第6回 防衛調達制度調査検討会 議事概要


日 時:平成11年2月2日(火)15:00~17:00
場 所:防衛庁本館2階第1庁議室
出席者:
(委 員) 川井座長、東海、前田、吉野各委員
(防衛庁) 江間防衛事務次官、及川装備局長、小林参事官、松井管理課長等
議事概要
1. 「防衛庁の調達契約における企業側提出資料の信頼性のための施策」について(事務局より資料に沿って説明)
2. 「企業における防衛庁調査の受入義務」に関する質疑応答

(吉野委員)
制度調査、特別調査は契約が成立した後、実施すると理解してよろしいか。

(事務局)
制度調査は防衛庁と契約している企業について、経理システムが適正になされているかどうかチェックするものであり、そこで詳しく調査する必要が生じた場合に、特別調査に移行する

(吉野委員)
見積書にある原価は原価計算システムで算定した原価ということか。

(事務局)
見積書にある原価は過去の実績を元にしているものである。制度調査というのは過去の原価台帳から防需を拾い出して、作業日報等が原価元帳、さらに有価証券報告書まで繋がっているか確認するものであり、これが確認できれば虚偽はないだろうということである。

(吉野委員)
原価計算システムのみが調査対象になっているが、それだけで十分かという問題もある。原価計算システムに繋がる関連会計システムもチェックしないと適切ではない。米国の場合は、原価計算システムだけではなく経理システム全体(人件費等)のチェックも含まれており、日本の場合も、これをチェックの対象にすべきではないか。

(調本原1副本部長)
制度調査では、経理の帳簿の突合にとどまっており、大元の書類の確認までは、民需の確認ができない等の理由で限界がある。

(調本総務副本部長)
原価計算システムに限っているわけではなく、企業会計システムも対象にしているが、全てを網羅できない。

(東海委員)
制度調査の対象になる契約の範囲はどうなるのか。

(事務局)
基本的には防衛庁と一般確定契約している企業全部である。

(東海委員)
一般論として、国と民間企業が契約する場合、事前に了解し成立するものであり、成立後の原価と見積書の原価が一致することは皆無である。そういう状況を過払いというのは企業にとっては大変な状況である。

(事務局)
一般確定契約の場合は、契約当初、金額が決定されるが、契約前に出された過去の実績に踏まえた見積書に不正があると、それを元に原価計算を行い契約することになるので問題である。

(調本原1副本部長)
見積書と契約後の原価に差が出ることは問題にしていない。しかし、見積書を信用して予定価格を算定し契約しているので、見積書に虚偽がある場合は問題になる。

(東海委員)
過払いの定義は?何と何の差なのか。

(事務局)
実績よりも多めの虚偽の見積書が提出され、契約して支払ってしまった場合、その支払額と真性の価格の差が国からみれば過払い、企業からみれば過大請求になる。

(東海委員)
実績がない場合は?

(調本総務副本部長)
実績がないもので金額の大きい場合は監査付契約にする。過払いとは、正当な見積書と契約後の実績の差をいうのではなく、見積書自体に不正がある場合と認識している。

(事務局)
一般確定契約では見積書に不正があった場合、監査付契約では精算時に不正があった場合を過払いとしている。

(座長)
法律でいう不当利得は、やむを得ず生じた場合と、虚偽で生じた場合があるが、この場合は意図的なものということである。

3. 「資料等の保存について」に関する質疑応答

(吉野委員)
5年とあるが、全ての資料について5年なのか?企業に過度な負担を与えるのはどうか。どの範囲の資料なのか明確にすべきである。保存年限は5年が適当だろう。起算点は支払いが終了した年の次の1月1日だろう。

(座長)
いずれにしても保存資料の範囲、期限、起算日等を明確にする必要がある。

4. 「不適切な資料提出に対する制裁措置」に関する質疑応答

(座長)
米国の制度は通用しないという最高裁の判例もあり、ここにあるとおりでよいだろう。この場合、債務不履行であり、いかなる債務に違反したのかが問題になる。

(東海委員)
一般的に違約罰は過払額の10%では意味がない。また、水増しの認定についても、どこで虚偽の水増しと判断できるのか。税法上でも、税務署と企業の考え方は違う。

(事務局)
違約罰は、裁量の余地を残さず、10%なら10%と明確にしたい。なお、現在、政府調達で行われる制裁措置は取引停止のみである。

(前田委員)
省庁間で整合性を持たせるべきであり、防衛庁だけ罰則を設けるのはおかしい。

(事務次官)
合理性さえあれば、必ずしも省庁間で整合性をもたせる必要はないのではないか。

(座長)
過払の定義を明確にして、違約罰を定めるという方向でどうか。

(吉野委員)
提出する書類は事実に基づくものでなければならない、虚偽記載をしてはならないとどこかに明記してあるのか。

(調本総務副本部長)
現状は、信義則の問題であるので明記していない。

(吉野委員)
米国の場合は虚偽の申請は認めない旨の規定があるが、政府調達の場合も明記すべきか否か検討する必要があると思う。

(東海委員)
当事者の一方が過払いと判断するのは危険である。第3者機関のような組織の認定が必要とも考える。

(事務局)
第3者機関がどこまで責任を負えるかという問題もある。

(座長)
制裁措置は必要ではあるが、定義を明確にすることが必要である。

5. 「民間企業における倫理規定の整備」に関する質疑応答

(前田委員)
倫理規定はもともと企業にあるのではないか。

(事務局)
一般的な規定はあるが、防衛産業に限った規定はない。

(装備局長)
社内規定だから官側が作るものではないが、米国の例もあり、今の社内規定で十分か問題提起する意味もある。

(東海委員)
今まで社内規定があったとはいえ、守られていないのだから、「防衛調達改革の基本的方向」にあるように防衛庁側から注意喚起する意味で必要だろう。

(座長)
検討会としては、「防衛調達改革の基本的方向」の線でいくこととしたい。

6. 原価計算研究会について

(東海委員)
加工費率と総利益率の検討ということは原価計算の大部分を検討することであり、最後の検討会までにこの問題を詰めて修正するのは時間的に厳しい。あくまでも基本的な問題の解決にとどめたい。注意しなければならないのは、ここでいう原価計算とは、あくまでも契約行為の中の原価計算(落札価格の最高制限価格)であり、企業でいう原価計算(製品を製造する上での原価計算)と区別して議論すべきである。

(装備局長)
3月までにまとめるのは、加工費率と総利益率の中の問題がある部分にとどめることとし、根本的な問題の解決はできないだろう。

(東海委員)
予定価格訓令では、市場価格方式を原則とし、例外として原価計算方式によるとされており、さらに随意契約とか、確定契約、監査付契約との組み合わせによりどうなるのかという裁量の部分が明確でない。どのような時に原価計算方式になるのか判断の基準を明確にすべきである。
多種にわたる業種にはそれぞれ原価計算があり、企業は民需も含めた原価計算システムを持っており、防需だけ予定価格訓令に合わせるのは無理がある。企業の業種別原価計算の現状も研究する必要がある。

7. 日程調整
次回は、2月22日(月)10:00~

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