第5回 防衛調達制度調査検討会 議事概要


日 時:平成11年1月19日(火)10:30~12:30
場 所:防衛庁本館2階第1庁議室
出席者:
(委 員) 川井座長、東海、西口、前田、吉野各委員
(防衛庁) 野呂田防衛庁長官、浜田防衛政務次官、江間防衛事務官、太田調達実施本部長、守屋官房長、及川装備局長、小林参事官野津調達実施本部副本部長、松井管理課長
(防衛産業) 西岡 経団連・防衛生産委員会総合部会長
伊藤 日本航空宇宙工業会航空機産業基盤検討委員会委員長
中西 日本造船工業会企画委員会副委員長
立光 三菱電子システム事業本部副事業本部長
(日本防衛装備工業会)
議事概要
1.  川井座長から本日の議題について説明があった後、事務局より、以下について、資料に基づき説明。
 「調達改革の具体化-当面の措置-」(資料1)
 「防衛調達適正化経費」(資料2)
 「取得改革の予算への反映について」(資料3)
2.  議題の一つである「防衛調達改革に対する産業界からの意見聴取」において、防衛産業4団体から概略、以下のような意見があった。
【経団連】
 今回の事案を大変憂慮している。あくまでも今回は特異な事例と認識しているが、調達制度の改革に官側と共に取り組むこととしたい。なお、施策の決定にあたっては、防衛産業界の意見を取り入れる体制にしてもらいたい。
 企業側に負担を及ぼすような施策については、事前に産業界側の意見を取り入れる検討体制を整備してもらたい。
 現在、防衛産業界は、取得改革の方針を踏まえ、合理化努力を進めているところである。今回の改革により、企業側に重複作業が発生して業務量が増大することがないようにしてもらいたい。
【航空宇宙工業会】
 改革施策が企業側のコスト増、業務量の増大につながるようなことは極力避けてほしい。
 競争原理を強化するとの方針については、産業基盤の維持・育成の観点に配慮し、とりまとめられるようお願いする。
【日本造船工業会】
 改革施策を推進する際、調達の合理化、簡素化に逆行することは是非とも避けて頂くとともに、企業側に改革に対応する経費が発生する場合には特段の配慮を頂きたい。
 防衛庁側と産業界側の考え方を調整する場が必要である。
 改革においては、競争原理を高めて経済性だけを追求しすぎると、安全保障上の要請に対応した健全な艦艇の技術・生産基盤を弱体化させる可能性が否定できない。今後調達改革を実施していくに当たっては、技術・生産基盤の維持・向上に支障がないよう配慮してほしい。
【日本防衛装備工業会】
 防衛調達の公正性・透明性に力点が置かれすぎていることから、防衛上の観点と両立させて検討をすすめていくべきである。
 市場が国内のみに限定されているという我が国の防衛産業の特殊性を踏まえ、抜本的な改革に取り組んでほしい。
3. 引き続き、「欧州調査」について事務局より報告した後、西口委員から以下のような補足説明があった。
【西口委員】
 米国を含め欧州3ケ国の防衛調達制度を視察した結果、懲罰から動機付けという大きな流れがあると思われる。調達に関する諸々の動機付けの諸制度、例えば減価提案制度、プロフィットシェアリング、コントロール機構(サプライヤーの格付け)等は競争の激しい民間の諸産業において開発されたもので、世界中に広まっている。具体的には、トヨタ生産方式がある。一方、これを政府調達、とりわけ防衛調達という一見保守的な分野で実際に生かせることができるのかといえば疑問であった。
ところが、我々が調査した英、米、仏、独では、こういった動機付けへの諸々の諸制度を取り入れ、活用することが十分可能であるばかりでなく、既に行われていた。政府調達において、どのようなリーダーシップがこのような改革をもたらしたのかというと政府の主導、政治によるリーダーシップである。英米では、PFI(Private Finance Incentive)、政府調達に関する動機付けの機構というものが機能しつつある。その思想的背景となっているのは、米の場合は、ゴア副大統領が打ち出した「政府を再発明する」という文書で見られるように、「法律の禁止的解釈をより柔軟で運用的な解釈に」という基本的精神である。その一環として米国防総省においては、規制を排除し、民間のIncentiveを高め、企業精神を発揮してもらうことを目指している。
英国では、保守党のサッチャリズムからメージャー政権に受け継がれた民営化の波を労働党政権のブレア政権がさらに押し進めている。かつて労働党といえば国有化以外に考えられなかったが、今はブレア政権が民営化を押し進めており、英国の防衛調達庁(PE)がまもなく民営化(エージェンシー)される。
日本においても、小渕首相が昨年度の臨時国会の所信表明で打ち出したバーチャルエージェンシーがある。省庁の縦割り行政を首相のリーダーシップで各省庁からメンバーを集めて短期間で結論を出してしまう、ということが政治の主導で始まっている。
したがって、防衛調達品のプロジェクトチームを適用して企業にも参加してもらって動機付けのメカニズムを盛り込み、より良いモノをより安く早く調達すべきであると思われる。これは、神話上の話ではなくて、英、米、仏で既に一部は実験的、一部は長年恒常的なものとして行われているので私達としてもすぐに始める必要がある。
4. 西口委員の説明を受け、東海委員より以下のようなコメントがあった。
【東海委員】
 過去に建設業のあり方について英米独を調査した時に思ったことと同じことがこの報告書の中に盛り込まれている。調達の基本というべき予定価格の算定の際には、コストエンジニアリング、もう1つはコストアカウンティングという2つの機能が必要であることを制度化すべきである。特にどちらが重要かというと、発注者側で調達の予定価格を決める際には、本質的にはエンジニアリングである。これを裏打ちするものがアカウンティングである。日本ではこの仕組みが逆になっている。日本は、実際価格がどれくらいかかったのかが問題であり、これがコストだという制度になっている。そこに予定価格論のあり方というものを考え直すべき問題が含まれているということを今回の欧米の調査で指摘したい。
5.  続いて、「規格・仕様書の見直し及びインターネットによる開示」及び「企業に対する審査能力・体制(監査法人・公認会計士の活用による企業の制度調査・特別調査の促進)」について事務局より資料に基づき説明。特に意見はなかった。
6.  次回は2月2日(火)15:00~
(了)

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