防衛産業・技術基盤研究会 第3回議事要旨

日 時: 平成12年10月11日(水)10:00~12:00
場 所: 防衛庁A棟13階第2庁議室
出席者: 唐津座長、伊奈委員、亀井委員、志甫委員、武井委員、南条委員、増田委員、高島委員代理
議題 ・情報RMAについて
・重点技術分野の選択及び装備品の取得方法に関する考え方について
・日米共同研究開発等装備・技術交流の推進について
・防衛技術の波及効果及び民生品・民生技術の活用について
・航空機の日米共同研究開発について
 議事概要
 情報RMAについて防衛庁防衛局防衛政策課青木研究室長より、重点技術分野の選択及び装備品の取得方法に関する考え方及び日米共同研究開発等装備・技術交流の推進について長岡管理課長より、防衛技術の波及効果及び民生品・民生技術の活用について柴生田航空機武器宇宙産業課長より、航空機の日米共同研究開発について武井委員より、それぞれの資料に基づき説明があった後、自由討議が行われた。その際委員から出された主な意見は以下のとおり。
 RMAの検討を早く開始し、アメリカのレベルと揃えていかないと共同運用の支障となるシステム格差が広がってしまう。
 アメリカには技術評価を行ってRMAのようなものを研究する能力をもった国防省や連邦政府等に専属のシンクタンクがある。日本でも同じようなチームを作るべき。
 RMAは全体システムの問題なので戦略が必要。RMA戦略室のようなものが防衛庁に必要なのではないか。日本には軍事戦略に関するシンクタンクはないが、IT革命のビジョンをつくる委員会のようなものが必要ではないか。
 
上記意見に対して、官側より以下のとおり補足説明を行った。
 RMAは、防衛力整備の考え方をある意味で大きく変える可能性がある。技術オリエンテッドという側面が非常に強く、防衛産業の方から技術的にこういうことができるという提案が出しやすいことから、現実に事業化しうる余地も出てくると考えられる。情報RMA推進の可否については、国民の納得を得られる予算の範囲内で、日本の状況に適したRMAの進め方を詳細に検討した上で意思決定をすべき大きな問題であり、これは、防衛庁全体のシステムの在り方に関わる問題である。情報の共有化や精密誘導兵器を中核としたRMAの装備体系と、防衛力整備の整合性を多元的に検討した上でないと、防衛庁として情報RMA化していくという決断は困難であろう。現在はまさに出発点の段階である。
 装備品の調達等においても、情報通信分野のウェートが大きくなる。防衛庁が、なるべく早くその研究を進めて方針を決め長期的な方向を産業界に示せば、産業界の方も速やかな対応ができるのではないか。
 
 RMAは是非を論ずるまでもなく必然。RMAから連想されるのはミサイル防衛だが、これについては、中国が軍拡を招くという批判をしている。RMAによって組織や人を減らすという意味では軍縮だが、予算が増えるという意味では軍拡になるかもしれない。
 F-2の共同開発の問題について、米の既存の技術を基に開発すると開発完了時には10年から20年遅れてしまう。運用構想の段階から一緒にやらないと、対等な関係にはならない。輸入するという選択肢も含め、長期的な展望をもって、国民のその時点での一定程度の納得と了解をとってやっていくことが大事。また、自己技術を蓄えておくことの意味について、仮に米側からの圧力に対するバーゲニングパワーとするならば、そういう検証も必要。
 F-2の共同開発については、単独開発よりも割高な共同開発だった。輸入するという選択肢もありえた。技術基盤の維持を念頭におくならば、その意味において産業政策の問題であり、通産省の予算でやるべきだったのではないか。
 F-2の導入を考えたのが80年代の終わりであり、この時期には、防衛白書の中で盛んに極東ソ連軍の増強ということを書いていた。北海道に着上陸侵攻したソ連軍を上から叩くためにF-2が必要だということだったが、実際に導入された2000年には、そのような事態にはなっていない。こう考えると、F-2は本当に必要だったのか。F-2の必要性についての説明振りを時代に合わせて変えているとすれば、今、こうだと説明していても、将来は違うというようなことになりかねない。
 日米安保があるので、日本は、アメリカのスタンダードに合わせる必要があるが、防衛産業は、基本的に、第一原則は国産、次の原則として費用最小化の原則がある。基本的なところは国産技術で押さえるべき。
 我が国技術基盤の強みと弱みの正確な把握、重点技術分野の明確化をどこでどのようにすべきか考えていく必要がある。
 アメリカの場合では競争力委員会が技術評価をやっているが、日本にはそういう組織がない。国として考えるべき。
 使用者の立場がまず基本にあり、少し古い技術でも十分専守防衛に使えるのか、使えないのかを判断することが大事。
 重点技術分野の方向性の明確化、国産化すべき装備技術の明確化が必要。
 
上記意見に対して、官側より以下のとおり補足説明を行った。
 防衛庁としては、国産、ライセンス生産、輸入、それぞれのメリットとコストを比較衡量して総合的に考えていく必要がある。他方で、防衛産業・技術基盤を維持することは、やはり防衛上の必要性がある。いずれにしても、選択する際の手続、理由をある程度明示してクリアにしていくことが必要。
 民需面での産業基盤整備のための研究開発については、通産省としても、例えば、航空機分野で努力している。
 防衛分野での基盤技術の蓄積については、それを限られた防衛予算の中でどのように振り分けていくかということが重要。
 F-2はソ連がなくなったから不必要というわけではない。アジアの安定、国際社会の安定のために、我が国がそれなりの力を備えて空白を作らないという努力は必要。航空機を導入しようとしてから戦力化するまで10年以上はかかる。10年、15年先の国際情勢は不確実なので、ある程度先を見越してどのような状態にも備えられるよう準備をしていくことが必要。真実がいくつかある中で、時代背景に合わせ、国民の皆様に理解していただけるよう説明している。
 
 防衛装備品に民生技術を活用する観点からも、デュアルユーステクノロジーに関して、世界最先端をいってる日本の民生技術を調べられないか。
 諸外国並に研究開発費が増えればもっと防衛技術の研究開発ができる。日本の防衛産業はかなりの技術を持っていて、かなりの装備品を国産化できるというある程度の自信がある。民間では軍事技術を目的とした研究開発はやっておらず、先端技術を網羅的に調べるのは難しい。防衛庁からニーズがあれば、それに真剣に対応するということである。
 日本ではいいアイディアがあっても、いろんなしがらみがあって潰してしまうが、こういうことが今後なくなれば国防にも役立つのではないか。
 日本は武器輸出三原則等によって武器を外国に売れないが、技術実証型研究の成果でビジネスシステム特許をとるという方法があるのではないか。
 
上記意見に対して、官側より以下のとおり補足説明を行った。
 技本では、デュアルユーステクノロジーについても研究をしていて、非冷却の赤外線センサーを装備品の方に応用することなどもしている。技術動向の調査も行っているが、広範な技術全部を調査するのはなかなか難しいので、軍事技術が中心となっている。
 民間の方から新しい技術を防衛庁にもっと積極的に提案し、防衛庁も問題意識を持って対等な立場で考えていくべき。
 民間の技術提案によりデュアルユーステクノロジーを活用していくためには、官民双方にメリットがあるような仕組みを検討していく必要がある。
 次回の日程
 次回は11月8日(水)に開催することとなった。
以上
(速報であり、今後、変更する可能性あり。)
(文責:防衛産業・技術基盤研究会事務局)

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