できない。
結論としては、基地の近傍に護衛艦が修理できる造船所を確保すべきであり、また、防衛基盤が弱体化した場合、公的処置ができる体制の整備が必要である。

(座長)
海幕装備部長の説明にあったような特性も尊重して考えなければならないが、基本原則は競争原理を導入することである。従来、特性を考慮し、長官指示を発出していたが、長官指示のあり方を検討する必要がある。

(東海委員)
護衛艦の例のようなものは、指名随契審査会で随契にすると判断すればいいのではないか。長官指示の過程プロセスが明確でない。

(装備局長)
全て随契審査会で判断するというわけにはいかない。例として、ライセンス、輸入航空機の修理等は長官指示的要素があるが、護衛艦のように競争性のあるものを長官指示により随契にするのは問題がある。

(堀田委員)
全ての業務は、組織的には長官の指示で行っており、この問題だけ指示を出すのはおかしいのではないか。実態は、随契審査会で判断できない高度な事項を長官指示という形でやっているのだろうが、流れとしては、随契審査会で判断できない高度な事項を内局に上げて判断するという形がいい。指示という言葉はやめるべきである。また、随契審査会で判断できない要素をはっきりさせるべきである。

(堀田委員)
長官指示は文民統制と関係があるのか。

(装備局長)
内局におけるシビリアンコントロールの有力な手段として、極めて重要な装備品の決定権は内局が持っていると言うこともできる。

(堀田委員)
随契審査会を越えた組織的な判断機能を残すことは必要だと考えるが、一人の判断でなく、長官を長とした複数者の会議の場で決定すべきである。

(装備局長)
実際は手続を踏んで長官に上げており、長官が政治的に決定しているわけではない。

(堀田委員)
長官指示という文書になっていることが誤解を生じるのではないか。

(東海委員)
一般手続規定を定めた方がいいのでは。

(事務次官)
現在でも組織として手続は踏んでおり、決定された事項を示した文書を一般的に長官指示といっており、長官が自分で決めているわけではない。

(座長)
「装備品等及び役務の調達の実施に関する訓令」第15条にある「長官の指示」は言葉として問題があるので検討する必要がある。また、海幕の説明も踏まえ、随契理由の4項目の基準、決定プロセスを明確にし、委員会設置が可能かどうかも含め検討する必要がある。

(堀田委員)
調本の指名随契審査会で判断できない事項を精査すれば、自ずから上位委員会に上げる事項も明確になるのではないか。

(調本総務担当副本部長)
防衛基盤の維持のような政策的な事項は、会計機関である調本ではできない。

(堀田委員)
一般的に競争入札にはリスクが付き物であり、神経質になればなるほど随契になってしまう。品質確保は監督の強化等で確保できないか。

(東海委員)
生産過程に入る前の研究開発費の問題であるが、企業は投資をどのようにして回収しているのか。

(調本総務担当副部長)
防衛庁と共同で研究するものは、試作品費・試験研究費の範疇で契約し保証している。

(装備局長)
企業自らの発想で研究開発し、装備化に繋がったものの研究開発費は現状の原価計算では保証していない。

(堀田委員)
資料P6に関し、情報公開する部分は広めるべきであるが、契約内容の細部公開はなぜできないのか。

(装備局長)
例として、原価を項目別に公開することは、今後の商議に支障があるので公開できない。

(吉野委員)
防衛庁側の知識を高める努力はしているのか。

(装備局長)
民生品の採用拡大、インターネットによる情報開示等行っている。

(吉野委員)
情報を求めるだけでなく、積極的に調査する必要がある。

(座長)
契約能力の向上、積極的に問題に取り組む姿勢が必要であり、基本的方向にある教育の充実・強化にも配慮する必要がある。事務局においては、本日議論した内容を踏まえ、検討案を修正されたい。

4. 日程調整
次回は、3月17日(水)14:00~

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