(資料9)

我が国の防衛技術の分野別概況

 航空機
 支援戦闘機F-1、中等練習機T-4等の開発の実績を有するとともに、支援戦闘機F-2の日米共同開発を先頃終了したところであり、主翼の一体成形複合材適用や先進搭載電子機器等の採用など先進技術を結集しているが、米国等諸外国の最先端の主力戦闘機技術と比較すると依然として格差がある。
 輸送機C-1の開発、対潜飛行艇PS-1の開発、高バイパス比ファンエンジンの研究、哨戒機用ミッション・アビオニクス・システムの研究などの大型機関連技術の研究開発の経験を有しており、一定の技術水準にある。
 観測ヘリコプターOH-1の開発実績を有しており、一部の技術については、諸外国の最先端レベルに比肩しうる。
 無人機関連の要素技術については、一定の技術水準にあるが、米国等の技術水準と比較すると格差がある。
 航空機開発は、広範な技術分野をシステムとして取りまとめる必要があるが、我が国では、機体、エンジン、アビオニクス等の航空機全体システムのインテグレーションの経験及び機会が少ない。
 誘導武器
 誘導武器は、FMSやライセンス国産を中心に整備され、従来、主として米国技術に依存。
 近年、我が国の電子機器技術(自動制御技術、通信技術等)、機体構造技術等民用の幅広い分野の最先端技術を応用し、また、IR、ミリ波センサー技術等において独自の研究開発を進めつつ、長射程以上の対空ミサイルを除き、概ね国産技術による生産に移行しつつある。
 通信電子機器
 指揮システム及び通信器材については、民間のコンピューター及び通信技術を利用して製造可能であり、その技術は世界でもトップクラスであるが、軍事運用面での経験不足によりシステム化技術については米国の技術が必要。また、データリンクについては、独自運用のものは国内で製造可能であるが、米国との相互運用性が必要なものはノウハウの蓄積ができるまで輸入に依存。
 レーダー関連の装備品については、長年培った技術力をもとに、国内でも我が国の国土国情に合ったレーダーを製造可能。
 赤外線関連技術については、既存の技術をもとに、ある程度のレベルであれば、国内で対応可能であるが、米国の技術と比較すると依然として格差が見られる。
 火器・戦闘車両
 従来、各種の銃や火砲等は、ほとんどライセンス技術に依存してきたが、11年度から国産の99式155mm自走りゅう弾砲の量産化に入るなど火砲の一部について国内の技術レベルは向上している。
 戦闘車両については、我が国の国産技術が主体であり、弾薬の装填技術等先進諸国に劣らない技術水準にある。
 艦艇
 国内の優れた商船建造技術をベースに船体建造技術は世界的に見ても高い水準であるが、システム・インテグレーション技術、ステルス技術等については、欧米に比較して格差が生じつつある。
 艦艇の装備品のうち、ガスタービンエンジン、搭載武器については、欧米からのライセンス導入技術によるものがほとんどであり、特にイージス装置等最新鋭の武器については完成品輸入が多い。
 潜水艦、特に船体構造技術、及び掃海艦艇の装備品については、国産技術によるものが多い。
 弾薬
 弾薬については、ライセンス導入によるものが中心。
 155mmりゅう弾砲用のベースブリード弾等、一部先進諸国の水準に達しているものあり。
 その他
 通信秘匿技術については、保全上の理由から諸外国の動向は明確でないが、一般的には理論や実用化に向けた研究の進展が著しい分野であり、我が国でも暗号強度の増大等の技術動向に応じた技術の蓄積を行っている。

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